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第2章 出会い

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あのキスで、前より長く人型になれたみたい。

でも、苦しすぎるから。
少し舌を絡める程度と決まった。外出の時は、そのキスを3時間起きにすれば、安心出来そうだねって話になったけど。これでいいのかな?

「3時間置きにキスとか、変な約束だと思うんだけど……私とキスするの嫌じゃないのかな?」

窓の外を見る。ちょっとだけ、窓を開ける。
青空が広がっていて、風が心地いい。

「外に行けるなんて、楽しみだな」

多分、あまり自由な時間は無かったんだと思う。
いっぱい覚えなきゃいけないことがあって、余裕が無かった感じがするんだ。
外に出してもらえる。めちゃくちゃ嬉しくて、朝早くから目が覚めた。

「落ち着かない」


トントン。ノックの音がしたので「はい」って返事をする。
いつもより、元気な声が出た気がして……調子がいいなって思った。

「早いな。着替えなんだが、知り合いに似た体型の奴がいて古着をとりあえず貰ってきたよ」

「本当に?」
思わず、ガイア様のそばに行くと紙袋の中から一通り出てきた。

「ユラの着てた服は、デザインがこの国と違うから変に目立つと思うんだ。とりあえずこれを着てみせて。まぁ、ローブを上から着るけどね」

「はい」

あれ?着方が良く分からない。
どうしょう。

「どうした?ああ。隣の部屋にいた方がいい?」

「そうじゃなくて、着方がよく分からなくて」

「そう、か。なら手伝いながら教えるよ」

「ありがとうございます」

「じゃ、下着を脱いで」

「はい」
ん?

「下着は、このままでも大丈夫ですよね?」

「いや、採寸するから、変えた方がいいな。あまり見ないタイプだから、興味をもたれるかもしれないな。耳と尻尾を隠して行くのにお尻のところに穴があるから」


「尻尾の穴……獣人って疑われますよね。でもこれってどうなってるんですか?」

紐?

「前見られたくないなら、ほら後ろ向いてて。お尻ならいいだろう?」

「でも、しっぽが……あまり触られたくないんです」

「先にキスしとくか?」

「確かに、その方がいいかも」
上はあまり変わらないので着たままになった。確かに人型がこのパンツって変に思われるよね?
でも、あまり服を着てない時にキスするのって、恥ずかしいんだけど。気にならないのかな?

「どうした?」

町に行くためだ。

「お、お願いします!」
ぶはっと吹き出すように、ガイア様が笑う。

「だ、だってこんな格好の時にキスするとか、恥ずかしいから!なんでそんなに、意地悪なんですか?」

「ち、がう。可愛いだけなんだよ。尻尾とか。はは」

ガイア様が近づいてきて、目を思わず瞑った。
もう、好きにして。そんな感じ。
舌先で唇を割って入ってくる。
もう、良くないかな?思わず舌で押し返したら、じゅっと吸われて驚いてしまう。

食べられそうって思った頃、唇が離れた。

「耳も、尻尾も消えたな」
息が上がって、顔が赤くなってると思う。長くないかな?

「長くないですか?」

「耳が消えるのを待ってたんだ」
なら、仕方ないのかな?
それなら、目を開けてたってこと?
顔見られてた?

恥ずかしい。でも、消えるの確認しないと駄目なのか……

なんか、恥ずかしいことばかりだ。

そんな風に考えていたら、ほら次って感じで声がかかった。


「ほら、早く着替えよう」

両サイド紐の下着。これは新品なんだって。でも生地が柔らかくて気持ちいい。

それからスボンとシャツ、ベストにブーツって言うんだって。
革紐の部分が多いのと腰紐の付け方に戸惑ったけど、無事に着ることが出来た。

護身用のナイフ。魔術師の弟子らしく杖。これは、新しく用意するって言ってた。相性を見る必要があるみたい。
ローブを着せてもらってフードは被ったまま、顔はなるべく人前で見せないこととなった。

魔術師御用達のお店があって、仮面を付けてから入るらしい。なんでも、片寄った魔術師ばかりに良い物を回さないようにと、相手が何を買ったか分からないようにする為らしい。仮面で認識を変えさせて名前も変えて、誰が何を買ったか手の内を読まれないようにするみたいだ。

人には知られたくない事がいっぱいあるんだって。
そう言う秘密を守ってくれるお店だから人気みたい。


それにしても買い物ってした事がないと思う。品物をお金と交換するとか、お金って多分初めてみる。
とにかく、生活手段を忘れたりはしないだろうってガイア様も言ってたから、経験した事がないはずだ。だから、とにかくドキドキしている。

迷子防止も兼ねて、恋人同士の振りをする私達は、手を繋いで出かけることとなった。

これ、目立つのでは?って言っても、恋人同士が多いから大丈夫って本当かな?


もう、いいや。外に出たらガイア様の言ったことが正しいか分かるもの。

準備が整うと恥ずかしいとかそんなのどうでもいいくらい、外出が楽しみになっていた。













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