僕の初めて、熱と汗と彼女の吐息

第一章

僕の初めて、熱と汗と彼女の吐息

平凡な童貞、佐藤悠斗の日常

佐藤悠斗、20歳。都内のそこそこ名の知れた大学に通う2年生。身長は平均的、顔は悪くないがパッとしない。髪は適当に切ったボサボサの黒髪、服はユニクロの無難なTシャツとジーンズ。典型的な「普通」の大学生だ。彼女ができたことなど一度もない。いや、正確には女の子とまともに話した経験すら乏しい。高校時代は男子校で、大学に入ってからもサークルやバイトで女の子と接する機会はあったが、いつも「いい奴」で終わる。モテる男のトークや自信には程遠い。悠斗の夜のルーティンは決まっていた。スマホを手にベッドに寝転がり、AVを漁る。過激なタイトル、汗と喘ぎ声にまみれた女優たちの演技に興奮しながらも、心のどこかで虚しさを感じていた。「こんなの、現実じゃありえないよな…」と呟きながら、画面の中の非現実的な快楽に逃避する日々。童貞であることは、悠斗にとって重い十字架だった。友達が彼女とのデートやセックスの話をすると、笑顔で相槌を打ちながら内心では嫉妬と劣等感で胸が締め付けられた。そんな悠斗の生活に、変化のきっかけが訪れた。2年目の春、ゼミのグループワークで一緒になった女の子――高橋美咲。彼女は悠斗の人生を一変させる存在だった。

初めての恋

美咲は、特別美人というわけではないが、どこか惹きつける魅力があった。ショートカットの黒髪、透明感のある肌、笑うと少しだけ見える八重歯。ゼミの発表準備で一緒になったとき、彼女のサバサバした性格と頭の良さに悠斗はドキッとした。グループでの議論中、彼女が「佐藤くん、意外と面白い視点持ってるね」と笑顔で言った瞬間、悠斗の心臓はバクバク鳴った。初めて女の子から「名前で呼ばれた」ことにすら感動した。それから、悠斗は美咲のことが頭から離れなくなった。ゼミの後に彼女が友達と笑いながら話す姿、ノートに細かい文字でメモを取る姿、コンビニでアイスコーヒーを買う姿――全部が妙に輝いて見えた。「好きだ…これが恋ってやつだろ？」と自問自答しながら、悠斗は決意した。「このままのダサい自分じゃ、絶対に相手にされない。変わらなきゃ。」垢抜けるための努力が始まった。まず、美容院に行った。今まで1000円カットで済ませていた悠斗だが、勇気を出してオシャレなサロンに予約を入れた。美容師に「モテたいんです」と正直に相談すると、トレンドのツーブロックに整えられ、ワックスの使い方まで教わった。鏡を見た悠斗は、自分が少しだけカッコよくなった気がした。次に、服。ユニクロの無難なTシャツを捨て、ZARAやGUでタイトなシャツやジャケットを買い揃えた。YouTubeで「モテる男の話し方」を検索し、ボディランゲージや会話のコツをメモした。ジムにも通い始め、腹筋がうっすら見えるまで体を鍛えた。夜のAV鑑賞は減らし、代わりに「どうやったら女の人を喜ばせられるか」を真剣に考えるようになった。努力の甲斐あって、ゼミの仲間から「佐藤、なんか最近イケメンになったな！」とからかわれるようになった。美咲とも少しずつ話す機会が増えた。グループワークの後に「一緒にカフェで続きやらない？」と誘うと、彼女は気軽に「いいよ！」と答えた。カフェでの会話は、最初はぎこちなかったが、美咲の趣味（インディーズバンドとアニメ）が意外と悠斗と合うことが分かり、話が弾んだ。彼女の笑顔を見ながら、悠斗は確信した。「この子を絶対にモノにしたい。」

誘いと高まる欲望

夏が近づく頃、悠斗は勇気を振り絞って美咲をデートに誘った。「今度、ライブハウスで好きなバンドのライブあるんだけど、一緒に行かない？」美咲は少し驚いた顔をしたが、「お、いいね！行く行く！」と快諾してくれた。悠斗は内心ガッツポーズだった。ライブ当日、悠斗は新しく買った黒のスキニージーンズと白シャツでキメて待ち合わせ場所へ。美咲はデニムのミニスカートにゆるいTシャツ、首元にチョーカーをつけたカジュアルな姿で現れた。彼女のむき出しの脚と、汗ばんだ首筋に悠斗の視線が吸い寄せられた。「やばい…めっちゃ可愛い…」と心の中で呟きながら、なんとか平静を装った。ライブハウスは熱気と汗でムンムンしていた。バンドの激しい演奏に合わせて美咲がノリノリで体を揺らす姿に、悠斗の心臓はさらに高鳴った。彼女が「楽しいね！」と笑いながら肩を叩いてきたとき、悠斗は彼女の体温と香水の匂いにクラクラした。ライブの後、二人で夜の街を歩きながら居酒屋に入った。ビールを飲みながら、彼女は「佐藤くん、最近ほんと変わったよね。なんか…カッコよくなったっていうか」と少し照れながら言った。悠斗の胸は熱くなり、同時に下腹部に疼くような感覚が走った。「美咲…この子、俺のこと意識してくれてるのか？」居酒屋を出た後、夜風が気持ちいい公園を二人で歩いた。酔いもあってか、美咲が「ねえ、佐藤くんって彼女いたことある？」と唐突に聞いてきた。悠斗は一瞬焦ったが、正直に答えた。「いや…実は、ないんだよね。ダサかったからさ。」美咲はクスクス笑いながら、「ふーん、意外！でも、ダサくなかったよ。なんか…今、めっちゃドキドキする雰囲気あるじゃん？」その言葉に、悠斗の理性は一気に吹き飛びそうになった。「美咲、俺…お前のこと、めっちゃ好きだ。」言葉が勝手に出ていた。美咲は一瞬目を丸くしたが、すぐにニヤッと笑って「うそ、急に何！でも…私も、佐藤くんのそういうとこ、嫌いじゃないよ」と囁いた。二人の距離が縮まり、公園のベンチで彼女の手を握った瞬間、悠斗の体は熱で震えた。美咲の目が潤んで見えた。彼女もまた、悠斗の変化した姿――引き締まった体、自信を持った眼差し――に性欲を刺激されていた。彼女の手が悠斗の膝に触れ、ゆっくりと太ももに滑ったとき、悠斗は自分の股間が痛いほど硬くなっていることに気づいた。「…うち、来る？」美咲の声は小さく、だが確実に誘惑に満ちていた。悠斗はゴクリと唾を飲み込み、「うん」とだけ答えた。