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第3章 羽ばたきの先にあるもの
第40話 トウモロコシ
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アメジスト商会での出来事から数日たった今日は休日だ。
露店は3日働いて1日休む事にしている。
休みといっても露店で売る新しい料理の試作や、ドワーフの親方さんと打ち合わせしたりとなかなか忙しい。
そんな今日は新しく売ろうと思っている『肉まん』の試作をしてる最中だ。
薄力粉、イースト、塩、砂糖、ベーキングパウダーに、ぬるま湯をいれて混ぜる
生地が綺麗に纏まってくればOKだ!
後は生地が乾燥しないように、濡れ布巾をかけて生地が膨らむのを待つ。
待ってる間に中の餡を作っておく。
定番の豚肉は勿論だけど、ゴロッと大きめの肉を入れて作ったミートソースや、甘さ控えめのあんこを入れた甘いのも作ってみた。
とりあえずこれらを試食して評判の良いものを採用して売ろうと思っている。
それで今は膨らんだ生地で餡を包んでいるんだが、肉まん特有のあのヒダヒダが出来ん!
めっちゃムズイ!
元世界にあった某有名肉まん屋では、新人研修でひたすら肉まんを包む作業をするくらいには難易度が高いんだろう。
素人の俺には難しいのは分かったから、肉まんのヒダヒダは断念して普通に丸く包むだけにしたら、見た目は完全に饅頭になってしまった。
元世界だったらヒダヒダの無い肉まんは売れないかもしれんけど、この街の人達には初めて見る食べ物だから問題は無いだろう。
「ダンナァ今日は何作ってるのぉ~?」
「ケイトか、今日は肉まんだよ」
「肉まん?その白パンが肉まんになるの?」
「肉まんになるっていうか、すでに肉まんなんだが、、、それより白パンって貴族が食べるパンだろ?そもそも白パンって何なんだ?」
「白くて柔らかいのが白パンじゃないの?」
「へぇー、わりといい加減な定義なんだな。肉まんは焼かずに蒸すからスゲェー柔らかくなるんだ。だから期待しててくれ」
「マジかよ!ダンナがそこまで言うんだから相当期待出来るね♪」
◇ ◇ ◇
俺はケイトと2人でキャラバンシティの街中を散歩をしている。肉まんはどうしたって?
最初は試作だからって事でケイトに見られながらも1人でひっそりと作ってたんだけど、そりゃあ他のみんなに見つかるよね
試食用にみんなには1個ずつで作ればいいかなと思ってたんだけど、何故かニィナがヤル気を出して練習も兼ねて沢山作るって言うし
俺も疲れたから肉まん作りはみんなに任せてケイトと街中を散歩している。
だがしかし
街を散歩してるが観るものが無い!
そもそも楽しむ為に街を観る『観光』って考えが無いんだから当然か
とりあえず今まで行った事が無い裏通りをブラブラしてみる事にした。
むむっ!
表通りには見なかった種類の野菜や、用途の分からない道具を扱っている店があるではないか!
わざわざ裏通りに来るのは地元の人や商人くらいだろうし、業者向けの問屋街って感じか?
そんな店の中で、芯から外された状態の乾燥させたトウモロコシを扱う店を発見した。
もしあのトウモロコシが爆裂種ならポップコーンが作れるんだけどなぁ
元世界でもポップコーンは簡単に作れて旨いから、かなり昔からあったみたいだし、油と塩があれば作れるから材料の入手も簡単だ。
とりあえずお店のおっちゃんに聞いてみよう!
「こんにちは、ねぇおっちゃん、これってトウモロコシだよね?」
「ん?トウモロコシかは分からんが俺達はモロコシって呼んでるぞ、地域によって名前が違うのはよくあるからな」
「へぇー、ちなみにそのモロコシって他に種類があるかどうか知ってる?」
「種類?モロコシはモロコシしか無いだろ。いや待てよ、前に柔らかいモロコシで家畜を育ててるってヤツがいたような、、、」
「じゃあここにあるモロコシは固いの?」
「う~ん、俺はこれしか知らんからなぁ、柔らかいとか固いとかは分からんな」
他より固いなら爆裂種の可能性ありだが、仮に爆裂種じゃなくても、粉にして何かしら料理に使えるから買っても無駄にはないな。
「おっちゃんこれ1袋幾ら?」
「おう、買ってくれるのか。1袋銅貨2枚だ」
安っ!1袋10キロくらいありそうなんだけど
「じゃあさ、ここにあるの全部貰っていいかな?」
「そりゃあ構わんが持って帰れるのか?」
「収納があるから大丈夫だよ、じゃあこれ20袋で銀貨4枚ね」
俺はトウモロコシが入った袋を次々に収納に入れていく
「こりゃスゲェ!収納スキルなんて初めて見たけど便利なもんだな。なぁ兄さん、報酬は弾むからウチで働かないか?」
「悪いけどこう見えても忙しくてさ、じゃあね」
「よかったらまた来てくれよ、兄さんなら安くしてやるからさ」
いきなり商品が完売したからだろう、おっちゃんはホクホク顔だ。
「ねぇダンナ、餌をそんなに買って何か飼うの?」
「飼わないよ、ケイトはモロコシ食った事無いのか?」
「流石に餌を食う奴はいないよ、ダンナはそれ食う為に買ったの?!」
「勿論だ。上手く行けばおやつとして手頃な値段で大量に売れるからな」
「ダンナが言うなら本当なんだろうけど、、、」
流石のケイトもこの状態のトウモロコシが美味しくなるとは思えないらしい
この世界じゃ家畜の餌だし今はただの固いだけの実だからな。
たがしかし
トウモロコシの底力を見せてやるぜ!
ふははははは♪
つづく。
露店は3日働いて1日休む事にしている。
休みといっても露店で売る新しい料理の試作や、ドワーフの親方さんと打ち合わせしたりとなかなか忙しい。
そんな今日は新しく売ろうと思っている『肉まん』の試作をしてる最中だ。
薄力粉、イースト、塩、砂糖、ベーキングパウダーに、ぬるま湯をいれて混ぜる
生地が綺麗に纏まってくればOKだ!
後は生地が乾燥しないように、濡れ布巾をかけて生地が膨らむのを待つ。
待ってる間に中の餡を作っておく。
定番の豚肉は勿論だけど、ゴロッと大きめの肉を入れて作ったミートソースや、甘さ控えめのあんこを入れた甘いのも作ってみた。
とりあえずこれらを試食して評判の良いものを採用して売ろうと思っている。
それで今は膨らんだ生地で餡を包んでいるんだが、肉まん特有のあのヒダヒダが出来ん!
めっちゃムズイ!
元世界にあった某有名肉まん屋では、新人研修でひたすら肉まんを包む作業をするくらいには難易度が高いんだろう。
素人の俺には難しいのは分かったから、肉まんのヒダヒダは断念して普通に丸く包むだけにしたら、見た目は完全に饅頭になってしまった。
元世界だったらヒダヒダの無い肉まんは売れないかもしれんけど、この街の人達には初めて見る食べ物だから問題は無いだろう。
「ダンナァ今日は何作ってるのぉ~?」
「ケイトか、今日は肉まんだよ」
「肉まん?その白パンが肉まんになるの?」
「肉まんになるっていうか、すでに肉まんなんだが、、、それより白パンって貴族が食べるパンだろ?そもそも白パンって何なんだ?」
「白くて柔らかいのが白パンじゃないの?」
「へぇー、わりといい加減な定義なんだな。肉まんは焼かずに蒸すからスゲェー柔らかくなるんだ。だから期待しててくれ」
「マジかよ!ダンナがそこまで言うんだから相当期待出来るね♪」
◇ ◇ ◇
俺はケイトと2人でキャラバンシティの街中を散歩をしている。肉まんはどうしたって?
最初は試作だからって事でケイトに見られながらも1人でひっそりと作ってたんだけど、そりゃあ他のみんなに見つかるよね
試食用にみんなには1個ずつで作ればいいかなと思ってたんだけど、何故かニィナがヤル気を出して練習も兼ねて沢山作るって言うし
俺も疲れたから肉まん作りはみんなに任せてケイトと街中を散歩している。
だがしかし
街を散歩してるが観るものが無い!
そもそも楽しむ為に街を観る『観光』って考えが無いんだから当然か
とりあえず今まで行った事が無い裏通りをブラブラしてみる事にした。
むむっ!
表通りには見なかった種類の野菜や、用途の分からない道具を扱っている店があるではないか!
わざわざ裏通りに来るのは地元の人や商人くらいだろうし、業者向けの問屋街って感じか?
そんな店の中で、芯から外された状態の乾燥させたトウモロコシを扱う店を発見した。
もしあのトウモロコシが爆裂種ならポップコーンが作れるんだけどなぁ
元世界でもポップコーンは簡単に作れて旨いから、かなり昔からあったみたいだし、油と塩があれば作れるから材料の入手も簡単だ。
とりあえずお店のおっちゃんに聞いてみよう!
「こんにちは、ねぇおっちゃん、これってトウモロコシだよね?」
「ん?トウモロコシかは分からんが俺達はモロコシって呼んでるぞ、地域によって名前が違うのはよくあるからな」
「へぇー、ちなみにそのモロコシって他に種類があるかどうか知ってる?」
「種類?モロコシはモロコシしか無いだろ。いや待てよ、前に柔らかいモロコシで家畜を育ててるってヤツがいたような、、、」
「じゃあここにあるモロコシは固いの?」
「う~ん、俺はこれしか知らんからなぁ、柔らかいとか固いとかは分からんな」
他より固いなら爆裂種の可能性ありだが、仮に爆裂種じゃなくても、粉にして何かしら料理に使えるから買っても無駄にはないな。
「おっちゃんこれ1袋幾ら?」
「おう、買ってくれるのか。1袋銅貨2枚だ」
安っ!1袋10キロくらいありそうなんだけど
「じゃあさ、ここにあるの全部貰っていいかな?」
「そりゃあ構わんが持って帰れるのか?」
「収納があるから大丈夫だよ、じゃあこれ20袋で銀貨4枚ね」
俺はトウモロコシが入った袋を次々に収納に入れていく
「こりゃスゲェ!収納スキルなんて初めて見たけど便利なもんだな。なぁ兄さん、報酬は弾むからウチで働かないか?」
「悪いけどこう見えても忙しくてさ、じゃあね」
「よかったらまた来てくれよ、兄さんなら安くしてやるからさ」
いきなり商品が完売したからだろう、おっちゃんはホクホク顔だ。
「ねぇダンナ、餌をそんなに買って何か飼うの?」
「飼わないよ、ケイトはモロコシ食った事無いのか?」
「流石に餌を食う奴はいないよ、ダンナはそれ食う為に買ったの?!」
「勿論だ。上手く行けばおやつとして手頃な値段で大量に売れるからな」
「ダンナが言うなら本当なんだろうけど、、、」
流石のケイトもこの状態のトウモロコシが美味しくなるとは思えないらしい
この世界じゃ家畜の餌だし今はただの固いだけの実だからな。
たがしかし
トウモロコシの底力を見せてやるぜ!
ふははははは♪
つづく。
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