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第10章 すべては自分の幸せの為に
閑話 広がる噂
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side:とある国の平民
「オヤジ、エール2つ!」
「へいっ、お待ち!」
ドンッ!ドンッ!
「「かんぱい!」」
ガンッ!
酒場に入るなりカウンターに居た店主のオヤジにエールを注文すると、間を置く事無くエールの入った木製のジョッキがテーブルに置かれる
中に入っているエールが飛び出すくらいに勢いよくテーブルに置かれた木製のジョッキを、ガキの頃から知ってる気心の知れた友人と豪快にぶつけてエールを一気に流し込む。
「んぐんぐんぐ、、ぷはぁっ!やっぱ仕事終わりはエールに限る♪」
「エール以外の酒なんて飲んだ事無いのによく言うぜ」
「しょうがねぇだろ、そもそも酒場にゃエール以外の酒なんて無いんだからよ」
「平民の俺らには毎日エールが飲めるだけで充分、、、だと思ってたんだけどよ、お前ロレンスの事は知ってるか?」
友人が急に声を潜めて口に出したロレンスという名前は、近所の麦農家の三男坊で口減らしの為に他国の貴族に売られたって噂のあった奴だ。
借金が原因で売られたり奴隷墜ちする奴は珍しく無いが、他国の貴族に売られるってのは聞いた事が無いから珍しいなと思った記憶がある。
「他国の貴族に売られたんだろ?」
「そうなんだが、実は違法な取り引きだったらしくて、ロレンスを買ったっていう貴族も処罰されたらしいぞ」
「本当か?!じゃあロレンスも帰って来るのか?」
友人は街の門兵をしてる関係で国や領主様から色んな情報が送られて来るらしいから、今回もそれで知ったんだろうな。
しかし貧乏農家の三男坊じゃ帰って来ても出稼ぎに出されるだけかもしれんが、、、
「それが帰って来ないらしい」
「、、、そうか」
まぁよくある話だ。違法だろうが合法だろうが、誰かに買われたのならそれは奴隷になるという事だからだ。
奴隷の主人が罪を犯して捕まったとしても、奴隷は転売されて新しい主人の所に行くだけ
今回門兵の友人にまで情報が来たって事は、運良く奴隷から解放されたけどこっちに戻って来る旅費が無くて帰って来れないとかそういう話だろう。
領主様もたかが平民の為に金は出さないだろうからな、ロレンスには出稼ぎに行ったと思って他国で頑張って生きて欲しいね。
「実はよ、大きな声では言えないんだがロレンスの奴はかなり良い生活をしてるらしいんだ」
「奴隷なら主人次第でそういう事もあるだろ?ロレンスの奴運が良かったな」
「いや、まぁ、運は良かったんだろうけど、この話には続きがあるんだ。ロレンスが売られたのはバルゴ王国なんだけど、そこからロレンスの実家に手紙と荷物が届いたんだ。他国からの手紙と荷物は検閲する規則だから俺も立ち会ったんだけど、なんて書いてあったと思う?」
「おいおい、そこで焦らすなよ。だが、どうせ金を送ってくれって書いてあったんだろ?」
「それが逆なんだ。手紙にはバルゴ王国で幸せに暮らしてるから心配しないでくれって事と、送られて来た木箱には瓶詰めされた酒と保存食がたんまり入ってたんだ」
「なっ?!樽じゃなくて瓶詰めの酒だと?」
「あぁ、ビールって酒らしいんだけど、税として1本徴収して飲んだら旨かったなぁ♪あれはマジの金持ちが飲むレベルの代物だな!ロレンスの実家には少しだが金も振り込まれてたらしいし、ロレンスがバルゴ王国で幸せに暮らしてるってのは嘘じゃなさそうだ」
「バルゴ王国の欺瞞工作じゃねぇのか?」
「たかが農家の三男坊にそこまでする意味なんて無いだろ。酒と保存食はロレンスが働いてる池田屋商会から買ったらしくて、欲しいなら従業員割引価格で安く売ってくれるってよ」
「ん?ロレンスのやつ池田屋商会で働いてるのか?」
「手紙にはそう書いてあったけど、実は有名な悪徳商会だったってオチだろ(笑)」
「ちげぇーよ!ドワーフのヘイゲル親方はお前も知ってるだろ?」
「当たり前だろ!ヘイゲル親方は王宮も作った凄腕の職人だからな。」
「そのヘイゲル親方なんだけど、池田屋商会の酒を輸入しろって、王様に直訴しに王城まで行ったらしいんだよ」
「待て待て、ドワーフの酒好きは有名だが王城に行く事じゃないだろ。酒の輸入なら商業ギルドか領主様に言う方が早い筈だ。」
「俺には輸入の事は分からんけど、池田屋商会の名前が話題に出るようになってから街で働いてたダークエルフが『池田屋商会に主君を見付けたり!』って言って次々に街を出て行っちまってる」
「は?ダークエルフと言えば無口で何を考えてるのか分からん奴が多かったよな。仕事は真面目にこなすから文句を言う奴は居なかったけど。」
無口なダークエルフにそこまで言わせる池田屋商会ってのは、そんなに魅力的なのかねぇ?
「オヤジ、エール2つ!」
「へいっ、お待ち!」
ドンッ!ドンッ!
「「かんぱい!」」
ガンッ!
酒場に入るなりカウンターに居た店主のオヤジにエールを注文すると、間を置く事無くエールの入った木製のジョッキがテーブルに置かれる
中に入っているエールが飛び出すくらいに勢いよくテーブルに置かれた木製のジョッキを、ガキの頃から知ってる気心の知れた友人と豪快にぶつけてエールを一気に流し込む。
「んぐんぐんぐ、、ぷはぁっ!やっぱ仕事終わりはエールに限る♪」
「エール以外の酒なんて飲んだ事無いのによく言うぜ」
「しょうがねぇだろ、そもそも酒場にゃエール以外の酒なんて無いんだからよ」
「平民の俺らには毎日エールが飲めるだけで充分、、、だと思ってたんだけどよ、お前ロレンスの事は知ってるか?」
友人が急に声を潜めて口に出したロレンスという名前は、近所の麦農家の三男坊で口減らしの為に他国の貴族に売られたって噂のあった奴だ。
借金が原因で売られたり奴隷墜ちする奴は珍しく無いが、他国の貴族に売られるってのは聞いた事が無いから珍しいなと思った記憶がある。
「他国の貴族に売られたんだろ?」
「そうなんだが、実は違法な取り引きだったらしくて、ロレンスを買ったっていう貴族も処罰されたらしいぞ」
「本当か?!じゃあロレンスも帰って来るのか?」
友人は街の門兵をしてる関係で国や領主様から色んな情報が送られて来るらしいから、今回もそれで知ったんだろうな。
しかし貧乏農家の三男坊じゃ帰って来ても出稼ぎに出されるだけかもしれんが、、、
「それが帰って来ないらしい」
「、、、そうか」
まぁよくある話だ。違法だろうが合法だろうが、誰かに買われたのならそれは奴隷になるという事だからだ。
奴隷の主人が罪を犯して捕まったとしても、奴隷は転売されて新しい主人の所に行くだけ
今回門兵の友人にまで情報が来たって事は、運良く奴隷から解放されたけどこっちに戻って来る旅費が無くて帰って来れないとかそういう話だろう。
領主様もたかが平民の為に金は出さないだろうからな、ロレンスには出稼ぎに行ったと思って他国で頑張って生きて欲しいね。
「実はよ、大きな声では言えないんだがロレンスの奴はかなり良い生活をしてるらしいんだ」
「奴隷なら主人次第でそういう事もあるだろ?ロレンスの奴運が良かったな」
「いや、まぁ、運は良かったんだろうけど、この話には続きがあるんだ。ロレンスが売られたのはバルゴ王国なんだけど、そこからロレンスの実家に手紙と荷物が届いたんだ。他国からの手紙と荷物は検閲する規則だから俺も立ち会ったんだけど、なんて書いてあったと思う?」
「おいおい、そこで焦らすなよ。だが、どうせ金を送ってくれって書いてあったんだろ?」
「それが逆なんだ。手紙にはバルゴ王国で幸せに暮らしてるから心配しないでくれって事と、送られて来た木箱には瓶詰めされた酒と保存食がたんまり入ってたんだ」
「なっ?!樽じゃなくて瓶詰めの酒だと?」
「あぁ、ビールって酒らしいんだけど、税として1本徴収して飲んだら旨かったなぁ♪あれはマジの金持ちが飲むレベルの代物だな!ロレンスの実家には少しだが金も振り込まれてたらしいし、ロレンスがバルゴ王国で幸せに暮らしてるってのは嘘じゃなさそうだ」
「バルゴ王国の欺瞞工作じゃねぇのか?」
「たかが農家の三男坊にそこまでする意味なんて無いだろ。酒と保存食はロレンスが働いてる池田屋商会から買ったらしくて、欲しいなら従業員割引価格で安く売ってくれるってよ」
「ん?ロレンスのやつ池田屋商会で働いてるのか?」
「手紙にはそう書いてあったけど、実は有名な悪徳商会だったってオチだろ(笑)」
「ちげぇーよ!ドワーフのヘイゲル親方はお前も知ってるだろ?」
「当たり前だろ!ヘイゲル親方は王宮も作った凄腕の職人だからな。」
「そのヘイゲル親方なんだけど、池田屋商会の酒を輸入しろって、王様に直訴しに王城まで行ったらしいんだよ」
「待て待て、ドワーフの酒好きは有名だが王城に行く事じゃないだろ。酒の輸入なら商業ギルドか領主様に言う方が早い筈だ。」
「俺には輸入の事は分からんけど、池田屋商会の名前が話題に出るようになってから街で働いてたダークエルフが『池田屋商会に主君を見付けたり!』って言って次々に街を出て行っちまってる」
「は?ダークエルフと言えば無口で何を考えてるのか分からん奴が多かったよな。仕事は真面目にこなすから文句を言う奴は居なかったけど。」
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