追放から十年。惰性で生きてきた英雄くずれの私が記憶喪失の少年と出会ったら。

有沢ゆうすけ

文字の大きさ
12 / 43
2nd day

聖霊

しおりを挟む
 ―――とても幸福な、夢を見た。




 それは、僕がこの都市で目覚めてから時折見るようになった不思議な夢。




 古い屋敷の軒下から、木と、畳と、日向の匂いがする。


 夢の中にはいつも黒髪の小さな女の子が出てきた。


 顔は霞んで、声は遠くて、名前さえ思い出せなかったけど。




 その子が自分にとって大切な存在だということは、どうしてか分かった。







 ともに過ごす穏やかな日常。



 ともに笑いあった幸せな想い出。









 ―――今はもう遠い日々の名残を、僕はずっと夢見てる。













 重く沈もうとする瞼に、カーテンの隙間から仄暗い光が差しこんでくる。


 少年は気怠そうにむくりとベッドから起き上がると、きょろきょろと辺りを見渡した。

 そこは見慣れた教会の寝室よりもはるかに広く、部屋の内装も明らかに上流階級のそれと分かるものだった。




 寝起きで呆とする頭で、少年はようやくここがどこなのかを思い出す。







「……ああ、そういえば昨日セリアさんの屋敷に泊まったんだっけ」






 少年――ソラはそう呟く。




 教会でのやりとりの後、ソラはセリアとアウローラに連れられこの屋敷に戻り、夕食をご馳走になったあと、そのまま屋敷に泊まったのだ。

 教会の安布団で子供たち数人と雑魚寝していた身としては屋敷のベッドは広すぎて落ち着かなかったが瞼を閉じてしまえば後はぐっすりと快眠できた。 


 くあぁとソラは大きな欠伸を零す。


 壁に備え付けられた柱時計を見れば、時刻は五時五十五分。 


 起きるにはまだ少々早い時間だ。



 ソラは、うん、と頷き、もう少しだけ眠ろうとベッドへ身体を沈めようとして―――





「いやいや、目が覚めたんならそのまま起きなよ。良い一日は快適な目覚めから始まるって言うだろう?」




「―――うぉうっ⁉」




 突如ベッド横から聞こえた呆れた声に、ソラは思わずその場から飛び起きる。
 バランスを崩し、そのままベッドから転げ落ちてしまった。


「ふげっ⁉︎」


 ごん、と後頭部をぶつけたソラは頭を押さえて悶絶する。



「何してるんだい、キミ? もしかして最近だとそういう風に頭をぶつけて眠気を飛ばす起床法が流行ってるの?」
 
「……あのな、そんなのが流行ってるわけないだろ。起き抜けに誰かが急に真横に現れたら普通の人間はびっくりするに決まってるだろ」



 ソラはむくりと起き上がり、恨みがましそうに対面のベッドサイドを見上げる。


 先ほどまで誰もいなかったはずのそこには不思議そうに首を傾げている少女の姿があった。

 ただ佇んでいるだけで気品があり、どこか神々しさのような雰囲気を醸し出す不思議な少女だった。

 歳の頃は十二、三といったところだろうか。

 
 染み一つない白い肌に黄金色の真っ直ぐな長い髪。

 透き通るような黄昏の瞳は微かな光しかない仄暗い部屋の中でも煌びやかな輝きを放っていた。


「そうなのかい? それはすまなかったね。何しろボクは人と関わる機会というのがそうそうないからさ。次からは気を付けるとしよう」
 

 説明するも当の本人はあまりピンときていないようだった。

 諦めたようにソラは溜め息を吐いて、ベッドに胡坐をかく。


 目の前の存在はどうにも天然というか、どこか常識に欠けるきらいがある。

 それがここ数日の短い付き合いの中で知ったことだ。



 もっとも、に人間の常識を押し付けることの方が間違っているのかもしれないが。



「アルカ。いつからそこにいたのさ」

「ん? 来たのはついさっきだよ。せっかく会いに来たっていうのにキミが二度寝しようとするから慌てて声をかけたんだ」

「ドアには鍵かけてたんだけど……」
 
「あははっ。おかしなことを言うね。ボクに対して鍵なんて何の意味もないとキミは知っているだろうに」


 そう言って少女はふわりと浮かび上がり、そのまま、ぽすん、とソラの足の間に収まった。


 少女の身体には一切の重みはなく、それどころか触れ合っているはずなのに何の感触もありはしない。

 今でも時折、ソラは彼女が自分の妄想が生み出した幻なのではないかと考える。
 けれど、そんな考えは目の前の屈託ない笑顔ですぐに打ち消される。


 何しろ、自分のちっぽけな想像力ではこんなにも美しい存在を描き出すことなど出来ないだろうから。



 自らを〝聖霊〟と名乗る少女――アルカは無邪気にソラを見上げながら話を続ける。



「それに、これでも一応気を遣ったんだぜ? 本当は昨日の晩に話したかったのに部屋に来たらキミはもう寝ちゃってたし。疲れてるだろうと思って起こさずにずっと待ってたんだよ?」

「そうなのか? 別に部屋に入るまで待たなくてもいつでも話しかけてくれればよかったのに」

「おいおい。忘れたのかい? 僕の姿は基本的に他人には見えないんだよ? キミも周りの人間に一人で会話するような痛いヤツだって思われたくないだろ? ただでさえ微妙な立ち位置なんだからさ」

「…………」


 確かに、それはごめんだと、ソラは苦々しい顔で押し黙る。

 やがて根負けしたように肩を落とした。


「分かったよ、アルカ。でもさ、アルカのことが見える人って他にも誰かいないの? それこそシスターとかそっち関係は専門家なんじゃないか?」

「そっち関係って……キミ、もしかしてボクのことそこらの幽霊と同じように考えてないかい?」

「……ごめん。ぶっちゃけ違いがよく分からない」


 見えないし、触れないし。

 呼び方が違うだけで、正直ソラはどちらも同じようなものだと思っている。


「全然違うだろう、不信人者め⁉ 幽霊って言い方だとなんか暗くてひょろっちいイメージしか湧いてこないじゃないかっ!」

「え、そこっ⁉」


 ふしゃーっ、と噛みついてくるアルカにソラは驚きを返す。


「当たり前だろ。あのね、イメージってのはボクらみたいな〝あやふや〟な存在にとっちゃ結構重要なんだ。とりわけボクはある種の信仰対象として永い間崇められてきたんだぜ? 幽霊なんかと一緒にされちゃたまっもんじゃないよ」

「そりゃ悪かったよ。で、アルカ。他にもいるの、見える人?」

「まあ、キミ以外にも見えるのは何人かいるよ。ちなみにあのシスターは違うよ? ボクを認識することができるのは〝条件〟を満たした者だけさ」

「条件?」
 
「そ。ボクを見ることができるのは〝系譜に連なる者〟か〝欠片を持つ者〟だけだ。この街で僕が見えるのはキミ以外に一人だけかな」

「ふーん?」


 ぴんと指を立て得意げに語るアルカだったが、ソラには彼女の言葉が何を差しているのかまるで分からない。

 ただ不可解そうに首を傾げるばかりだった。

 
「……よく分からないけど、他にも話せる人がいるならそっちに行けばよかったんじゃないか?」

「むっ。つれないことを言うなよ。ボクは他の誰でもなく〝キミ〟と話がしたかったんだ……そもそもその子とはもう何年も会話をしていないし、何よりボクはその子に嫌われているからね」

「嫌われてる? アルカはその人に何かしたの?」

「いいや? 何かをしたわけではなく、と詰られたのさ。まったく、自分の無力を棚に上げてひどい言いぐさだよ。神様にだって出来ないことはあるっていうのにね。ともあれボクは彼女に恨まれ、その子は息をしているだけのつまらない人生を送るようになったというわけさ。ま、前相棒のたっての頼みだから一応最後まで付き合ってやるけどね」

 
 そう言ってアルカはやれやれと肩をすくめてみせる。それから身体を反転させ、向かい合うようにソラの顔を覗き込んだ。 


「けどさ、そんな何の変化もないつまらない人生ものを見るくらいならボクはキミの傍らでキミの先行きを見ていたい。何しろキミの物語はきっと波瀾万丈で面白いものになるだろうからね」

「……あのさ、僕みたいな一般人に変な期待されても正直困るんだけど」

「ははっ。心配しなくてもキミは特別さ。それはボクが保証するよ。さっき話したボクが見える条件。片方を満たしている者だけなら何人かいる。それでも――


 その瞬間、ソラは驚きに目を見開く。


 彼女が何気なく発した言葉は少年の胸に波紋を呼び起こす。


 ちょっと待て。


 彼女は今、まるで。


 少年が何者なのか知ってるようなことを言わなかったか?




「アルカは、知ってるのか。僕のこと。僕の失くした記憶を」


 喉から出た声は震えていた。

 心臓がバクバクと波打つ。

 緊張と期待。それから微かな不安を伴って。

 
 アルカは少年を見上げ、にやりと嗤って。

 


「知っているよ。キミが何者で、どこから来たのか。





「――ッ、アルカッ!」



 事もなげに答えるアルカに、ソラは掴みかかるように身を乗り出す。

 けれど、その手は空を切り、勢いのままにソラはベッドに倒れこむ。


 アルカは重力に逆らいふわりと浮かび上がった。



「……意外。そんなに激しく反応するとは思わなかった。平気なふりを装っていても、キミも内心では焦っていたようだね」

「アルカッ!」


 頭上のアルカをソラは、きっ、と睨みつける。


「教えてくれ! 知ってること全部! 欲しいものがあるなら何だって用意してみせる! だからっ!」


 形振り構わないソラの懇願。

 アルカをそれをただ静かに見下ろした。


「必死だね。どうしてキミそんなに自分の過去に拘るんだい? 今の立ち位置に対する不安? アイデンティティの喪失による恐怖? 現状キミはこうして何不自由なく生活できているじゃないか。そしてキミの身柄は今後もこの屋敷の主人が保証するだろう。なら記憶が戻ろうと戻るまいとどうだっていいじゃないか」

「……どうでもいいわけないだろう」


 ぎり、とソラは拳を握りしめる。

 アルカの言う不安が無いわけじゃない。

 自分が何者なのか解らないのは正直言って、怖い。


 でも、それ以上に―――


「記憶が戻らないと帰れない……会いに行けない。きっと寂しがってる。会ってちゃんと、安心させてやりたい」


 帰る場所があるかも、待っている人がいるかどうかさえも分からない。

 でも、確信がある。


 あれは絶対にただの夢なんかじゃない。


 夢で見たあの子に会いたいと、こんなにも心が叫んでいる。


「……くふ」


 
 そして、アルカはソラの必死の表情を見て――恍惚な笑みを浮かべた。




「くふ、ふふふふ。そこで真っ先に出てくるのが他人の心配か――ああ、やっぱり良いよ、キミ。キミが全てを知り、どんな表情を浮かべるのか、今すぐ見てみたい気もするけれど――」


 
 アルカはソラの唇に人差し指を当てる。

 触れている感触はないはずなのに、何故かソラはそれ以上動くことが出来なかった。



「でも、駄目だ。教えない。物語はまだ始まったばかり。序盤にネタバレはNGだからね」

「……人が苦しんでるのを上から眺めるのが愉しいのか? 趣味が悪すぎるだろ」

「そうさ。ボクは座し、ただ見守るのみ。キミはキミ自身の力で己と向き合い、記憶を取り戻していくんだ。そこには苦難があり、煩悶があるだろう。だからこそ、物語は彩られていく」


 少女は微笑う。

 踊るように。唄うように。

 眩く、柔らかく、想いを馳せるように少年に微笑みかける。


「ああ、本当に楽しみだ。キミはその数奇な運命を辿り、やがてどんな答えを出すのだろうか――期待しているよ。その結末が喜劇であれ、悲劇であれ、キミの行動はきっとこの退屈な日々に刺激を与えてくれるだろう」


 少女の姿に似つかわしくない妖艶な眼差しに、背筋にぞくりと冷たいものが走った。



 ここまでか、とソラは押し黙る。



 これ以上言ったところで、今の段階ではアルカはソラの過去を教えてくれはしないだろう。

 もちろんアルカがソラの過去を知っているという確かな証拠があるわけではない。

 ただ、彼女の語った言葉に嘘はないだろうと、ソラはなんとなく思った。


 彼女は純真だ。そして純真であるがゆえに自身の欲望に対して忠実でもある。


 そこに嘘が入り込む余地はない。



 どんなに親しく振舞ってこようとも、彼女との間には決して解りあうことのできない大きな隔たりがあると、その時ソラは感じた。




 ああ、やはり。

 人のカタチをして、同じ言葉を口にしようとも――目の前に在るのは、人間ではないのだ。













 





しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます

腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった! 私が死ぬまでには完結させます。 追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。 追記2:ひとまず完結しました!

人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―

ほしみ
ファンタジー
「え! ぼく、死ぬの!?」 前世、15歳で人生を終えたぼく。 目が覚めたら異世界の、5歳の王子様! けど、人質として大国に送られた危ない身分。 そして、夢で思い出してしまった最悪な事実。 「ぼく、このお話知ってる!!」 生まれ変わった先は、小説の中の悪役王子様!? このままだと、10年後に無実の罪であっさり処刑されちゃう!! 「むりむりむりむり、ぜったいにムリ!!」 生き延びるには、なんとか好感度を稼ぐしかない。 とにかく周りに気を使いまくって! 王子様たちは全力尊重! 侍女さんたちには迷惑かけない! ひたすら頑張れ、ぼく! ――猶予は後10年。 原作のお話は知ってる――でも、5歳の頭と体じゃうまくいかない! お菓子に惑わされて、勘違いで空回りして、毎回ドタバタのアタフタのアワアワ。 それでも、ぼくは諦めない。 だって、絶対の絶対に死にたくないからっ! 原作とはちょっと違う王子様たち、なんかびっくりな王様。 健気に奮闘する(ポンコツ)王子と、見守る人たち。 どうにか生き延びたい5才の、ほのぼのコミカル可愛いふわふわ物語。 (全年齢/ほのぼの/男性キャラ中心/嫌なキャラなし/1エピソード完結型/ほぼ毎日更新中)

そのご寵愛、理由が分かりません

秋月真鳥
恋愛
貧乏子爵家の長女、レイシーは刺繍で家計を支える庶民派令嬢。 幼いころから前世の夢を見ていて、その技術を活かして地道に慎ましく生きていくつもりだったのに—— 「君との婚約はなかったことに」 卒業パーティーで、婚約者が突然の裏切り! え? 政略結婚しなくていいの? ラッキー! 領地に帰ってスローライフしよう! そう思っていたのに、皇帝陛下が現れて—— 「婚約破棄されたのなら、わたしが求婚してもいいよね?」 ……は??? お金持ちどころか、国ごと背負ってる人が、なんでわたくしに!? 刺繍を褒められ、皇宮に連れて行かれ、気づけば妃教育まで始まり—— 気高く冷静な陛下が、なぜかわたくしにだけ甘い。 でもその瞳、どこか昔、夢で見た“あの少年”に似ていて……? 夢と現実が交差する、とんでもスピード婚約ラブストーリー! 理由は分からないけど——わたくし、寵愛されてます。 ※毎朝6時、夕方18時更新! ※他のサイトにも掲載しています。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

婚約者を奪った妹と縁を切ったので、家から離れ“辺境領”を継ぎました。 すると勇者一行までついてきたので、領地が最強になったようです

藤原遊
ファンタジー
婚約発表の場で、妹に婚約者を奪われた。 家族にも教会にも見放され、聖女である私・エリシアは “不要” と切り捨てられる。 その“褒賞”として押しつけられたのは―― 魔物と瘴気に覆われた、滅びかけの辺境領だった。 けれど私は、絶望しなかった。 むしろ、生まれて初めて「自由」になれたのだ。 そして、予想外の出来事が起きる。 ――かつて共に魔王を倒した“勇者一行”が、次々と押しかけてきた。 「君をひとりで行かせるわけがない」 そう言って微笑む勇者レオン。 村を守るため剣を抜く騎士。 魔導具を抱えて駆けつける天才魔法使い。 物陰から見守る斥候は、相変わらず不器用で優しい。 彼らと力を合わせ、私は土地を浄化し、村を癒し、辺境の地に息を吹き返す。 気づけば、魔物巣窟は制圧され、泉は澄み渡り、鉱山もダンジョンも豊かに開き―― いつの間にか領地は、“どの国よりも最強の地”になっていた。 もう、誰にも振り回されない。 ここが私の新しい居場所。 そして、隣には――かつての仲間たちがいる。 捨てられた聖女が、仲間と共に辺境を立て直す。 これは、そんな私の第二の人生の物語。

死に戻ったら、私だけ幼児化していた件について

えくれあ
恋愛
セラフィーナは6歳の時に王太子となるアルバートとの婚約が決まって以降、ずっと王家のために身を粉にして努力を続けてきたつもりだった。 しかしながら、いつしか悪女と呼ばれるようになり、18歳の時にアルバートから婚約解消を告げられてしまう。 その後、死を迎えたはずのセラフィーナは、目を覚ますと2年前に戻っていた。だが、周囲の人間はセラフィーナが死ぬ2年前の姿と相違ないのに、セラフィーナだけは同じ年齢だったはずのアルバートより10歳も幼い6歳の姿だった。 死を迎える前と同じこともあれば、年齢が異なるが故に違うこともある。 戸惑いを覚えながらも、死んでしまったためにできなかったことを今度こそ、とセラフィーナは心に誓うのだった。

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

婚約破棄? 私、この国の守護神ですが。

國樹田 樹
恋愛
王宮の舞踏会場にて婚約破棄を宣言された公爵令嬢・メリザンド=デラクロワ。 声高に断罪を叫ぶ王太子を前に、彼女は余裕の笑みを湛えていた。 愚かな男―――否、愚かな人間に、女神は鉄槌を下す。 古の盟約に縛られた一人の『女性』を巡る、悲恋と未来のお話。 よくある感じのざまぁ物語です。 ふんわり設定。ゆるーくお読みください。

処理中です...