97 / 244
第4章 1年の締めくくりと次のステップ ~青い1日と温かな雪~
53時間目 青い1日
しおりを挟む
俺は最寄りの駅に10分前に着いた。
「はぁ~……。ヤッバ、緊張する」
「ん? なにに緊張するの?」
ビクッと声の方向に振り向くと、そこには森山が居た。
「ごめん驚かせて。遊園地とか久しぶりだからテンションが上がっちゃって早く来ちゃった」
「お、おう。その、マフラー可愛い、な」
やっべ。つい本音がでちった。
やべぇヤツと思われないだろうかと焦っていると、
「ありがとう。お母さんからのおさがりなんだ。大事に使っていてさ」
「へぇ~。ん、ここで雑談しているのもあれだし、そろそろ行こっか」
「うん。楽しみ!」
森山は俺の横をトテトテと歩いて、地下鉄のホームで電車が来るのを待つ。
今日がクリスマスという日だからか、若い男女のカップルがホームにも、タイミング良く来た電車内にも多い。
電車内では俺達は特に会話をしなかった。
だが、電車を降り、地下から地上に上がって遊園地に向かう途中では、和気藹々と会話を楽しんでいた。
「高橋君、その首に着けているアクセサリーってなに? カッコいいね」
森山が指差すロザリオは太陽光に反射して、キラリと鈍く光る。
「これ? これはロザリオだけど。森山ってそういやなんか着けねぇの?」
「ん~。ピアスとかは可愛いの多いけど着けたくないんだ。それに着ける時、痛いって聞くから」
「あ~、確かにピアスは着ける時痛いらしいな。あ、イヤリングなら挟むだけだから大丈夫だって神谷さんが言ってたっけな。桜のイヤリングとか似合いそう」
神谷さん、マジ感謝っす。
冬休み入ったらバイト行きますね。
「へぇ、知らなかったよ。もし、おでかけ出来たら、行きたいね」
エヘヘと笑う森山。
心の底からこの状況を楽しんでくれているならこれから更に楽しくなることを間違いないなと思う。
13時。
俺達は楽しい会話をしながら、遊園地のゲートをくぐった。
_______
「高橋君、次はこれ乗ろう!」
「ちょっ、森山まっ……」
ヤバイ。酔った。
俺は絶叫系があまり得意じゃない。
森山は昔から身長が小さかったから中学の時も身長制限に引っ掛かって、アトラクションに乗れなかった事が度々あった。
今は身長は150ほどあるらしく、ギリギリ乗れるらしい。
絶叫系のアトラクションをふたつ乗ってこれからみっつ目のアトラクションを乗る。
「ざ、THE・絶叫フリーフォール……マジでこんなの乗るのか?!」
ビル何個分だよと思うほどの高さまで上昇し、凄い速さで急降下するというアトラクションだが、こんなの俺死んだだろ。
「乗るよー! 2年前に来た時は身長制限で乗れなかったんだもん! 高橋君、そこ座って!」
俺は森山に指定された席に座り、その横に森山が座った。
距離が近くて少しドキドキする。
「えー、この度はTHE・絶叫フリーフォールにご乗車頂きありがとうございますっ! あら~、お二人はカップルですか? お幸せに~」
どうやら、この日のせいで恋人と係りのお姉さんに間違えられた。
「ふふ……。カップルだって」
「クリスマス凄い……なぁ!?」
俺の言葉を最後の一文字を言い切る前に急上昇。
浮遊感に見舞われる。
語尾が白咲さんみたいになった。
そんなのはどうでもいい。ヤバイ。高い高い。
真下を見ると、列に並んで待っている人が豆粒のように見える。
そして、ふと前を向くと、一面広がっているのは、雲ひとつない青空。
「綺麗だな」
「ん? わぁ……。空、綺麗だね。敦志君」
「おう、それにしてもたけぇな」
「ここ、地上ひゃくにじゅ……きゃあああああ!」
「わああぁぁぁぁぁぁぁ!!」
突如急降下。
重力によって押し潰されそうな感覚と空を舞っている爽快感が心を支配する。
そして、もうひとつ心を支配するのは横にいる森山が笑顔で笑ってくれている事に喜びだった。
_______
アトラクションに乗りまくり、少し遅めの昼食を園内で食べてから時間はあっという間に過ぎた。
俺はどうやら酔いを克服したらしい。
乗り物に乗っても酔わなくなった。
よかった、これで来年の修学旅行は乗り物酔いに襲われなくて楽しめる。
青空が一瞬、暁に染まったが、それはあっという間に過ぎ去り、聖夜の夜へと姿を変えていった。
予報では1日晴れるはずだったが、雪がチラチラと舞い始めた。
俺達はクリスマスツリーを見に行こうと、走っている。
とうとう来た。
言葉が脳内をグルグルと回っている。
『中学の時からずっと好きです。俺と、もしよければ付き合ってください』
一番シンプルだが、一番伝えにくい言葉だ。
「オオーっ! 高橋君写真撮ろう!」
「おう」
俺達はクリスマスツリーをバックに写真を撮る。
ここで、言おう。
心に決めた。
「森山」
俺は彼女の名前を呼ぶ。
きっと、今日という日だからか、ある程度理解はしていたのだろうか。
頬を少し朱に染めて、上目使いで俺を見た。
俺は今どんな顔をしているのだろうか。
森山が1歩こちらに近付いた。
俺も1歩、歩み寄る。
「俺は、森山の事が好きだ」
「中学の時からずっと、友達以上で恋人未満の生活から発展させたかった」
「ありふれた、告白だけど、俺と……付き合ってくださいっ!」
森山は、その言葉を聞いてハッとした顔になった。
待ち望んでいたような表情だった。
「~~~~~~……っ!」
森山の顔から零れ落ちるのは涙。
「……えっへへ。本当にありがとう」
それを拭いながら、
「私も、好き」
その言葉を聞いて、心にあった熱の温度が更にあがった。
「敦志君の事が好き」
この言葉を発した森山の姿を、俺はずっと覚えている。
「こちらこそ、お願いします」
森山は涙を流しながら、笑った。
チラチラと舞う雪が彼女の笑顔を照らしていた。
「はぁ~……。ヤッバ、緊張する」
「ん? なにに緊張するの?」
ビクッと声の方向に振り向くと、そこには森山が居た。
「ごめん驚かせて。遊園地とか久しぶりだからテンションが上がっちゃって早く来ちゃった」
「お、おう。その、マフラー可愛い、な」
やっべ。つい本音がでちった。
やべぇヤツと思われないだろうかと焦っていると、
「ありがとう。お母さんからのおさがりなんだ。大事に使っていてさ」
「へぇ~。ん、ここで雑談しているのもあれだし、そろそろ行こっか」
「うん。楽しみ!」
森山は俺の横をトテトテと歩いて、地下鉄のホームで電車が来るのを待つ。
今日がクリスマスという日だからか、若い男女のカップルがホームにも、タイミング良く来た電車内にも多い。
電車内では俺達は特に会話をしなかった。
だが、電車を降り、地下から地上に上がって遊園地に向かう途中では、和気藹々と会話を楽しんでいた。
「高橋君、その首に着けているアクセサリーってなに? カッコいいね」
森山が指差すロザリオは太陽光に反射して、キラリと鈍く光る。
「これ? これはロザリオだけど。森山ってそういやなんか着けねぇの?」
「ん~。ピアスとかは可愛いの多いけど着けたくないんだ。それに着ける時、痛いって聞くから」
「あ~、確かにピアスは着ける時痛いらしいな。あ、イヤリングなら挟むだけだから大丈夫だって神谷さんが言ってたっけな。桜のイヤリングとか似合いそう」
神谷さん、マジ感謝っす。
冬休み入ったらバイト行きますね。
「へぇ、知らなかったよ。もし、おでかけ出来たら、行きたいね」
エヘヘと笑う森山。
心の底からこの状況を楽しんでくれているならこれから更に楽しくなることを間違いないなと思う。
13時。
俺達は楽しい会話をしながら、遊園地のゲートをくぐった。
_______
「高橋君、次はこれ乗ろう!」
「ちょっ、森山まっ……」
ヤバイ。酔った。
俺は絶叫系があまり得意じゃない。
森山は昔から身長が小さかったから中学の時も身長制限に引っ掛かって、アトラクションに乗れなかった事が度々あった。
今は身長は150ほどあるらしく、ギリギリ乗れるらしい。
絶叫系のアトラクションをふたつ乗ってこれからみっつ目のアトラクションを乗る。
「ざ、THE・絶叫フリーフォール……マジでこんなの乗るのか?!」
ビル何個分だよと思うほどの高さまで上昇し、凄い速さで急降下するというアトラクションだが、こんなの俺死んだだろ。
「乗るよー! 2年前に来た時は身長制限で乗れなかったんだもん! 高橋君、そこ座って!」
俺は森山に指定された席に座り、その横に森山が座った。
距離が近くて少しドキドキする。
「えー、この度はTHE・絶叫フリーフォールにご乗車頂きありがとうございますっ! あら~、お二人はカップルですか? お幸せに~」
どうやら、この日のせいで恋人と係りのお姉さんに間違えられた。
「ふふ……。カップルだって」
「クリスマス凄い……なぁ!?」
俺の言葉を最後の一文字を言い切る前に急上昇。
浮遊感に見舞われる。
語尾が白咲さんみたいになった。
そんなのはどうでもいい。ヤバイ。高い高い。
真下を見ると、列に並んで待っている人が豆粒のように見える。
そして、ふと前を向くと、一面広がっているのは、雲ひとつない青空。
「綺麗だな」
「ん? わぁ……。空、綺麗だね。敦志君」
「おう、それにしてもたけぇな」
「ここ、地上ひゃくにじゅ……きゃあああああ!」
「わああぁぁぁぁぁぁぁ!!」
突如急降下。
重力によって押し潰されそうな感覚と空を舞っている爽快感が心を支配する。
そして、もうひとつ心を支配するのは横にいる森山が笑顔で笑ってくれている事に喜びだった。
_______
アトラクションに乗りまくり、少し遅めの昼食を園内で食べてから時間はあっという間に過ぎた。
俺はどうやら酔いを克服したらしい。
乗り物に乗っても酔わなくなった。
よかった、これで来年の修学旅行は乗り物酔いに襲われなくて楽しめる。
青空が一瞬、暁に染まったが、それはあっという間に過ぎ去り、聖夜の夜へと姿を変えていった。
予報では1日晴れるはずだったが、雪がチラチラと舞い始めた。
俺達はクリスマスツリーを見に行こうと、走っている。
とうとう来た。
言葉が脳内をグルグルと回っている。
『中学の時からずっと好きです。俺と、もしよければ付き合ってください』
一番シンプルだが、一番伝えにくい言葉だ。
「オオーっ! 高橋君写真撮ろう!」
「おう」
俺達はクリスマスツリーをバックに写真を撮る。
ここで、言おう。
心に決めた。
「森山」
俺は彼女の名前を呼ぶ。
きっと、今日という日だからか、ある程度理解はしていたのだろうか。
頬を少し朱に染めて、上目使いで俺を見た。
俺は今どんな顔をしているのだろうか。
森山が1歩こちらに近付いた。
俺も1歩、歩み寄る。
「俺は、森山の事が好きだ」
「中学の時からずっと、友達以上で恋人未満の生活から発展させたかった」
「ありふれた、告白だけど、俺と……付き合ってくださいっ!」
森山は、その言葉を聞いてハッとした顔になった。
待ち望んでいたような表情だった。
「~~~~~~……っ!」
森山の顔から零れ落ちるのは涙。
「……えっへへ。本当にありがとう」
それを拭いながら、
「私も、好き」
その言葉を聞いて、心にあった熱の温度が更にあがった。
「敦志君の事が好き」
この言葉を発した森山の姿を、俺はずっと覚えている。
「こちらこそ、お願いします」
森山は涙を流しながら、笑った。
チラチラと舞う雪が彼女の笑顔を照らしていた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム
ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。
けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。
学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!?
大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。
真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。
二重のカーテン (スカートの下の黒い意志)
MisakiNonagase
青春
洗濯物の隙間に隠したのは、母としての祈りと、娘のプライド。
かつて、女子高生という生き物はもっと無防備で、自由だった。
44歳の主婦、愛子が朝のベランダで手にするのは、娘たちが毎日履き替える漆黒のオーバーパンツ、通称「黒パン」。それは、令和を生きる娘たちが自らの尊厳を守るために身に着ける、鉄壁の「鎧」だった。
小学校時代のママ友たちとのランチ会。そこで語られるのは、ブルセラショップに下着を売っていた奔放な50代、無防備なまま凛と歩くしかなかった40代、そして「見せないこと」に命を懸ける10代の、あまりに深い断絶。さらには、階段で石像のように固まる父、生徒の背後に立たないよう神経を削る教師……。
一枚の黒い布を通して浮き彫りになる、現代社会の歪さと、その根底にある不器用なまでの「優しさ」。
ベランダに干された黒いカーテンの向こう側に、あなたは何を見ますか?
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
彼女に振られた俺の転生先が高校生だった。それはいいけどなんで元カノ達まで居るんだろう。
遊。
青春
主人公、三澄悠太35才。
彼女にフラれ、現実にうんざりしていた彼は、事故にあって転生。
……した先はまるで俺がこうだったら良かったと思っていた世界を絵に書いたような学生時代。
でも何故か俺をフッた筈の元カノ達も居て!?
もう恋愛したくないリベンジ主人公❌そんな主人公がどこか気になる元カノ、他多数のドタバタラブコメディー!
ちょっとずつちょっとずつの更新になります!(主に土日。)
略称はフラれろう(色とりどりのラブコメに精一杯の呪いを添えて、、笑)
神木さんちのお兄ちゃん!
雪桜
キャラ文芸
✨ キャラ文芸ランキング週間・月間1位&累計250万pt突破、ありがとうございます!
神木家の双子の妹弟・華と蓮には"絶世の美男子"と言われるほどの金髪碧眼な『兄』がいる。
美人でカッコよくて、その上優しいお兄ちゃんは、常にみんなの人気者!
だけど、そんな兄には、何故か彼女がいなかった。
幼い頃に母を亡くし、いつも母親代わりだったお兄ちゃん。もしかして、お兄ちゃんが彼女が作らないのは自分達のせい?!
そう思った華と蓮は、兄のためにも自立することを決意する。
だけど、このお兄ちゃん。実は、家族しか愛せない超拗らせた兄だった!
これは、モテまくってるくせに家族しか愛せない美人すぎるお兄ちゃんと、兄離れしたいけど、なかなか出来ない双子の妹弟が繰り広げる、甘くて優しくて、ちょっぴり切ない愛と絆のハートフルラブ(家族愛)コメディ。
果たして、家族しか愛せないお兄ちゃんに、恋人ができる日はくるのか?
これは、美人すぎるお兄ちゃんがいる神木一家の、波乱万丈な日々を綴った物語である。
***
イラストは、全て自作です。
カクヨムにて、先行連載中。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる

