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序章
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暗闇の中、ベッドの上で目が開いた。
壁にかかった時計盤を見ると、あと少しで四時に向かっている。
アレ?てことは・・・明け方の四時か。
そうか・・・とまた目を閉じようとして、気がついた。
あ、バイト!
慌てて上半身を起こし、「フザケんなよ!」と誰に言うでもなく吐き捨てる。
一番フザケていたのは、寝坊した自分なんだけど。
バタバタしている最中に、ふと、部屋の闇の中に、目が留まった。
なんだか、闇が薄い感じが―?。厚いカーテンの隙間からは細い光が漏れており、
自分の部屋の本棚や机がどうにか見えている。
明け方の四時だったら、もっと闇は濃くて、空気は沈んでいる。
夕方の四時だ。
「鳥よし」で深夜零時から働いて、「お疲れ様っす」と店を出てきたのが
午後一時。それから家に帰って、昼の十二時半くらいにベッドに入ったのを
覚えている。
だから、まだ三時間くらいしか眠っていない事になる。
大きく息を吸って、溜息だかなんだか分からないものを吐き出した。
今日は、夕方からのいて座の稽古は無い日だから、夜の十時くらいまでは
眠っていられるって事だ。
ほっとした頭を枕に落とし、毛布をたぐりよせる。
いつだか店に来ていた客同士が喋っていた声が、不意に蘇ってきた。
「俺たちはさ、夜行性の動物みたいなもんなんだよな。太陽出たら寝て、
陽が落ちたら動き出すやつだよ。」
夜行性の動物だとすると、自分は何になるんだろう。
コウモリ? フクロウ? ネコ? それと・・・
あと・・・・なんだっけ? 夜行性の動物って・・・・
カブトムシ?は虫だし・・・キツネ? ネズミ? うーん・・・・
陽が傾いていく薄暗さの中、視界が狭くなっていき、
もう一度真っ暗な世界に堕ちていった――。
壁にかかった時計盤を見ると、あと少しで四時に向かっている。
アレ?てことは・・・明け方の四時か。
そうか・・・とまた目を閉じようとして、気がついた。
あ、バイト!
慌てて上半身を起こし、「フザケんなよ!」と誰に言うでもなく吐き捨てる。
一番フザケていたのは、寝坊した自分なんだけど。
バタバタしている最中に、ふと、部屋の闇の中に、目が留まった。
なんだか、闇が薄い感じが―?。厚いカーテンの隙間からは細い光が漏れており、
自分の部屋の本棚や机がどうにか見えている。
明け方の四時だったら、もっと闇は濃くて、空気は沈んでいる。
夕方の四時だ。
「鳥よし」で深夜零時から働いて、「お疲れ様っす」と店を出てきたのが
午後一時。それから家に帰って、昼の十二時半くらいにベッドに入ったのを
覚えている。
だから、まだ三時間くらいしか眠っていない事になる。
大きく息を吸って、溜息だかなんだか分からないものを吐き出した。
今日は、夕方からのいて座の稽古は無い日だから、夜の十時くらいまでは
眠っていられるって事だ。
ほっとした頭を枕に落とし、毛布をたぐりよせる。
いつだか店に来ていた客同士が喋っていた声が、不意に蘇ってきた。
「俺たちはさ、夜行性の動物みたいなもんなんだよな。太陽出たら寝て、
陽が落ちたら動き出すやつだよ。」
夜行性の動物だとすると、自分は何になるんだろう。
コウモリ? フクロウ? ネコ? それと・・・
あと・・・・なんだっけ? 夜行性の動物って・・・・
カブトムシ?は虫だし・・・キツネ? ネズミ? うーん・・・・
陽が傾いていく薄暗さの中、視界が狭くなっていき、
もう一度真っ暗な世界に堕ちていった――。
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