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第7章 光ある文化祭 ─優しさと後悔の罪─
100時間目 開幕! 二度目の文化祭
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「一年C組! 10時から特設ステージでライブがあります! 是非ご覧ください!」
「三年E組! メイドカフェですー。ご主人様、お嬢様、是非いらしてくださいね!」
「二年10組ー! 一時から演劇やりますのでご覧くださいー! 体育館ですー」
人々の呼び込みの喧騒をBGMにしながら、俺──高橋敦志は午前の部を色々見回るためにグラウンドにでていた。
俺たちがでる演劇は午後から。
それまでは、自由時間ということで、こうして出回っているのだ。
ちなみに、遼太郎と裕太は教室で待ってもらっている。
こうして見回りをついでに俺はもう来ているであろう二人の人物を探しているのだ。
二人とも、背が低いから人混みに紛れたら見つからなかったりして──なんてアホな妄想をするくらい今日に浮かれていた。
いつも午前中のこの時間──9時を回った頃は授業が始まっているのでとても校内が静かだ。
でも、今はその静寂は消え去り、一日だけのお祭り騒ぎと化したこの学校は静けさを知らない。
生徒教師に関わらず、皆笑顔が溢れており、幸せそうだ。
少なからず、俺も幸せで、早くその二人と合流したいと思っている。
「一年C組! 10時から特設ステージでライブがあります!」
聞き覚えのある声にふと振り返ると、そこには『ライブやります!』と書いたプラカードを持った鷹乃がいた。
こういう場に慣れていないのか、やや恥ずかしそうにしている。
「あっ、高橋先輩じゃないですか」
「よっ、呼び込みはどうだ?」
鷹乃は掲げていたプラカードをするすると腰辺りまで落として、話しやすい体制になった。
「まあまあですね。や、本当こういうの苦手なんで……。見られてたと思うと恥ずかしいです」
「……分かる。俺もこういうの一人でやれとか言われたら無理」
「そんなものですよね。高橋先輩、もしよかったら来てもらえませんか?」
俺にとって可愛い後輩のお願いを聞くのは先輩ってものだ。
黒沢センパイもそうだからな。
あの人はどんな無茶ぶりやお願いをしても、グダグタ言いながらも出来る範囲でやってくれる。
「もちろんだ。その代わり、思いっきり暴れてこい」
俺がニヤリと笑って言うと、鷹乃は嬉しそうに顔を歪めて、
「ええ、もちろんです。目一杯暴れますよ」
こちらも、ふてぶてしく笑った。
「高橋先輩、誰かを探しているんじゃないですか?」
我にかえった鷹乃の言葉に俺はハッとした。
「あぁ、そうだった。じゃ、行ってくる」
「いってらっしゃい」
確かに一年前は俺もこうだったのかと思う。
俺と鷹乃はなんだか似ている。
ひねくれたところとか笑うと素直なところとか。
いつか、あいつの目のなかにある濁った過去を聞き出せたらいいな。
あいつにとって俺が頼りになる先輩であるのなら。
俺は急いで二人の少女たちを探した。
今年の文化祭は、去年よりも、楽しくなりそうだ。
「三年E組! メイドカフェですー。ご主人様、お嬢様、是非いらしてくださいね!」
「二年10組ー! 一時から演劇やりますのでご覧くださいー! 体育館ですー」
人々の呼び込みの喧騒をBGMにしながら、俺──高橋敦志は午前の部を色々見回るためにグラウンドにでていた。
俺たちがでる演劇は午後から。
それまでは、自由時間ということで、こうして出回っているのだ。
ちなみに、遼太郎と裕太は教室で待ってもらっている。
こうして見回りをついでに俺はもう来ているであろう二人の人物を探しているのだ。
二人とも、背が低いから人混みに紛れたら見つからなかったりして──なんてアホな妄想をするくらい今日に浮かれていた。
いつも午前中のこの時間──9時を回った頃は授業が始まっているのでとても校内が静かだ。
でも、今はその静寂は消え去り、一日だけのお祭り騒ぎと化したこの学校は静けさを知らない。
生徒教師に関わらず、皆笑顔が溢れており、幸せそうだ。
少なからず、俺も幸せで、早くその二人と合流したいと思っている。
「一年C組! 10時から特設ステージでライブがあります!」
聞き覚えのある声にふと振り返ると、そこには『ライブやります!』と書いたプラカードを持った鷹乃がいた。
こういう場に慣れていないのか、やや恥ずかしそうにしている。
「あっ、高橋先輩じゃないですか」
「よっ、呼び込みはどうだ?」
鷹乃は掲げていたプラカードをするすると腰辺りまで落として、話しやすい体制になった。
「まあまあですね。や、本当こういうの苦手なんで……。見られてたと思うと恥ずかしいです」
「……分かる。俺もこういうの一人でやれとか言われたら無理」
「そんなものですよね。高橋先輩、もしよかったら来てもらえませんか?」
俺にとって可愛い後輩のお願いを聞くのは先輩ってものだ。
黒沢センパイもそうだからな。
あの人はどんな無茶ぶりやお願いをしても、グダグタ言いながらも出来る範囲でやってくれる。
「もちろんだ。その代わり、思いっきり暴れてこい」
俺がニヤリと笑って言うと、鷹乃は嬉しそうに顔を歪めて、
「ええ、もちろんです。目一杯暴れますよ」
こちらも、ふてぶてしく笑った。
「高橋先輩、誰かを探しているんじゃないですか?」
我にかえった鷹乃の言葉に俺はハッとした。
「あぁ、そうだった。じゃ、行ってくる」
「いってらっしゃい」
確かに一年前は俺もこうだったのかと思う。
俺と鷹乃はなんだか似ている。
ひねくれたところとか笑うと素直なところとか。
いつか、あいつの目のなかにある濁った過去を聞き出せたらいいな。
あいつにとって俺が頼りになる先輩であるのなら。
俺は急いで二人の少女たちを探した。
今年の文化祭は、去年よりも、楽しくなりそうだ。
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