42 / 58
第3章
8遭遇
しおりを挟む
蛇蜥蜴鳥獣が、近くまで来てる。
トカゲと蛇が混ざり羽まで持っているそんな奴だ。普段ならもっと下の階層に居るはずだ。
バカだ。居るはずがないなんて、それが本当に常識だと勝手に思っていただけかもしれない。どこかの竪穴からここへと繋がっていることだってありえる。ただ知らないだけで。
マップが正解では、無いのだから。現に俺がいた場所も塞がれて入口は、分からないようにしてくれてる。
これから、イレギュラーなんて益々起きるのかも知れない。変異種が、増えてきているのも事実だから。
駄目だ。目の前に迫る敵に集中するんだ。
結界の重ねがけ、防御壁もかける。
「兄さん」
立ち上がると、荷物を収納した兄さんが黒剣の柄を握っていた。
俺もすぐにレイピアに手をかける。
「──ライラは、後衛でいい。前に出てくるなよ」
「兄さん!!俺だって、倒せる」
「───セーフティポイントに行って待てば、多分ギルマスと合流出来るから、万が一の時は俺を置いて行けよ」
「へんな、フラグ立てないでよ!だったら、俺が致命傷負った時は……兄さんの手で殺して」
生きたまま、残されたくない。トドメを刺してくれる方がいい。寂しいのは嫌なんだ。
黒剣を構えた兄さんが、前を見たままこう言った。
「簡単に死ぬ気もないが……ライラにトドメを刺す時は、俺も一緒について行くから心配するな。ライラは、昔から寂しがりの泣き虫だったな」
自分は置いて逃げろって言う癖に。お互いきっと、自分を犠牲にして相手を助けたいはずだ。その位、大切な兄さんなんだ。本当の兄弟……って思いたい。魔族の血が混ざってるかも知れないのに。魔族なら、俺が前衛になるべきじゃないか?
「俺だって、兄さんを置いて行く気はない。俺、きっと前にいる方がいい!」
その言葉が聞こえたはずの兄さんが、剣を構え敵へと向かっていく。《飛翔》先へと行ってしまう。
次いで、唱えるつもりだった。
そのはずだったんだ。
黒い霧のような物が立ち込めてきた。何かの結界に包まれて、動けない。兄さん?何処にいるの?
──違う。なんだこれ。おかしい。
『兄さん』声にならない?術にかけられた?
足元から、何かが生えてきた。レイピアで切ろうとしても切れない。ズルズルと巻き付き伸びて拘束されていく。
『気持ち……わる』ヌメヌメと粘液が垂れていて、服が湿っていく。冷たい。太ももから、胸、腕と巻きついて離れない。
『早く、兄さんのところへ加勢しに行かないと』
冷たかったのに……へんな感じ。レイピアを持ってられない。カランと地面に落ちた剣の音が響く。
待って、兄さんは蛇蜥蜴鳥獣と戦っているはずそれなのに、どうして音がしない?何が起きてる?
力がでない。息があがる。兄さん無事?触手魔獣の変異種?核が分からないし、色だってこんな擬態出来るやつじゃない。
『こんな、の。知らない……はぁ、はぁ』
なんか、あつい。
『ひぃあ……ん。や』
服の中に入り込んできた。待って、やだ。やだ。
『───ジェイ助けて』
嫌だ。ジェイ以外に触れられたくない。
バン!
結界の様なものに何かが、当たる。黒剣?兄さん?
違う。黒い……?靴跡?霧が晴れてきた。
黒いローブ姿の誰かがいる。
次の瞬間ものすごい跳躍で、蹴りが入った。
バラバラと砕け落ちた結界片。そして、長剣を一振すると巻き付かれていたモノが消え失せる。誰?
「兄さんは、ぶ……じ?」
「───ライリオラ・エーベルハルト?
ライラか?」
この声……まさか?
「お前の連れは、仲間と蛇蜥蜴鳥獣を殺ってる。少し話がしたいから都合がいい……だが治療が先か」
そう言って抱きかかえられた。
「──あ、の」
何かの呪文?意識が遠のいて行く。
「大丈夫。伝言はしておく」
そして、意識を失ったんだ。
トカゲと蛇が混ざり羽まで持っているそんな奴だ。普段ならもっと下の階層に居るはずだ。
バカだ。居るはずがないなんて、それが本当に常識だと勝手に思っていただけかもしれない。どこかの竪穴からここへと繋がっていることだってありえる。ただ知らないだけで。
マップが正解では、無いのだから。現に俺がいた場所も塞がれて入口は、分からないようにしてくれてる。
これから、イレギュラーなんて益々起きるのかも知れない。変異種が、増えてきているのも事実だから。
駄目だ。目の前に迫る敵に集中するんだ。
結界の重ねがけ、防御壁もかける。
「兄さん」
立ち上がると、荷物を収納した兄さんが黒剣の柄を握っていた。
俺もすぐにレイピアに手をかける。
「──ライラは、後衛でいい。前に出てくるなよ」
「兄さん!!俺だって、倒せる」
「───セーフティポイントに行って待てば、多分ギルマスと合流出来るから、万が一の時は俺を置いて行けよ」
「へんな、フラグ立てないでよ!だったら、俺が致命傷負った時は……兄さんの手で殺して」
生きたまま、残されたくない。トドメを刺してくれる方がいい。寂しいのは嫌なんだ。
黒剣を構えた兄さんが、前を見たままこう言った。
「簡単に死ぬ気もないが……ライラにトドメを刺す時は、俺も一緒について行くから心配するな。ライラは、昔から寂しがりの泣き虫だったな」
自分は置いて逃げろって言う癖に。お互いきっと、自分を犠牲にして相手を助けたいはずだ。その位、大切な兄さんなんだ。本当の兄弟……って思いたい。魔族の血が混ざってるかも知れないのに。魔族なら、俺が前衛になるべきじゃないか?
「俺だって、兄さんを置いて行く気はない。俺、きっと前にいる方がいい!」
その言葉が聞こえたはずの兄さんが、剣を構え敵へと向かっていく。《飛翔》先へと行ってしまう。
次いで、唱えるつもりだった。
そのはずだったんだ。
黒い霧のような物が立ち込めてきた。何かの結界に包まれて、動けない。兄さん?何処にいるの?
──違う。なんだこれ。おかしい。
『兄さん』声にならない?術にかけられた?
足元から、何かが生えてきた。レイピアで切ろうとしても切れない。ズルズルと巻き付き伸びて拘束されていく。
『気持ち……わる』ヌメヌメと粘液が垂れていて、服が湿っていく。冷たい。太ももから、胸、腕と巻きついて離れない。
『早く、兄さんのところへ加勢しに行かないと』
冷たかったのに……へんな感じ。レイピアを持ってられない。カランと地面に落ちた剣の音が響く。
待って、兄さんは蛇蜥蜴鳥獣と戦っているはずそれなのに、どうして音がしない?何が起きてる?
力がでない。息があがる。兄さん無事?触手魔獣の変異種?核が分からないし、色だってこんな擬態出来るやつじゃない。
『こんな、の。知らない……はぁ、はぁ』
なんか、あつい。
『ひぃあ……ん。や』
服の中に入り込んできた。待って、やだ。やだ。
『───ジェイ助けて』
嫌だ。ジェイ以外に触れられたくない。
バン!
結界の様なものに何かが、当たる。黒剣?兄さん?
違う。黒い……?靴跡?霧が晴れてきた。
黒いローブ姿の誰かがいる。
次の瞬間ものすごい跳躍で、蹴りが入った。
バラバラと砕け落ちた結界片。そして、長剣を一振すると巻き付かれていたモノが消え失せる。誰?
「兄さんは、ぶ……じ?」
「───ライリオラ・エーベルハルト?
ライラか?」
この声……まさか?
「お前の連れは、仲間と蛇蜥蜴鳥獣を殺ってる。少し話がしたいから都合がいい……だが治療が先か」
そう言って抱きかかえられた。
「──あ、の」
何かの呪文?意識が遠のいて行く。
「大丈夫。伝言はしておく」
そして、意識を失ったんだ。
68
あなたにおすすめの小説
【完結 一気読み推奨】片想いの相手が「そろそろ恋愛したい」と言ったので、用済みの俺はニートになることにしました。
はぴねこ
BL
高校生の頃、片想いの親友に告白した。
彼はノンケだったから玉砕して友人関係も終わるものだと思っていた。
もしかすると気持ち悪いと軽蔑される覚悟までしていたのに、彼は「今は恋愛をしている時間がないんだ」と自分の夢を語ってくれた。
彼は会社を興した祖父のことをとても尊敬していて、自分も起業したいと熱く語ってくれた。
そして、俺の手を握って「できれば親友のお前には俺の右腕になってほしい」と言われた。
同性愛者の俺のことを気持ち悪いと遠ざけることもせずに、親友のままでいてくれた彼に俺は感謝して、同じ大学に進学して、大学の頃に彼と一緒にゲームを作成する会社を起業した。
あれから二十年間、本当に二人三脚で駆け抜けてきた。
そして、昨年売り出したVRMMOが世界的に大ヒットし、ゲーム大賞を取ったことを祝うパーティーで親友が語った言葉に俺の覚悟も決まった。
「俺もそろそろ恋愛したい」
親友のその言葉に、俺は、長年の片想いを終わらせる覚悟をした。
不憫な拗らせアラフォーが”愛”へと踏み出すお話です。
伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい
マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。
最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡)
世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。
私と子供より、夫は幼馴染とその子供のほうが大切でした。
小野 まい
恋愛
結婚記念日のディナーに夫のオスカーは現れない。
「マリアが熱を出したらしい」
駆けつけた先で、オスカーがマリアと息子カイルと楽しげに食事をする姿を妻のエリザが目撃する。
「また裏切られた……」
いつも幼馴染を優先するオスカーに、エリザの不満は限界に達していた。
「あなたは家族よりも幼馴染のほうが大事なのね」
離婚する気持ちが固まっていく。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない
了承
BL
卒業パーティー。
皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。
青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。
皇子が目を向けた、その瞬間——。
「この瞬間だと思った。」
すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。
IFストーリーあり
誤字あれば報告お願いします!
ざまぁされたチョロ可愛い王子様は、俺が貰ってあげますね
ヒラヲ
BL
「オーレリア・キャクストン侯爵令嬢! この時をもって、そなたとの婚約を破棄する!」
オーレリアに嫌がらせを受けたというエイミーの言葉を真に受けた僕は、王立学園の卒業パーティーで婚約破棄を突き付ける。
しかし、突如現れた隣国の第一王子がオーレリアに婚約を申し込み、嫌がらせはエイミーの自作自演であることが発覚する。
その結果、僕は冤罪による断罪劇の責任を取らされることになってしまった。
「どうして僕がこんな目に遭わなければならないんだ!?」
卒業パーティーから一ヶ月後、王位継承権を剥奪された僕は王都を追放され、オールディス辺境伯領へと送られる。
見習い騎士として一からやり直すことになった僕に、指導係の辺境伯子息アイザックがやたら絡んでくるようになって……?
追放先の辺境伯子息×ざまぁされたナルシスト王子様
悪役令嬢を断罪しようとしてざまぁされた王子の、その後を書いたBL作品です。
寄るな。触るな。近付くな。
きっせつ
BL
ある日、ハースト伯爵家の次男、であるシュネーは前世の記憶を取り戻した。
頭を打って?
病気で生死を彷徨って?
いいえ、でもそれはある意味衝撃な出来事。人の情事を目撃して、衝撃のあまり思い出したのだ。しかも、男と男の情事で…。
見たくもないものを見せられて。その上、シュネーだった筈の今世の自身は情事を見た衝撃で何処かへ行ってしまったのだ。
シュネーは何処かに行ってしまった今世の自身の代わりにシュネーを変態から守りつつ、貴族や騎士がいるフェルメルン王国で生きていく。
しかし問題は山積みで、情事を目撃した事でエリアスという侯爵家嫡男にも目を付けられてしまう。シュネーは今世の自身が帰ってくるまで自身を守りきれるのか。
ーーーーーーーーーーー
初めての投稿です。
結構ノリに任せて書いているのでかなり読み辛いし、分かり辛いかもしれませんがよろしくお願いします。主人公がボーイズでラブするのはかなり先になる予定です。
※ストックが切れ次第緩やかに投稿していきます。
目が覚めたら宿敵の伴侶になっていた
木村木下
BL
日本の大学に通う俺はある日突然異世界で目覚め、思い出した。
自分が本来、この世界で生きていた妖精、フォランだということを。
しかし目覚めたフォランはなぜか自分の肉体ではなく、シルヴァ・サリオンという青年の体に入っていた。その上、シルヴァはフォランの宿敵である大英雄ユエ・オーレルの『望まれない伴侶』だった。
ユエ×フォラン
(ムーンライトノベルズ/全年齢版をカクヨムでも投稿しています)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる