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第9章 新たなる旅立ち season2
第270話 宿場町ケバルライ
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旅初日から『パイナン・テターベルモ・ンジャネー』というナメクジのような魔物に遭遇するというハプニングがあったけれど
本日の目的地である宿場町ケバルライに無事到着した。
サダルスウド侯爵領である宿場町ケバルライは以前はオフューカス子爵領だった。
子爵領だった時は、宿屋と屋台があるだけのいわゆる何処にでもある普通の小さな宿場町だったらしい
しかし、砂糖が市場に出回るようになった今ではケバルライの周辺は砂糖の一大生産地として有名になり、砂糖を求めて国内外から人がやって来るのでとても賑わっている。
砂糖が市場に出回る前は、今は亡きオフューカス子爵が砂糖の利権を独占していて、砂糖のつくり方も完全に秘匿されていたのだが
その時にオフューカス子爵の命令で密かにサトウキビの栽培や砂糖を実際に作っていたのが、宿場町ケバルライや周辺の山村に住んでいた人達だ。
後にトラサンダー氏が砂糖の製法を無償公開したおかけで秘匿する意味が無くなり、他の地域で砂糖が大量生産されて値が下がる前に砂糖をたくさん売りたい農家の人々
ここで砂糖を仕入れて他の地域で高値で売りたい商人等々、ひと財産築こうとする人達が集まり活気で溢れている。
「ねぇおにいちゃん、今日はこの町で1泊するのは聞いてるけど、この賑わいだと宿はいっぱいじゃない?」
「心配無用だよメリル、宿泊場所はこの町の商業ギルドが用意してるはずだし、俺達が今日来るってのは事前にミリーさんが連絡してるから」
「やっぱ大商会の会長は違うね♪あたしらだけだったら町の外で野宿だよ」
「ははは、まぁそんな所だな。適当に町を見ながら商業ギルドに行くか」
ケイトの言う通り、池田屋商会の会長である俺はこの町では特別待遇だ。
ケバルライを『宿場町』から『街』に昇格させたい商業ギルドの思惑に乗っかったからな♪
『街』にするには商業ギルドと冒険者ギルドがある事が大前提で、その他にも細かい条件が色々あるのだが
『街』になれば派閥争いやら利権争いやらで有利になるらしい
俺からしたら面倒事が増えるだけでメリットなんて皆無だけど、政にはそういう事が必要なのだろう。
宿場町ケバルライに関する諸々の事は本来商業ギルドの機密情報なんだけど、ミリーさんから事前にこっそり教えられて、よければ幾つか砂糖を使ったレシピを登録して欲しいとお願いされている。
キャラバンシティの商業ギルドマスターとしてのミリーさんが、旅に出る俺達をケバルライで1泊するように説得して、ケバルライの商業ギルドマスターがレシピ登録の交渉を担当する事になっている
ケバルライの商業ギルドとしてはビッグビジネスのチャンスであり、俺との交渉は絶対に成功させなければならない重大案件だ。
というような裏事情は交渉相手である俺に知られてはいけないんだけど、本来商業ギルド側にいるはずのミリーさんは俺達の家族だからな
その辺の優先順位がこちらにあるのは仕方ない(笑)
勿論どうするかは俺の自由だけど、サダルスウド侯爵領になった今なら、ゲオルグ様に恩も売れるしでレシピの2~3個は登録しても良い
その為にも屋台や飲食店を見てこの町の料理レベルを確認しないとな
みんなでぞろぞろ歩きながら屋台や、通り沿いに布を広げて商品を並べてる露店を見て廻る
露店ですら砂糖を売ってる奴が居るのには驚いたけど、さすが砂糖の生産地だけあるって事か
森に降りた時から俺の背中にずっと居るスミレを見ると、しきりに鼻をくんくんさせて匂いを嗅いでるから美味しい食べ物があるのかと期待したけど
どうやら気になる食べ物は無いっぽい、そりゃあ肉か野菜を塩をふって焼いてるだけの店しか無いもんな
「ねぇダンナ、あのパン美味しいかな?」
ケイトが見つけた屋台を見ると、おっちゃんがザラメっぽい結晶の大きな砂糖をパンにまぶしているではないか!
ザラメがあるなら欲しいなぁ
「よし、買って食べてみるか。おっちゃんそのパン2個ちょうだい」
「おっ!美人を引き連れた兄さんお目が高いね、ウチの砂糖パンは貴族様も買って行った事があるんだ♪」
「へぇー、そりゃ凄いな!それで幾ら?」
「2個で銀貨1枚だ!」
「はい、銀貨1枚ね」
「まいどありー♪」
とりあえず文句は言わずに金を払ったけど、はっきり言ってたけぇーよ!
その辺で売られてる砂糖の値段を見たから、高いのは分かってたけどさぁ
砂糖1キロ銀貨5枚だもの、約5千円とすると元世界の砂糖の10~15倍くらいの値段といったところか?
砂糖1グラムで5円だから、パン1個に砂糖約20グラムを使用したと仮定すれば、砂糖パン2個で銀貨1枚は良心的な値段かもしれない
なんにしても砂糖その物の値段を下げる必要があるのは確定だな。
とにかく買ったパンを試食しよう、それぞれ3等分にカットしてみんなに配る
「いただきまーす」
「「「「「いただきまーす」」」」」
ふむふむ、砂糖もパンもそれなりに旨いけど一緒に食べる意味は無いかな、パンが味気無さ過ぎて砂糖が溶けて無くなると、なんだかなぁ
せめてジャムでも挟んであればもっと美味しいのに勿体無い。
砂糖不使用のジャムはレシピ登録していて貴族の間じゃ人気のはずなんだけど、平民にまで普及するのは時間がかかるのかもしれん
とりあえず商業ギルドへ
れっつらごー♪
つづく。
本日の目的地である宿場町ケバルライに無事到着した。
サダルスウド侯爵領である宿場町ケバルライは以前はオフューカス子爵領だった。
子爵領だった時は、宿屋と屋台があるだけのいわゆる何処にでもある普通の小さな宿場町だったらしい
しかし、砂糖が市場に出回るようになった今ではケバルライの周辺は砂糖の一大生産地として有名になり、砂糖を求めて国内外から人がやって来るのでとても賑わっている。
砂糖が市場に出回る前は、今は亡きオフューカス子爵が砂糖の利権を独占していて、砂糖のつくり方も完全に秘匿されていたのだが
その時にオフューカス子爵の命令で密かにサトウキビの栽培や砂糖を実際に作っていたのが、宿場町ケバルライや周辺の山村に住んでいた人達だ。
後にトラサンダー氏が砂糖の製法を無償公開したおかけで秘匿する意味が無くなり、他の地域で砂糖が大量生産されて値が下がる前に砂糖をたくさん売りたい農家の人々
ここで砂糖を仕入れて他の地域で高値で売りたい商人等々、ひと財産築こうとする人達が集まり活気で溢れている。
「ねぇおにいちゃん、今日はこの町で1泊するのは聞いてるけど、この賑わいだと宿はいっぱいじゃない?」
「心配無用だよメリル、宿泊場所はこの町の商業ギルドが用意してるはずだし、俺達が今日来るってのは事前にミリーさんが連絡してるから」
「やっぱ大商会の会長は違うね♪あたしらだけだったら町の外で野宿だよ」
「ははは、まぁそんな所だな。適当に町を見ながら商業ギルドに行くか」
ケイトの言う通り、池田屋商会の会長である俺はこの町では特別待遇だ。
ケバルライを『宿場町』から『街』に昇格させたい商業ギルドの思惑に乗っかったからな♪
『街』にするには商業ギルドと冒険者ギルドがある事が大前提で、その他にも細かい条件が色々あるのだが
『街』になれば派閥争いやら利権争いやらで有利になるらしい
俺からしたら面倒事が増えるだけでメリットなんて皆無だけど、政にはそういう事が必要なのだろう。
宿場町ケバルライに関する諸々の事は本来商業ギルドの機密情報なんだけど、ミリーさんから事前にこっそり教えられて、よければ幾つか砂糖を使ったレシピを登録して欲しいとお願いされている。
キャラバンシティの商業ギルドマスターとしてのミリーさんが、旅に出る俺達をケバルライで1泊するように説得して、ケバルライの商業ギルドマスターがレシピ登録の交渉を担当する事になっている
ケバルライの商業ギルドとしてはビッグビジネスのチャンスであり、俺との交渉は絶対に成功させなければならない重大案件だ。
というような裏事情は交渉相手である俺に知られてはいけないんだけど、本来商業ギルド側にいるはずのミリーさんは俺達の家族だからな
その辺の優先順位がこちらにあるのは仕方ない(笑)
勿論どうするかは俺の自由だけど、サダルスウド侯爵領になった今なら、ゲオルグ様に恩も売れるしでレシピの2~3個は登録しても良い
その為にも屋台や飲食店を見てこの町の料理レベルを確認しないとな
みんなでぞろぞろ歩きながら屋台や、通り沿いに布を広げて商品を並べてる露店を見て廻る
露店ですら砂糖を売ってる奴が居るのには驚いたけど、さすが砂糖の生産地だけあるって事か
森に降りた時から俺の背中にずっと居るスミレを見ると、しきりに鼻をくんくんさせて匂いを嗅いでるから美味しい食べ物があるのかと期待したけど
どうやら気になる食べ物は無いっぽい、そりゃあ肉か野菜を塩をふって焼いてるだけの店しか無いもんな
「ねぇダンナ、あのパン美味しいかな?」
ケイトが見つけた屋台を見ると、おっちゃんがザラメっぽい結晶の大きな砂糖をパンにまぶしているではないか!
ザラメがあるなら欲しいなぁ
「よし、買って食べてみるか。おっちゃんそのパン2個ちょうだい」
「おっ!美人を引き連れた兄さんお目が高いね、ウチの砂糖パンは貴族様も買って行った事があるんだ♪」
「へぇー、そりゃ凄いな!それで幾ら?」
「2個で銀貨1枚だ!」
「はい、銀貨1枚ね」
「まいどありー♪」
とりあえず文句は言わずに金を払ったけど、はっきり言ってたけぇーよ!
その辺で売られてる砂糖の値段を見たから、高いのは分かってたけどさぁ
砂糖1キロ銀貨5枚だもの、約5千円とすると元世界の砂糖の10~15倍くらいの値段といったところか?
砂糖1グラムで5円だから、パン1個に砂糖約20グラムを使用したと仮定すれば、砂糖パン2個で銀貨1枚は良心的な値段かもしれない
なんにしても砂糖その物の値段を下げる必要があるのは確定だな。
とにかく買ったパンを試食しよう、それぞれ3等分にカットしてみんなに配る
「いただきまーす」
「「「「「いただきまーす」」」」」
ふむふむ、砂糖もパンもそれなりに旨いけど一緒に食べる意味は無いかな、パンが味気無さ過ぎて砂糖が溶けて無くなると、なんだかなぁ
せめてジャムでも挟んであればもっと美味しいのに勿体無い。
砂糖不使用のジャムはレシピ登録していて貴族の間じゃ人気のはずなんだけど、平民にまで普及するのは時間がかかるのかもしれん
とりあえず商業ギルドへ
れっつらごー♪
つづく。
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