その勇者、実は魔王(改訂版)

そこら辺の人🏳️

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魔王、共闘する10

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 ――それから3日後。
 エルフの村の周辺に高い魔力を持った魔族が3人近づいていた。

「たくっ、たかがエルフ相手に俺たち3人も必要か?」

 赤みがかった短い黒髪に鋭い赤い瞳の魔族の青年が愚痴る。

「まぁまぁ、エルフだって俺たちみたいに魔力が強い種族なんだからさ」

 そうとりなすのは青みのがかった白い長い髪を1つに結んだ薄い黄色い目をした青年の魔族である。

「でも、今回はナミアも魔物も戻って来なかったんでしょ? なんかあったのかしら?」

 そう言って長い金髪に濃い青の瞳でメガネをかけた女性の魔族が顎に手を当てて首を傾げる。

「どうせナミアが下手したんだろ」
「でも今までこんなことなかったのよ」
「確かに奇妙かもしれないけど、たまたまだと思うよ」

 納得していない女性に2人の青年は軽く笑う。
 その時、ヒュンッと音がして何かが飛んできた。

「いてっ!?」
「ツバイ!?」

 その飛んで来たのは矢で、黒髪の青年魔族、ツバイの肩に突き刺さる。

「くそっ、ふざけんなよ!」

 悪態をついて矢を引き抜くと、傷はみるみるふさがった。
 だが、矢が放たれた方向を見たツバイがグラリとよろめく。

「なんっ、だ?」

 そしてそのまま倒れた。

「ツバイ!?」
「エルフの薬か!?」

 慌てる2人に向けてさらにヒュンッヒュンッと矢が放たれる。

「なめるな!」

 白い髪の青年魔族が障壁を築き、矢を防ぐ。矢が障壁に全く歯が立たない様子に青年は首を傾げる。

「魔力のこもっていないのか?
 なら、これを放っているのはエルフじゃない?」

 訝しむ青年だったが、バキンッという音と共にそうも言ってられなくなってきた。
 なぜなら、障壁にヒビを入れるような矢が大量にこちらに向けて放たれたからだ。

「ちょっ、嘘だろ!」

 慌てて障壁を強化するが、間に合わない。

「えいっ!」

 金髪の女性が障壁の前に炎の壁を生成して、矢を燃やす。

「レンリ、助かった!」
「ダガン、もうちょっとしっかりしなさい!」

  金髪の女性、レンリは白い髪の青年、ダガンを叱咤し、目の前の矢に集中する。
 そのため、背後への注意が疎かになった。
 ガゴンッという音ともにレンリが気絶する。

「レンリ!?」

 ダガンが驚いて声をあげた。
 見ると、大男がレンリを峰打ちして気絶されたようだ。
 ダガンは大男の気配が全くしなかったことに衝撃を受ける。
 見たところただの人間のようなのに、自分たち魔族を気絶させたのだ。

「ふざけるなよ……!」

 ダガンは怒り狂う。魔力の強いエルフではなく、下等な人間ごときが魔族である自分たちを襲い気絶させたのだ。許されることではない。
 ダガンは周囲に突風の壁を形成する。

「うぐっ!?」

 矢も大男も吹き飛んだ。
 その隙にダガンは2人の様子を確認する。
 2人とも気絶しているだけで外傷はない。
 だが、それでも危険だった。
 魔力を操るには意思の力が不可欠であり、気絶状態だと操ることはできない。
 多少の怪我なら生存本能により治ることもあるが、深い傷などはうまく治らないことがあった。
 つまり、魔族にとって何の準備もしていない意識のない状態は想像以上に危険なのだ。

「くそっ、起きろよ!」

 ダガンは2人の頬を叩いて起こそうとする。
 だが、眠りが深いのか2人とも起きない。
 仕方ないため、ダガンは2人を安全なところに避難させようと担ぐ。
 その時、風の障壁をものともせず近づく者がいた。
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