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理不尽(メリナ視点)
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「いつまでこんな所にいなきゃいけないのよ!」
苛立ち紛れにクッションを掴み床に叩きつけても、気の抜けたような音しかせずそれが余計に神経を逆撫でする。
狭く古いホテルの一室で、メリナはぎりぎりと爪を噛んだ。
(クルト様もクルト様だわ!連絡の一つも寄越さないなんてどういうつもりよ!)
ルーを懲らしめようと色々と準備をしたのに、ルーが逆らって変なことをするから話がおかしくなってしまった。
クルトに用意させた短剣も偽物で騙されたことを思い出して、また苛立つ。
(いっそそのまま死んでくれていたなら、その間に有耶無耶にできたのに本当に愚図なんだから)
クルトが二度と竜帝の前で口を開いてはいけないと、口煩く言われたから従ったが、他人が家族の問題に勝手に口を挟むべきではないと思う。ルーが分不相応な真似をするからいけないのに、メリナを悪者にするなんてあり得ない。
お祖母様たちもお祖母様たちだ。メリナだって孫なのに、彼らはルーのことばかりでメリナのことなど見えていないかのように扱うなんて、ひどすぎる。
クルトが去り、お祖母様とお祖父様が立ち去る前に、メリナは彼らにちゃんとお願いをした。このまま平民になるつもりなどないのだから。
「メリナもお祖母様とお祖父様の娘になりますわ。クルト様がいらっしゃるから一緒に領地に行くことは出来ませんが、王都でエメリヒ男爵家のために尽力したいと思っておりますの」
両手を祈るように胸の前で組んで、可愛く見えるよう潤んだ瞳で見つめたが、二人の反応は冷めたものだった。
「貴女が何をしたか知らないとでも思っているの?冗談ではないわ」
「孫とはいえ、家族を虐げるような子を引き取るわけにはいかないな。これを機に自分の言動を省みるといい」
そう言って立ち去った翌日、手配された業者によりメリナたちは屋敷を追い出された。まだ支度が終わっていないと抵抗したものの、家財道具などはエメリヒ家の物だと持ち出すことは許されず、衣類だけは後日届けると言われて身の回りの品を勝手にまとめられて外に放り出されたのだ。
反論しようにも竜帝陛下の指示だと告げられれば、従うしかなかった。
流石に国王に目を付けられるのはまずい。
両親が戻ってきたので何か良い知らせがないかと期待したものの、彼らの表情を見れば芳しくないことは一目瞭然だった。
「メリナ、クルト様から何かご連絡はないの?こんな時こそ貴女がしっかりしないと駄目でしょう」
お母様の言葉にかちんときたが、成果がないので言い返しにくい。
「お屋敷に行ったのに不在だと取り次いでいただけなかったわ。領地に呼び戻されているのではないかしら?」
「まったく、こんなことならメリナではなく、ルーに目を掛けてやるべきだった」
お父様の一言にメリナが反論するよりも早く、お母様がヒステリックな声を上げた。
「あの子が貴方の母親に似ているからいけないのでしょう!そもそも貴方の両親が余計なことをしたからこんな目に遭っているのよ。責任を取ってちょうだい」
「お前こそたびたび社交のために出掛けていたのに、有益な繋がりなど何一つ持っていないじゃないか!こんな時こそ夫を支えるのが妻の役目だろう!」
以前はこんな風に言い争うことなどなかったのに、刺々しい雰囲気に辟易してメリナは寝室へと戻った。壁が薄いので筒抜けだが、互いを罵る醜悪な顔を見ずに済む。
(クルト様さえ戻ってくれば、元の生活に戻れるわ)
両親も一緒だと迷惑かもしれないが、その場合はメリナだけクルトの屋敷に滞在すればいい。
そんなメリナの元に、一通の招待状が届いたのはそれから二週間後のことだった。
未婚の貴族子女のみで開催されるパーティーが王城で開かれる。そんな招待状が届いたことで、まだ自分が貴族令嬢であることに安堵しつつも、ある期待に胸が膨らむ。
わざわざ未婚の貴族子女を招待するのだ。第二王子の婚約者はまだ確定しておらず、流石にそれが高望みだとしても他の高位貴族の令息と良い出会いがあるかもしれない。
お父様に顔を顰められながらも何とかドレスを工面してもらい、浮き浮きした気分でメリナは王城へと向かったのだが――。
ひそひそと交わされる会話と意味ありげな視線。
(どうして私がこんな目に遭わなければならないの……!)
男爵令嬢と家格は劣るものの、狼族の番ということで羨望の眼差しを一身に浴びていたのに、漏れ聞こえる声は非難や軽蔑の言葉ばかりだった。
ルーへの嫌がらせの数々が周知の事実として広まっている。称賛され誰からも愛されるべき存在であるメリナが、どうしてこのように貶められなければならないのか。
屈辱に表情が保てなくなり、大広間を抜け人目を避けるように中庭に出た。
もうこんなパーティーなどどうでもいい。
(所詮人族の貴族より、クルト様のほうが上だもの)
「おい、いたぞ」
聞き覚えのある声に振り向くと、バルテン伯爵令息と同級生が険しい表情で立っていた。剣呑な雰囲気が伝わってきたものの、メリナは気づかない振りをして笑いかける。まずいことになったと感じながらも、それを表に出してしまうほうが危険だと思ったのだ。
「みんな、会えて嬉しいわ!どうしたの?」
「どうしたの、じゃないだろう!お前、今まで俺たちを騙していたんだな!」
自分より弱い者を虐げて自尊心を満たしていた癖に被害者面など図々しい。ルーに雑務を押し付けて、自分たちも都合の良いように使っていたというのにメリナに文句を言うのは筋違いだ。
「騙すなんて……酷い」
瞳に涙を浮かべひとまず時間稼ぎをしようとしたが、彼らはよほど鬱憤が溜まっていたらしい。
「元々こいつが言い出したことだ。因果応報な目に遭わせれば、あの方も溜飲を下げてくれるかもしれないぞ」
乱暴に背中を押されて地面に倒れ込む。叫び声を上げる間もなく、口をふさがれドレスを引き裂かれる。
「はい、そこまでだ。王城で犯罪行為を働いてただで済むと思うなよ」
いつの間にか涼やかな美貌の男が立っていて、騎士たちに指示を出しメリナにのしかかっていた男たちを引き剥がし連行していく。
(この人、第二王子だわ!)
最悪な状況が一気に好機へと変わった。
「殿下、怖かったですわ!助けてくださりありがとうございます」
上目づかいで瞳を潤ませて可憐さを強調させつつ、腕にしがみ付き胸を押し当てる。王子とて男なのだから、悪い気はしないだろう。
「ははっ、したたかだけど頭は良くないらしい。勝手に王族に触れたことで不敬罪となるが構わないな?」
「殿下のご随意になさってください」
ぐいっと乱暴に引っ張られて騎士に拘束される。状況の変化に追いつけず呆然とするメリナだが、王子に返答したのがクルトだと気づいて、慌てて助けを求めた。
「クルト様、誤解です!襲われそうになって、私怖くて……」
「自業自得だろう。こんな浅ましく醜い女を信じたせいで、俺は……」
(何を言っているの……?番は特別なんじゃなかったの?)
心底疎ましそうな、まるで害虫でも見るような眼差しを向けられ、メリナは焦りを覚えた。確かなことはこの状況でもクルトはメリナを助けるつもりがないらしい。
「しばらくは地下牢で過ごしてもらう。その後は君の態度次第ではどこかの貴族の使用人にしてあげてもいい。君を生かしておくのは、万が一君の姉君が会いたいと切望した場合の保険だから勘違いしないように。虐げていたはずの姉のために命拾いしたのだから皮肉なことだな」
地下牢も使用人も冗談ではない。必死に頭を働かせて、メリナは声を上げた。
「お姉様を呼んでちょうだい!お姉様は妹をこんな目に遭わせることを望んでないわ」
「ははっ、これは傑作だ!番様にお前のことなど知らせるはずがないだろう。竜帝陛下は番様を傷付けた者を許すつもりはないし、私たちとしてもこれ以上国を危険に晒すわけにはいかないからな」
これ以上は無駄だとばかりに猿轡で口を塞がれた。助けを求めて必死に周囲を見渡すが、誰もが冷ややかな眼差しを向けている。
どうしてこんな目に遭わなければならないのか。何度も胸の中で繰り返されるメリナの問いに答える者はいなかった。
苛立ち紛れにクッションを掴み床に叩きつけても、気の抜けたような音しかせずそれが余計に神経を逆撫でする。
狭く古いホテルの一室で、メリナはぎりぎりと爪を噛んだ。
(クルト様もクルト様だわ!連絡の一つも寄越さないなんてどういうつもりよ!)
ルーを懲らしめようと色々と準備をしたのに、ルーが逆らって変なことをするから話がおかしくなってしまった。
クルトに用意させた短剣も偽物で騙されたことを思い出して、また苛立つ。
(いっそそのまま死んでくれていたなら、その間に有耶無耶にできたのに本当に愚図なんだから)
クルトが二度と竜帝の前で口を開いてはいけないと、口煩く言われたから従ったが、他人が家族の問題に勝手に口を挟むべきではないと思う。ルーが分不相応な真似をするからいけないのに、メリナを悪者にするなんてあり得ない。
お祖母様たちもお祖母様たちだ。メリナだって孫なのに、彼らはルーのことばかりでメリナのことなど見えていないかのように扱うなんて、ひどすぎる。
クルトが去り、お祖母様とお祖父様が立ち去る前に、メリナは彼らにちゃんとお願いをした。このまま平民になるつもりなどないのだから。
「メリナもお祖母様とお祖父様の娘になりますわ。クルト様がいらっしゃるから一緒に領地に行くことは出来ませんが、王都でエメリヒ男爵家のために尽力したいと思っておりますの」
両手を祈るように胸の前で組んで、可愛く見えるよう潤んだ瞳で見つめたが、二人の反応は冷めたものだった。
「貴女が何をしたか知らないとでも思っているの?冗談ではないわ」
「孫とはいえ、家族を虐げるような子を引き取るわけにはいかないな。これを機に自分の言動を省みるといい」
そう言って立ち去った翌日、手配された業者によりメリナたちは屋敷を追い出された。まだ支度が終わっていないと抵抗したものの、家財道具などはエメリヒ家の物だと持ち出すことは許されず、衣類だけは後日届けると言われて身の回りの品を勝手にまとめられて外に放り出されたのだ。
反論しようにも竜帝陛下の指示だと告げられれば、従うしかなかった。
流石に国王に目を付けられるのはまずい。
両親が戻ってきたので何か良い知らせがないかと期待したものの、彼らの表情を見れば芳しくないことは一目瞭然だった。
「メリナ、クルト様から何かご連絡はないの?こんな時こそ貴女がしっかりしないと駄目でしょう」
お母様の言葉にかちんときたが、成果がないので言い返しにくい。
「お屋敷に行ったのに不在だと取り次いでいただけなかったわ。領地に呼び戻されているのではないかしら?」
「まったく、こんなことならメリナではなく、ルーに目を掛けてやるべきだった」
お父様の一言にメリナが反論するよりも早く、お母様がヒステリックな声を上げた。
「あの子が貴方の母親に似ているからいけないのでしょう!そもそも貴方の両親が余計なことをしたからこんな目に遭っているのよ。責任を取ってちょうだい」
「お前こそたびたび社交のために出掛けていたのに、有益な繋がりなど何一つ持っていないじゃないか!こんな時こそ夫を支えるのが妻の役目だろう!」
以前はこんな風に言い争うことなどなかったのに、刺々しい雰囲気に辟易してメリナは寝室へと戻った。壁が薄いので筒抜けだが、互いを罵る醜悪な顔を見ずに済む。
(クルト様さえ戻ってくれば、元の生活に戻れるわ)
両親も一緒だと迷惑かもしれないが、その場合はメリナだけクルトの屋敷に滞在すればいい。
そんなメリナの元に、一通の招待状が届いたのはそれから二週間後のことだった。
未婚の貴族子女のみで開催されるパーティーが王城で開かれる。そんな招待状が届いたことで、まだ自分が貴族令嬢であることに安堵しつつも、ある期待に胸が膨らむ。
わざわざ未婚の貴族子女を招待するのだ。第二王子の婚約者はまだ確定しておらず、流石にそれが高望みだとしても他の高位貴族の令息と良い出会いがあるかもしれない。
お父様に顔を顰められながらも何とかドレスを工面してもらい、浮き浮きした気分でメリナは王城へと向かったのだが――。
ひそひそと交わされる会話と意味ありげな視線。
(どうして私がこんな目に遭わなければならないの……!)
男爵令嬢と家格は劣るものの、狼族の番ということで羨望の眼差しを一身に浴びていたのに、漏れ聞こえる声は非難や軽蔑の言葉ばかりだった。
ルーへの嫌がらせの数々が周知の事実として広まっている。称賛され誰からも愛されるべき存在であるメリナが、どうしてこのように貶められなければならないのか。
屈辱に表情が保てなくなり、大広間を抜け人目を避けるように中庭に出た。
もうこんなパーティーなどどうでもいい。
(所詮人族の貴族より、クルト様のほうが上だもの)
「おい、いたぞ」
聞き覚えのある声に振り向くと、バルテン伯爵令息と同級生が険しい表情で立っていた。剣呑な雰囲気が伝わってきたものの、メリナは気づかない振りをして笑いかける。まずいことになったと感じながらも、それを表に出してしまうほうが危険だと思ったのだ。
「みんな、会えて嬉しいわ!どうしたの?」
「どうしたの、じゃないだろう!お前、今まで俺たちを騙していたんだな!」
自分より弱い者を虐げて自尊心を満たしていた癖に被害者面など図々しい。ルーに雑務を押し付けて、自分たちも都合の良いように使っていたというのにメリナに文句を言うのは筋違いだ。
「騙すなんて……酷い」
瞳に涙を浮かべひとまず時間稼ぎをしようとしたが、彼らはよほど鬱憤が溜まっていたらしい。
「元々こいつが言い出したことだ。因果応報な目に遭わせれば、あの方も溜飲を下げてくれるかもしれないぞ」
乱暴に背中を押されて地面に倒れ込む。叫び声を上げる間もなく、口をふさがれドレスを引き裂かれる。
「はい、そこまでだ。王城で犯罪行為を働いてただで済むと思うなよ」
いつの間にか涼やかな美貌の男が立っていて、騎士たちに指示を出しメリナにのしかかっていた男たちを引き剥がし連行していく。
(この人、第二王子だわ!)
最悪な状況が一気に好機へと変わった。
「殿下、怖かったですわ!助けてくださりありがとうございます」
上目づかいで瞳を潤ませて可憐さを強調させつつ、腕にしがみ付き胸を押し当てる。王子とて男なのだから、悪い気はしないだろう。
「ははっ、したたかだけど頭は良くないらしい。勝手に王族に触れたことで不敬罪となるが構わないな?」
「殿下のご随意になさってください」
ぐいっと乱暴に引っ張られて騎士に拘束される。状況の変化に追いつけず呆然とするメリナだが、王子に返答したのがクルトだと気づいて、慌てて助けを求めた。
「クルト様、誤解です!襲われそうになって、私怖くて……」
「自業自得だろう。こんな浅ましく醜い女を信じたせいで、俺は……」
(何を言っているの……?番は特別なんじゃなかったの?)
心底疎ましそうな、まるで害虫でも見るような眼差しを向けられ、メリナは焦りを覚えた。確かなことはこの状況でもクルトはメリナを助けるつもりがないらしい。
「しばらくは地下牢で過ごしてもらう。その後は君の態度次第ではどこかの貴族の使用人にしてあげてもいい。君を生かしておくのは、万が一君の姉君が会いたいと切望した場合の保険だから勘違いしないように。虐げていたはずの姉のために命拾いしたのだから皮肉なことだな」
地下牢も使用人も冗談ではない。必死に頭を働かせて、メリナは声を上げた。
「お姉様を呼んでちょうだい!お姉様は妹をこんな目に遭わせることを望んでないわ」
「ははっ、これは傑作だ!番様にお前のことなど知らせるはずがないだろう。竜帝陛下は番様を傷付けた者を許すつもりはないし、私たちとしてもこれ以上国を危険に晒すわけにはいかないからな」
これ以上は無駄だとばかりに猿轡で口を塞がれた。助けを求めて必死に周囲を見渡すが、誰もが冷ややかな眼差しを向けている。
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