悪魔退治は異世界で

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19、国際連邦臨時総会1

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翌日、国際連邦臨時総会が行われた。

会議の出席者は国際連邦総長と加盟各国の代表だが、オブザーバーとして鶯シティー代表の私タカシとサユリ先生だ。

参考人としてパスロ大森林と境界を接する14の地域の領主もいる。

国際連邦総長から鶯シティーをが建設された経緯が説明された。

国際連邦総長から要請されて私からも補足説明を行った。

この会議の中でアクレア帝国の新皇帝から悪魔に操られたとはいえ今回のような騒ぎを起こしてしまったことの謝罪が行われた。

各国からもアクレア帝国の謝罪を受け入れ、原則として鶯シティーの承認と国際連邦への加盟を支持する旨が表明された。

その後、各国から私への質問も行われた。

神は何故、鶯シティーを造ったのか?

住民が地球に帰った後、鶯シティーはどうなるのか。

鶯シティーの存在はこの世界にとってどのようなメリットがあるのかということだ。

このような質問は予想済みだ。

神様たちともよく話し合ってある。


「神様が鶯シティーをあえて造ったのは不当に召喚された人々への謝罪とこの世界の人たちへの謝罪の意味があるでしょう」

「この世界の人たちへの謝罪ですか?」

「はい大賢者様の亡き後、この世界を管理するシステムがしっかりと管理された状態ではありません。新たに大賢者が現れなければ中級悪魔や上級悪魔が増えていき、それが原因で悪意や邪気が増え、さらその悪意や邪気によって悪魔が強くなり増えるという負の連鎖が続いてしまいます」

「それは恐ろしい事ですね」

「上級や中級の悪魔を倒し、この管理システムを正常にするために私がこの場にいます。そして様々な技術や文化などをこの世界に伝える拠点として鶯シティーを作りました。召喚された者が帰った後もこの都市は残ります。どのように残すかはこれからゆっくりと話し合っていきたいと思います」

「それはこの世界にとっては素敵な事ですな」

「今回の召喚された者に関してもレベルが神様の決めた基準以上に上がった場合はこちらと地球を往復しながら生活できると思います。この世界を発展させるためのお手伝いができるでしょう。私もこちらに度々来ることができるでしょう」

「十分に納得できる回答です」


その後、参考人と出席している領主たちから意見を聞いた。

初めの5人は鶯シティー受け入れに前向きな意見と交流を希望する要望が述べられたのだが、予想通り6人目のパルハ辺境伯からはパスロ大森林を神の手から取り戻せという主張が出た。

各国代表はすでに事情を知っているがそれを知らない領主の中には自分も恩恵にあずかろうとパルハ辺境伯に同調する動きが出た。


「辺境伯、貴方の考え方は今まで人類に祝福や加護で恩恵を与えてきた神を否定して神の領域を独占しようという強欲にとらわれた悪魔と同じ考え方ですね」

「それがどうした。神に騙されるな。人類はそれぞれが自分のためだけに生きればいい。そのためには他人はどうなってもいいんだ。他人から奪うためなら人殺しであっても問題はない。強さがすべてだ」


各国の代表や参考人として参加している領主たちは唖然としている。

特にパルハ辺境伯の所属する国の代表は困っている。


「完全に悪魔に支配されているようだ。大神官様お願いします」

「わかった」


ハルタ大神官とともに悪魔による支配を無効化する聖魔法を発動した。

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