【完結】婚約破棄された公爵令嬢は推しの為に生きる!

永倉伊織

文字の大きさ
17 / 17

最終話、推しは推せる時に推せ!

しおりを挟む
side:マリエール




なんという幸せ!

王国の英雄、ナタリア・ヴァイスハーフェン様に名前を覚えて頂けたなんて

もう死んでも、、、駄目駄目!

わたくしのバカアホマヌケトンチンカンの勘違い女!

ナタリア様にとって名前を覚える事など道端の小石を蹴飛ばすよりも簡単なのに

それにナタリア様健康長寿計画もまだ始まったばかり、死んでなど居られません!


それにしてもイエロードラゴンを真っ二つにしたナタリア様の剣捌きは、もはや芸術の域に達しておられます。

後で美術館の館長にナタリア様の剣技をどうにかして展示出来ないか相談に行かなくては!



「おーい、マリエールさーん、ちょっと良いかな?」

「えっ?!あっ、はい!なんでしょうかナタリア様!」

「第2騎士団にも物理攻撃アップの魔法をかけたの?」

「はい、余計な事だとは思ったのですが、このままでは夕食の時間までに魔物の殲滅が終わりそうに無かったものですから」

「そっ、そうだね、夕食の時間は大切だよね、アハハハ」




ナタリア様の素敵な笑顔を眺めていたら、魔物の殲滅に街の外に出ていた

マッシモ副団長と第2騎士団の皆様が戻って来たようです。


「はぁ~、疲れた。お嬢さんの魔法のお陰で粗方魔物は殲滅出来たよ、ありがとう。」

「マッシモ副団長と第2騎士団の皆様のお役に立てたのなら幸いで御座います。」


「おーいマッシモ、元気そうな見習い騎士と民兵は第1と第3騎士団の応援に行かせて良いか?」

「そうだな、既に魔物達は組織的な行動をしてないから今頃は殲滅しちまってるかもしれんが、念の為に向かわせてくれ」

「了解、それにしてもマッシモは凄く疲れてるように見えるけど、ミノタウルスに苦戦したの?」

「いや、ミノタウルスは瞬殺したんだが、お嬢さんにかけて貰った魔法のせいだ。強力な魔法だったからその分反動も凄いんだろう、団員達もその辺でバテてるよ、ナタリアは平気そうだな」

「反動ですか?私はなんともないですけど」


あ゛っ?!

いけない、ナタリア様には一定時間経過すると自動で発動する回復魔法を組み込んだのですけど

この魔法は使うのに相当な精神力が必要なので、他の皆様には使っていないのです。

このままでは、わたくしが嫌がらせで回復魔法を組み込まなかったと思われるかもしれません

それは絶対に回避しなければ!


「そうだ!皆様さえ良ければ夕食をご馳走させて頂けませんか?イエロードラゴンを倒して頂いたお礼と、魔物を殲滅したお祝いとして、勿論第2騎士団の皆様もご一緒に」

「お礼という事ならむしろ私がしたいよ、イエロードラゴンを倒せたのはマリエールさんの魔法のお陰なんだから」

「とっ、とととととんでも御座いません!ナタリア様にお礼をされるなど生涯の誉れではありますが、ここは是非わたくしにお礼をさせて下さいませ。

新しい調味料を手に入れましたので、牛肉を使った料理『すき焼き』などはいかがでしょう?」


「良いじゃないか♪やっぱ体を動かした後は牛肉を食わんとな!しかし、団員達も一緒となると牛肉の量が心配だな

誰かイエロードラゴンの肉を適当に切り出して来い、夕食はドラゴン肉だ♪」

「はっ!第2騎士団・ヘルマン班6名、只今よりドラゴン肉確保に向かいます!」

「任せたぞ!」



「あのマッシモ副団長、ドラゴンの肉を勝手に切り出して良いのですか?」

「構わんだろう、ドラゴンを倒したのはナタリアとお嬢さんだからどうするかの権利は2人にある。あっ?!勝手に部下を肉の確保に行かせちまったけど許してくれよ、ドラゴンの肉は高級な牛肉みたいだって人気なんだ」


「無料で肉が確保出来るならわたくしに反対する理由などありませんけど、ナタリア様は宜しかったのですか?」

「私も構わないよ、どうせドラゴンの死体は全部国が買い取るだろうから、この機会を逃すとドラゴン肉なんて食べられないと思うし」

「そういう事でしたら『すき焼き』以外にも『しゃぶしゃぶ』も作りましょうか」

「しゃぶしゃぶ?」

「はい、酸味のある『ぽん酢』という特製のタレでさっぱりと食べられる料理です。野菜も沢山食べる事が出来ますから、お肌にとても良いんですよ♪」

「それは女性に優しい料理という事かな?」

「はい♪お肌にもお腹にも優しい料理です!」


「ほぉほぉ、、、女性団員集合!」

「「「「「はっ!」」」」」

「これより我々は最重要任務、野菜の確保に向かう。他の騎士団員達も我々と同じように夕食の食材確保に来る事が予想されるが、王妃様の名のもとに殴ってでも奪う事を許す!行動開始!」

「「「「「うぉーーー!!」」」」」



ふふふっ

ナタリア様ったらとても楽しそうです♪

これを機会にナタリア様がわたくしのお勧めする料理を積極的に食べて頂けるようになれば

『ナタリア様美肌計画』を始める事が出来ます♪

勿論ナタリア様は今でも素晴らしく美しいお肌で御座いますが、わたくしがナタリア様の全ての食事を管理する事が出来れば

万が一にも『肌荒れ』や『吹き出物』などという女性の敵を出現させはしません!

しかしながら、人の力で出来る事には限界があるのも事実

やはりここは女神様から加護を貰うのが1番でしょう。

待っていて下さいナタリア様

あなたの為ならわたくしは女神様とだって交渉して見せますので!


やる事が増えてなかなかに忙しくなって来ましたけど、明日も明後日も明明後日も

ナタリア様の為に働けるというのはなんと楽しい日々なのでしょう♪

うふふっ

ふはははははははははははははははあはははははははははははははははははははははは





完 
しおりを挟む

この作品は感想を受け付けておりません。

あなたにおすすめの小説

貧乏伯爵家の妾腹の子として生まれましたが、何故か王子殿下の妻に選ばれました。

木山楽斗
恋愛
アルフェンド伯爵家の妾の子として生まれたエノフィアは、軟禁に近い状態で生活を送っていた。 伯爵家の人々は決して彼女を伯爵家の一員として認めず、彼女を閉じ込めていたのである。 そんな彼女は、ある日伯爵家から追放されることになった。アルフェンド伯爵家の財政は火の車であり、妾の子である彼女は切り捨てられることになったのだ。 しかし同時に、彼女を訪ねてくる人が人がいた。それは、王国の第三王子であるゼルーグである。 ゼルーグは、エノフィアを妻に迎えるつもりだった。 妾の子であり、伯爵家からも疎まれていた自分が何故、そんな疑問を覚えながらもエノフィアはゼルーグの話を聞くのだった。

本の虫令嬢ですが「君が番だ! 間違いない」と、竜騎士様が迫ってきます

氷雨そら
恋愛
 本の虫として社交界に出ることもなく、婚約者もいないミリア。 「君が番だ! 間違いない」 (番とは……!)  今日も読書にいそしむミリアの前に現れたのは、王都にたった一人の竜騎士様。  本好き令嬢が、強引な竜騎士様に振り回される竜人の番ラブコメ。 小説家になろう様にも投稿しています。

【完結】身代わりに病弱だった令嬢が隣国の冷酷王子と政略結婚したら、薬師の知識が役に立ちました。

朝日みらい
恋愛
リリスは内気な性格の貴族令嬢。幼い頃に患った大病の影響で、薬師顔負けの知識を持ち、自ら薬を調合する日々を送っている。家族の愛情を一身に受ける妹セシリアとは対照的に、彼女は控えめで存在感が薄い。 ある日、リリスは両親から突然「妹の代わりに隣国の王子と政略結婚をするように」と命じられる。結婚相手であるエドアルド王子は、かつて幼馴染でありながら、今では冷たく距離を置かれる存在。リリスは幼い頃から密かにエドアルドに憧れていたが、病弱だった過去もあって自分に自信が持てず、彼の真意がわからないまま結婚の日を迎えてしまい――

【完結】え?今になって婚約破棄ですか?私は構いませんが大丈夫ですか?

ゆうぎり
恋愛
カリンは幼少期からの婚約者オリバーに学園で婚約破棄されました。 卒業3か月前の事です。 卒業後すぐの結婚予定で、既に招待状も出し終わり済みです。 もちろんその場で受け入れましたよ。一向に構いません。 カリンはずっと婚約解消を願っていましたから。 でも大丈夫ですか? 婚約破棄したのなら既に他人。迷惑だけはかけないで下さいね。 ※ゆるゆる設定です ※軽い感じで読み流して下さい

死に戻りの元王妃なので婚約破棄して穏やかな生活を――って、なぜか帝国の第二王子に求愛されています!?

神崎 ルナ
恋愛
アレクシアはこの一国の王妃である。だが伴侶であるはずの王には執務を全て押し付けられ、王妃としてのパーティ参加もほとんど側妃のオリビアに任されていた。 (私って一体何なの) 朝から食事を摂っていないアレクシアが厨房へ向かおうとした昼下がり、その日の内に起きた革命に巻き込まれ、『王政を傾けた怠け者の王妃』として処刑されてしまう。 そして―― 「ここにいたのか」 目の前には記憶より若い伴侶の姿。 (……もしかして巻き戻った?) 今度こそ間違えません!! 私は王妃にはなりませんからっ!! だが二度目の生では不可思議なことばかりが起きる。 学生時代に戻ったが、そこにはまだ会うはずのないオリビアが生徒として在籍していた。 そして居るはずのない人物がもう一人。 ……帝国の第二王子殿下? 彼とは外交で数回顔を会わせたくらいなのになぜか親し気に話しかけて来る。 一体何が起こっているの!?

愛しの第一王子殿下

みつまめ つぼみ
恋愛
 公爵令嬢アリシアは15歳。三年前に魔王討伐に出かけたゴルテンファル王国の第一王子クラウス一行の帰りを待ちわびていた。  そして帰ってきたクラウス王子は、仲間の訃報を口にし、それと同時に同行していた聖女との婚姻を告げる。  クラウスとの婚約を破棄されたアリシアは、言い寄ってくる第二王子マティアスの手から逃れようと、国外脱出を図るのだった。  そんなアリシアを手助けするフードを目深に被った旅の戦士エドガー。彼とアリシアの逃避行が、今始まる。

逃げたい悪役令嬢と、逃がさない王子

ねむたん
恋愛
セレスティーナ・エヴァンジェリンは今日も王宮の廊下を静かに歩きながら、ちらりと視線を横に流した。白いドレスを揺らし、愛らしく微笑むアリシア・ローゼンベルクの姿を目にするたび、彼女の胸はわずかに弾む。 (その調子よ、アリシア。もっと頑張って! あなたがしっかり王子を誘惑してくれれば、私は自由になれるのだから!) 期待に満ちた瞳で、影からこっそり彼女の奮闘を見守る。今日こそレオナルトがアリシアの魅力に落ちるかもしれない——いや、落ちてほしい。

お掃除侍女ですが、婚約破棄されたので辺境で「浄化」スキルを極めたら、氷の騎士様が「綺麗すぎて目が離せない」と溺愛してきます

咲月ねむと
恋愛
王宮で侍女として働く私、アリシアは、前世の記憶を持つ転生者。清掃員だった前世の知識を活かし、お掃除に情熱を燃やす日々を送っていた。その情熱はいつしか「浄化」というユニークスキルにまで開花!…したことに本人は全く気づいていない。 ​そんなある日、婚約者である第二王子から「お前の周りだけ綺麗すぎて不気味だ!俺の完璧な美貌が霞む!」という理不尽な理由で婚約破棄され、瘴気が漂うという辺境の地へ追放されてしまう。 ​しかし、アリシアはへこたれない。「これで思う存分お掃除ができる!」と目を輝かせ、意気揚々と辺境へ。そこで出会ったのは、「氷の騎士」と恐れられるほど冷徹で、実は極度の綺麗好きである辺境伯カイだった。 ​アリシアがただただ夢中で掃除をすると、瘴気に汚染された土地は浄化され、作物も豊かに実り始める。呪われた森は聖域に変わり、魔物さえも彼女に懐いてしまう。本人はただ掃除をしているだけなのに、周囲からは「伝説の浄化の聖女様」と崇められていく。 ​一方、カイはアリシアの完璧な仕事ぶり(浄化スキル)に心酔。「君の磨き上げた床は宝石よりも美しい。君こそ私の女神だ」と、猛烈なアタックを開始。アリシアは「お掃除道具をたくさんくれるなんて、なんて良いご主人様!」と、これまた盛大に勘違い。 ​これは、お掃除大好き侍女が、無自覚な浄化スキルで辺境をピカピカに改革し、綺麗好きなハイスペックヒーローに溺愛される、勘違いから始まる心温まる異世界ラブコメディ。

処理中です...