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第二章 乗っ取られた国

28 森の中で

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 第二章ですv(・∀・*)
 
 主人公戻って参りました!!
 お待たせしました、それでは本編です。
―――――――――――
 「……ふう」
 
 コノハはさらりと国から脱出。
 
 今は森の中。
 真っ黒な自作のローブを着て真っ暗な森の中を歩いていた。
 夜の森は危険度が昼とは大違い。
 そもそも視界が悪い。魔物と出会っても対処が遅れることや、ずっと気を張るため精神的にしんどいことなどで生存率はぐんと下がるのだ。
 ………まぁ、それは普通の人であった場合である。
 そう、普通の人であった場合だ。
 
 「……『風刃ふうば』」
 
 コノハは魔法を放った。
 狙いは斜め左。
 
 すぐに「グァァ……」という断末魔とドサッという何かが倒れた音がする。
 コノハがそこに行くと、キングベアーが。
 キングベアーは魔物で熊、といってもサイズはただの熊の二倍はある。
 しかも角も持っている。
 こいつは敵を見つけた時、かなりの速さで突っこんで来る。
 熊の二倍の巨体でかなりの速さで突っ込んでこられたら、ベテランの冒険者でも怯んでしまう。
 油断すれば簡単に殺されてしまう。
 キングベアーはそのレベルの魔物なのだ。
 
 キングベアーのランクはBである。
 そう、B。
 普通の冒険者はDかC。Cに上がればいい方だ、と言われるのに。
 
 (キングベアーって素早いけど、別に突っ込んで来る前に倒せばいいだけじゃん)
 
 ………それが皆出来ないからキングベアーはBランクなのだが。
 
 コノハはとりあえず先手必勝。
 「打たれる前に打つ」という考え方なので、気配を感じたら即攻撃する。
 ………というかそっちのほうがあまり動かずに済んで楽だからである。
 
 その考えで倒したキングベアーは彼女が放った魔法で見事に首を切断していた。
 コノハは血抜きを慣れた手付きで行う。
 早くしないと鮮度が落ちるし、一つのところで留まっていると血の匂いを嗅ぎ付けた他の魔物が来る可能性があるからだ。
 
 ちなみに、キングベアーはBランクという高ランクなため毛皮、肉、角など素材は売れるところが無いほどの人気がある。
 コノハは五分足らずで終わらせ、キングベアーをマジックボックスに入れて、また歩き出した。
 
 今日中に向かいたいところがあるのだ。
 出会った魔物は即倒し、しばらく歩くとは唐突に現れた。
 
 「―――あった」
 
 ちなみにここはSの《迷いの森》認定されている森の中。
 ここには昔のあるものがあると聞いていた。
 そして、実際にあった、それは――
 
 《家》

 昔々にここが《迷いの森》となる原因を作った魔女が住んでいたと言われる家。
 
 そう、コノハはSランクの《迷いの森》で『』で『』の世界指定の《指定災害区》である、この森に住もうとしているのだ―。
 
 
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