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28話 【ぐちゃぐちゃの感情】

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悲しい

悔しい

苦しい

色んな感情がぐちゃぐちゃになった。

でも

不思議と涙は出なかった。

今日は一学期最後の登校日なのに

何もかもがイヤになって

通学路の途中で行くのをやめて

家に帰ってきた。

お母さんはお仕事がお休みだったらしく

急に帰ってきた私を見て

ビックリした顔で何か言ってたけど

何を言ってるのかわからなかった。

なんか着替えるのも面倒くさくなって

制服のままベッドにダイブした。


ねぇケンタ。

なんで話してくれなかったの?

もう会えなくなるなんて

一番大事な話じゃないの?

私、辛いよ。

~~~

もう12時か。

私はラジオをつけた。

お昼のラジオは習慣になってたから

ただただなんとなく。

『JOPG-FM~♪』

私は再びベッドにダイブした。

『Hello.This is Porno Graffitti Music Hour. "love up! station" stay tune.』

最近はずっとケンタと聞いてたから

すっごく寂しく感じるよ

『この番組ではみんなのリクエストをお待ちしています』

『素敵な恋のエピソードと一緒に
ダイヤルをして』

恋……か。

儚かったな……

私は苦笑いした。

『ここでおハガキを一通』

『R.N "恋するウサギちゃん♡"』

あっ

私だ。

ついつい身体を起こした。


でもさ、


もう遅いよ……


私はベッドに仰向けになった。
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