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5章 天界と下界
4髪飾りの秘密④
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アキと名乗った者の言う通りなら、ユラが危ない。そして、あいつの魔術……いや神力と言った。
──見せられれば、信用するしかない。
ユラ……無事でいてくれ。
◇◇◇
「このような所に落ちたのか?」
ラティアが降り立ったのは、下界。
「何もラティア様がここに来なくても……良かったのでは?」
リンが、呆れ顔で白神を見つめる。
「信用の出来ぬ者が多い。ユラは、自分から逃げたり出来ないはずだ。戻れない理由は何か……裏切り者は誰か?知りたいだろう?」
「悪趣味ですね」
「───退屈しのぎにもなるし……あれだけ美しい者に魅せられて、間違いを起こされては困るからな」
「そこは、正直に心配だと……言えば、惚れてもらえるのに、残念ですね」
リンが心底、残念そうに伝える。
「───その口塞ごうか?」
「貴方の傍に誰もいなくなりますよ?────だいぶ遠回りしましたが、居ましたね」
「───ああ。行くか」
ラティアとリン達が一瞬で移動したその先にいたのは、黒髪のユラだ。
「──だ、だれ?」
「───その色は……本当に真っ黒になったのか?だが……ユラ!どうして、耳がないんだ!!」
ユラが後ずさりながら、首を振る。
「わ、私の……耳はあります!ほ、ほら」
髪の毛をかき上げると、人の耳がある。
ラティアが、その手を詰め寄り引き上げた。
「い、たぃ」
痛がるユラを無視して、ラティアが呟いた。
「下界の……人間か?猫の獣神ではないのか?いや、だが……ユラのはずだ」
ユラの手を離し、シャツに手をかけて、前を割いていく。
「や、止めて……止めてください!」
色白の肌から、淡い粒が見える。前を隠そうとするユラの両手をひとまとめに掴みあげて、胸をなぞる。
涙を流し、震え……
「やめて……」と赦しを乞う。
「花の印は?」
胸に浮き上がるその印をみて、ラティアが笑った。
「やはり、お前だ。なら、髪飾りはどこだ?私を裏切ったのか?」
フルフルと首を振り、震える声でユラが答える。
「あ、なたは、誰ですか?離して、髪飾りとか知らない」
ラティアがユラを押さえ付けて、無理やり口付ける。
ガリッ
ユラが抵抗して、ラティアの舌を噛んだ。思わず、手で押し退けると……チェストにぶつかりユラが床に倒れる。その時カタンと何かがチェストから落ちた。
「髪飾りか?ユラ何があった?言え!!」
リンがラティアを抑える。
「白神様落ち着いて下さい。何かおかしい。ユラ様は、貴方の事を覚えていないようです。色が変わってしまったせいかも知れません」
「堕天化の病か?なら、天界に連れて帰っても無駄なのか?」
リンが、床に転がった髪飾りを拾い白神へと渡す。
「───本物だな」
ユラの傍に行き髪飾りを髪に付けようとしても、ユラが怯えてしまっている。
「これをつければ、記憶が戻るはずだ。そして、ここに居る理由も分かる」
髪飾りを嫌がるユラにつけた。
「ぐ、は……」
ボタボタと流れ落ちる血液。
「──ラティ……アさ……ま、ぐぁあああ」
花の印も大きく育っていく。
「ユラ、誰に純潔を奪われたのか言え!そいつも殺してやる!!」
「しら、な、い……くる、し……助け」
「───誰が今更、お前など…… 助けてもらえるとでも思っているのか?髪飾りは、裏切りに反応する。そして、それに応じて花の印はお前を蝕む、愚か者の末路だ」
「ラティア……様。ユラ様は、こちらに落ちて記憶も失くしていたのかも知れません。襲われたのでは、ないでしょうか?」
「それでも、ここで生き延びているのなら、媚びを売って飼われているのだろう。人間ごときに汚らわしい。もういい……いくぞ。帰る」
リンが溜息をつく。
床で血を吐き、段々と弱っていくユラを見つめて、ラティアに確認する。
「もう、良いのですね?」
「最後の慈悲だ」
何かを呟くと、ユラの身体から花の印が消える。
髪飾りを踏み潰して消し去った。
「これで、死ぬのが少し伸びた。直ぐには死なせない……最期まで苦しめ」
ユラを残して、白神とリンは姿を消した。
──見せられれば、信用するしかない。
ユラ……無事でいてくれ。
◇◇◇
「このような所に落ちたのか?」
ラティアが降り立ったのは、下界。
「何もラティア様がここに来なくても……良かったのでは?」
リンが、呆れ顔で白神を見つめる。
「信用の出来ぬ者が多い。ユラは、自分から逃げたり出来ないはずだ。戻れない理由は何か……裏切り者は誰か?知りたいだろう?」
「悪趣味ですね」
「───退屈しのぎにもなるし……あれだけ美しい者に魅せられて、間違いを起こされては困るからな」
「そこは、正直に心配だと……言えば、惚れてもらえるのに、残念ですね」
リンが心底、残念そうに伝える。
「───その口塞ごうか?」
「貴方の傍に誰もいなくなりますよ?────だいぶ遠回りしましたが、居ましたね」
「───ああ。行くか」
ラティアとリン達が一瞬で移動したその先にいたのは、黒髪のユラだ。
「──だ、だれ?」
「───その色は……本当に真っ黒になったのか?だが……ユラ!どうして、耳がないんだ!!」
ユラが後ずさりながら、首を振る。
「わ、私の……耳はあります!ほ、ほら」
髪の毛をかき上げると、人の耳がある。
ラティアが、その手を詰め寄り引き上げた。
「い、たぃ」
痛がるユラを無視して、ラティアが呟いた。
「下界の……人間か?猫の獣神ではないのか?いや、だが……ユラのはずだ」
ユラの手を離し、シャツに手をかけて、前を割いていく。
「や、止めて……止めてください!」
色白の肌から、淡い粒が見える。前を隠そうとするユラの両手をひとまとめに掴みあげて、胸をなぞる。
涙を流し、震え……
「やめて……」と赦しを乞う。
「花の印は?」
胸に浮き上がるその印をみて、ラティアが笑った。
「やはり、お前だ。なら、髪飾りはどこだ?私を裏切ったのか?」
フルフルと首を振り、震える声でユラが答える。
「あ、なたは、誰ですか?離して、髪飾りとか知らない」
ラティアがユラを押さえ付けて、無理やり口付ける。
ガリッ
ユラが抵抗して、ラティアの舌を噛んだ。思わず、手で押し退けると……チェストにぶつかりユラが床に倒れる。その時カタンと何かがチェストから落ちた。
「髪飾りか?ユラ何があった?言え!!」
リンがラティアを抑える。
「白神様落ち着いて下さい。何かおかしい。ユラ様は、貴方の事を覚えていないようです。色が変わってしまったせいかも知れません」
「堕天化の病か?なら、天界に連れて帰っても無駄なのか?」
リンが、床に転がった髪飾りを拾い白神へと渡す。
「───本物だな」
ユラの傍に行き髪飾りを髪に付けようとしても、ユラが怯えてしまっている。
「これをつければ、記憶が戻るはずだ。そして、ここに居る理由も分かる」
髪飾りを嫌がるユラにつけた。
「ぐ、は……」
ボタボタと流れ落ちる血液。
「──ラティ……アさ……ま、ぐぁあああ」
花の印も大きく育っていく。
「ユラ、誰に純潔を奪われたのか言え!そいつも殺してやる!!」
「しら、な、い……くる、し……助け」
「───誰が今更、お前など…… 助けてもらえるとでも思っているのか?髪飾りは、裏切りに反応する。そして、それに応じて花の印はお前を蝕む、愚か者の末路だ」
「ラティア……様。ユラ様は、こちらに落ちて記憶も失くしていたのかも知れません。襲われたのでは、ないでしょうか?」
「それでも、ここで生き延びているのなら、媚びを売って飼われているのだろう。人間ごときに汚らわしい。もういい……いくぞ。帰る」
リンが溜息をつく。
床で血を吐き、段々と弱っていくユラを見つめて、ラティアに確認する。
「もう、良いのですね?」
「最後の慈悲だ」
何かを呟くと、ユラの身体から花の印が消える。
髪飾りを踏み潰して消し去った。
「これで、死ぬのが少し伸びた。直ぐには死なせない……最期まで苦しめ」
ユラを残して、白神とリンは姿を消した。
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