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山本夏美さん

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皆様、おはようございます、こんにちは、こんばんは、雑貨屋店長のユウです。



それでは今日もいつも通りに雑貨屋開店しまーす。



「あっ、あのう、ここにユウさんと言う方は居ますか?」


レジに座っている私に声をかけて来たのは、ショートヘアでボーイッシュな感じの可愛らしい20歳くらいの女性

服装は世界的に有名な犬のキャラクターが描かれたシャツにジーパンを履いており、若い女性が好きそうなブランド物の小さなリュックを背負っていて

元世界の大阪にある有名なテーマパーク帰りの大学生のように見えます。

ですが、お疲れなのか顔色がとても悪いですし、目の下のベアーさんも臨戦態勢です。


「はい、私が雑貨屋店長のユウですが何か御用ですか?」

「えっと門兵さんから、雑貨屋のユウさんなら相談に乗ってくれるだろうからと言われて来たんですけど」


うーむ

困りますねぇ

私は売れる物なら何でも売る雑貨屋の店長ではありますけれど、相談を受けたりお悩みを解決する『何でも屋』では無いのです。


しかし、目の前の女性を放っておく事は出来ません

なにせこれほど分かりやすく『日本人』の見た目をした女性なのですから、万が一にも私のようにこちらの世界に召喚された『召喚勇者』だった場合は慎重な対応が求められます。



「門兵さんがどう言ったのかは知りませんが、雑貨屋の店長に過度な期待をしないで頂けるなら、話くらいは聞きますよ」

「あっ、ありがとうございます!」

「それでは奥の休憩室で話をしましょうか。ミシェルさーん」


私は休憩室に居るミシェルさんに声をかけます。すると直ぐにミシェルさんがやって来てくれました。


「ユウさんどうしたんですか?」

「こちらの女性が私に話があると言うので、少しの間レジをお願いしたいのですけど」

「お昼ご飯の天丼の海老を3本にして頂けますか?」

「勿論です。ついでにイカ、タコ、ナスの天ぷらも多く作りますよ」

「ッ?!さあさあ、2人は奥でゆっくり話をして下さい、その間レジは私が責任を持って努めますから♪」


ふふっ

これは気合いを入れて天丼を作らねばいけませんね、ミシェルさんの笑顔が見れるなら何の苦労もありませんけど♪


「では行きましょうか、えぇーっと、、、」

「あっ!私は山本夏美(やまもとなつみ
)と言います。よろしくお願いします!」

「山本さんですね、こちらこそよろしくお願いします。ではこちらです。」


「えっ?!畳?」


ふっふっふっ

雑貨屋の休憩室を見た山本さんは驚いてますねぇ♪休憩室はお昼寝が出来るように畳を敷いているのですよ


「ではさっそくですけど、山本さんの相談を聞かせて貰えますか」

「はい、私は日本、、じゃなくって(汗)えっと、外国から来たのでこの国のお金も身分証も持っていません。なのでたまたま持っていた食べ物を門兵さんに買って貰って、そのお金で5日間だけ有効な仮の身分証を作りました。

でもこの街で私みたいな外国人が仕事をするには、お金を払って何処かのギルドに登録しないといけないんですよね?」


「ギルドが身元の保証をしてますからね。私のように自分のお店を持つならギルドに登録しなくても良いんですけど、そもそも山本さんはお金が無いからどうにも出来なくて、門兵が私を紹介したと?」

「はい、私に出来ることなら何でもしますので、どうかお仕事を下さい!」


ふむふむ

門兵には後で注意をしておく必要がありますね、私のお店をハローワークか何かと勘違いしているようですから

そして

どうやら山本さんは『召喚勇者』ではありません。

実は先程から私の『影』を山本さんの背後に4体出して、楽しくマイムマイムを踊らせていたのです♪

もし山本さんが勇者なら当然気付く筈ですが、その気配はまったくありません。

山本さんの服装から、運悪くこちらの世界に来てしまった『転移者』と思われます。

ですがこれは困りました。

山本さんに仕事を紹介するのは簡単ですけど、騙されて借金を背負わされ娼館に売られる未来しか見えません

そして私は人見知りなので、今後も山本さんのお世話をするのはとても億劫なのです。


冒険者になるならスミスさんに頼めるので、こっそり鑑定して山本さんのステータスを見てみましょう、、、

駄目ですね、所持してるスキルもありませんしステータスも低過ぎてスライムの一撃で瀕死になるほどです。


「あのう、ユウさん?無茶を言ってるのは分かります。でも私他に頼れる人が居なくて、、、気付いたら森の中だし、緑色の変な生き物には襲われそうになるし、、ギルドに登録出来るまでで良いんです。だがら゛、お゛仕事を゛ぐだざい゛ぃ~~~(泣)」


あ゛っ!

山本さんが号泣してしまいました!

これはいけません、女性を泣かしたとなるとミシェルさんに怒られてしまいます(汗)

ええそうです、私は目の前で号泣している女性より、ミシェルさんに怒られるかどうかの方が気になる最低な男なのです!


次回の雑貨屋は

『店長式お仕事斡旋方法!』

をお送りします!

これはもう確定事項です、変更はありません!

皆様、お楽しみに!





ここまでお読み頂きありがとうございました、皆様次回までお元気で。
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