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第1章 惑星ルーテシア編
19. 馬車の旅
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翌日に食べた女神の祝福亭の夕食は絶品であった。ウェートレスさんのお父さんがシェフをしているらしい。この宿は当たりだ、きっとまた泊まりに来ようねとハルちゃんに話ながら、私達は乗合馬車の乗り場に向かいトロク行の馬車に乗り込んだ。トロクまでは2泊3日の工程で、途中は馬車組とテント組に分かれて野宿することになるらしい。瞬間移動で向かっても良かったのだが、馬車に乗るのも貴重な体験だよとハルちゃんに言われて思い返した。
馬車は10人乗りの大型のもので、馬4頭で引くタイプだ。朝早くに出発した馬車には私とハルちゃんのふたり以外に、どこかの貴族のご令嬢と思われる若く美しい女性、そのお付の中年のメイドさん2名と護衛役の壮年の男性2名。それに冒険者風の若い男性2名の計9名が乗っている。しばらくは皆無口であったが、昼食を取るころには少し会話する様になった。食事は御者さんが用意するが、干し肉にパンとスープという簡単なものである。夕食も同じ内容らしい。この食事が道中ずっと続くと思うと気が滅入った。
貴族のご令嬢はどうしているかなと思って目を向けると、意外に文句も言わず口にしている。しっかりした娘さんかもしれない、先入観は良くないね。話を聞くとトロクの町に住む男爵家のご令嬢らしい。領都まで行った帰りだとか。
夜になると、馬車は待機所と呼ばれる少し開けた場所で止まった。ここで夜を明かすらしい。昼食と同内容の簡単な食事をとった後、女性陣は馬車で、男性陣は馬車に積んであったテントで寝ることになる。なお、男性陣は交代で見張りをしてくれるらしい。私を含む女性4名は毛布を被って馬車で眠る。横になることは出来ないが、10名乗りの馬車を4名で使うからひとりで座席2つをつかって足を延ばして座ることは出来る。でも安眠はできそうにない。ただひとりが2つずつ座席を使用しても10ある座席の内8つを使うだけなので、2つ座席が余る。つまりひとりだけ4つの座席を使って横になることが出来る。中年のメイドさんふたりは、お嬢様に横になる様にしきりに勧めていたが、お嬢様は私の方が若いんだからと、メイドさん達が使うように言って頑として譲らなかったので、結局余りの座席2つは誰も使わなかった。お嬢様は頑固だけれど少なくとも我儘ではなさそうで好感を持った。
「タチハちゃんは魔法使いなんですよね。 それで冒険者をやっているなんて若いのにすごいですね。」
と、お嬢様から声が掛かった。ちゃん付けで呼ばれて思い出したが、私は見かけ15歳だった。
「ありがとうございます。」
「お連れの方はご家族なの? お父様にしてはお若く見えるのだけど。」
「タカシは夫です。」
「まあ失礼。成人したばかりの年に見えるのにもう結婚してるのね。」
「成人と同時に兄弟子のタカシと結婚したんです。」
と、打ち合わせ済みの設定を述べる。ちなみにこの星では成人年齢は15歳である。もちろん結婚もできる。
「わあ、職場結婚ってやつね。すごいわぁ。 タチハちゃんは幸せ?」
「はい。」
なにがすごいのか解らないが、ひとつ言えるのはこのご令嬢は恋愛話が好きそうだということだ。この後ハルちゃんとの馴れ初めとかを聞き出しに来るだろう。ぼろが出ない内に話題を変えなければ。
「お嬢様はどうして領都に行かれてたんですか?」
「カトリーナよ、カトリーと呼んでね。」
「カトリー様ですね。」
「私ね、求婚して下さった方がいたんだけど、領都にはお断りに行ってきたの。タチハちゃんが羨ましいわ。」
「申し訳ありません。失礼なことをお聞きしてしまいました。」
「いいのよ、本当の事だもの。私タチハちゃんみたいに好きな人と結婚するのが夢なの。でもなかなかうまくいかないわね。」
「カトリー様は美人ですから、これからいい出会いがありますよ。」
「ありがとう。そういえばタチハちゃんもモンスターを狩りに大森林に行くために来たの?」
どう答えよう。Yesと応えたらトロクの町についてから、大森林に向かわないと不自然だよね。モンスターの肉を食べに来ただけなんて正直に言っても信じないだろうし。
「実は人探しの依頼を受けているんです。アレフさんという方で魔法陣の専門家なんですけど。」
と言ってみた。相手に心当たりがあればラッキーという程度のつもりだったのだが、カトリー様はひどく驚いた様だった。
「知ってるわ。私が縁談を断ってきた相手だから。」
「ええっ! 」
何とお知り合いでした。
「アレフさんて、どんな方なんですか?」
「子爵様よ。エタルナ伯爵様にお仕えして魔道具開発部の主任をされているわ。」
「そうなんですね。」
「アレフ様に会いにいくの。」
「たぶんそうなると思います。」
「そう、気を付けてね。大丈夫と思うけど悪い噂が多い人だから。」
「悪い噂ですか?」
「他人の魔道具のアイディアを横取りして自分の物としているっていう噂なの。」
「そうなんですね。気を付けます、教えて頂いてありがとうございます。」
「それで婚約をお断りになったんですね。」
「いいえ、ちょっと違うかな。自分で言っておいて矛盾しているけど、噂なんて本当かどうか分からないものね。私がお断りしたのは、お会いしてみてどうしても好きになれないと感じたからよ。」
「そんなにひどい人なんですか。」
「いいえ、何かされたわけではないのよ。むしろ良い人かもしれないわ。でも、何と言うか男らしくないのよ。いつもビクビクしている感じで。」
「そうなんですね。」
アレフさんは気が弱い人ってことかな。ハルちゃんも同じだから気が合うかもね。悪い噂は気になるけど、あの神殿地下の魔法陣を設計した人だよね。才能があるのは間違いないんだけどな。まあ、一度会ってみよう。これからも魔法陣関係でお願いすることがあるかもしれないからね。
「貴重な情報ありがとうございました。夫とどうするか相談します。」
「私の言ったことが役に立てば良いんだけどね。」
ひょんなことからアレフさんの素性が判明してしまった。世の中狭いね。いや驚いたよ。
馬車は10人乗りの大型のもので、馬4頭で引くタイプだ。朝早くに出発した馬車には私とハルちゃんのふたり以外に、どこかの貴族のご令嬢と思われる若く美しい女性、そのお付の中年のメイドさん2名と護衛役の壮年の男性2名。それに冒険者風の若い男性2名の計9名が乗っている。しばらくは皆無口であったが、昼食を取るころには少し会話する様になった。食事は御者さんが用意するが、干し肉にパンとスープという簡単なものである。夕食も同じ内容らしい。この食事が道中ずっと続くと思うと気が滅入った。
貴族のご令嬢はどうしているかなと思って目を向けると、意外に文句も言わず口にしている。しっかりした娘さんかもしれない、先入観は良くないね。話を聞くとトロクの町に住む男爵家のご令嬢らしい。領都まで行った帰りだとか。
夜になると、馬車は待機所と呼ばれる少し開けた場所で止まった。ここで夜を明かすらしい。昼食と同内容の簡単な食事をとった後、女性陣は馬車で、男性陣は馬車に積んであったテントで寝ることになる。なお、男性陣は交代で見張りをしてくれるらしい。私を含む女性4名は毛布を被って馬車で眠る。横になることは出来ないが、10名乗りの馬車を4名で使うからひとりで座席2つをつかって足を延ばして座ることは出来る。でも安眠はできそうにない。ただひとりが2つずつ座席を使用しても10ある座席の内8つを使うだけなので、2つ座席が余る。つまりひとりだけ4つの座席を使って横になることが出来る。中年のメイドさんふたりは、お嬢様に横になる様にしきりに勧めていたが、お嬢様は私の方が若いんだからと、メイドさん達が使うように言って頑として譲らなかったので、結局余りの座席2つは誰も使わなかった。お嬢様は頑固だけれど少なくとも我儘ではなさそうで好感を持った。
「タチハちゃんは魔法使いなんですよね。 それで冒険者をやっているなんて若いのにすごいですね。」
と、お嬢様から声が掛かった。ちゃん付けで呼ばれて思い出したが、私は見かけ15歳だった。
「ありがとうございます。」
「お連れの方はご家族なの? お父様にしてはお若く見えるのだけど。」
「タカシは夫です。」
「まあ失礼。成人したばかりの年に見えるのにもう結婚してるのね。」
「成人と同時に兄弟子のタカシと結婚したんです。」
と、打ち合わせ済みの設定を述べる。ちなみにこの星では成人年齢は15歳である。もちろん結婚もできる。
「わあ、職場結婚ってやつね。すごいわぁ。 タチハちゃんは幸せ?」
「はい。」
なにがすごいのか解らないが、ひとつ言えるのはこのご令嬢は恋愛話が好きそうだということだ。この後ハルちゃんとの馴れ初めとかを聞き出しに来るだろう。ぼろが出ない内に話題を変えなければ。
「お嬢様はどうして領都に行かれてたんですか?」
「カトリーナよ、カトリーと呼んでね。」
「カトリー様ですね。」
「私ね、求婚して下さった方がいたんだけど、領都にはお断りに行ってきたの。タチハちゃんが羨ましいわ。」
「申し訳ありません。失礼なことをお聞きしてしまいました。」
「いいのよ、本当の事だもの。私タチハちゃんみたいに好きな人と結婚するのが夢なの。でもなかなかうまくいかないわね。」
「カトリー様は美人ですから、これからいい出会いがありますよ。」
「ありがとう。そういえばタチハちゃんもモンスターを狩りに大森林に行くために来たの?」
どう答えよう。Yesと応えたらトロクの町についてから、大森林に向かわないと不自然だよね。モンスターの肉を食べに来ただけなんて正直に言っても信じないだろうし。
「実は人探しの依頼を受けているんです。アレフさんという方で魔法陣の専門家なんですけど。」
と言ってみた。相手に心当たりがあればラッキーという程度のつもりだったのだが、カトリー様はひどく驚いた様だった。
「知ってるわ。私が縁談を断ってきた相手だから。」
「ええっ! 」
何とお知り合いでした。
「アレフさんて、どんな方なんですか?」
「子爵様よ。エタルナ伯爵様にお仕えして魔道具開発部の主任をされているわ。」
「そうなんですね。」
「アレフ様に会いにいくの。」
「たぶんそうなると思います。」
「そう、気を付けてね。大丈夫と思うけど悪い噂が多い人だから。」
「悪い噂ですか?」
「他人の魔道具のアイディアを横取りして自分の物としているっていう噂なの。」
「そうなんですね。気を付けます、教えて頂いてありがとうございます。」
「それで婚約をお断りになったんですね。」
「いいえ、ちょっと違うかな。自分で言っておいて矛盾しているけど、噂なんて本当かどうか分からないものね。私がお断りしたのは、お会いしてみてどうしても好きになれないと感じたからよ。」
「そんなにひどい人なんですか。」
「いいえ、何かされたわけではないのよ。むしろ良い人かもしれないわ。でも、何と言うか男らしくないのよ。いつもビクビクしている感じで。」
「そうなんですね。」
アレフさんは気が弱い人ってことかな。ハルちゃんも同じだから気が合うかもね。悪い噂は気になるけど、あの神殿地下の魔法陣を設計した人だよね。才能があるのは間違いないんだけどな。まあ、一度会ってみよう。これからも魔法陣関係でお願いすることがあるかもしれないからね。
「貴重な情報ありがとうございました。夫とどうするか相談します。」
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