『罪喰いの翼 ― 天使と悪魔と人間のはざまで ―』この物語の誕生のエッセイ

神は善人と悪人を作るのではない。ただ人間を作る

神は、善人と悪人を作るのではない。
ただ、「人間」を作る。

人は、善いことも、悪いこともする。
何をするかは、自分で決められる。
毎朝、目を覚まし、今日をどう生きるかを選べる。
「今日は善いことをしよう」と、そう決めることができる。

善いことをすれば、人は善くなれる。
人には誰しも、欠点や偏見がある。
運命や環境といった、自分ではどうにもできない力に
押しつぶされそうになる日もある。

他人に理解されない選択をせざるを得ない時もあれば、
誰かの過ちの責任を負わされ、
理不尽な状況に苦しむこともあるだろう。

人生の試練に、耐えきれないこともある。
備える間もなく、波に飲み込まれてしまうこともある。

けれど、困難から逃げ続けてばかりでは、
「逃げる自分」が「本当の自分」になってしまう。

苦しみや不当な扱いを経験しない人などいない。
中には、果てしない苦難に見舞われる者もいる。
逃げ道が見えず、希望も味方も見当たらないことさえある。

それでも生きていかなくてはならない。
不満や不安は、時に生きるためのエネルギーになる。
それを原動力に変え、私たちは今日を生き抜いている。

そして、
「善と悪のあいだには、無限の選択肢がある」。

善と悪は、環境によって姿を変える。
人間は誰も完璧じゃない。
誰もが欠点を持ち、過ちを犯す。

けれど大切なのは、
その過ちから何を学び、
次にどう生きるかだ。

どれほど苦しく、理不尽な状況であっても、
私たちには、選び続ける力がある。

世界が不公平でも、
正義が遠く感じられても、
私たちの内には、善を選び取る強さがある。

他人に理解されなくてもいい。
自分が信じる道を歩けばいい。

逃げるのも、立ち向かうのも、どちらも選択肢。
でも、立ち向かうことでしか得られないものがある。
強さも、成長も、変化も。
その一歩が、自分を形作り、
やがては誰かの希望になるかもしれない。

だからこそ、どんな日でも、
希望を捨てないでいてほしい。

一つの小さな善意が、
次の善意を生み出し、
やがては世界を変える力になる。

毎朝、自分に問いかけよう。
「今日、自分はどう生きるか」。

そして、
たとえ小さな光でも、
希望と正義を選び続けよう。

このエッセイからこの物語

『罪喰いの翼 ― 天使と悪魔と人間のはざまで ―』
が出来ました。