彩のミステリーデビュー

愛媛海

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高校生編

謎の車

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「みゆなんか買ってきて 」
「了解」 
 エンジンの音が鳴る
「風太君、 悪い 道に迷った」
「 あの車危ない」
「  なんだよあの車 」
「あの人なんか酔ってるしかもマフラーみたいなのつけてた 」
「あー 30分くらい前にコンビニあったんだけどな」 
「本当 ごめん」
「そういえばここら辺の町、凍った姿の人が出てくるらしいよ」
「怖いからやめてよ」
暗闇道を走る。

「 ごめん寝てた 今何時」
「 あれから30分経ったから みんな話してた時だからな 」
しばらく走っていると家があった。 
「泊めさせてもらおうぜ 」 
「失礼します 道に迷ってしまったので 泊めさせてくれませんか」 
「はーい どうぞ 」
「すみません ありがとうございます」
「 いいのよ しかし ゆうと遅せえなあれからなん時間立ってんだよ 」
「どうしたんですか」
 「体調不良で部屋にいるの 」
「皆で見に行こう」 
「大丈夫 」
「ゆうと ドア開けるぞ」
「 暑いなこの部屋なんで 暖房 ついてんだよ 」「大丈夫」
「大丈夫だよ 」
「よかった 」
「ゆうと 大丈夫だったんだ 」
「心配したよ 」
「でも俺は 何でこんなとこにいるんだ 。水かなんかかけられたのかな、 おかしくなった 。冷房がついてた気がしたんだけど」
「マジかよ」 
昨日失ったんだよ 
「誰かが 氷や水を暖房で なくして 証拠隠滅 させようとしたのか 早くセットしすぎたのかもしれないな 」
「よかったらなんとか 喋れて 」
「救急車呼ばなくてすむね」
「 びっくりした それにしても まさる 出かけてから遅くないか 」
「確かにまさる 遅いな 長電話から1時間かな 」
彩と風太は途中で車にすれ違ったことを思い出す。
「もしかして車に乗っていきませんでしたか 」「車に乗ったのはみゆ ですけど 」
「あれ、男の人だと思ったんですけど 」
「まさか ゆうとさんを殺したのって 」
「多分 」
「ねえ、 みゆは? 」 
「みゆさんは車の中だと思います 。男の人、 寒そうにしていたんですよ。 なので ゆうとさんの時と同じ方法だと思います 。つまり……」
45分後 
「ただいま」
「おかえり みゆ いや まさる 」
「ごめんな 上司からの電話と妻からの電話で遅くなったんだ そろそろ帰ってくる時間だよね みゆは 」
「そうだったな あんたがやったんでしょ みゆを」
「なんの話をしてるの」
「ゆうとさんが部屋の中で暖房を付けたままだったんです」
「この時期に暖房? 普通のことじゃん」
「暖房の前に冷房付けましたよね、ゆうとさんにもみゆさんにも」
「俺はその人のこと知らねーよ」
「だからみゆを車にのせて、冷房付けたんじゃないの? 電話はしてないんじゃないのって聞いてるの。みゆはどうなの」
「ゆうとさんは試しかもしてないです」
「そういえばさっきからあんたたちは誰なんだよ」
「今は夜遅いから泊めさせてあげてるの」
「途中で会いましたよね、車で。それに、電話は調べれば……」
「残念でした。そういうのも見越して電話しながら運転してんだよ。死角だったのかな」
「車に乗ってるのはみゆじゃないの」
「あ」
「つまり、あの時人を凍らせてたからマフラーとか付けてたんですよね。そして、試しのゆうとさんは暖房をセットしてどうなるかを見てたんですよね」
「あー、そうだよ。このまちの伝説の話の通りにしたかったんだ。帰りは暖房付けてきたからな」
「みゆは大丈夫なの」
「今頃ようこそ看板の横に立って看板娘になってるだろうよ」
「なんで俺で試したんだよ」
「ゆうとは使いやすいからだよ」
「通報はもうしてあります。」
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