俺はまた涙をながしていた。

Axel (アクセル)

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俺はまた涙を流していた。「3」

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あいつを、探そう。
そう決心したのはつい1時間ほど前のような気がする。
準備が必要だと考えた俺は今こうして準備をしている。
しかし、それがなかなか進まないのだ。
頭の中にふと、よぎる。
もし、仮にあいつに会えたとしても、俺を覚えているのか?
そんなことを思いながらもやっと、準備が終わった。
さぁ、行くか。あいつが待ってる。
そう思い、勢いよくドアを開けると猛吹雪のせいか、風と雪に押しつぶされそうになったが、気にせず、俺は外に出た。
猛吹雪で、あまり前が見えない。今日はとりあえず、近くの旅館にでも泊まろう。
そうして、1日が過ぎていった。
朝、真冬の寒さで目が覚めた。
外に出ると晴れ晴れとした天気だった。
まるで、昨日の猛吹雪とは真逆だ。
しかし、地面には雪が積もっていた。
それでも、俺は探しに行こうという思いで、歩き出した。
あの日と同じ道を辿っていくと、そこには、昔から変わっていない廃屋があった。
「着いたはいいけど、これからどうするか。」
とりあえず、廃屋の中へと入ってみることにした。
長い廊下を歩いていくとなぜか、誰もいないはずの奥の部屋から、ガシャンッという音が聞こえた。
「なんだ?確かここ、誰も住んでないよな。てか、廃屋だし当たり前か。でも、なんで音が?」
一瞬頭の中が真っ白になったが、すぐに気を取り直して、恐る恐るドアへと近づいた。
俺は何をしているんだろうと、戸惑っている自分もいるが、やはり、好奇心の方が強かった。
そっとドアノブに触れ、下へと押す。
そして、ドアを開けようと思ったその時、再び中から、ガシャンッという音が聞こえた。
今だ!そう思った時にはもう、開けていた。
言葉より行動の方が先だった。
すると、中にはほとんど物はなかった。
何かが割れたと思ったのだが特に、そういうものはなかった。
しかし、ひとつだけ気になるものがあった。
それは、あの日なかったはずの小さなダンボール箱。
俺の勘違いかもしれないが、あの日は確かなかったような気がする。
ダンボール箱を、開けよう。
本当は開けたらダメなような気がする。
でも、開けたら真実が見える。
俺はそんな風に感じた。
俺は思いっきり両手で蓋を開けた。
そうすると、中には何枚か紙が入っていた。
「なんだこれ?」
その紙に書いてある、文章を読んだ瞬間、俺は今までに経験したこともないような、緊張感と好奇心、そして、嬉しさと、悲しさ。
いくつかの感情が混ざったようなものを感じた
「もし、この手紙を読んでいる誰かがいるのならばあなたに伝えよう。ここには無数の空間が存在する。つまり、パラレルワールドだ。あなたがその世界に行きたいならば良い。連れてってあげよう。しかし、残念ながらあなたがこの手紙を読んでいる時、私はこの世界にいないだろう。少しばかり、時空を旅してくる。方法は簡単だ。パラレルワールド〇年〇月〇日と発するだけだ。あなたが発したその年、月日に行くことが出来る。まるで、漫画の世界みたいだが、信じてほしい。もし、行くのであればあと一つだけいいたい。これは警告だ。絶対に未来、過去の自分と出会うな。自分自身の過去を変えてしまう恐れがある。では、素敵なタイムトラベルを。」
タイムトラベルなんて、バカバカしい。
でも、改めてこの部屋を見渡すと、異様な空気を感じるのは確かだ。
もしかして、あいつは、タイムトラベルをした?この箱を置いた本人があいつだとしたら。あいつは今時空を超えた、どこかにいる。
現実逃避も悪くないか。
ちょっとばかり、漫画の世界に入るとするよ。
なんとしてでも、探し出さないと。
あいつは、この世界に戻ってくるべき人間だ。

そして、俺はこの部屋全体に響かせるように言った。

2010年 7月2日 あの日、あいつと、廃屋へ行った日へ。

その瞬間、部屋全体が眩い光に包まれて行った。
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