彩のミステリーデビュー

愛媛海

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高校生編

夜の列車

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今は夜。電車からは年に一度のイルミネーションが見える。
「 キャー」
「 なんだ」
  電車が停車します ご注意ください電車が停車します ご注意ください
「 このイルミネーション きれいだな 。イルミネーション撮るためにたくさんの人が来てるらしいからな」 
「急に止まったぞ」
「 何だろう」 
「どうしたんだろう 」みんな イルミネーションを見ていたため、突然のあまりカメラは車内の方を向いた。
ただいま、非常停止ボタンが押されましたため この電車停車いたしました 。 少々お待ちください。
どうやらイルミネーションを撮影していた女性が何かで殴打されたらしい。 近くにいたのはなぜかイルミネーションと逆の方向を向いていてを撮影していなかった水元さん、彼氏の小泉さん、寝ていた宮岡さんか。 皆イルミネーション撮ってたし……みんなイルミネーションを動画や写真で撮っていましたけど今日のこの時を利用したのか。 
「なんで水元さんは撮影をしなかったんですか」
「先に撮ってあるからだよ、ほら」
「今年は今日からイルミネーション付くのによく先に撮れましたね」
「あー、お気に入りのスポットから初イルミネーションをカシャッと撮ってやったぜ」
「彼氏さん大丈夫ですか」
「無理に決まってる」
「宮岡さんはイルミネーション撮らないで寝てたんですね」
「疲れてたから寝てたんだよ。そもそも、イルミネーションに興味ねーよ」
寝ながらじゃさすがにできないか……反対向いてた人は無理だろうし……
「彼氏さんが後ろから静かにーー」
「するわけないじゃないですか」
「でも、寝てた人も撮影してなかった人も距離あるから必ず刺さるとは思わないですし撮影してなかった人はイルミネーションと反対方向向いてましたよ」
「くるっと振り替えればできますよね」
「あなたたちの後ろにもたくさんの人がいたので難しいと思います」
「じゃあ、その人たちの持ち物に無いんですか、殴打に使ったものは」
「彼氏さんは」
「俺は彼女と遊園地に行ったんだ。そういうものしかない。ポケットはスマホと赤色の財布が入ってる」
「あれ、何が入ったっけ。寝ぼけててごめんね。あーそうか、アイドルグッズだ。ポケットはスマホと青色の財布と赤色のタオルだよ。」
「うち?撮影関係のしかないよ。ポケットはスマホと赤色の定期入れ」
「財布はないんですね」
「まあ、特に必要ないからな。スマホに色んなpay入れたりICカードで払ったりしてるからね」
「ひも付きなんですね」
「あー、このひもグーンって伸ばすこともできるんだぜ」
殴打した時、血が飛び出るはず……
そうか分かったぞ

「犯人は赤色のもので殴打し、分かりにくくした。その犯人は、イルミネーションと逆の方向を向いていてを撮影していなかった水元さん、あんただ」
「うちは反対方向向いてたから無理」
「夜の時間です。窓の方を向いてると反射して向こうの様子が見えます。それを見てその定期入れのひもを伸ばして当てたのでしょう」
「ち、そこまで分かるとは。そうだよ。自首してあげる」
「あげるとはどういうことですか。悲しんでる人だっているんですよ」
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