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第6章 学園編☆1年生
19邪魔しない
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side ルナ
ずっと、フォレストでキャンプを兄様達としてきたからテントを張るのも、野外の料理も大丈夫。
スタンプラリーも楽しみだし、夜空を見上げて話すのも、マットに寝転がって…色々…話せるかな?とりあえず、好みのタイプから聞き出してみよう。
先ずは、立地の良さそうな所にテントを張らないといけないから。リーダーの指示を待っている所だ。
リーダーは、ソレイユ様に決まった。騎士団長の息子らしく、野外の経験も豊富だし指示もテキパキしてくれそう。見た目も頼りがいがある。
シリウス兄様はレグルス殿下の護衛だから、見ているだけ。手も口も出してはいけない事になっている。
今まで一緒にキャンプをして来たから、きっと口を出したくてウズウズしてそう。チラッと視線を送ると、少しだけ口角が上がってまた元に戻した。焦ったいだろうなぁ。
あの日のクジ引きで、ペアが決まったんだけど…
スピカとペアになったのは…アルだった。
僕はレグルス殿下とペアになって、カストル様とソレイユ様がペアになった。
やっぱり、入学式のイベントを潰しちゃったからレグルス殿下のルートは無いのかも。良いのかな?小説の中の1番王道のルート。スピカの好きな人とか夜に聞いてみたい。2人で話すチャンスないかな?
クジで決まったんだから、アルと良い雰囲気になるのかも知れない。アルとスピカが並んでいる挿絵を少し思い出した。なんかお似合いで、ちょっと切ない…
あれ?なんで、切ない?親友が恋を実らせたら…おめでとうだよね!
シリウス兄様が婚姻ってなっても、寂しいって思うはず──1人で頑張るって言いながら、結局1人は寂しいと思ってしまう自分がいる。フェルならずっと側にいてくれるかな?僕より絶対長生きだから安心だし。
お父様がこの人が欲しいと思える人に出会うから、飛び込んで行けって──それって、お父様にとってお母様の事だったんだよね。
そんな恋が僕に出来るのか分からない。家同士の繋がりとかは気にしなくて良いって言ってもらえて、恋愛をして好きな人と婚姻して良いって…貴族の役割を考えたら贅沢過ぎるよ。いいのかな?
誰かに必要とか、愛される事があったなら嬉しい。そんな人が本当に現れたら──いいのに。
アルファルド・グランデ──隣国の第2王子のIFストーリーのキャンプは、スピカを助けようとしてアルが怪我をするんだ。
うー。アルが怪我するなんて嫌だ。だけど下手に助けたらまた変にズレちゃうかも…近くにいて様子を見る?
「ルナ様、テント張りサボらないで」
ソレイユ様がニコって笑っている。考え込んでたら声をかけられて、現実に戻される。
「あ、ごめんなさい」
慌てて、周りを見るとカストル様が意外にテキパキと動いている。
身体を動かすイメージがあまり無かったから、思わず「器用で早い」って呟いてしまって、ジロッて睨まれた。
「ルナ、ちゃんとレグルス様を手伝えよ。ペアを解消するぞ」カストル様にあっちに行くように言われ、ロープを引っ張っぱろうとしてるレグルス様の側に行く。
出遅れてしまった。
「ごめんなさい。レグルス様」
「いや、今呼ぼうとしてただけだから。全く問題ないよ。ほらロープ引っ張るの手伝ってルナ」
後ろ側に回ろうとしたら、前に来てって言われて、レグルス様の前に陣取る。
ロープに手をかけた所で、レグルス様が片手を離して僕を背中からハグする様な形でロープを握り直し、「今、一緒に引っ張って」と耳元で話しかけられる。
なんか、近い。
頼りないから、こんな風にしてくれるのかな?
役に立たないとね!ググって後ろに引くと、テントがピンと張ったのが分かった。少し耐えててと魔力で支えられているのが分かる。少しでも役に立つように踏ん張っていたらレグルス様がロープを杭の所に巻きつけ終わったみたい。向こう側も終ったようだ。
アルがこっちを見ていたから、何となく手を振ってみたら、スピカがアルの側に立っていて──しまった、と焦る。
駄目だ。邪魔しないんだった。
えっと、ニコッて笑ってスピカにも手を振ってみたら、困った顔していたスピカが少し笑って振り返してくれた。
やっぱり、スピカは可愛いなぁ。それに気を悪くはしてないみたいで、ホッとする。
もうすぐ、集合がかかるはず。
しっかりしないと。
side スピカ
な、なんでよりによって…
アルファルド・グランデ殿下なんだろう…。レグルス殿下も嫌だけど。
どうみたって、誰が見たって──この人、ルナ様が好きじゃん!!
まずい。
アルファルド殿下の周りが重苦しい。
レグルス殿下は、幸せオーラが出ているし。
ううっ。ソレイユ様が1番、害がないって言うか、友人として接してくれるから、ソレイユ様とペアになりたかったよ~。
テント張りの手伝いも、なんか邪魔っぽい。
これは、なるべくルナ様の側にいる方がいい。その方がアルファルド殿下の機嫌が良くなるはずだし、身の危険が無さそう。
あ、ルナ様が──アルファルド殿下に手を振ってる。
認識阻害のメガネは相変わらずなんだけど、仕草とか可愛いんだよ。多分、素顔を知っているのは、攻略対象と俺とリゲル、あの角度だと他の生徒はハッキリ見えてないと思う。
なんか素顔を知ったせいで、その顔を想像するからか癒されるんだよね。
俺とも目が合って、慌てて手を振ってくれた。
なんか、嬉しい。
思わず手を振ったら、なんか横からゾクゾクする様な魔力が伝わってくる。
怖すぎる。
「ルナに手を出すなよ?」
ひぃ~
「可愛くて憧れているだけです。やましい気持ちは、一切ありませんっ!」
怖い。誰か、アルファルド殿下と変わってくれ!
「なら、キャンプの間はずっと俺もルナの側にいるけど、スピカは近寄り過ぎるなよ?レグルスの奴、触り過ぎだ」
落ち着いてよ。一応仲間だよ?ペアじゃなく、チームとしてルナ様にくっついておこうと決心をした。
ずっと、フォレストでキャンプを兄様達としてきたからテントを張るのも、野外の料理も大丈夫。
スタンプラリーも楽しみだし、夜空を見上げて話すのも、マットに寝転がって…色々…話せるかな?とりあえず、好みのタイプから聞き出してみよう。
先ずは、立地の良さそうな所にテントを張らないといけないから。リーダーの指示を待っている所だ。
リーダーは、ソレイユ様に決まった。騎士団長の息子らしく、野外の経験も豊富だし指示もテキパキしてくれそう。見た目も頼りがいがある。
シリウス兄様はレグルス殿下の護衛だから、見ているだけ。手も口も出してはいけない事になっている。
今まで一緒にキャンプをして来たから、きっと口を出したくてウズウズしてそう。チラッと視線を送ると、少しだけ口角が上がってまた元に戻した。焦ったいだろうなぁ。
あの日のクジ引きで、ペアが決まったんだけど…
スピカとペアになったのは…アルだった。
僕はレグルス殿下とペアになって、カストル様とソレイユ様がペアになった。
やっぱり、入学式のイベントを潰しちゃったからレグルス殿下のルートは無いのかも。良いのかな?小説の中の1番王道のルート。スピカの好きな人とか夜に聞いてみたい。2人で話すチャンスないかな?
クジで決まったんだから、アルと良い雰囲気になるのかも知れない。アルとスピカが並んでいる挿絵を少し思い出した。なんかお似合いで、ちょっと切ない…
あれ?なんで、切ない?親友が恋を実らせたら…おめでとうだよね!
シリウス兄様が婚姻ってなっても、寂しいって思うはず──1人で頑張るって言いながら、結局1人は寂しいと思ってしまう自分がいる。フェルならずっと側にいてくれるかな?僕より絶対長生きだから安心だし。
お父様がこの人が欲しいと思える人に出会うから、飛び込んで行けって──それって、お父様にとってお母様の事だったんだよね。
そんな恋が僕に出来るのか分からない。家同士の繋がりとかは気にしなくて良いって言ってもらえて、恋愛をして好きな人と婚姻して良いって…貴族の役割を考えたら贅沢過ぎるよ。いいのかな?
誰かに必要とか、愛される事があったなら嬉しい。そんな人が本当に現れたら──いいのに。
アルファルド・グランデ──隣国の第2王子のIFストーリーのキャンプは、スピカを助けようとしてアルが怪我をするんだ。
うー。アルが怪我するなんて嫌だ。だけど下手に助けたらまた変にズレちゃうかも…近くにいて様子を見る?
「ルナ様、テント張りサボらないで」
ソレイユ様がニコって笑っている。考え込んでたら声をかけられて、現実に戻される。
「あ、ごめんなさい」
慌てて、周りを見るとカストル様が意外にテキパキと動いている。
身体を動かすイメージがあまり無かったから、思わず「器用で早い」って呟いてしまって、ジロッて睨まれた。
「ルナ、ちゃんとレグルス様を手伝えよ。ペアを解消するぞ」カストル様にあっちに行くように言われ、ロープを引っ張っぱろうとしてるレグルス様の側に行く。
出遅れてしまった。
「ごめんなさい。レグルス様」
「いや、今呼ぼうとしてただけだから。全く問題ないよ。ほらロープ引っ張るの手伝ってルナ」
後ろ側に回ろうとしたら、前に来てって言われて、レグルス様の前に陣取る。
ロープに手をかけた所で、レグルス様が片手を離して僕を背中からハグする様な形でロープを握り直し、「今、一緒に引っ張って」と耳元で話しかけられる。
なんか、近い。
頼りないから、こんな風にしてくれるのかな?
役に立たないとね!ググって後ろに引くと、テントがピンと張ったのが分かった。少し耐えててと魔力で支えられているのが分かる。少しでも役に立つように踏ん張っていたらレグルス様がロープを杭の所に巻きつけ終わったみたい。向こう側も終ったようだ。
アルがこっちを見ていたから、何となく手を振ってみたら、スピカがアルの側に立っていて──しまった、と焦る。
駄目だ。邪魔しないんだった。
えっと、ニコッて笑ってスピカにも手を振ってみたら、困った顔していたスピカが少し笑って振り返してくれた。
やっぱり、スピカは可愛いなぁ。それに気を悪くはしてないみたいで、ホッとする。
もうすぐ、集合がかかるはず。
しっかりしないと。
side スピカ
な、なんでよりによって…
アルファルド・グランデ殿下なんだろう…。レグルス殿下も嫌だけど。
どうみたって、誰が見たって──この人、ルナ様が好きじゃん!!
まずい。
アルファルド殿下の周りが重苦しい。
レグルス殿下は、幸せオーラが出ているし。
ううっ。ソレイユ様が1番、害がないって言うか、友人として接してくれるから、ソレイユ様とペアになりたかったよ~。
テント張りの手伝いも、なんか邪魔っぽい。
これは、なるべくルナ様の側にいる方がいい。その方がアルファルド殿下の機嫌が良くなるはずだし、身の危険が無さそう。
あ、ルナ様が──アルファルド殿下に手を振ってる。
認識阻害のメガネは相変わらずなんだけど、仕草とか可愛いんだよ。多分、素顔を知っているのは、攻略対象と俺とリゲル、あの角度だと他の生徒はハッキリ見えてないと思う。
なんか素顔を知ったせいで、その顔を想像するからか癒されるんだよね。
俺とも目が合って、慌てて手を振ってくれた。
なんか、嬉しい。
思わず手を振ったら、なんか横からゾクゾクする様な魔力が伝わってくる。
怖すぎる。
「ルナに手を出すなよ?」
ひぃ~
「可愛くて憧れているだけです。やましい気持ちは、一切ありませんっ!」
怖い。誰か、アルファルド殿下と変わってくれ!
「なら、キャンプの間はずっと俺もルナの側にいるけど、スピカは近寄り過ぎるなよ?レグルスの奴、触り過ぎだ」
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