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64魔力同調③微※
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セバスにこの離宮の説明を丸投げしたレライエに手を引っ張られて、挨拶もそこそこにサロンを後にした。
ディードとメグが手を振ってくれて、二人で何かを話しているのが少し気になるのに、レライエは止まってくれない。
「部屋に行く」
「公務に戻らなくていいの?」
「陛下からの命令に乗じてここに来たのなら、あの二人の面倒を見るのも公務の一部だ」
ズンズンと長い足で進むから、半ば引きずられそうになる。
「レイ待って」
ピタリと止まったレライエが、気まずそうにして、手を離し次の瞬間に立てに抱きかかえられた。
「悪い……」
そう言って、また無言のまま進んで行く。
部屋に着いたあとは、そっとベッドの上に運ばれたのだが、なぜか目は合わせてくれない。
「レイ? 」
この離宮の部屋の配置は頭に入っている。どの部屋に案内させたのか、魔力の流れで分かるので、あの二人はここからは離れた部屋を案内されていた。決して嫌がらせではない。陽当たりも、窓から見える景観も良い。落ち着いた高級な家具も配置しているので、レライエなりの王太子殿下への気遣いを感じてしまう。
「素直じゃないんだから。かなり素敵な部屋だったよね」
前世庶民の星七からするとかなり広い部屋だ。キリエが魔導書内に戻って休むにしても、そのままで居たとしても問題のない広さで、ベッドもキングサイズで大きい。繋ぎ部屋にも寝室はある。テオドール殿下の部屋に比べたら狭いかも知れないが、今の殿下は文句を言いそうな人に見えない。
世話好きなキリエといたら、良い影響を受けるような気がする。
「──仲良くなれそう」
キリエとテオドール殿下が……そんな意味合いだったのだけれど、ジャケットを脱いでこちらに戻ってきたレライエにいきなりキスをされた。
長いキスには慣れてきたけれど、いつもよりずっと激しくて、体を反らしてしまう。
「ん……ぅ」
口内を動き絡めてくる舌の性急さに追いつかなくて、体の力が抜けて行くのと同時に押し倒された。唇が離れると服を脱がされ始めて、まだ明るい陽の差す時間に羞恥の方が上回わり慌ててその手を掴んだ。
「レ、レイ? どうしたの?誰か訪ねて来るかも知れない……から」
簡単に外された手は行き場を失う。レライエの手が止まらず、シャツの前は開かれて、両手でぎゅむっと薄いピンクの乳首を摘まれた。
「あッ……んん」
色白で筋肉のつかない貧相な体を見られるのは、恥ずかしい。
両方とも──弾かれ、摘まれ、そして美形の顔が薄い体に近付いて胸の先端を、甘噛みするように咥えジュッと強めに吸い付き舌で転がされる。甘い行為ではなく、急ぎ体に痕を刻み込もうとしているのか、薄い皮膚には内出血の痕が散っていく。
「いっ……たぃ」
その声が届いたのか顔を上げたレライエと視線が合うと、ただ辛そうで何がそんな悲しい顔にさせているのかと、胸が締めつけられていく。
両手を伸ばして頬を挟むと、少し唇を噛んで今度は視線を逸そうとする。そのまま引き寄せて胸の中に頭を抱え込み、抱きしめた。
「 レイ。何が不安なのか教えて」
「──セーレを」
そのまま口を閉ざしてしまう。
「僕?」
「キリエにも……テオドールにも……」
ただ黙って、背中をさすりながら言葉の続きを待っている。
「セーレを取られたくないんだ」
さすっていた手を止め、思わずギューっとしがみつくように抱きついた。
「セーレ?」
「──全部、覚悟してレイの傍にいるのに。どうしたら……伝わるのかな……」
起き上がりそうになるレライエを羽交締めするみたいに強く抱きつき、泣きそうになる顔を見せないよう抵抗する。
(他の人を選んだりしないよ)
「セーレ、顔が見たい」
「──嫌だ」
グズっ……と鼻をすする音を立ててしまう。
「セーレ」
セミのように抱きついているので、結局簡単に抱き起こされて向かい合わせで、ベッドに座る形になった。
上手く伝えられ無い気持ちに、泣きそうになるので顔を見られたくない。慰めるどころか、逆になってきて歳上なのに情けない。
今度は、先程とは逆で背中を撫でられている。顔を隠そうとしていると、耳をパクっと食まれた。
「あ、ちょっと……まっ」
舌が耳の中へと入ってきて、ぶるりと震えが来た。いやらしい水音が、脳内に直に伝わって体を離そうとしてもビクともしない。
「はぁ。あ……ん」
恥ずかしすぎる声がもれて、思わず口を手で塞ぐと、二人に隙間が出来る。
真っ赤な顔と先程の涙目のまま、少しだけ睨み付けてみた。
「やっと顔を見せてくれた」
「レイが、僕の覚悟を信じてくれないから」
「──悪かった」
「ひ、人になれない僕が、どれだけ……不安か」
「俺も、他は失ってもセーレだけは奪われたくなくて……あの二人に嫉妬した」
触れる指が、前髪をかきあげて顔を覗き込んできた。涙がぽろ、ぽろと溢れてこぼれ落ちていく。それを口付けて拭き取ろうとする顔は、ひどく優しい。
「愛している」
口付けられて、温かなレライエの魔力が流れ込んできた。
ディードとメグが手を振ってくれて、二人で何かを話しているのが少し気になるのに、レライエは止まってくれない。
「部屋に行く」
「公務に戻らなくていいの?」
「陛下からの命令に乗じてここに来たのなら、あの二人の面倒を見るのも公務の一部だ」
ズンズンと長い足で進むから、半ば引きずられそうになる。
「レイ待って」
ピタリと止まったレライエが、気まずそうにして、手を離し次の瞬間に立てに抱きかかえられた。
「悪い……」
そう言って、また無言のまま進んで行く。
部屋に着いたあとは、そっとベッドの上に運ばれたのだが、なぜか目は合わせてくれない。
「レイ? 」
この離宮の部屋の配置は頭に入っている。どの部屋に案内させたのか、魔力の流れで分かるので、あの二人はここからは離れた部屋を案内されていた。決して嫌がらせではない。陽当たりも、窓から見える景観も良い。落ち着いた高級な家具も配置しているので、レライエなりの王太子殿下への気遣いを感じてしまう。
「素直じゃないんだから。かなり素敵な部屋だったよね」
前世庶民の星七からするとかなり広い部屋だ。キリエが魔導書内に戻って休むにしても、そのままで居たとしても問題のない広さで、ベッドもキングサイズで大きい。繋ぎ部屋にも寝室はある。テオドール殿下の部屋に比べたら狭いかも知れないが、今の殿下は文句を言いそうな人に見えない。
世話好きなキリエといたら、良い影響を受けるような気がする。
「──仲良くなれそう」
キリエとテオドール殿下が……そんな意味合いだったのだけれど、ジャケットを脱いでこちらに戻ってきたレライエにいきなりキスをされた。
長いキスには慣れてきたけれど、いつもよりずっと激しくて、体を反らしてしまう。
「ん……ぅ」
口内を動き絡めてくる舌の性急さに追いつかなくて、体の力が抜けて行くのと同時に押し倒された。唇が離れると服を脱がされ始めて、まだ明るい陽の差す時間に羞恥の方が上回わり慌ててその手を掴んだ。
「レ、レイ? どうしたの?誰か訪ねて来るかも知れない……から」
簡単に外された手は行き場を失う。レライエの手が止まらず、シャツの前は開かれて、両手でぎゅむっと薄いピンクの乳首を摘まれた。
「あッ……んん」
色白で筋肉のつかない貧相な体を見られるのは、恥ずかしい。
両方とも──弾かれ、摘まれ、そして美形の顔が薄い体に近付いて胸の先端を、甘噛みするように咥えジュッと強めに吸い付き舌で転がされる。甘い行為ではなく、急ぎ体に痕を刻み込もうとしているのか、薄い皮膚には内出血の痕が散っていく。
「いっ……たぃ」
その声が届いたのか顔を上げたレライエと視線が合うと、ただ辛そうで何がそんな悲しい顔にさせているのかと、胸が締めつけられていく。
両手を伸ばして頬を挟むと、少し唇を噛んで今度は視線を逸そうとする。そのまま引き寄せて胸の中に頭を抱え込み、抱きしめた。
「 レイ。何が不安なのか教えて」
「──セーレを」
そのまま口を閉ざしてしまう。
「僕?」
「キリエにも……テオドールにも……」
ただ黙って、背中をさすりながら言葉の続きを待っている。
「セーレを取られたくないんだ」
さすっていた手を止め、思わずギューっとしがみつくように抱きついた。
「セーレ?」
「──全部、覚悟してレイの傍にいるのに。どうしたら……伝わるのかな……」
起き上がりそうになるレライエを羽交締めするみたいに強く抱きつき、泣きそうになる顔を見せないよう抵抗する。
(他の人を選んだりしないよ)
「セーレ、顔が見たい」
「──嫌だ」
グズっ……と鼻をすする音を立ててしまう。
「セーレ」
セミのように抱きついているので、結局簡単に抱き起こされて向かい合わせで、ベッドに座る形になった。
上手く伝えられ無い気持ちに、泣きそうになるので顔を見られたくない。慰めるどころか、逆になってきて歳上なのに情けない。
今度は、先程とは逆で背中を撫でられている。顔を隠そうとしていると、耳をパクっと食まれた。
「あ、ちょっと……まっ」
舌が耳の中へと入ってきて、ぶるりと震えが来た。いやらしい水音が、脳内に直に伝わって体を離そうとしてもビクともしない。
「はぁ。あ……ん」
恥ずかしすぎる声がもれて、思わず口を手で塞ぐと、二人に隙間が出来る。
真っ赤な顔と先程の涙目のまま、少しだけ睨み付けてみた。
「やっと顔を見せてくれた」
「レイが、僕の覚悟を信じてくれないから」
「──悪かった」
「ひ、人になれない僕が、どれだけ……不安か」
「俺も、他は失ってもセーレだけは奪われたくなくて……あの二人に嫉妬した」
触れる指が、前髪をかきあげて顔を覗き込んできた。涙がぽろ、ぽろと溢れてこぼれ落ちていく。それを口付けて拭き取ろうとする顔は、ひどく優しい。
「愛している」
口付けられて、温かなレライエの魔力が流れ込んできた。
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