45 / 81
44顔合わせ
しおりを挟む
安定した魔力で、体の重みを実感する。レライエにエスコートされ、皆の元へと行くとメイド服姿のメグがせっかくだからと、髪を綺麗に銀色のリボンと一緒に編み込んで後ろに一つで結んでくれた。
「セーレ様。服もお似合いですね」
「そう?ちょっと……可愛い過ぎる気がするけど」
フリルが付いたシャツなんて、着たことがない。量販店の長袖シャツにデニムが普段着だった。おしゃれなどとは縁遠く、ゲームの世界の騎士服等は憧れと言うよりキャラデザインの一つだったので、自身が着るとコスプレ感が半端ない。六花姉が見たら、きっと爆笑するだろう。どう考えてもメグの方が似合いそうだ。周りを見ると、セバスもディードも、ご機嫌でセラフィーレがここにいる事を普通に受け入れている。
セラフィーレ・ハルファスが真名になるけれど、正直まだこの名は言わない方がいいのだろう。神子たちが浄化が済ませて、この世界が落ち着いてから正直に話したい。
万が一に備えておかないと、距離を取っているはずの人達が近付いてきているように思う。
「セーレです。レイの成人祝賀会のパートナーになる予定です。あまり詳しい事情が言えないのですが、レライエ殿下を護る為に僕が存在する事を信じていただけないでしょうか?」
ディードが一度笑顔になって、それから騎士の礼をとる。
「もちろんです。レライエ殿下をこの先もずっと護って下さい。セーレ様の身分もセバスと共に、手続きが終わっていますので、その辺りも説明を彼が担当してくれますよ」
「ディ……ありがとう。セバスさんもよろしくお願いします」
セバスが次に傍に来たのだが、歩く姿もすごく綺麗で格好良いのだ。雰囲気がとても柔らかくて、上流階級のようなそんな華がある。
「セーレ様。実は私も、セーレ様の姿を時々お見かけしていました。精霊様が離宮に居着いてくれたのだと思いました。離宮にあった闇の様な雰囲気が変わり、本当に浄化されているのではないかと思うようになったのです。レライエ殿下をずっと護るだけではなく、私達も護っているのでしょう?無理をし過ぎず、私共も頼って下さいね」
レライエの離宮にいる人達スペックが高くない?隠れきれてないって、毒見とか知ってたのかと思うと、頬が赤く染まっていくようだ。
「もしかして、僕って最初から丸見えだったの?ディは見えてなかったよね?」
メグが、お茶を用意してこちらに寄ってきた。
「ディード様が来て、二年過ぎたころからでしょうか?レライエ殿下が成長し始めて、魔力が安定して来ると、殿下の傍に綺麗な方が見えるようになりましたの。透けていましたので、屋敷幽霊かとも思いましたわ。セバスさんが言うように、浄化されている感じがして、悪いものではないと、見守っていたのですよ。なんせ殿下の纏う空気が、優しくなりましたもの」
レライエとセーレ用にカップが並べられる。ニコッと優しく笑うと美人にしか見えない。この人が男性だと思うと複雑だけど、BLゲームの隠しキャラだと思えば当然の美しさだ。
「──それに、殿下の毒見をしてくださった。感謝しかありません。マーガレットもきっと、喜んでくれています。セーレ様に、俺も忠誠の誓いを」
メイド服なのに格好良いメイシアに照れてしまう。手をスッと取られて指先にキスをされて、心臓はバクバクだった。
いつの間にか傍に来た、レライエに抱きかかえられる。今は実体化しているので重い筈なのに、軽く抱きかかえられ膝の上に乗せてられる。
「あ、毒見?メイシアごめんね。メイシアが淹れてくれたお茶を信じてないわけじゃなくて。レイが口にするものは、全部僕が毒見したいだけなんだ」
なぜか皆が優しい顔になっている。良かった変に誤解されなくて、と思い口を開けるとティースプーンを口に運ばれる。
「レイ。大丈夫だよ」
そう言うと、レライエが頷いてお茶を口にした。
「セーレ様。服もお似合いですね」
「そう?ちょっと……可愛い過ぎる気がするけど」
フリルが付いたシャツなんて、着たことがない。量販店の長袖シャツにデニムが普段着だった。おしゃれなどとは縁遠く、ゲームの世界の騎士服等は憧れと言うよりキャラデザインの一つだったので、自身が着るとコスプレ感が半端ない。六花姉が見たら、きっと爆笑するだろう。どう考えてもメグの方が似合いそうだ。周りを見ると、セバスもディードも、ご機嫌でセラフィーレがここにいる事を普通に受け入れている。
セラフィーレ・ハルファスが真名になるけれど、正直まだこの名は言わない方がいいのだろう。神子たちが浄化が済ませて、この世界が落ち着いてから正直に話したい。
万が一に備えておかないと、距離を取っているはずの人達が近付いてきているように思う。
「セーレです。レイの成人祝賀会のパートナーになる予定です。あまり詳しい事情が言えないのですが、レライエ殿下を護る為に僕が存在する事を信じていただけないでしょうか?」
ディードが一度笑顔になって、それから騎士の礼をとる。
「もちろんです。レライエ殿下をこの先もずっと護って下さい。セーレ様の身分もセバスと共に、手続きが終わっていますので、その辺りも説明を彼が担当してくれますよ」
「ディ……ありがとう。セバスさんもよろしくお願いします」
セバスが次に傍に来たのだが、歩く姿もすごく綺麗で格好良いのだ。雰囲気がとても柔らかくて、上流階級のようなそんな華がある。
「セーレ様。実は私も、セーレ様の姿を時々お見かけしていました。精霊様が離宮に居着いてくれたのだと思いました。離宮にあった闇の様な雰囲気が変わり、本当に浄化されているのではないかと思うようになったのです。レライエ殿下をずっと護るだけではなく、私達も護っているのでしょう?無理をし過ぎず、私共も頼って下さいね」
レライエの離宮にいる人達スペックが高くない?隠れきれてないって、毒見とか知ってたのかと思うと、頬が赤く染まっていくようだ。
「もしかして、僕って最初から丸見えだったの?ディは見えてなかったよね?」
メグが、お茶を用意してこちらに寄ってきた。
「ディード様が来て、二年過ぎたころからでしょうか?レライエ殿下が成長し始めて、魔力が安定して来ると、殿下の傍に綺麗な方が見えるようになりましたの。透けていましたので、屋敷幽霊かとも思いましたわ。セバスさんが言うように、浄化されている感じがして、悪いものではないと、見守っていたのですよ。なんせ殿下の纏う空気が、優しくなりましたもの」
レライエとセーレ用にカップが並べられる。ニコッと優しく笑うと美人にしか見えない。この人が男性だと思うと複雑だけど、BLゲームの隠しキャラだと思えば当然の美しさだ。
「──それに、殿下の毒見をしてくださった。感謝しかありません。マーガレットもきっと、喜んでくれています。セーレ様に、俺も忠誠の誓いを」
メイド服なのに格好良いメイシアに照れてしまう。手をスッと取られて指先にキスをされて、心臓はバクバクだった。
いつの間にか傍に来た、レライエに抱きかかえられる。今は実体化しているので重い筈なのに、軽く抱きかかえられ膝の上に乗せてられる。
「あ、毒見?メイシアごめんね。メイシアが淹れてくれたお茶を信じてないわけじゃなくて。レイが口にするものは、全部僕が毒見したいだけなんだ」
なぜか皆が優しい顔になっている。良かった変に誤解されなくて、と思い口を開けるとティースプーンを口に運ばれる。
「レイ。大丈夫だよ」
そう言うと、レライエが頷いてお茶を口にした。
460
あなたにおすすめの小説
過労死転生した悪役令息Ωは、冷徹な隣国皇帝陛下の運命の番でした~婚約破棄と断罪からのざまぁ、そして始まる激甘な溺愛生活~
水凪しおん
BL
過労死した平凡な会社員が目を覚ますと、そこは愛読していたBL小説の世界。よりにもよって、義理の家族に虐げられ、最後は婚約者に断罪される「悪役令息」リオンに転生してしまった!
「出来損ないのΩ」と罵られ、食事もろくに与えられない絶望的な日々。破滅フラグしかない運命に抗うため、前世の知識を頼りに生き延びる決意をするリオン。
そんな彼の前に現れたのは、隣国から訪れた「冷徹皇帝」カイゼル。誰もが恐れる圧倒的カリスマを持つ彼に、なぜかリオンは助けられてしまう。カイゼルに触れられた瞬間、走る甘い痺れ。それは、αとΩを引き合わせる「運命の番」の兆しだった。
「お前がいいんだ、リオン」――まっすぐな求婚、惜しみない溺愛。
孤独だった悪役令息が、運命の番である皇帝に見出され、破滅の運命を覆していく。巧妙な罠、仕組まれた断罪劇、そして華麗なるざまぁ。絶望の淵から始まる、極上の逆転シンデレラストーリー!
【WEB版】監視が厳しすぎた嫁入り生活から解放されました~冷徹無慈悲と呼ばれた隻眼の伯爵様と呪いの首輪~【BL・オメガバース】
古森きり
BL
【書籍化決定しました!】
詳細が決まりましたら改めてお知らせにあがります!
たくさんの閲覧、お気に入り、しおり、感想ありがとうございました!
アルファポリス様の規約に従い発売日にURL登録に変更、こちらは引き下げ削除させていただきます。
政略結婚で嫁いだ先は、女狂いの伯爵家。
男のΩである僕には一切興味を示さず、しかし不貞をさせまいと常に監視される生活。
自分ではどうすることもできない生活に疲れ果てて諦めた時、夫の不正が暴かれて失脚した。
行く当てがなくなった僕を保護してくれたのは、元夫が口を開けば罵っていた政敵ヘルムート・カウフマン。
冷徹無慈悲と呼び声高い彼だが、共に食事を摂ってくれたりやりたいことを応援してくれたり、決して冷たいだけの人ではなさそうで――。
カクヨムに書き溜め。
小説家になろう、アルファポリス、BLoveにそのうち掲載します。
悪役令息(Ω)に転生したので、破滅を避けてスローライフを目指します。だけどなぜか最強騎士団長(α)の運命の番に認定され、溺愛ルートに突入!
水凪しおん
BL
貧乏男爵家の三男リヒトには秘密があった。
それは、自分が乙女ゲームの「悪役令息」であり、現代日本から転生してきたという記憶だ。
家は没落寸前、自身の立場は断罪エンドへまっしぐら。
そんな破滅フラグを回避するため、前世の知識を活かして領地改革に奮闘するリヒトだったが、彼が生まれ持った「Ω」という性は、否応なく運命の渦へと彼を巻き込んでいく。
ある夜会で出会ったのは、氷のように冷徹で、王国最強と謳われる騎士団長のカイ。
誰もが恐れるαの彼に、なぜかリヒトは興味を持たれてしまう。
「関わってはいけない」――そう思えば思うほど、抗いがたいフェロモンと、カイの不器用な優しさがリヒトの心を揺さぶる。
これは、運命に翻弄される悪役令息が、最強騎士団長の激重な愛に包まれ、やがて国をも動かす存在へと成り上がっていく、甘くて刺激的な溺愛ラブストーリー。
婚約破棄されて追放された僕、実は森羅万象に愛される【寵愛者】でした。冷酷なはずの公爵様から、身も心も蕩けるほど溺愛されています
水凪しおん
BL
貧乏男爵家の三男アレンは、「魔力なし」を理由に婚約者である第二王子から婚約破棄を言い渡され、社交界の笑い者となる。家族からも見放され、全てを失った彼の元に舞い込んだのは、王国最強と謳われる『氷の貴公子』ルシウス公爵からの縁談だった。
「政略結婚」――そう割り切っていたアレンを待っていたのは、噂とはかけ離れたルシウスの異常なまでの甘やかしと、執着に満ちた熱い眼差しだった。
「君は私の至宝だ。誰にも傷つけさせはしない」
戸惑いながらも、その不器用で真っ直ぐな愛情に、アレンの凍てついた心は少しずつ溶かされていく。
そんな中、領地を襲った魔物の大群を前に、アレンは己に秘められた本当の力を解放する。それは、森羅万象の精霊に愛される【全属性の寵愛者】という、規格外のチート能力。
なぜ彼は、自分にこれほど執着するのか?
その答えは、二人の魂を繋ぐ、遥か古代からの約束にあった――。
これは、どん底に突き落とされた心優しき少年が、魂の番である最強の騎士に見出され、世界一の愛と最強の力を手に入れる、甘く劇的なシンデレラストーリー。
白金の花嫁は将軍の希望の花
葉咲透織
BL
義妹の身代わりでボルカノ王国に嫁ぐことになったレイナール。女好きのボルカノ王は、男である彼を受け入れず、そのまま若き将軍・ジョシュアに下げ渡す。彼の屋敷で過ごすうちに、ジョシュアに惹かれていくレイナールには、ある秘密があった。
※個人ブログにも投稿済みです。
【完結】悪役令息の伴侶(予定)に転生しました
* ゆるゆ
BL
攻略対象しか見えてない悪役令息の伴侶(予定)なんか、こっちからお断りだ! って思ったのに……! 前世の記憶がよみがえり、反省しました。
BLゲームの世界で、推しに逢うために頑張りはじめた、名前も顔も身長もないモブの快進撃が始まる──! といいな!(笑)
本編完結しました!
おまけのお話を時々更新しています。
きーちゃんと皆の動画をつくりました!
もしよかったら、お話と一緒に楽しんでくださったら、とてもうれしいです。
インスタ @yuruyu0 絵もあがります
Youtube @BL小説動画
プロフのwebサイトから両方に飛べるので、もしよかったら!
本編以降のお話、恋愛ルートも、おまけのお話の更新も、アルファポリスさまだけですー!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
魔法学園の悪役令息ー替え玉を務めさせていただきます
オカメ颯記
BL
田舎の王国出身のランドルフ・コンラートは、小さいころに自分を養子に出した実家に呼び戻される。行方不明になった兄弟の身代わりとなって、魔道学園に通ってほしいというのだ。
魔法なんて全く使えない抗議したものの、丸め込まれたランドルフはデリン大公家の公子ローレンスとして学園に復学することになる。無口でおとなしいという触れ込みの兄弟は、学園では悪役令息としてわがままにふるまっていた。顔も名前も知らない知人たちに囲まれて、因縁をつけられたり、王族を殴り倒したり。同室の相棒には偽物であることをすぐに看破されてしまうし、どうやって学園生活をおくればいいのか。混乱の中で、何の情報もないまま、王子たちの勢力争いに巻き込まれていく。
前世が教師だった少年は辺境で愛される
結衣可
BL
雪深い帝国北端の地で、傷つき行き倒れていた少年ミカを拾ったのは、寡黙な辺境伯ダリウスだった。妻を亡くし、幼い息子リアムと静かに暮らしていた彼は、ミカの知識と優しさに驚きつつも、次第にその穏やかな笑顔に心を癒されていく。
ミカは実は異世界からの転生者。前世の記憶を抱え、この世界でどう生きるべきか迷っていたが、リアムの教育係として過ごすうちに、“誰かに必要とされる”温もりを思い出していく。
雪の館で共に過ごす日々は、やがてお互いにとってかけがえのない時間となり、新しい日々へと続いていく――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる