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第8章 〝幸せ〟の選択 ─さよならの決意─
109・3時間目 素敵な一日の始まり
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翌日、やってきたクリスマス当日。
今日はとてもよい目覚めだった。普段もそれなりに目覚めはいいのだが、今日は一段と目覚めがいい。
今日は裕太たちと遊んでから夜に小春に会うことになっている。
今から会うのが待ち遠しいが、裕太たちと遊んでいればきっと、楽しい時間の流れは早いからすぐにやってくる。
朝、トーストを食べて、正午になる手前まで部屋でごろごろしてから、でかけた。
やってきたのは裕太の家。いつ見ても豪邸なその外観は、行く度に見上げてしまう。
インターホンを押して、反応を確かめる。
「どなたでしょうか」
裕太とは違った低く野太い声が聴こえてきた。
裕太、じゃない。きっと、裕太の父親だ。
俺は、予想外のことに一瞬戸惑ったが、すぐに答えることができた。
「裕太……や、山内君の友人です」
「少々お待ちください」
感情のこもっていない声色で言われると、なぜだか、寒気がする。
数分後、裕太は玄関からやってきたのだが、明らかに服装は私服ではなく、パジャマだった。
「やぁ、敦志」
「よぉ、裕太。寝起きか?」
「あー、まぁ、うん。そうだね。ちょっと遅れるかも知らないからMISHIHANAに先に行っていてくれないか?」
「おう、遼太郎と行っておくわ。来るとき電話してくれ」
裕太は何か焦ったようにドアを閉めた。まぁ、パジャマ見られるのは嫌だわな。俺も嫌だもん。だせぇから。
裕太の家から遼太郎の家へと歩き、着いたのは平屋だった。
三石とかかれた表札の下にあるインターホンを押し、返事を待つこと数秒。
「おーい! 敦志!」
声が聞こえたのは、インターホンからではなく、二階の遼太郎の部屋らしきところだった。
その窓からひょっこりと顔を覗かせて手を振っていた。
俺も手を振り返すし、用件を伝える。
「裕太が準備で遅れるらしいから、二人でMISHIHANAに行っておこうぜ」
「了解~! 今からそっち行くなー!」
窓から消えた遼太郎を待つこと数分。
スライド式のドアから出てきた遼太郎は、黒のダウンを着こんでいた。
「ひゃ~! 寒い寒い! 早く行こう!」
「だな、行こうぜ」
俺たちは少し歩くスピードを早めながら、MISHIHANAへと向かった。
──
「いらっしゃいませ。……おっ、高橋君と三石君じゃないか。久しぶり。元気にしてた?」
「二人とも久しぶりなのー!」
カフェ特有のベルと共に俺たちを迎えてくれたのは、ここの店長である三島さんと白咲さんだった。
「お久しぶりです。俺たちは皆元気ですよー!」
「ならよかったよ。このあと、山内君も来るでしょ? とりあえず、座って座って」
三島さんに促され、俺たちはほとんど定置となった四人がけのテーブルを囲んだ。
「ご注文はいつものでいいのー?」
白咲さんがとてとてと小走りで接客をしに来てくれた。俺たちは了承の意を伝え、三島さんが曲名の分からない曲を鼻唄で歌いながら、いつもの──俺はブラックコーヒー、遼太郎はカフェオレ──を作っていた。
それを待ちながら、俺と遼太郎は今日どんなところに行くか話し合った。
今日はとてもよい目覚めだった。普段もそれなりに目覚めはいいのだが、今日は一段と目覚めがいい。
今日は裕太たちと遊んでから夜に小春に会うことになっている。
今から会うのが待ち遠しいが、裕太たちと遊んでいればきっと、楽しい時間の流れは早いからすぐにやってくる。
朝、トーストを食べて、正午になる手前まで部屋でごろごろしてから、でかけた。
やってきたのは裕太の家。いつ見ても豪邸なその外観は、行く度に見上げてしまう。
インターホンを押して、反応を確かめる。
「どなたでしょうか」
裕太とは違った低く野太い声が聴こえてきた。
裕太、じゃない。きっと、裕太の父親だ。
俺は、予想外のことに一瞬戸惑ったが、すぐに答えることができた。
「裕太……や、山内君の友人です」
「少々お待ちください」
感情のこもっていない声色で言われると、なぜだか、寒気がする。
数分後、裕太は玄関からやってきたのだが、明らかに服装は私服ではなく、パジャマだった。
「やぁ、敦志」
「よぉ、裕太。寝起きか?」
「あー、まぁ、うん。そうだね。ちょっと遅れるかも知らないからMISHIHANAに先に行っていてくれないか?」
「おう、遼太郎と行っておくわ。来るとき電話してくれ」
裕太は何か焦ったようにドアを閉めた。まぁ、パジャマ見られるのは嫌だわな。俺も嫌だもん。だせぇから。
裕太の家から遼太郎の家へと歩き、着いたのは平屋だった。
三石とかかれた表札の下にあるインターホンを押し、返事を待つこと数秒。
「おーい! 敦志!」
声が聞こえたのは、インターホンからではなく、二階の遼太郎の部屋らしきところだった。
その窓からひょっこりと顔を覗かせて手を振っていた。
俺も手を振り返すし、用件を伝える。
「裕太が準備で遅れるらしいから、二人でMISHIHANAに行っておこうぜ」
「了解~! 今からそっち行くなー!」
窓から消えた遼太郎を待つこと数分。
スライド式のドアから出てきた遼太郎は、黒のダウンを着こんでいた。
「ひゃ~! 寒い寒い! 早く行こう!」
「だな、行こうぜ」
俺たちは少し歩くスピードを早めながら、MISHIHANAへと向かった。
──
「いらっしゃいませ。……おっ、高橋君と三石君じゃないか。久しぶり。元気にしてた?」
「二人とも久しぶりなのー!」
カフェ特有のベルと共に俺たちを迎えてくれたのは、ここの店長である三島さんと白咲さんだった。
「お久しぶりです。俺たちは皆元気ですよー!」
「ならよかったよ。このあと、山内君も来るでしょ? とりあえず、座って座って」
三島さんに促され、俺たちはほとんど定置となった四人がけのテーブルを囲んだ。
「ご注文はいつものでいいのー?」
白咲さんがとてとてと小走りで接客をしに来てくれた。俺たちは了承の意を伝え、三島さんが曲名の分からない曲を鼻唄で歌いながら、いつもの──俺はブラックコーヒー、遼太郎はカフェオレ──を作っていた。
それを待ちながら、俺と遼太郎は今日どんなところに行くか話し合った。
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