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52 金色の野
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深夜の森。虫の声。星明かりは届かない。その暗闇の中に降り立つ者。それはまるで陽光の下、野原でも進むが如く、夜の森を早足で進んだ。すべてが見えているかのように。いや、実際に見えているのだ。『宇宙の目』ヌ=ルマナはデルファイの森を進んだ。
オーシャン・ターンはまたアミノ酸とカルシウムと鉄の錠剤を頬張り、水で流し込んでいた。ミミの肉体は小さすぎる。なるべく急いで大きくしたいのだが、どうにも時間がかかって仕方ない。ハーキイの体のような筋力もない。その代わり生体発火能力を手に入れたものの、さてどんな場面で有効に使えるのやら。
「オーシャン、オーシャン!」
わめきながら部屋に入ってきたのは、ヴェヌ。オーシャンは錠剤を口に詰め込みながらたずねた。
「どうした。何かあったか」
「イ=ルグ=ル様の思念がざわめいているの」
困惑した顔でそう告げるヴェヌに、口の中の物を水で一気に流し込んだオーシャンはこう言った。
「あのときと同じか」
「そう、同じような感じ」
あのとき。オーシャンたちがグレート・オリンポス襲撃を決行した日にも「イ=ルグ=ルがざわめいている」とヴェヌが言ったのだ。そのときオーシャンはそれを凶兆とは取らなかった。だがいまは。
「……とりあえず、いま実行している計画は待機モードだ。何が起こるのか見定めねばな」
そう言いながら、それでも吉兆の可能性はまだあるのではないか、とオーシャンは考えていた。自分たちがこの世のすべてを知っている訳ではないのだ。そこまで傲慢ではない。
魔人ウッドマン・ジャックはパイプを手に、小屋から暗闇の中に踏み出した。森のざわめきに気付いたのだ。
「我が輩は夜型ではないのだね。できれば勘弁してもらいたいところなのだけれど」
それはすぐに森から出て来た。枯れ葉を踏む音と共に。魔人の目は星明かりの中に見た。本物かどうかは知らないが、毛皮のコートをまとった人間の女。しかしその短い緑の髪の、驚くほど目の大きな女に対し、視覚以外の感覚が警鐘を鳴らす。これは人間ではないと。
女はジャックを見て、落ち着いた表情でこう言った。
「イ=ルグ=ルのまがい物か」
「ぬほほほほっ、そういう言われようは慣れていないのだけれど」
「ここに人間が居るはずだ」
「はてさて、人間ねえ。あれは人間と呼んでいいのやらどうやら」
「こちらに渡せば、おまえは見逃してやってもいい」
「ふうむ」
ジャックはパイプを一口ふかした。
「渡せと言われて渡すかどうか、その目には見通せないのかな、と思うのだけれど」
言い終わった瞬間にはもう女、ヌ=ルマナの姿はジャックの眼前にあった。両脚を揃えた跳び蹴りをマトモに喰らう。だが鈍い音を発し、ヌ=ルマナは弾き返された。ウッドマン・ジャックの体は根を張った古木の如し。蹴られたくらいでビクともしない。
地面から葉長一メートルはあろうかという大きな草が生え、ヌ=ルマナに絡みつこうとする。それを軽々とかわし、宙に浮かぶ毛皮の女が笑う。
「宇宙の目、宇宙の目、ここにあるのは宇宙の目。すべてを見通す宇宙の目。稚拙な策など通じない」
ヌ=ルマナは急降下、ジャックの頭部に手刀を突き立てた。今度はまるで大根を包丁で切ったかの如く、さっくりと手刀が食い込んだ。しかし。手が抜けない。
ヌ=ルマナの背後で草が揺れる。いつの間にか花が咲き、実がなっていた。世界でもデルファイにのみ生えるその草の名前は、バクダンホウセンカ。実を破裂させる事で種を飛ばす。名前通り爆弾級の威力で。
取り囲んだ幾十もの実が、轟音を上げて一斉に弾ける。その種は数百の凶器となってヌ=ルマナへと向かった。全身が蜂の巣になる、かに思えた。
だがバクダンホウセンカの種は、すべてウッドマン・ジャックの体にめり込んだ。
「だから通じないと言っただろうに」
最初に現われた場所で、ヌ=ルマナは笑っていた。全身穴だらけになったジャックはしばし考え、自分の間抜けさ加減を理解した。
「なあるほどなるほど、要するに幻覚を見させられていたのだね」
「おまえはヌ=ルマナに触れるどころか、本当の姿を見る事すら出来ない」
「別にそんな物、見たくはないのだけれど」
そう言いながらもウッドマン・ジャックは困っていた。さあて、これはどうしたものか。誰かに対処法を教えて欲しい。彼なら。もし彼がこの場に居たら、何と指示を出すだろう。それに従えば、この難敵を撃退出来るだろうか、と。
金色の野原。輝く小さな黄色い花が、世界を埋め尽くしている。川を越え、丘を越え、地平線の向こう側まで金色だ。空も黄色く輝いている。
どこだここは。何故こんなところに居る。早く行かなければ。早く……どこへ? 俺はどこに行くのだろう。何かをしなければならなかったはずだ。何かを……何をだ? 頭に霧がかかっているようで思い出せない。
俺は立ち上がろうとした。だが立てなかった。左脚がなかったからだ。何故片足がないんだ。そう言えば視界も狭い気がする。右目がないのか。何故ないんだ。思い出せない。
「おまえは頑固だの」
振り返ると、金色の世界の中にポツンと青が。空色の服を着た、五、六歳の女の子。誰だろう。
「ワタイは、さら。水の神だ」
水の……神? 神様? この子は何を言っているのだろうか。
「この世界では何でも自在だ。失くした脚を生やす事も、失った眼を見開く事も簡単に出来る。みなそうするのだ。なのに、何故おまえはその姿のままなのか。まったく、頑固よな」
よく意味がわからない。この世界? ここはどこなんだ。そう思っていると、さらと名乗った女の子は、近くを流れる川を笑顔で指さした。
「ほれ、あそこに川があるだろう。あれを越えて向こうに行けば、死者の国だ」
そして俺の顔をのぞき込む。
「つまり、おまえは死ぬ寸前だという事だな。人間は体が疲れても死ぬが、心が疲れても死ぬ。おまえは心を疲れさせ過ぎた。少し休まねばならん」
休まねばならない。休むのか。休む……いや。俺は立ち上がろうとした。だがやはり立てない。花の群れの中に倒れ込む。それでも、俺は両手で前に進んだ。どちらが前なのか、この世界ではわからない。けれどここは俺の居場所ではない。進まねば。前に進まねば。
すると、さらは俺の前に立ち、しゃがみ込んだ。その右手が俺の頭に伸びる。
「おまえは、本当に強い子だの」
さらの右手が、俺の頭をなでている。
「おまえの事は知っている。正しくは、ワタイが知っている訳ではないが。ほれ、見えるだろう」
さらは左手を俺の顔の前に差し出した。その手のひらに、輝く毛玉のような物が乗っている。
「この地に漂う小さな意思が、かつての神の欠片の一つが、おまえをずっと見守っていたのだ。これはすべてを知っている。おまえがこれまで何を見つめ、何を考えてきたのか。何が心を揺さぶり、何が傷つけたのか。いまのおまえの思いも、そして覚悟も、全部知っている」
さらの声が震えた。
「つらかったな。しんどかったな。見守ってやるしかできんで、ごめんな」
しかし見上げたその顔は、太陽のような満面の笑顔だった。
「でもワタイらは決めたのだ。おまえたち人間の力になろうと。できる事はわずかしかないが、それでも何かしようとな」
さらは俺の顔を両手で包んだ。暖かい、春の日差しのような手だった。
「忘れんでおくれ。信じておくれ。おまえたち人類は、決して孤独ではないのだという事を。すぐそばに、見守る者が必ず居るという事を。ワタイはさら。東の端からおまえたちに会いにやって来た、水の神だ」
ウッドマン・ジャックは目を閉じた。視界に頼れば幻覚を見せられる。目以外のすべての器官で敵を捕らえるしかない。だがそれは言うほど簡単ではない。ジャックは夜の森でも昼間のように見通せる視力が、大きな武器なのだ。それが封じられたとなると、あとは耳と鼻か。
なるほど、宇宙の鼻と目と耳がワンセットなのも合点がいく。などと思っていると。
ヌ=ルマナの気配が動いた。来るか。しかし気配が消えている。まさか退散した? そんなはずはない。どこだ、いったい何をしている。足音もしない。目を開けたい誘惑にかられたが、開ければまた幻覚を見せられるのは間違いない。
それほどの高い攻撃力がある相手とは思えない。物理的に直接攻撃して来れば、耐える事は可能だし、上手くすれば捕まえる事も出来る。だが距離を取られると身動き出来ない。どうすればいい。……一人では勝てないのか。ジャックがそう思ったとき。
不意に、何かが舞い降りた。雪が降るように、静かに、広く一面に。その途端、ジャックの感覚が警告を発する。すぐ目の前に何か居ると。思わず腕を振り抜く。
「ちぃっ!」
悔しげに息を吐きながら、ヌ=ルマナの物であろう気配が遠ざかった。そこに、聞き覚えのある老婆の声が。
「加勢する気はないんだがね」
天空からぶら下がる巨大なクモの下半身と老婆の上半身。ダラニ・ダラはこう続けた。
「うちの身内が関わってるんだ、放っとく訳にも行かないだろ」
オーシャン・ターンはまたアミノ酸とカルシウムと鉄の錠剤を頬張り、水で流し込んでいた。ミミの肉体は小さすぎる。なるべく急いで大きくしたいのだが、どうにも時間がかかって仕方ない。ハーキイの体のような筋力もない。その代わり生体発火能力を手に入れたものの、さてどんな場面で有効に使えるのやら。
「オーシャン、オーシャン!」
わめきながら部屋に入ってきたのは、ヴェヌ。オーシャンは錠剤を口に詰め込みながらたずねた。
「どうした。何かあったか」
「イ=ルグ=ル様の思念がざわめいているの」
困惑した顔でそう告げるヴェヌに、口の中の物を水で一気に流し込んだオーシャンはこう言った。
「あのときと同じか」
「そう、同じような感じ」
あのとき。オーシャンたちがグレート・オリンポス襲撃を決行した日にも「イ=ルグ=ルがざわめいている」とヴェヌが言ったのだ。そのときオーシャンはそれを凶兆とは取らなかった。だがいまは。
「……とりあえず、いま実行している計画は待機モードだ。何が起こるのか見定めねばな」
そう言いながら、それでも吉兆の可能性はまだあるのではないか、とオーシャンは考えていた。自分たちがこの世のすべてを知っている訳ではないのだ。そこまで傲慢ではない。
魔人ウッドマン・ジャックはパイプを手に、小屋から暗闇の中に踏み出した。森のざわめきに気付いたのだ。
「我が輩は夜型ではないのだね。できれば勘弁してもらいたいところなのだけれど」
それはすぐに森から出て来た。枯れ葉を踏む音と共に。魔人の目は星明かりの中に見た。本物かどうかは知らないが、毛皮のコートをまとった人間の女。しかしその短い緑の髪の、驚くほど目の大きな女に対し、視覚以外の感覚が警鐘を鳴らす。これは人間ではないと。
女はジャックを見て、落ち着いた表情でこう言った。
「イ=ルグ=ルのまがい物か」
「ぬほほほほっ、そういう言われようは慣れていないのだけれど」
「ここに人間が居るはずだ」
「はてさて、人間ねえ。あれは人間と呼んでいいのやらどうやら」
「こちらに渡せば、おまえは見逃してやってもいい」
「ふうむ」
ジャックはパイプを一口ふかした。
「渡せと言われて渡すかどうか、その目には見通せないのかな、と思うのだけれど」
言い終わった瞬間にはもう女、ヌ=ルマナの姿はジャックの眼前にあった。両脚を揃えた跳び蹴りをマトモに喰らう。だが鈍い音を発し、ヌ=ルマナは弾き返された。ウッドマン・ジャックの体は根を張った古木の如し。蹴られたくらいでビクともしない。
地面から葉長一メートルはあろうかという大きな草が生え、ヌ=ルマナに絡みつこうとする。それを軽々とかわし、宙に浮かぶ毛皮の女が笑う。
「宇宙の目、宇宙の目、ここにあるのは宇宙の目。すべてを見通す宇宙の目。稚拙な策など通じない」
ヌ=ルマナは急降下、ジャックの頭部に手刀を突き立てた。今度はまるで大根を包丁で切ったかの如く、さっくりと手刀が食い込んだ。しかし。手が抜けない。
ヌ=ルマナの背後で草が揺れる。いつの間にか花が咲き、実がなっていた。世界でもデルファイにのみ生えるその草の名前は、バクダンホウセンカ。実を破裂させる事で種を飛ばす。名前通り爆弾級の威力で。
取り囲んだ幾十もの実が、轟音を上げて一斉に弾ける。その種は数百の凶器となってヌ=ルマナへと向かった。全身が蜂の巣になる、かに思えた。
だがバクダンホウセンカの種は、すべてウッドマン・ジャックの体にめり込んだ。
「だから通じないと言っただろうに」
最初に現われた場所で、ヌ=ルマナは笑っていた。全身穴だらけになったジャックはしばし考え、自分の間抜けさ加減を理解した。
「なあるほどなるほど、要するに幻覚を見させられていたのだね」
「おまえはヌ=ルマナに触れるどころか、本当の姿を見る事すら出来ない」
「別にそんな物、見たくはないのだけれど」
そう言いながらもウッドマン・ジャックは困っていた。さあて、これはどうしたものか。誰かに対処法を教えて欲しい。彼なら。もし彼がこの場に居たら、何と指示を出すだろう。それに従えば、この難敵を撃退出来るだろうか、と。
金色の野原。輝く小さな黄色い花が、世界を埋め尽くしている。川を越え、丘を越え、地平線の向こう側まで金色だ。空も黄色く輝いている。
どこだここは。何故こんなところに居る。早く行かなければ。早く……どこへ? 俺はどこに行くのだろう。何かをしなければならなかったはずだ。何かを……何をだ? 頭に霧がかかっているようで思い出せない。
俺は立ち上がろうとした。だが立てなかった。左脚がなかったからだ。何故片足がないんだ。そう言えば視界も狭い気がする。右目がないのか。何故ないんだ。思い出せない。
「おまえは頑固だの」
振り返ると、金色の世界の中にポツンと青が。空色の服を着た、五、六歳の女の子。誰だろう。
「ワタイは、さら。水の神だ」
水の……神? 神様? この子は何を言っているのだろうか。
「この世界では何でも自在だ。失くした脚を生やす事も、失った眼を見開く事も簡単に出来る。みなそうするのだ。なのに、何故おまえはその姿のままなのか。まったく、頑固よな」
よく意味がわからない。この世界? ここはどこなんだ。そう思っていると、さらと名乗った女の子は、近くを流れる川を笑顔で指さした。
「ほれ、あそこに川があるだろう。あれを越えて向こうに行けば、死者の国だ」
そして俺の顔をのぞき込む。
「つまり、おまえは死ぬ寸前だという事だな。人間は体が疲れても死ぬが、心が疲れても死ぬ。おまえは心を疲れさせ過ぎた。少し休まねばならん」
休まねばならない。休むのか。休む……いや。俺は立ち上がろうとした。だがやはり立てない。花の群れの中に倒れ込む。それでも、俺は両手で前に進んだ。どちらが前なのか、この世界ではわからない。けれどここは俺の居場所ではない。進まねば。前に進まねば。
すると、さらは俺の前に立ち、しゃがみ込んだ。その右手が俺の頭に伸びる。
「おまえは、本当に強い子だの」
さらの右手が、俺の頭をなでている。
「おまえの事は知っている。正しくは、ワタイが知っている訳ではないが。ほれ、見えるだろう」
さらは左手を俺の顔の前に差し出した。その手のひらに、輝く毛玉のような物が乗っている。
「この地に漂う小さな意思が、かつての神の欠片の一つが、おまえをずっと見守っていたのだ。これはすべてを知っている。おまえがこれまで何を見つめ、何を考えてきたのか。何が心を揺さぶり、何が傷つけたのか。いまのおまえの思いも、そして覚悟も、全部知っている」
さらの声が震えた。
「つらかったな。しんどかったな。見守ってやるしかできんで、ごめんな」
しかし見上げたその顔は、太陽のような満面の笑顔だった。
「でもワタイらは決めたのだ。おまえたち人間の力になろうと。できる事はわずかしかないが、それでも何かしようとな」
さらは俺の顔を両手で包んだ。暖かい、春の日差しのような手だった。
「忘れんでおくれ。信じておくれ。おまえたち人類は、決して孤独ではないのだという事を。すぐそばに、見守る者が必ず居るという事を。ワタイはさら。東の端からおまえたちに会いにやって来た、水の神だ」
ウッドマン・ジャックは目を閉じた。視界に頼れば幻覚を見せられる。目以外のすべての器官で敵を捕らえるしかない。だがそれは言うほど簡単ではない。ジャックは夜の森でも昼間のように見通せる視力が、大きな武器なのだ。それが封じられたとなると、あとは耳と鼻か。
なるほど、宇宙の鼻と目と耳がワンセットなのも合点がいく。などと思っていると。
ヌ=ルマナの気配が動いた。来るか。しかし気配が消えている。まさか退散した? そんなはずはない。どこだ、いったい何をしている。足音もしない。目を開けたい誘惑にかられたが、開ければまた幻覚を見せられるのは間違いない。
それほどの高い攻撃力がある相手とは思えない。物理的に直接攻撃して来れば、耐える事は可能だし、上手くすれば捕まえる事も出来る。だが距離を取られると身動き出来ない。どうすればいい。……一人では勝てないのか。ジャックがそう思ったとき。
不意に、何かが舞い降りた。雪が降るように、静かに、広く一面に。その途端、ジャックの感覚が警告を発する。すぐ目の前に何か居ると。思わず腕を振り抜く。
「ちぃっ!」
悔しげに息を吐きながら、ヌ=ルマナの物であろう気配が遠ざかった。そこに、聞き覚えのある老婆の声が。
「加勢する気はないんだがね」
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