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1、悪魔退治の始まり
しおりを挟む「うーん、ここは、え、えー?」
意識を取り戻した私は病室にいた。
正確には病室の中で宙に浮いている。
病室のベットには様々なチューブやケーブルが繋がれた自分の姿。。。
周囲には忙しく動き回る医療関係者と見守る友人の姿。
「私は死んだのかな」
確か退魔師である友人のケンタに頼まれて除霊に同行した。
廃墟で5体の悪霊に襲われ、3体の悪霊をケンタから託されていた短剣で切り伏せた。
4体目の悪霊を切った瞬間に反撃を受けて・・・・・・。
ケンタは無事のようだ。
心配そうにベットの横にいる友人がケンタだ。
それはよかったけど、私はこの後どうなるんだ。
死後の世界ってどうやって行くんだろう?
<タカシ君、君はまだ死んではいないよ。>
「え?」
<今は幽体離脱という状態だ。少し説明が必要だからこちらに来てもらおうか>
「こちらって?」
次の瞬間、私は花畑の中にいた。
前にも来たことがある花畑。
数年前に手術のための全身麻酔をかけられた最中に訪れた場所だよね。
ということは丘の上に東屋があるはずだ。
今回もあの人はいるかな?
丘の向こうには川が流れているんだよね。
丘に登り、東屋に近づくと白い髭を生やしたお爺さんが手を振っている。
「ご無沙汰しています。神様」
「タカシ君。久しぶりだね。元気かなと挨拶したいところだが君の肉体は病院のベットの上で仮死状態だったな」
このお爺さんは地球を担当する神様らしい。
地球神様ということだ。
以前にこの花畑を訪れた時にも出会っている。
今回は地球神様の隣に女の子?がいる。
彼女も神様かな?
銀髪の美少女に見えるが私のトラブル感知センサーが反応しているよ。
この能力?が結構優秀なんだよね。
関わりたくない相手だな。
言葉は交わさず、軽く会釈をするだけにしたよ。
「早速ですが、今の状況を説明をしていただけるということでしたが?」
「うむ。タカシ君はどこまで覚えているかな」
「4体目の悪霊に反撃されたというところまでです」
「君から見て今回の霊はどうだった。今までに除霊してきた霊と同じものだったかな」
「遭遇した瞬間にケンタにも伝えたのですが、色が濃く禍々しいものでした。悪霊というよりは妖か悪魔のような・・・・」
私やケンタは霊や妖を視認することができる。
ケンタは代々退魔師として除霊を行っている家系に生まれ育った。
私も彼も霊というものは妖と違い、輪郭のはっきりしない靄のように見える。
問題のない霊は白く見えるが悪意を持つ有害な霊は灰色に見える。
ケンタはそれらの霊を浄化する能力を持つ。
しかしケンタ一人では除霊の時に何かあったら危険なので彼に頼まれて霊を見ることができる私が同行している。
除霊に同行する時にはケンタからは浄化の力を持つ短剣を託されている。
ケンタに言わせると私自身も浄化する能力を有しているということだが・・・・・。
そして今回の悪霊は見た目も違い強かった。
「大正解だ。強いはずじゃよ。あれは姿を悪霊に偽装した上位の悪魔-上級悪魔だからね」
「強かったのもそのせいですか」
「タカシ君の今の状態-能力では厳しかっただろう。よく3体も悪魔を滅することができたもんだね」
「短剣のお陰ですよね」
「いや、違うな。君自身が無意識に君の秘めれた能力である聖魔法を発動して悪魔を滅したんだよ。あの剣を使っても君の友人では3体も悪魔を滅することができなかっただろう」
「でも、4体目の悪魔に反撃されました」
「それは君の能力に制限、いや封印がかけられていたためだよ」
「封印ですか」
「そこは謝罪しなくてはならない。君の聖魔法等の能力はあまりにも強力過ぎるので私たち神の力で封じていた」
「それでも今回3体の悪魔を私の力で滅したというのですか」
「そう、神の力で封じても悪魔を滅することができるほどの力を君は持っている。これが何を意味するか分かるかな?地球上でその力をコントロールできずに使ったら大変なことになる。暴発したら大変だよ」
「それで神様が私の力を封じていたと?」
「その通りだ。地球は人が多すぎる。私たちが指導して練習する場所がない」
「そうですか」
「それで君の状態だが、4体目の上級悪魔クルロから食らったカウンターは呪いだよ」
「呪いですか?解呪の方法はあるのですか?」
「強力な解呪を行うか、上級悪魔クルロを滅すればいい」
「地球で誰かが解呪することはできますか?」
「解呪は無理だな。それができるのはタカシ君か神だけだから」
「ということは」
「君は現在魂だけの状態になっている。前回君に会った時に話したが神が地球に降りるのは問題がある。漏れ出すエネルギーで災害が起きてしまう」
「では誰かが上級悪魔クルロを倒すしかないと。それならどうしたら上級悪魔クルロを滅することはできるですか」
「うむ。実は悪魔クルロは悪魔クハルとともにパスロという異世界に転移してしまった」
「異世界ですか?」
「異世界パスロではパルカという悪魔が暴れている。パスロの権力者はパルカ討伐のために度々地球からの勇者等を召喚していてその時にできた亀裂が使われたようだ」
「では異世界パスロで召喚勇者が悪魔クルロを滅するの待つということですか」
「無理だろう。地球で生まれた悪魔は強い。地球で多くに人間達の邪心や悪意、つまり地球人類の負のエネルギーから誕生した上位の悪魔だからな」
「ではどうしたら」
「君が行くしかないだろう」
「でも今の私は魂だけですよね」
「地球ではまだ仮死状態の肉体があるから無理だが異世界でなら君の魂を入れる器を用意することができる」
「そうなのですか」
「それから呪いのかかった地球の君の肉体は地球の時間で後3日ぐらいしか維持できない」
「3日で悪魔を退治して来いというのですか」
「平時のパスロの時間経過は地球の30倍だ。地球の1日はパスロなら30日になる」
「では90日で悪魔退治をということですか!」
「落ち着きなさい。今回は緊急処置によりパスロの時間経過を地球の1000倍にする」
「というと3000日ということですか」
「そうなるね。そしてこの空間はパスロの2400倍で時間が経過している。今この空間の10日がパスロの6分だ」
「地球の時間だと12秒ということですよね」
「その通り、ここでまずはパスロへと行く準備をしてもらう。君の力を解放する。同時に力の使い方を覚えてもらうからね」
「わかりました。お願いします」
「ついでという訳ではないが、地球から召喚された者たちの回収と問題を起こした召喚勇者の対処もお願いしたい」
「というと?」
「帰りたがっているが帰してもらえていない召喚勇者や好き勝手にしている召喚勇者がいる。わかっているだけで8組20名だ。パスロの状況も含めては詳しくはパスロの管理を担当する神であるアリスから説明してもらうよ」
先程から無言で地球神様の隣に座っていた美少女は異世界パスロの女神であるアリス様だった。
この神様何か重大な事を隠していそうで嫌な予感がする。
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