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第十二章 日帰り【シックスス・ワールド(第六の世界)】の冒険2
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【ティニディス】が選択した【モンスター】は、
【スケルトンオーガ】2体、
【龍もどき】1体、
【肉林ゾンビ】2体、
【泥人間】2体、
【パズルウルフ】2体、
【怪卵(かいらん)E38型】2つ、
【怪卵(かいらん)G3型】1つ、
【竜卵(りゅうらん)】(型式不明)1つ、
――の合計13体となっている。
【スケルトンオーガ】は、骨だけの鬼型の【モンスター】となる。
ランクは【D】だ。
鬼型の【モンスター】の中では弱い方に部類される。
【龍もどき】は【龍】に近い姿をしているが、【龍】では無く、【卵】も【竜卵(りゅうらん)】から生まれたのではなく、【怪卵(かいらん)】から生まれている。
ランクは【E】だ。
【龍】に【擬態】したハッタリ【モンスター】だと言える。
【肉林ゾンビ】とは、複数の【女性】の【遺体】が折り重なって出来た大型【ゾンビ】の事を言っている。
中には、【ゾンビスライム】の【亜種】である【デスゾンビスライム】が入っており、死体と死体をくっつけて1つの【モンスター】と化している。
ランクは【D】だ。
【泥人間】は、【泥型】の【モンスター】だ。
【人間】を真似て【人間】の様な姿を形作っているが、【人間】では無い。
ランクは【E】だ。
【パズルウルフ】とは【オオカミ型】の【モンスター】だ。
姿が、【オオカミのパズル】をやっている途中の様に形が崩れている事から【パズルウルフ】と命名されている。
【遠吠え】で仲間を呼ぶ事もあるので注意したい【モンスター】となっている。
ランクは【E】だ。
【怪卵(かいらん)E38型】は、【怪卵(かいらん)】の【Eのグループ】の38番目にチェックされた【卵】を指している。
この中には、【Eランク】の【モンスター】、【スネイクヘッド】が入っている。
【スネイクヘッド】は【タヌキ】の身体に【蛇】の頭を持つ【モンスター】だ。
【怪卵(かいらん)G3型】は、【怪卵(かいらん)】の【Gのグループ】の3番目にチェックされた【卵】を指している。
この中には、【Fランク】の【モンスター】、【ひよこぱっくん】が入っている。
【ひよこ】そっくりの外見だが、近づくと、大きな口が出現し、対象者を食べようとする【モンスター】だ。
【竜卵(りゅうらん)】(型式不明)は、【竜型】もしくは【龍型】の【モンスター】が入った【卵】を指している。
この辺りで、【竜(龍)種】の【卵】があるのは珍しいと言える。
【ティニディス】はこの【卵】があったからこそ、ここを選んだと言っても過言ではない。
この敵に対し、【ティニディス】は、
『小僧。
見とれよ。
我の名は【ティニディス】。
我の名において【召喚】す。
【心要素】――【動火(どうか)属性】、
【技要素】――【火属性(ひぞくせい)】、
【体要素】――【火属性(ひぞくせい)】、
1つずつ【顕現(けんげん)】し、1つとなれ』
と唱えた。
すると、【ティニディス】の背後から空間の裂け目が出来て、3つの【要素】――【焼けた小石】の様なものが出てきた。
3つの【小石】は、空中で回転し、円を描く様にそれぞれ120度ずつ離れた場所に定着し、その軌道上に赤い光の線が走った。
その線から複雑な【魔法陣】が出現する。
シュゴオォォォ……
と言う音を立て、3つの【小石】が描いている円がダンダン縮まって行く。
そして、3つの【小石】が1つにまとまった時、【融合】を始めた。
1つになった【小石】は、ジュグジュグと音を立て、受肉していく。
受肉したそれは【モンスター】の形になって行った。
全身から炎が絶えず出ている鬣(たてがみ)のある【ライオン】に似た【モンスター】となった。
【ティニディス】は、
『お前の名は……
そうだな、【レスファイア】だ。
【レスファイア】。
敵を殲滅しろっ』
と命じた。
【ティニディス】に【レスファイア】と名付けられた【モンスター】は、
「ヴァアァァァァァァァァァ……」
と咆哮し、【敵モンスター】に向かって行った。
【レスファイア】は、鬣(たてがみ)を逆立てた。
すると、そこから、炎の塊が次々と出現し、それが意思でも持つかの様に、【敵モンスター】めがけて飛んでいった。
【敵モンスター】達は、みるみる炎に包まれ、倒されて行った。
気付いた時にはものの1分もかからずに全滅していた。
【卵】も孵化する前に破壊されたのだった。
【ティニディス】は、
『うむ。
【レスファイア】。
もう、良いぞ。
【要素】に戻れ。
【無帰化(むきか)】っ』
と命令した。
すると【レスファイア】は、
「ヴァアァァァァァァァァァ……」
と咆哮して、三つの【小石/要素】に戻った。
そして、【ティニディス】の背後にあった空間の隙間に吸い込まれ消えて行ったのだった。
【ティニディス】は、
『ふん。
つまらん。
敵が弱すぎて、話にならんな』
と文句を言った。
それはそうだろう。
弱体化しているとは言え、【ティニディス】は【界物(かいぶつ)】なのだ。
【三大界物】の一角にとって、【シックスス・ワールド(第六の世界)】の序盤に出てくる【モンスター】など、雑魚中の雑魚と言っても差し支えないのだ。
続けて、
『こうやって呼び出して、【モンスター】を操るのだ。
我が近くに居れば、空間の歪みを作りだし、【セヴンス・ワールド(第七の世界)】から【要素】が取り出せる。
それで、小僧。
お前の場合は、
【我の名は【叶羽 勇至狼(かなう ゆうしろう)】。
我の名において【召喚】す。
【心要素】――【必要な属性】、
【技要素】――【必要な属性】、
【体要素】――【必要な属性】、
1つずつ【顕現(けんげん)】し、1つとなれ】
と唱えれば、【要素】が1つずつ空間を渡り、現れる。
その後は自動だ。
勝手に、3つの【要素】が円を描き、【魔法陣】を作り出して、【モンスター】を形作る。
その後で、お前が、その【モンスター】に名前を決める。
先ほどの戦闘で我が、【レスファイア】とつけた様にな。
名前を名付けた後、その【モンスター】に攻撃命令を下せ。
【知力】のある【モンスター】ならば、簡単な命令くらい、聞けるはずだ。
これだけだ。
簡単だろ?
用が終わったら、【無帰化(むきか)】と唱えてまた【要素】に戻し、我の【世界】へと帰すのだ。
とりあえず、戦闘に入るのはその後だ。
まずは、【モンスター】の居なくなったこの場所で、【モンスター】を作って簡単な命令をして【無帰化(むきか)】させてみろ。
本番で失敗すれば、お前は大きく隙を作る事になるからな。
そうならないためにも、今の内に練習をしておけ』
と言った。
【勇至狼】は、
「あ、あぁ。
そうだな。
練習は必要だな。
じゃ、じゃあやってみる。
えーっと……
確か……
【我の名は【叶羽 勇至狼(かなう ゆうしろう)】。
我の名において【召喚】す。
【心要素】――【静水(せいすい)属性】、
【技要素】――【水属性(みずぞくせい)】、
【体要素】――【水属性(みずぞくせい)】、
1つずつ【顕現(けんげん)】し、1つとなれ】
……で良いのかな?」
と唱えた。
すると、【ティニディス】の背後ではなく、【勇至狼】の背後から空間の裂け目が出現し、湿った様な【小石】が3つ出てきた。
恐らくは【水属性(みずぞくせい)】の【要素】だろう。
この3つの【小石】は、空中で回転し、円を描く様にそれぞれ120度ずつ離れた場所に定着し、その軌道上に青い光の線が走った。
その線から複雑な【魔法陣】が出現する。
ジュワアァァァァ……
と言う音を立て、3つの【小石】が描いている円がダンダン縮まって行く。
そして、3つの【小石】が1つにまとまった時、【融合】を始めた。
1つになった【小石】は、ジュブジュブと音を立て、受肉していく。
受肉したそれは【モンスター】の形になって行った。
マグロの様な体にせびれの部分に女性の上半身がついた様な【モンスター】となった。
、【勇至狼】は、
「え、えと……
名前を決めるんだったな。
えーっと君の名は、【マグロレディー】だ。
【マグロレディー】、霧を出せるかい?」
と命令した。
【勇至狼】に【マグロレディー】と名付けられた【モンスター】は、
「出来ますけど、もっとかっこいい名前をくださいよぉ、ご主人様ぁ~」
と言った。
【ティニディス】は、
『はははっ。
確かに。
【マグロレディー】はねぇだろ。
【マグロレディー】はな』
と言った。
【勇至狼】は、
「え?
だって、【まぐろ】っぽいし……」
と答えた。
【ティニディス】は、
『名前が定着してしまえば、こいつは【マグロレディー】となる。
直すなら今の内だぞ』
と答えた。
【勇至狼】は、
「え?
あ、そうなのか?
わかった。
じゃ、じゃあ、【ツナシー】でどうかな?
【ツナシー】、霧を出してくれ」
と命令した。
【ツナシー】に改名してもらった【モンスター】は、
「はいな。
ご主人様。
【ツナシー】行きまぁ~す」
と言って、【マグロ】の口の様な部分から、霧を発生させた。
【ティニディス】は、
『どうやら、今度は(名前を)気に入ったようだな……』
と言った。
【勇至狼】は霧が発生したのを見て、
「お、おぉ……」
とつぶやいた。
【ティニディス】は、
『一応、付け加えておくが、お前の力だと、作り出した【モンスター】に命令出来る数は【無帰化(むきか)】も含めて、せいぜい、10回までだ。
それ以上は制御が利かなくなる。
その前に【無帰化(むきか)】させて、戻すんだな』
と言った。
【勇至狼】は、
「わ、わかった。
じゃあ、【ツナシー】。
戻ってくれ。
【要素】に戻れ。
【無帰化(むきか)】っ」
と命令した。
【ツナシー】は、
「またねん、ご主人様ぁ~」
と言って【要素】に戻り、【勇至狼】の背後にある空間の裂け目に吸い込まれて消えた。
【ティニディス】は、
『それと、【モンスター】を呼び出したくば、我と1キロ以上離れるな。
でなければ呼び出せなくなる。
お前はあくまで、仮認定しているだけに過ぎんのだからな。
我が近くに居なければ、【要素】は呼び出せん。
それは肝に銘じておけ』
と言った。
【勇至狼】は、
「わかった。
あの……」
と言った。
【ティニディス】が、
『何だ?』
と聞くと、
「も、もう一度、練習させてもらっても良いかな?
さっきは【水属性】で統一したし、【ティニディス】が呼び出したのも【火属性】の統一した【モンスター】だった。
今度は【属性】を混ぜたら、どうなるのか?
それを試したい」
と言った。
【ティニディス】は、
『ふっ……
納得がいくまでやれば良い。
好きにしろ』
と言った。
【勇至狼】は、
「ありがとう。
じゃあ、もう一度、やるよ。
【我の名は【叶羽 勇至狼(かなう ゆうしろう)】。
我の名において【召喚】す。
【心要素】――【動雷(どうらい)属性】、
【技要素】――【風属性(かぜぞくせい)】、
【体要素】――【土属性(つちぞくせい)】、
1つずつ【顕現(けんげん)】し、1つとなれ】
……頼む。
上手く言ってくれっ」
と唱えた。
すると再び、【勇至狼】の背後の空間が裂けて、その歪みから、3つの小石の様なものが出てきた。
今度のは1つが、【電気】でも通っているかの様にパリパリ言って黄色く光っている。
これが恐らく【心要素】――【動雷(どうらい)属性】なのだろう。
2つ目は、透き通っている。
これが恐らく【技要素】――【風属性(かぜぞくせい)】なのだろう。
3つ目は、茶色くなっている。
これが恐らく、【体要素】――【土属性(つちぞくせい)】なのだろう。
これら3つの【要素】は、空中で回転し、円を描く様にそれぞれ120度ずつ離れた場所に定着し、その軌道上に3色の光の線が走った。
1つは黄色、
2つ目は透明色、
3つ目は茶色、
恐らくは【属性】を現す【色】の線が出来ているのだろう。
その線から複雑な【魔法陣】が出現する。
ドガガガガ……
シュゴゴゴゴゴ……
ズドドドド……
と言う3種類の音を立て、3つの【小石】が描いている円がダンダン縮まって行く。
そして、3つの【小石】が1つにまとまった時、【融合】を始めた。
1つになった【小石】は、ジュジュジュジュと音を立て、受肉していく。
受肉したそれは【モンスター】の形になって行った。
その姿は、中央に球体、それを取り囲む様に3色の輪が120度ずつ取り囲んでいる。
そんな姿だった。
【勇至狼】は、
「な、なんだこれ?」
とつぶやいた。
【ティニディス】は、
『直感だ。
直感で名前を決めろ。
小僧。
お前の脳に、そいつのイメージが出来ているはずだ。
それを元に名前を決めろ』
とアドバイスした。
【勇至狼】は、
「じゃ、じゃあ、君の名前は、
【バーサス】だ。
【バーサス】、【三輪攻撃】を天に向かって放て」
と命令した。
【勇至狼】に【バーサス】と名付けられた【モンスター】は、
「キィィィィィィィィィィィィィィィン」
と音を立て、真上に向かって3つの輪から、
【雷属性(かみなりぞくせい)】の雷撃、
【風属性(かぜぞくせい)】の竜巻、
【土属性(つちぞくせい)】の巨大泥団子、
を放った。
雷撃と竜巻は、そのまま天に消えたが、巨大泥団子は、上空まで行ったももの、重力に引かれて落下をしてきた。
【ティニディス】は、
『馬鹿たれ。
追撃しろっ』
と言った。
【勇至狼】は、
「あ、あぁ……
【バーサス】。
巨大泥団子を北に向かって吹き飛ばせ」
と命令した。
【バーサス】は、
「キィィィィィィィィィィィィィィィン」
と音を立て、竜巻を起こし、落ちてきた巨大泥団子を北の方向に向かって吹き飛ばした。
だが、巨大泥団子が崩れて、泥の雨を降らせた。
【琴花】が、
「ちょっとっ。
やだっ……
何やってんのよ?
泥だらけじゃない」
と文句を言った。
見ていた三姉妹も泥を被ったのだ。
【勇至狼】は、
「あ……
ご、ごめん……
じゃあ、一旦、引っ込めよう。
じゃあ、【バーサス】。
戻ってくれ。
【要素】に戻れ。
【無帰化(むきか)】っ」
と命令した。
【バーサス】は、
「キィィィィィィィィィィィィィィィン」
と音を立て、【要素】に戻り、【セヴンス・ワールド(第七の世界)】へと戻って行った。
その後で、
「【我の名は【叶羽 勇至狼(かなう ゆうしろう)】。
我の名において【召喚】す。
【心要素】――【静火(せいか)属性】、
【技要素】――【火属性(ひぞくせい)】、
【体要素】――【火属性(ひぞくせい)】、
1つずつ【顕現(けんげん)】し、1つとなれ】、
【我の名は【叶羽 勇至狼(かなう ゆうしろう)】。
我の名において【召喚】す。
【心要素】――【静水(せいすい)属性】、
【技要素】――【水属性(みずぞくせい)】、
【体要素】――【水属性(みずぞくせい)】、
1つずつ【顕現(けんげん)】し、1つとなれ】」
と立て続けに【要素】を呼び出した。
【心要素】――【静火(せいか)属性】、
【技要素】――【火属性(ひぞくせい)】、
【体要素】――【火属性(ひぞくせい)】、
――の3【要素】で出来た【モンスター】は、【しっぽに炎】がついている【ウサギ型】の【モンスター】が出た。
【心要素】――【静水(せいすい)属性】、
【技要素】――【水属性(みずぞくせい)】、
【体要素】――【水属性(みずぞくせい)】、
――の3【要素】で出来た【モンスター】は、先ほど出した【ツナシー】が出た。
【ツナシー】には既に名前がついているため、名前を付ける必要がないが、【ウサギ型】の【モンスター】には、【ファイヤーラビット】と名付けた。
そして、【ツナシー】に【水】を出してもらい、服ごとメンバーを洗ってもらい、【ファイヤーラビット】に乾かしてもらって、それぞれ、役目を終えた【モンスター】を【要素】に戻して、【セヴンス・ワールド(第七の世界)】へと戻って行ったのだった。
【勇至狼】は、
「ごめん。
これで良いかい?」
と三姉妹に謝った。
【瞳良】は、
「私達は洗濯物じゃないのよ」
と文句を言っていたがとりあえず3人とも許してくれた様だった。
【ティニディス】は、
『指摘する事がいくつかある。
小僧。
お前は、2体の【モンスター】を呼び出す時、
【我の名は【叶羽 勇至狼(かなう ゆうしろう)】。
我の名において【召喚】す。
【心要素】――【静火(せいか)属性】、
【技要素】――【火属性(ひぞくせい)】、
【体要素】――【火属性(ひぞくせい)】、
1つずつ【顕現(けんげん)】し、1つとなれ】、
【我の名は【叶羽 勇至狼(かなう ゆうしろう)】。
我の名において【召喚】す。
【心要素】――【静水(せいすい)属性】、
【技要素】――【水属性(みずぞくせい)】、
【体要素】――【水属性(みずぞくせい)】、
1つずつ【顕現(けんげん)】し、1つとなれ】
と同じ言葉を繰り返していた。
これは時間の無駄だ。
この場合は、
【我の名は【叶羽 勇至狼(かなう ゆうしろう)】。
我の名において【複数召喚】す。
【心要素】――【静火(せいか)属性】、
【技要素】――【火属性(ひぞくせい)】、
【体要素】――【火属性(ひぞくせい)】、
また、
【心要素】――【静水(せいすい)属性】、
【技要素】――【水属性(みずぞくせい)】、
【体要素】――【水属性(みずぞくせい)】、
各々【顕現(けんげん)】し、1つとなれ】
これで良い。
2度、自分を名乗るのは時間の無駄だ。
要は組み合わせる3つの【要素】を一緒に言えば良い。
それと、同じ属性が混じっていた場合、同時には呼び出せないからそのつもりでいろ。
我の場合は、例えば同じ【心要素】――【静水(せいすい)属性】でも数百万種類はある。
だから、被って呼び出してもかまわぬが、お前に与えたのは全部で30種類の【要素】だけだ。
その証拠に
【心要素】――【静水(せいすい)属性】、
【技要素】――【水属性(みずぞくせい)】、
【体要素】――【水属性(みずぞくせい)】、
の組み合わせで生み出せたのは同じ【ツナシー】だったはずだ。
我が作れば、
【心要素】――【静水(せいすい)属性】、
【技要素】――【水属性(みずぞくせい)】、
【体要素】――【水属性(みずぞくせい)】、
の組み合わせでも呼び出す度に異なる【モンスター】を作る事が出来るが、お前の場合は同じ【モンスター】となる。
今のお前の力ではそれ以上の負担はかけられん。
要するに未熟者だと言うことだ。
また、今のアクションの場合、【火属性(ひぞくせい)】と【水属性(みずぞくせい)】を混ぜて【モンスター】を作れば、それで事足りたはずだ。
作る時はそれを良く考えて作れ』
と言った。
【勇至狼】は、
「あ、あぁ。
すまない……」
と言った。
【ティニディス】は、
『謝ることじゃない。
使い始めたばかりだ。
それくらいは当たり前だ。
それと、もう1つ。
3つの【要素】の割り振りだ。
【心要素】、【技要素】、【体要素】と別れるが、主に、
【心要素】は、【能力】の【属性】のキャパシティー、【容量】に影響し、
【技要素】は、【能力】の【属性】の【威力】に影響し、
【体要素】は、【能力】からの攻撃の【耐性】に影響する。
それを理解しておくんだな。
つまり、さっきの【バーサス】か?
あいつは、
【心要素】――【動雷(どうらい)属性】、
【技要素】――【風属性(かぜぞくせい)】、
【体要素】――【土属性(つちぞくせい)】、
だっただろ?
この場合、【雷属性(かみなりぞくせい)】の【能力】を使う【容量】が大きく、
【風属性(かぜぞくせい)】の【能力】が一番、【威力】がある。
【土属性(つちぞくせい)】の【能力】はあるが、この場合、【耐性】がついている。
【土属性(つちぞくせい)】の攻撃が単なる【巨大泥団子】で、重力に負けて、落ちて来たのもそのためだ。
攻撃力や【土属性(つちぞくせい)】の【アビリティーキャパシティー】は低いのだ』
と言った。
【勇至狼】は、
「そ、そう言えば、一番、【風】の攻撃が派手だった……」
とつぶやいた。
【ティニディス】は、
『だろ?
それと、お前が一度の呼び出しで命令出来る数は10回までだ。
2体呼び出せば、当然、1体あたりに命令出来るのは半分の5回までとなる。
それを考えて呼び出すんだな。
これで大体、わかったか?』
と聞いた。
【勇至狼】は、
「あ、あぁ。
わかった。
ありがとう。
解説がわかりやすくて助かる」
と言った。
【ティニディス】は、
『わかったなら、今度は本番だ。
次はお前の番だ。
やって見ろ。
ほれっ、タッチだ』
と言った。
【勇至狼】は、
「あぁ。
じゃあ、俺は北へ行く。
ついてきてくれ」
と言って歩き出したのだった。
【スケルトンオーガ】2体、
【龍もどき】1体、
【肉林ゾンビ】2体、
【泥人間】2体、
【パズルウルフ】2体、
【怪卵(かいらん)E38型】2つ、
【怪卵(かいらん)G3型】1つ、
【竜卵(りゅうらん)】(型式不明)1つ、
――の合計13体となっている。
【スケルトンオーガ】は、骨だけの鬼型の【モンスター】となる。
ランクは【D】だ。
鬼型の【モンスター】の中では弱い方に部類される。
【龍もどき】は【龍】に近い姿をしているが、【龍】では無く、【卵】も【竜卵(りゅうらん)】から生まれたのではなく、【怪卵(かいらん)】から生まれている。
ランクは【E】だ。
【龍】に【擬態】したハッタリ【モンスター】だと言える。
【肉林ゾンビ】とは、複数の【女性】の【遺体】が折り重なって出来た大型【ゾンビ】の事を言っている。
中には、【ゾンビスライム】の【亜種】である【デスゾンビスライム】が入っており、死体と死体をくっつけて1つの【モンスター】と化している。
ランクは【D】だ。
【泥人間】は、【泥型】の【モンスター】だ。
【人間】を真似て【人間】の様な姿を形作っているが、【人間】では無い。
ランクは【E】だ。
【パズルウルフ】とは【オオカミ型】の【モンスター】だ。
姿が、【オオカミのパズル】をやっている途中の様に形が崩れている事から【パズルウルフ】と命名されている。
【遠吠え】で仲間を呼ぶ事もあるので注意したい【モンスター】となっている。
ランクは【E】だ。
【怪卵(かいらん)E38型】は、【怪卵(かいらん)】の【Eのグループ】の38番目にチェックされた【卵】を指している。
この中には、【Eランク】の【モンスター】、【スネイクヘッド】が入っている。
【スネイクヘッド】は【タヌキ】の身体に【蛇】の頭を持つ【モンスター】だ。
【怪卵(かいらん)G3型】は、【怪卵(かいらん)】の【Gのグループ】の3番目にチェックされた【卵】を指している。
この中には、【Fランク】の【モンスター】、【ひよこぱっくん】が入っている。
【ひよこ】そっくりの外見だが、近づくと、大きな口が出現し、対象者を食べようとする【モンスター】だ。
【竜卵(りゅうらん)】(型式不明)は、【竜型】もしくは【龍型】の【モンスター】が入った【卵】を指している。
この辺りで、【竜(龍)種】の【卵】があるのは珍しいと言える。
【ティニディス】はこの【卵】があったからこそ、ここを選んだと言っても過言ではない。
この敵に対し、【ティニディス】は、
『小僧。
見とれよ。
我の名は【ティニディス】。
我の名において【召喚】す。
【心要素】――【動火(どうか)属性】、
【技要素】――【火属性(ひぞくせい)】、
【体要素】――【火属性(ひぞくせい)】、
1つずつ【顕現(けんげん)】し、1つとなれ』
と唱えた。
すると、【ティニディス】の背後から空間の裂け目が出来て、3つの【要素】――【焼けた小石】の様なものが出てきた。
3つの【小石】は、空中で回転し、円を描く様にそれぞれ120度ずつ離れた場所に定着し、その軌道上に赤い光の線が走った。
その線から複雑な【魔法陣】が出現する。
シュゴオォォォ……
と言う音を立て、3つの【小石】が描いている円がダンダン縮まって行く。
そして、3つの【小石】が1つにまとまった時、【融合】を始めた。
1つになった【小石】は、ジュグジュグと音を立て、受肉していく。
受肉したそれは【モンスター】の形になって行った。
全身から炎が絶えず出ている鬣(たてがみ)のある【ライオン】に似た【モンスター】となった。
【ティニディス】は、
『お前の名は……
そうだな、【レスファイア】だ。
【レスファイア】。
敵を殲滅しろっ』
と命じた。
【ティニディス】に【レスファイア】と名付けられた【モンスター】は、
「ヴァアァァァァァァァァァ……」
と咆哮し、【敵モンスター】に向かって行った。
【レスファイア】は、鬣(たてがみ)を逆立てた。
すると、そこから、炎の塊が次々と出現し、それが意思でも持つかの様に、【敵モンスター】めがけて飛んでいった。
【敵モンスター】達は、みるみる炎に包まれ、倒されて行った。
気付いた時にはものの1分もかからずに全滅していた。
【卵】も孵化する前に破壊されたのだった。
【ティニディス】は、
『うむ。
【レスファイア】。
もう、良いぞ。
【要素】に戻れ。
【無帰化(むきか)】っ』
と命令した。
すると【レスファイア】は、
「ヴァアァァァァァァァァァ……」
と咆哮して、三つの【小石/要素】に戻った。
そして、【ティニディス】の背後にあった空間の隙間に吸い込まれ消えて行ったのだった。
【ティニディス】は、
『ふん。
つまらん。
敵が弱すぎて、話にならんな』
と文句を言った。
それはそうだろう。
弱体化しているとは言え、【ティニディス】は【界物(かいぶつ)】なのだ。
【三大界物】の一角にとって、【シックスス・ワールド(第六の世界)】の序盤に出てくる【モンスター】など、雑魚中の雑魚と言っても差し支えないのだ。
続けて、
『こうやって呼び出して、【モンスター】を操るのだ。
我が近くに居れば、空間の歪みを作りだし、【セヴンス・ワールド(第七の世界)】から【要素】が取り出せる。
それで、小僧。
お前の場合は、
【我の名は【叶羽 勇至狼(かなう ゆうしろう)】。
我の名において【召喚】す。
【心要素】――【必要な属性】、
【技要素】――【必要な属性】、
【体要素】――【必要な属性】、
1つずつ【顕現(けんげん)】し、1つとなれ】
と唱えれば、【要素】が1つずつ空間を渡り、現れる。
その後は自動だ。
勝手に、3つの【要素】が円を描き、【魔法陣】を作り出して、【モンスター】を形作る。
その後で、お前が、その【モンスター】に名前を決める。
先ほどの戦闘で我が、【レスファイア】とつけた様にな。
名前を名付けた後、その【モンスター】に攻撃命令を下せ。
【知力】のある【モンスター】ならば、簡単な命令くらい、聞けるはずだ。
これだけだ。
簡単だろ?
用が終わったら、【無帰化(むきか)】と唱えてまた【要素】に戻し、我の【世界】へと帰すのだ。
とりあえず、戦闘に入るのはその後だ。
まずは、【モンスター】の居なくなったこの場所で、【モンスター】を作って簡単な命令をして【無帰化(むきか)】させてみろ。
本番で失敗すれば、お前は大きく隙を作る事になるからな。
そうならないためにも、今の内に練習をしておけ』
と言った。
【勇至狼】は、
「あ、あぁ。
そうだな。
練習は必要だな。
じゃ、じゃあやってみる。
えーっと……
確か……
【我の名は【叶羽 勇至狼(かなう ゆうしろう)】。
我の名において【召喚】す。
【心要素】――【静水(せいすい)属性】、
【技要素】――【水属性(みずぞくせい)】、
【体要素】――【水属性(みずぞくせい)】、
1つずつ【顕現(けんげん)】し、1つとなれ】
……で良いのかな?」
と唱えた。
すると、【ティニディス】の背後ではなく、【勇至狼】の背後から空間の裂け目が出現し、湿った様な【小石】が3つ出てきた。
恐らくは【水属性(みずぞくせい)】の【要素】だろう。
この3つの【小石】は、空中で回転し、円を描く様にそれぞれ120度ずつ離れた場所に定着し、その軌道上に青い光の線が走った。
その線から複雑な【魔法陣】が出現する。
ジュワアァァァァ……
と言う音を立て、3つの【小石】が描いている円がダンダン縮まって行く。
そして、3つの【小石】が1つにまとまった時、【融合】を始めた。
1つになった【小石】は、ジュブジュブと音を立て、受肉していく。
受肉したそれは【モンスター】の形になって行った。
マグロの様な体にせびれの部分に女性の上半身がついた様な【モンスター】となった。
、【勇至狼】は、
「え、えと……
名前を決めるんだったな。
えーっと君の名は、【マグロレディー】だ。
【マグロレディー】、霧を出せるかい?」
と命令した。
【勇至狼】に【マグロレディー】と名付けられた【モンスター】は、
「出来ますけど、もっとかっこいい名前をくださいよぉ、ご主人様ぁ~」
と言った。
【ティニディス】は、
『はははっ。
確かに。
【マグロレディー】はねぇだろ。
【マグロレディー】はな』
と言った。
【勇至狼】は、
「え?
だって、【まぐろ】っぽいし……」
と答えた。
【ティニディス】は、
『名前が定着してしまえば、こいつは【マグロレディー】となる。
直すなら今の内だぞ』
と答えた。
【勇至狼】は、
「え?
あ、そうなのか?
わかった。
じゃ、じゃあ、【ツナシー】でどうかな?
【ツナシー】、霧を出してくれ」
と命令した。
【ツナシー】に改名してもらった【モンスター】は、
「はいな。
ご主人様。
【ツナシー】行きまぁ~す」
と言って、【マグロ】の口の様な部分から、霧を発生させた。
【ティニディス】は、
『どうやら、今度は(名前を)気に入ったようだな……』
と言った。
【勇至狼】は霧が発生したのを見て、
「お、おぉ……」
とつぶやいた。
【ティニディス】は、
『一応、付け加えておくが、お前の力だと、作り出した【モンスター】に命令出来る数は【無帰化(むきか)】も含めて、せいぜい、10回までだ。
それ以上は制御が利かなくなる。
その前に【無帰化(むきか)】させて、戻すんだな』
と言った。
【勇至狼】は、
「わ、わかった。
じゃあ、【ツナシー】。
戻ってくれ。
【要素】に戻れ。
【無帰化(むきか)】っ」
と命令した。
【ツナシー】は、
「またねん、ご主人様ぁ~」
と言って【要素】に戻り、【勇至狼】の背後にある空間の裂け目に吸い込まれて消えた。
【ティニディス】は、
『それと、【モンスター】を呼び出したくば、我と1キロ以上離れるな。
でなければ呼び出せなくなる。
お前はあくまで、仮認定しているだけに過ぎんのだからな。
我が近くに居なければ、【要素】は呼び出せん。
それは肝に銘じておけ』
と言った。
【勇至狼】は、
「わかった。
あの……」
と言った。
【ティニディス】が、
『何だ?』
と聞くと、
「も、もう一度、練習させてもらっても良いかな?
さっきは【水属性】で統一したし、【ティニディス】が呼び出したのも【火属性】の統一した【モンスター】だった。
今度は【属性】を混ぜたら、どうなるのか?
それを試したい」
と言った。
【ティニディス】は、
『ふっ……
納得がいくまでやれば良い。
好きにしろ』
と言った。
【勇至狼】は、
「ありがとう。
じゃあ、もう一度、やるよ。
【我の名は【叶羽 勇至狼(かなう ゆうしろう)】。
我の名において【召喚】す。
【心要素】――【動雷(どうらい)属性】、
【技要素】――【風属性(かぜぞくせい)】、
【体要素】――【土属性(つちぞくせい)】、
1つずつ【顕現(けんげん)】し、1つとなれ】
……頼む。
上手く言ってくれっ」
と唱えた。
すると再び、【勇至狼】の背後の空間が裂けて、その歪みから、3つの小石の様なものが出てきた。
今度のは1つが、【電気】でも通っているかの様にパリパリ言って黄色く光っている。
これが恐らく【心要素】――【動雷(どうらい)属性】なのだろう。
2つ目は、透き通っている。
これが恐らく【技要素】――【風属性(かぜぞくせい)】なのだろう。
3つ目は、茶色くなっている。
これが恐らく、【体要素】――【土属性(つちぞくせい)】なのだろう。
これら3つの【要素】は、空中で回転し、円を描く様にそれぞれ120度ずつ離れた場所に定着し、その軌道上に3色の光の線が走った。
1つは黄色、
2つ目は透明色、
3つ目は茶色、
恐らくは【属性】を現す【色】の線が出来ているのだろう。
その線から複雑な【魔法陣】が出現する。
ドガガガガ……
シュゴゴゴゴゴ……
ズドドドド……
と言う3種類の音を立て、3つの【小石】が描いている円がダンダン縮まって行く。
そして、3つの【小石】が1つにまとまった時、【融合】を始めた。
1つになった【小石】は、ジュジュジュジュと音を立て、受肉していく。
受肉したそれは【モンスター】の形になって行った。
その姿は、中央に球体、それを取り囲む様に3色の輪が120度ずつ取り囲んでいる。
そんな姿だった。
【勇至狼】は、
「な、なんだこれ?」
とつぶやいた。
【ティニディス】は、
『直感だ。
直感で名前を決めろ。
小僧。
お前の脳に、そいつのイメージが出来ているはずだ。
それを元に名前を決めろ』
とアドバイスした。
【勇至狼】は、
「じゃ、じゃあ、君の名前は、
【バーサス】だ。
【バーサス】、【三輪攻撃】を天に向かって放て」
と命令した。
【勇至狼】に【バーサス】と名付けられた【モンスター】は、
「キィィィィィィィィィィィィィィィン」
と音を立て、真上に向かって3つの輪から、
【雷属性(かみなりぞくせい)】の雷撃、
【風属性(かぜぞくせい)】の竜巻、
【土属性(つちぞくせい)】の巨大泥団子、
を放った。
雷撃と竜巻は、そのまま天に消えたが、巨大泥団子は、上空まで行ったももの、重力に引かれて落下をしてきた。
【ティニディス】は、
『馬鹿たれ。
追撃しろっ』
と言った。
【勇至狼】は、
「あ、あぁ……
【バーサス】。
巨大泥団子を北に向かって吹き飛ばせ」
と命令した。
【バーサス】は、
「キィィィィィィィィィィィィィィィン」
と音を立て、竜巻を起こし、落ちてきた巨大泥団子を北の方向に向かって吹き飛ばした。
だが、巨大泥団子が崩れて、泥の雨を降らせた。
【琴花】が、
「ちょっとっ。
やだっ……
何やってんのよ?
泥だらけじゃない」
と文句を言った。
見ていた三姉妹も泥を被ったのだ。
【勇至狼】は、
「あ……
ご、ごめん……
じゃあ、一旦、引っ込めよう。
じゃあ、【バーサス】。
戻ってくれ。
【要素】に戻れ。
【無帰化(むきか)】っ」
と命令した。
【バーサス】は、
「キィィィィィィィィィィィィィィィン」
と音を立て、【要素】に戻り、【セヴンス・ワールド(第七の世界)】へと戻って行った。
その後で、
「【我の名は【叶羽 勇至狼(かなう ゆうしろう)】。
我の名において【召喚】す。
【心要素】――【静火(せいか)属性】、
【技要素】――【火属性(ひぞくせい)】、
【体要素】――【火属性(ひぞくせい)】、
1つずつ【顕現(けんげん)】し、1つとなれ】、
【我の名は【叶羽 勇至狼(かなう ゆうしろう)】。
我の名において【召喚】す。
【心要素】――【静水(せいすい)属性】、
【技要素】――【水属性(みずぞくせい)】、
【体要素】――【水属性(みずぞくせい)】、
1つずつ【顕現(けんげん)】し、1つとなれ】」
と立て続けに【要素】を呼び出した。
【心要素】――【静火(せいか)属性】、
【技要素】――【火属性(ひぞくせい)】、
【体要素】――【火属性(ひぞくせい)】、
――の3【要素】で出来た【モンスター】は、【しっぽに炎】がついている【ウサギ型】の【モンスター】が出た。
【心要素】――【静水(せいすい)属性】、
【技要素】――【水属性(みずぞくせい)】、
【体要素】――【水属性(みずぞくせい)】、
――の3【要素】で出来た【モンスター】は、先ほど出した【ツナシー】が出た。
【ツナシー】には既に名前がついているため、名前を付ける必要がないが、【ウサギ型】の【モンスター】には、【ファイヤーラビット】と名付けた。
そして、【ツナシー】に【水】を出してもらい、服ごとメンバーを洗ってもらい、【ファイヤーラビット】に乾かしてもらって、それぞれ、役目を終えた【モンスター】を【要素】に戻して、【セヴンス・ワールド(第七の世界)】へと戻って行ったのだった。
【勇至狼】は、
「ごめん。
これで良いかい?」
と三姉妹に謝った。
【瞳良】は、
「私達は洗濯物じゃないのよ」
と文句を言っていたがとりあえず3人とも許してくれた様だった。
【ティニディス】は、
『指摘する事がいくつかある。
小僧。
お前は、2体の【モンスター】を呼び出す時、
【我の名は【叶羽 勇至狼(かなう ゆうしろう)】。
我の名において【召喚】す。
【心要素】――【静火(せいか)属性】、
【技要素】――【火属性(ひぞくせい)】、
【体要素】――【火属性(ひぞくせい)】、
1つずつ【顕現(けんげん)】し、1つとなれ】、
【我の名は【叶羽 勇至狼(かなう ゆうしろう)】。
我の名において【召喚】す。
【心要素】――【静水(せいすい)属性】、
【技要素】――【水属性(みずぞくせい)】、
【体要素】――【水属性(みずぞくせい)】、
1つずつ【顕現(けんげん)】し、1つとなれ】
と同じ言葉を繰り返していた。
これは時間の無駄だ。
この場合は、
【我の名は【叶羽 勇至狼(かなう ゆうしろう)】。
我の名において【複数召喚】す。
【心要素】――【静火(せいか)属性】、
【技要素】――【火属性(ひぞくせい)】、
【体要素】――【火属性(ひぞくせい)】、
また、
【心要素】――【静水(せいすい)属性】、
【技要素】――【水属性(みずぞくせい)】、
【体要素】――【水属性(みずぞくせい)】、
各々【顕現(けんげん)】し、1つとなれ】
これで良い。
2度、自分を名乗るのは時間の無駄だ。
要は組み合わせる3つの【要素】を一緒に言えば良い。
それと、同じ属性が混じっていた場合、同時には呼び出せないからそのつもりでいろ。
我の場合は、例えば同じ【心要素】――【静水(せいすい)属性】でも数百万種類はある。
だから、被って呼び出してもかまわぬが、お前に与えたのは全部で30種類の【要素】だけだ。
その証拠に
【心要素】――【静水(せいすい)属性】、
【技要素】――【水属性(みずぞくせい)】、
【体要素】――【水属性(みずぞくせい)】、
の組み合わせで生み出せたのは同じ【ツナシー】だったはずだ。
我が作れば、
【心要素】――【静水(せいすい)属性】、
【技要素】――【水属性(みずぞくせい)】、
【体要素】――【水属性(みずぞくせい)】、
の組み合わせでも呼び出す度に異なる【モンスター】を作る事が出来るが、お前の場合は同じ【モンスター】となる。
今のお前の力ではそれ以上の負担はかけられん。
要するに未熟者だと言うことだ。
また、今のアクションの場合、【火属性(ひぞくせい)】と【水属性(みずぞくせい)】を混ぜて【モンスター】を作れば、それで事足りたはずだ。
作る時はそれを良く考えて作れ』
と言った。
【勇至狼】は、
「あ、あぁ。
すまない……」
と言った。
【ティニディス】は、
『謝ることじゃない。
使い始めたばかりだ。
それくらいは当たり前だ。
それと、もう1つ。
3つの【要素】の割り振りだ。
【心要素】、【技要素】、【体要素】と別れるが、主に、
【心要素】は、【能力】の【属性】のキャパシティー、【容量】に影響し、
【技要素】は、【能力】の【属性】の【威力】に影響し、
【体要素】は、【能力】からの攻撃の【耐性】に影響する。
それを理解しておくんだな。
つまり、さっきの【バーサス】か?
あいつは、
【心要素】――【動雷(どうらい)属性】、
【技要素】――【風属性(かぜぞくせい)】、
【体要素】――【土属性(つちぞくせい)】、
だっただろ?
この場合、【雷属性(かみなりぞくせい)】の【能力】を使う【容量】が大きく、
【風属性(かぜぞくせい)】の【能力】が一番、【威力】がある。
【土属性(つちぞくせい)】の【能力】はあるが、この場合、【耐性】がついている。
【土属性(つちぞくせい)】の攻撃が単なる【巨大泥団子】で、重力に負けて、落ちて来たのもそのためだ。
攻撃力や【土属性(つちぞくせい)】の【アビリティーキャパシティー】は低いのだ』
と言った。
【勇至狼】は、
「そ、そう言えば、一番、【風】の攻撃が派手だった……」
とつぶやいた。
【ティニディス】は、
『だろ?
それと、お前が一度の呼び出しで命令出来る数は10回までだ。
2体呼び出せば、当然、1体あたりに命令出来るのは半分の5回までとなる。
それを考えて呼び出すんだな。
これで大体、わかったか?』
と聞いた。
【勇至狼】は、
「あ、あぁ。
わかった。
ありがとう。
解説がわかりやすくて助かる」
と言った。
【ティニディス】は、
『わかったなら、今度は本番だ。
次はお前の番だ。
やって見ろ。
ほれっ、タッチだ』
と言った。
【勇至狼】は、
「あぁ。
じゃあ、俺は北へ行く。
ついてきてくれ」
と言って歩き出したのだった。
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