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3rd day
でてけえええ!
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今朝の天気は灰色の曇天で、ついでに言えば目覚めの気分は最悪だった。
「……うるさい」
布団の中からもぞもぞと顔を出して、ジリリリリッ、と、さっきから不快な騒音を鳴らし続ける目覚まし時計を呪うように睨みつける。
時刻は九時十分。
体感的には今朝の気温は今季の最低気温をマークしそう。
時折吹く隙間風が古アパートの錆ついた窓をギシギシと鳴らし、室内の温度を容赦なく下げていく。
「……う、あったま痛い」
意識はぼやけているくせに、痛みだけは律儀に神経に訴えかけてくる。
頭がガンガンして、口の中がイガイガして気持ち悪い。紛うことなき二日酔いだった。
サイドテーブルに置いてあった水差しを手に取り、中身をコップに注ぐと、それを一息に呷る。
「……なんで私、こんなに飲んだんだっけ?」
……あれ? 昨日のことがよく思い出せない。
なんとなくミリーと飲んでたような記憶はあるけど、それ以外のことが曖昧だ。
頭に疑問符を浮かべつつ気だるげにベッドから降りて、リビングのドアを開ける。
テーブルの上には酒瓶やらグラスやら料理の残りやらが散乱していて昨晩の惨状を物語っていた。
「……ん? ジュース?」
ふとお酒に紛れてジュースの空き瓶が転がっているのを見つけた。
私もミリーもお酒の席でジュースなんて飲まないはず。
ということは、私たち以外に誰かが居たっていうことだけど、霞みがかった頭ではさっぱり思い出せない。
「……まあ、いっか」
思い出せないということはきっと大したことではないのだろう。
頭の中の疑問を棚上げして、シャワーを浴びようと浴室へ向かう。昨日は着替えもせずにそのまま眠ってしまったらしい。寝汗でべたついたジーンズとセーターを適当に廊下に放って、下着姿になる。
そして、ガチャリと浴室の扉を開けると、
「―――へ?」
突如、目の前に裸の少年の姿が飛び込んできた。
バスタオルで髪を拭いていた少年――ソラが中途半端な姿勢と表情で固まる。
ちょうどシャワーを浴び終え、上がったところなのか。乾ききっていない水滴が湿った肌を伝っていく。
「なっ、ばっ、はあっ⁉」
ソラが顔を真っ赤にして、口元を戦慄かせる。
けど、そんなソラの動揺をよそに、私は驚き眼を見開いた。
「……おまえ、それ」
ソラの身体は傷だらけだった。
白い肌には切り傷や打撲痕が無数に刻まれている。背中にも、お腹にも、腕にも、足にも。
服の上からでは分からなかったけど、それらが身体中のいたるところにあった。
およそ普通の子供の身体つきじゃない。
そして極めつけは、
「……な⁉︎ ちょっ、アウローラ⁉︎」
何よりも目についたのは、ソラの胸の中心……ちょうど心臓の上にある箇所にできた大きな傷痕だった。
息がかかるほどに顔を近づけ、指先でその傷痕に触れる。
頭上から何やら艶めかしい声が聞こえた気がしたけど、気にせず観察を続けた。
恐らく、身体中の無数の傷は訓練でできたものだろう。こういった傷は騎士時代にもよく見てきた。
でも、この傷痕だけは他のものと比べて感触が違う。
傷自体に明確な殺意が宿っている。
まるで、心臓を抉り出されたような歪な傷痕。こんな傷をつけられて普通の人間が生きていられるはずがない。
この少年は既に一度、死んでいるのではないか。
そんな不吉な想像が脳裏を過ったけれど、掌から感じる心臓の鼓動が少年が確かに生きていることを伝えてくる。
「……うん、そんなはずないわよね」
結局、私はつまらない妄想を頭から振り払う。
この少年は実際に生きて、こうして私の目の前にいる。
それが事実だ。
「……アウローラ、」
と、頭上から地の底から響くような声が聞こえた。
がしり、と私の腕を掴む小さな手。
見上げれば、ソラが顔中を真っ赤にして私を睨みつけている。
「……あ」
そこで、はた、と気づいた。
今、自分は。
何をしている?
下着姿で年端もいかない少年の全裸を弄っている私の姿はどう見ても事案発生待ったなしの状態だった。
気づいた瞬間、かあっ、と頬が焼けるくらい熱くなった。
「あっ、あっ、ちが、え、えと、これは、そのっ」
何か言わないとと思うも頭がグルグルしてうまい言葉が出てこない。
そういえば、今着けている下着の色は黒だったな、と、どうでもいいことしか思い出せない。
そのままあたふたしていると、視線がソラの下半身で止まる。
「あ、」
それが完全に反応している様を目にした瞬間、私は硬直した。
血液が逆流し、頭の中はいよいよショート寸前。
女の子みたいな顔をしているくせに、この子も男の子なんだな、と思った。
そして、
「で、でてけえええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええっ‼」
静かな冬の朝にソラの絶叫が響き渡った。
†
「ほら、コーヒー。砂糖とミルクはこっちだ。適当に使え」
「……………」
テーブルに突っ伏したソラの前にカップを置く。けれど、ソラはそれを一瞥しただけで、再びテーブルに突っ伏した。
腕の隙間から見える頬はまだ赤い。
先ほどのショックから未だに立ち直れていないようだ。
「悪かったよ。次からはちゃんとノックする。だから、いいかげん機嫌を直せ」
「……………」
ソラは応えない。ただ恨みがましそうに、こちらを睨むだけだ。
「……この変態」
ぼそり、と呟かれた言葉に、私は、むっ、として言い返す。
「誰が変態だ、誰が」
「そんなのアウローラ以外に誰がいるのさ。勝手に人の裸を好き放題に弄ってきて。大体、昨日だってミリーさんと一緒になって、あんな……」
ソラはそのまま恥ずかしそうに押し黙る。
「おい、ちょっと待て、そこで黙るな。昨日一体何があった」
「言いたくないね、この酒乱め。昨日は流したけどアウローラって本当にショタコンってヤツなんじゃないの?」
「違う。というかそれは今すぐ忘れろ」
アンタには他に覚えてなくちゃいけないことが山ほどあるでしょうに。
気を取り直すように、こほん、と一度咳払いをする。
「もういい。それで? その胸の傷。どうやら普通の傷じゃなさそうだけど、それについては何か覚えてないのか?」
問われて、ソラは、ん? と胸に手を置き答える。
「いや、全然。気が付いたらあったみたいな感じだったし。一応、お医者さんにも診てもらったんだけど、特に異常はないってさ」
まあ、見た目はちょっとひどいけど、と、ソラは特に気にしてなさそうに言う。
「……そう」
私はなんとなくコーヒーをスプーンでかき混ぜる。
いくら記憶喪失とはいえ、これほどの傷ができた原因をあっさりと忘れるものなのだろうか……いえ、違う。そうではなく、むしろその逆。
この子の記憶喪失の原因はこの傷にあるのだろうか。
答えの出ないことをグルグルと考えながらコーヒーを一口啜る。
ミルクも砂糖も入れたはずのコーヒーの味は苦味だけしかなかった。
「痛むか?」
口からついそんな言葉が出てきた。
言われたソラはきょとんと目を丸くする。
それから、どうしてだろう。
ソラは嬉しそうに笑った。
「いや。汗とかかくと痒くなるし、たまに血が滲んでくるけど痛くはないよ……ありがとう」
「……? なにが?」
お礼を言ってくるソラに私は首を傾げる。
感謝されるようなことなんて何もしていないと思うのだけれど。
そんな私を見て、ソラはまた可笑しそうに笑った。
「なんでもないよ。それより朝ごはんにしよっか。出かける前にミリーさんが作っていってくれたスープがあるからさ」
ソラは上機嫌でキッチンへと向かう。
その様子を不思議に眺めていると、ソラが「あ、そうだ」と思い出したようにこちらへ振り返ってきた。
「アウローラ。実はさ、今日行きたいところがあるんだけど」
「行きたいところ?」
「うん、王立騎士団第十七支部。予定がないなら付き合ってほしいんだ」
「……うるさい」
布団の中からもぞもぞと顔を出して、ジリリリリッ、と、さっきから不快な騒音を鳴らし続ける目覚まし時計を呪うように睨みつける。
時刻は九時十分。
体感的には今朝の気温は今季の最低気温をマークしそう。
時折吹く隙間風が古アパートの錆ついた窓をギシギシと鳴らし、室内の温度を容赦なく下げていく。
「……う、あったま痛い」
意識はぼやけているくせに、痛みだけは律儀に神経に訴えかけてくる。
頭がガンガンして、口の中がイガイガして気持ち悪い。紛うことなき二日酔いだった。
サイドテーブルに置いてあった水差しを手に取り、中身をコップに注ぐと、それを一息に呷る。
「……なんで私、こんなに飲んだんだっけ?」
……あれ? 昨日のことがよく思い出せない。
なんとなくミリーと飲んでたような記憶はあるけど、それ以外のことが曖昧だ。
頭に疑問符を浮かべつつ気だるげにベッドから降りて、リビングのドアを開ける。
テーブルの上には酒瓶やらグラスやら料理の残りやらが散乱していて昨晩の惨状を物語っていた。
「……ん? ジュース?」
ふとお酒に紛れてジュースの空き瓶が転がっているのを見つけた。
私もミリーもお酒の席でジュースなんて飲まないはず。
ということは、私たち以外に誰かが居たっていうことだけど、霞みがかった頭ではさっぱり思い出せない。
「……まあ、いっか」
思い出せないということはきっと大したことではないのだろう。
頭の中の疑問を棚上げして、シャワーを浴びようと浴室へ向かう。昨日は着替えもせずにそのまま眠ってしまったらしい。寝汗でべたついたジーンズとセーターを適当に廊下に放って、下着姿になる。
そして、ガチャリと浴室の扉を開けると、
「―――へ?」
突如、目の前に裸の少年の姿が飛び込んできた。
バスタオルで髪を拭いていた少年――ソラが中途半端な姿勢と表情で固まる。
ちょうどシャワーを浴び終え、上がったところなのか。乾ききっていない水滴が湿った肌を伝っていく。
「なっ、ばっ、はあっ⁉」
ソラが顔を真っ赤にして、口元を戦慄かせる。
けど、そんなソラの動揺をよそに、私は驚き眼を見開いた。
「……おまえ、それ」
ソラの身体は傷だらけだった。
白い肌には切り傷や打撲痕が無数に刻まれている。背中にも、お腹にも、腕にも、足にも。
服の上からでは分からなかったけど、それらが身体中のいたるところにあった。
およそ普通の子供の身体つきじゃない。
そして極めつけは、
「……な⁉︎ ちょっ、アウローラ⁉︎」
何よりも目についたのは、ソラの胸の中心……ちょうど心臓の上にある箇所にできた大きな傷痕だった。
息がかかるほどに顔を近づけ、指先でその傷痕に触れる。
頭上から何やら艶めかしい声が聞こえた気がしたけど、気にせず観察を続けた。
恐らく、身体中の無数の傷は訓練でできたものだろう。こういった傷は騎士時代にもよく見てきた。
でも、この傷痕だけは他のものと比べて感触が違う。
傷自体に明確な殺意が宿っている。
まるで、心臓を抉り出されたような歪な傷痕。こんな傷をつけられて普通の人間が生きていられるはずがない。
この少年は既に一度、死んでいるのではないか。
そんな不吉な想像が脳裏を過ったけれど、掌から感じる心臓の鼓動が少年が確かに生きていることを伝えてくる。
「……うん、そんなはずないわよね」
結局、私はつまらない妄想を頭から振り払う。
この少年は実際に生きて、こうして私の目の前にいる。
それが事実だ。
「……アウローラ、」
と、頭上から地の底から響くような声が聞こえた。
がしり、と私の腕を掴む小さな手。
見上げれば、ソラが顔中を真っ赤にして私を睨みつけている。
「……あ」
そこで、はた、と気づいた。
今、自分は。
何をしている?
下着姿で年端もいかない少年の全裸を弄っている私の姿はどう見ても事案発生待ったなしの状態だった。
気づいた瞬間、かあっ、と頬が焼けるくらい熱くなった。
「あっ、あっ、ちが、え、えと、これは、そのっ」
何か言わないとと思うも頭がグルグルしてうまい言葉が出てこない。
そういえば、今着けている下着の色は黒だったな、と、どうでもいいことしか思い出せない。
そのままあたふたしていると、視線がソラの下半身で止まる。
「あ、」
それが完全に反応している様を目にした瞬間、私は硬直した。
血液が逆流し、頭の中はいよいよショート寸前。
女の子みたいな顔をしているくせに、この子も男の子なんだな、と思った。
そして、
「で、でてけえええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええっ‼」
静かな冬の朝にソラの絶叫が響き渡った。
†
「ほら、コーヒー。砂糖とミルクはこっちだ。適当に使え」
「……………」
テーブルに突っ伏したソラの前にカップを置く。けれど、ソラはそれを一瞥しただけで、再びテーブルに突っ伏した。
腕の隙間から見える頬はまだ赤い。
先ほどのショックから未だに立ち直れていないようだ。
「悪かったよ。次からはちゃんとノックする。だから、いいかげん機嫌を直せ」
「……………」
ソラは応えない。ただ恨みがましそうに、こちらを睨むだけだ。
「……この変態」
ぼそり、と呟かれた言葉に、私は、むっ、として言い返す。
「誰が変態だ、誰が」
「そんなのアウローラ以外に誰がいるのさ。勝手に人の裸を好き放題に弄ってきて。大体、昨日だってミリーさんと一緒になって、あんな……」
ソラはそのまま恥ずかしそうに押し黙る。
「おい、ちょっと待て、そこで黙るな。昨日一体何があった」
「言いたくないね、この酒乱め。昨日は流したけどアウローラって本当にショタコンってヤツなんじゃないの?」
「違う。というかそれは今すぐ忘れろ」
アンタには他に覚えてなくちゃいけないことが山ほどあるでしょうに。
気を取り直すように、こほん、と一度咳払いをする。
「もういい。それで? その胸の傷。どうやら普通の傷じゃなさそうだけど、それについては何か覚えてないのか?」
問われて、ソラは、ん? と胸に手を置き答える。
「いや、全然。気が付いたらあったみたいな感じだったし。一応、お医者さんにも診てもらったんだけど、特に異常はないってさ」
まあ、見た目はちょっとひどいけど、と、ソラは特に気にしてなさそうに言う。
「……そう」
私はなんとなくコーヒーをスプーンでかき混ぜる。
いくら記憶喪失とはいえ、これほどの傷ができた原因をあっさりと忘れるものなのだろうか……いえ、違う。そうではなく、むしろその逆。
この子の記憶喪失の原因はこの傷にあるのだろうか。
答えの出ないことをグルグルと考えながらコーヒーを一口啜る。
ミルクも砂糖も入れたはずのコーヒーの味は苦味だけしかなかった。
「痛むか?」
口からついそんな言葉が出てきた。
言われたソラはきょとんと目を丸くする。
それから、どうしてだろう。
ソラは嬉しそうに笑った。
「いや。汗とかかくと痒くなるし、たまに血が滲んでくるけど痛くはないよ……ありがとう」
「……? なにが?」
お礼を言ってくるソラに私は首を傾げる。
感謝されるようなことなんて何もしていないと思うのだけれど。
そんな私を見て、ソラはまた可笑しそうに笑った。
「なんでもないよ。それより朝ごはんにしよっか。出かける前にミリーさんが作っていってくれたスープがあるからさ」
ソラは上機嫌でキッチンへと向かう。
その様子を不思議に眺めていると、ソラが「あ、そうだ」と思い出したようにこちらへ振り返ってきた。
「アウローラ。実はさ、今日行きたいところがあるんだけど」
「行きたいところ?」
「うん、王立騎士団第十七支部。予定がないなら付き合ってほしいんだ」
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