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23.傷痕
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「へ?」
何してんの。
ええ───
なんか、吸い出されてる?
一旦、吸うのをやめて小さなビンに口を当てて息を吹き込む。
そして、またカプッとされて。
なんかイケメンにこんな事されてて、恥ずかしくなって来た。
もう一度ビンに息を吹き込んだ。
ビンの底に紫色の宝石のように光る1cm弱位の結晶が現れた。
ビンに栓をして、嫌そうな顔をしている。
《分解》
結晶がバラバラになってビーズのような粒状になる。
「ダメか。消せないな。エミリーに頼むしかないなぁ。手首の痕は薄くはなったね。コレもつけてて。」
そう言って、バングルをつけられる。
「《隠装》
を練り込んでるから、その痕をつけた奴から、認識されにくくなる仕様だよ。
ごめんね。痕を取り除けなくて。」
変な傷痕は、今はキスマーク?赤くなってよく分からない。
逆に恥ずかしい。
治療みたいなものなのに。
フルフルと首を振り「こっちこそ。ごめんね。ノア。僕が気付かないうちに、痕をつけられたんだね。このせいで、危険にならない?」
リビングにディランがやって来た。
「お風呂掃除と洗濯は終わったよ。」
居ないと思ったら、掃除とかしてくれてたんだ。
「ディラン、色々ありがとう。」
「居候させてもらってるからね。せめて、役に立たないとな。
それより、ノアなんだそれは?」
ディランがこちらにやって来た。
「これ。叶夢の傷痕に入り込んでた魔力石の結晶。分解しようと思ったけど、俺じゃ無理っぽいね。」
「少しでも、叶夢の身体から出せただけでもましだな。エミリーに溶かしてもらうのか安心だな。
連絡が来たよ。家も用意出来たらしい。」
「家?ノアとディラン…は、帰るの?」
居候って言葉も他に家があるって事も、胸に刺さって来る。
取り出した紫の結晶を持って王国に戻ったりしたら、2人、いやエミリーまで居場所がバレて危なくないかな?
「その石っぽいのが目印みたいな奴んでしょう?僕の代わりに狙われない?3人に危険が迫ったりしないの?それを置いて、2人は王国に戻った方が安全なんじゃない?」
これまで、迷惑かけて来たしソレを引き受けた方が良いと思う。
海に、流したらだめだよね。
火山に放りこんだら溶けるかな?
そもそもどうやって、火山に行くんだ?
頭の中でぐるぐると考えていくけれど、何をしたら良いのか分からない。
「叶夢?あのさ。悪いんだけどね。一緒にエミリーの所に行って欲しいんだよねぇ。」
一緒?僕も?
「学舎は、しばらく休んでくれるんでしょう?覚悟をしてくれたんだと思ったけど?違う?」
ノアが横に腰掛けて、顔を僕に向ける。
ディランも横に来て僕は2人に挟まれている。
「あんまり、狙われている実感はないんだけど。あ、金髪に接触されたけど、ノアが助けてくれたから怖くなかったよ。
僕、足引っ張って邪魔になるんじゃない?」
ほら、アシェル様は、すごい人だったわけだし。王子様だし。
僕は、一般庶民で抜けない指輪を持っているだけだ。
これを外す方法も王国にならあるかも知れない。
「叶夢。なんで邪魔って思うんだ?迷惑をかけたのは、俺達だぞ?それより、しばらくこっちに戻れなくても平気か?」
「それは、仕方ないよ。この目の色、メガネじゃなくて、せめてコンタクトとかで隠せたら良いんだけど…そう言う魔術も王国に行ったらどうにかなるかな?」
「そうだねぇ。魔術より、魔女の魔法のレシピか、錬金術の技か…王国に戻ると分かる事もあるかな。」
「エミリーに所に行く手筈を整えるか。色々予防線を張っとかないな。」
ディランが、立ち上がる。
「待ってディラン。」
呼び止められた、ディランが満面の笑みで僕を見る。
なんて言うか──しっぽを振っている大型犬みたい。
「どうした?」
「この電動ベッド片付けて欲しいんだけど。」
めちゃくちゃ、残念そうな顔になる。面倒くさかったかな?
いつまでも、ここだと変だし。
「あ、そうだな。これも行く前に片付けとく。」
ごめん。手を煩わせて。
この指輪を抜く方法とか、魔女のエミリーの知り合いとか、魔法の本とか無いかな?少し前向きな気持ちになる。
僕も持っていく物を確認しよう。
何してんの。
ええ───
なんか、吸い出されてる?
一旦、吸うのをやめて小さなビンに口を当てて息を吹き込む。
そして、またカプッとされて。
なんかイケメンにこんな事されてて、恥ずかしくなって来た。
もう一度ビンに息を吹き込んだ。
ビンの底に紫色の宝石のように光る1cm弱位の結晶が現れた。
ビンに栓をして、嫌そうな顔をしている。
《分解》
結晶がバラバラになってビーズのような粒状になる。
「ダメか。消せないな。エミリーに頼むしかないなぁ。手首の痕は薄くはなったね。コレもつけてて。」
そう言って、バングルをつけられる。
「《隠装》
を練り込んでるから、その痕をつけた奴から、認識されにくくなる仕様だよ。
ごめんね。痕を取り除けなくて。」
変な傷痕は、今はキスマーク?赤くなってよく分からない。
逆に恥ずかしい。
治療みたいなものなのに。
フルフルと首を振り「こっちこそ。ごめんね。ノア。僕が気付かないうちに、痕をつけられたんだね。このせいで、危険にならない?」
リビングにディランがやって来た。
「お風呂掃除と洗濯は終わったよ。」
居ないと思ったら、掃除とかしてくれてたんだ。
「ディラン、色々ありがとう。」
「居候させてもらってるからね。せめて、役に立たないとな。
それより、ノアなんだそれは?」
ディランがこちらにやって来た。
「これ。叶夢の傷痕に入り込んでた魔力石の結晶。分解しようと思ったけど、俺じゃ無理っぽいね。」
「少しでも、叶夢の身体から出せただけでもましだな。エミリーに溶かしてもらうのか安心だな。
連絡が来たよ。家も用意出来たらしい。」
「家?ノアとディラン…は、帰るの?」
居候って言葉も他に家があるって事も、胸に刺さって来る。
取り出した紫の結晶を持って王国に戻ったりしたら、2人、いやエミリーまで居場所がバレて危なくないかな?
「その石っぽいのが目印みたいな奴んでしょう?僕の代わりに狙われない?3人に危険が迫ったりしないの?それを置いて、2人は王国に戻った方が安全なんじゃない?」
これまで、迷惑かけて来たしソレを引き受けた方が良いと思う。
海に、流したらだめだよね。
火山に放りこんだら溶けるかな?
そもそもどうやって、火山に行くんだ?
頭の中でぐるぐると考えていくけれど、何をしたら良いのか分からない。
「叶夢?あのさ。悪いんだけどね。一緒にエミリーの所に行って欲しいんだよねぇ。」
一緒?僕も?
「学舎は、しばらく休んでくれるんでしょう?覚悟をしてくれたんだと思ったけど?違う?」
ノアが横に腰掛けて、顔を僕に向ける。
ディランも横に来て僕は2人に挟まれている。
「あんまり、狙われている実感はないんだけど。あ、金髪に接触されたけど、ノアが助けてくれたから怖くなかったよ。
僕、足引っ張って邪魔になるんじゃない?」
ほら、アシェル様は、すごい人だったわけだし。王子様だし。
僕は、一般庶民で抜けない指輪を持っているだけだ。
これを外す方法も王国にならあるかも知れない。
「叶夢。なんで邪魔って思うんだ?迷惑をかけたのは、俺達だぞ?それより、しばらくこっちに戻れなくても平気か?」
「それは、仕方ないよ。この目の色、メガネじゃなくて、せめてコンタクトとかで隠せたら良いんだけど…そう言う魔術も王国に行ったらどうにかなるかな?」
「そうだねぇ。魔術より、魔女の魔法のレシピか、錬金術の技か…王国に戻ると分かる事もあるかな。」
「エミリーに所に行く手筈を整えるか。色々予防線を張っとかないな。」
ディランが、立ち上がる。
「待ってディラン。」
呼び止められた、ディランが満面の笑みで僕を見る。
なんて言うか──しっぽを振っている大型犬みたい。
「どうした?」
「この電動ベッド片付けて欲しいんだけど。」
めちゃくちゃ、残念そうな顔になる。面倒くさかったかな?
いつまでも、ここだと変だし。
「あ、そうだな。これも行く前に片付けとく。」
ごめん。手を煩わせて。
この指輪を抜く方法とか、魔女のエミリーの知り合いとか、魔法の本とか無いかな?少し前向きな気持ちになる。
僕も持っていく物を確認しよう。
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