2 / 17
第2話
しおりを挟む
私の名前は田中健二。今年で45才。いわゆるアラフィフだ。
今、私はモーレツに感動している。
テレビの中で歌い踊る「彼」。
Star☆Dreamのユウくんに。
この時の私は、もちろん、グループのこともユウくんのことも知らなかった訳だが、とにかく「彼」は眩しかった。
話を戻そう。
その夜、衝撃の出会いを遂げた私は、興奮で寝付けなかった。
「彼」は何だ?何者なのだ。
気になって気になって眠れない。
頼りは、テレビ画面に出ていた、Star☆Dreamというグループ名だけ。
そして、「彼」はそのセンター(中心)だったということ。
それにしても、初めて聞くグループ名だった。デビューしたてなのだろうか?CDは出しているのだろうか?認知度はどうなんだろうか?ユイに聞いてみるか?いや、そんなことでは父としての威厳が。しかし。背に腹は代えられない!
翌朝。
「ユイ。Star☆Dreamって知ってるか?」
・・・しまった!ストレート過ぎたっ!!
「あー、なんか最近売り出し中のグループじゃなかったかな?なんで?」
「い、いや、ちょっと会社の子が話しててね。。。」
「まだ、そんなに人気ないと思うよ。確か、どこかのライブハウスで活動してた気がする。地下アイドルっぽい。」
「地下アイドルか。」
ということは、まだライバル(ファン)が少ないということか。
「ユイ。ありがとう。助かるよ。」
「どういたしまして。部下とのコミュ力、大事だからね。」
ユイは流石に現役女子高生でもあるし、アイドルを推しているだけあって事情に詳しい。よし、あとはスマホで調べてみよう。
Star☆Dream、略してスタドリ。メンバーは、絶対的センターのユウくん、リーダーのコウくん、メンバー1のイケメンのリョウくん、体育会系のケンくん、グループの末っ子キャラのタクミくんの5人。釜田のライブハウス「ドリーム」を中心に活動。
近いじゃないか!!会社の定期券で行ける!!(重要)
直近のライブの予定は・・・明後日だ!
時間は・・・19時START!
行けるっ!!
それまでに曲を聴き込まなくては。ユイに教えてもらった「スポイティ」でと・・・。スタドリは、1曲しかないぞ。売り出し中だから仕方ないか。妻にはどう説明しよう。。。珍しく残業になったとでも言うか。何か準備していくものはないのか。ペンライトとか?うーん、わからない。そういえば、チケットってどうやって買うんだろう?まさかチケットセンターに電話するとかじゃないだろうし。とりあえず、行くだけ行ってみるか。こんなおじさんでも大丈夫だろうか?変に思われるんじゃないか?・・・・・・・・・・・・・・・・。
むー、考えても仕方ない!突撃あるのみ!
そして、悩んでいるうちにあっという間にライブ当日が来てしまった。
当然、仕事に身が入るわけもなく。ただ机の前に座っているだけで時間が過ぎた。
18時。さあ、私の本当の戦いはこれからだっ!
ライブハウス「ドリーム」。
釜田駅近くの雑居ビルの地下に、その戦場はある。
スーツにネクタイに革靴。ビジネスバックという、完全武装(サラリーマン)の私は、初陣の期待と不安を胸に戦地に赴く。
さあ、いざ釜田!
ライブハウスの入り口には、同じ戦地に赴くであろう戦友たちが何人か。
その列の最後尾に並ぶ。。。
「おじさん、スタドリのライブ初めて?」
いきなり背後から声を掛けられた。
振り返ると、そこにはユイよりも少し年上だろうか?小柄な娘がいた。
「あ、初めてだけど。。。」
「おじさんさぁ、緊張が顔に出てるよ。リラックス、リラックス。」
「あ、すいません。。。」
つい敬語になってしまった。情けない。
「私がいろいろ教えてあげるから。一緒に観ようよ。仲間多い方が楽しいし。」
「いいのかい?」
「もちろん。」
娘ほど年が違う女の子なのに、とっても頼もしい。私は良い戦友に恵まれたっ!
「ライブハウスはさあ。入るときに受付でチケ代払うの。」
「ふむふむ。」
「あ、ドリンク代は別ね。ドリンクコインを貰って、ドリンクバーで好きなのと交換。お酒もあるよ。」
「ふむふむ。」
「グッズは物販コーナーにあるから、好きなの選んで買えばいい。」
「ふむふむ。」
「基本、ライブハウスは立ち見だから、疲れたら後ろの方に移動して休む。」
「ふむふむ。」
「あ、もちろん。おさわりは禁止ね。」
「ふむふむ。」
「あとは、好きに楽しめばいいよ。」
「ふむふむ。」
「さっきから、ふむふむ。しか言ってないけど大丈夫?」
「い、いろいろとありがとう。」
「私は、アヤっていうの。」
「私は、田中健二。」
「ケンジかー。ケンちゃんだと被っちゃうから、ケンジくんで良い?」
「・・・ケ、ケンジ、くん。。。」
「よし、決まり。ケンジくんで。」
この年で、こんなに年が離れた友人が出来るとは。
スタドリ恐るべし。
「スタドリのライブ、入場開始しまーす。」
ライブハウスのスタッフだろうか?入場が始まるらしい。
「ケンジくん、さあ、行こうか。」
「よし!」
私の初陣がいよいよ始まる!!
今、私はモーレツに感動している。
テレビの中で歌い踊る「彼」。
Star☆Dreamのユウくんに。
この時の私は、もちろん、グループのこともユウくんのことも知らなかった訳だが、とにかく「彼」は眩しかった。
話を戻そう。
その夜、衝撃の出会いを遂げた私は、興奮で寝付けなかった。
「彼」は何だ?何者なのだ。
気になって気になって眠れない。
頼りは、テレビ画面に出ていた、Star☆Dreamというグループ名だけ。
そして、「彼」はそのセンター(中心)だったということ。
それにしても、初めて聞くグループ名だった。デビューしたてなのだろうか?CDは出しているのだろうか?認知度はどうなんだろうか?ユイに聞いてみるか?いや、そんなことでは父としての威厳が。しかし。背に腹は代えられない!
翌朝。
「ユイ。Star☆Dreamって知ってるか?」
・・・しまった!ストレート過ぎたっ!!
「あー、なんか最近売り出し中のグループじゃなかったかな?なんで?」
「い、いや、ちょっと会社の子が話しててね。。。」
「まだ、そんなに人気ないと思うよ。確か、どこかのライブハウスで活動してた気がする。地下アイドルっぽい。」
「地下アイドルか。」
ということは、まだライバル(ファン)が少ないということか。
「ユイ。ありがとう。助かるよ。」
「どういたしまして。部下とのコミュ力、大事だからね。」
ユイは流石に現役女子高生でもあるし、アイドルを推しているだけあって事情に詳しい。よし、あとはスマホで調べてみよう。
Star☆Dream、略してスタドリ。メンバーは、絶対的センターのユウくん、リーダーのコウくん、メンバー1のイケメンのリョウくん、体育会系のケンくん、グループの末っ子キャラのタクミくんの5人。釜田のライブハウス「ドリーム」を中心に活動。
近いじゃないか!!会社の定期券で行ける!!(重要)
直近のライブの予定は・・・明後日だ!
時間は・・・19時START!
行けるっ!!
それまでに曲を聴き込まなくては。ユイに教えてもらった「スポイティ」でと・・・。スタドリは、1曲しかないぞ。売り出し中だから仕方ないか。妻にはどう説明しよう。。。珍しく残業になったとでも言うか。何か準備していくものはないのか。ペンライトとか?うーん、わからない。そういえば、チケットってどうやって買うんだろう?まさかチケットセンターに電話するとかじゃないだろうし。とりあえず、行くだけ行ってみるか。こんなおじさんでも大丈夫だろうか?変に思われるんじゃないか?・・・・・・・・・・・・・・・・。
むー、考えても仕方ない!突撃あるのみ!
そして、悩んでいるうちにあっという間にライブ当日が来てしまった。
当然、仕事に身が入るわけもなく。ただ机の前に座っているだけで時間が過ぎた。
18時。さあ、私の本当の戦いはこれからだっ!
ライブハウス「ドリーム」。
釜田駅近くの雑居ビルの地下に、その戦場はある。
スーツにネクタイに革靴。ビジネスバックという、完全武装(サラリーマン)の私は、初陣の期待と不安を胸に戦地に赴く。
さあ、いざ釜田!
ライブハウスの入り口には、同じ戦地に赴くであろう戦友たちが何人か。
その列の最後尾に並ぶ。。。
「おじさん、スタドリのライブ初めて?」
いきなり背後から声を掛けられた。
振り返ると、そこにはユイよりも少し年上だろうか?小柄な娘がいた。
「あ、初めてだけど。。。」
「おじさんさぁ、緊張が顔に出てるよ。リラックス、リラックス。」
「あ、すいません。。。」
つい敬語になってしまった。情けない。
「私がいろいろ教えてあげるから。一緒に観ようよ。仲間多い方が楽しいし。」
「いいのかい?」
「もちろん。」
娘ほど年が違う女の子なのに、とっても頼もしい。私は良い戦友に恵まれたっ!
「ライブハウスはさあ。入るときに受付でチケ代払うの。」
「ふむふむ。」
「あ、ドリンク代は別ね。ドリンクコインを貰って、ドリンクバーで好きなのと交換。お酒もあるよ。」
「ふむふむ。」
「グッズは物販コーナーにあるから、好きなの選んで買えばいい。」
「ふむふむ。」
「基本、ライブハウスは立ち見だから、疲れたら後ろの方に移動して休む。」
「ふむふむ。」
「あ、もちろん。おさわりは禁止ね。」
「ふむふむ。」
「あとは、好きに楽しめばいいよ。」
「ふむふむ。」
「さっきから、ふむふむ。しか言ってないけど大丈夫?」
「い、いろいろとありがとう。」
「私は、アヤっていうの。」
「私は、田中健二。」
「ケンジかー。ケンちゃんだと被っちゃうから、ケンジくんで良い?」
「・・・ケ、ケンジ、くん。。。」
「よし、決まり。ケンジくんで。」
この年で、こんなに年が離れた友人が出来るとは。
スタドリ恐るべし。
「スタドリのライブ、入場開始しまーす。」
ライブハウスのスタッフだろうか?入場が始まるらしい。
「ケンジくん、さあ、行こうか。」
「よし!」
私の初陣がいよいよ始まる!!
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
セーラー服美人女子高生 ライバル同士の一騎討ち
ヒロワークス
ライト文芸
女子高の2年生まで校内一の美女でスポーツも万能だった立花美帆。しかし、3年生になってすぐ、同じ学年に、美帆と並ぶほどの美女でスポーツも万能な逢沢真凛が転校してきた。
クラスは、隣りだったが、春のスポーツ大会と夏の水泳大会でライバル関係が芽生える。
それに加えて、美帆と真凛は、隣りの男子校の俊介に恋をし、どちらが俊介と付き合えるかを競う恋敵でもあった。
そして、秋の体育祭では、美帆と真凛が走り高跳びや100メートル走、騎馬戦で対決!
その結果、放課後の体育館で一騎討ちをすることに。
【完結】年収三百万円台のアラサー社畜と総資産三億円以上の仮想通貨「億り人」JKが湾岸タワーマンションで同棲したら
瀬々良木 清
ライト文芸
主人公・宮本剛は、都内で働くごく普通の営業系サラリーマン。いわゆる社畜。
タワーマンションの聖地・豊洲にあるオフィスへ通勤しながらも、自分の給料では絶対に買えない高級マンションたちを見上げながら、夢のない毎日を送っていた。
しかしある日、会社の近所で苦しそうにうずくまる女子高生・常磐理瀬と出会う。理瀬は女子高生ながら仮想通貨への投資で『億り人』となった天才少女だった。
剛の何百倍もの資産を持ち、しかし心はまだ未完成な女子高生である理瀬と、日に日に心が枯れてゆくと感じるアラサー社畜剛が織りなす、ちぐはぐなラブコメディ。
春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話
登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。
あまりさんののっぴきならない事情
菱沼あゆ
キャラ文芸
強引に見合い結婚させられそうになって家出し、憧れのカフェでバイトを始めた、あまり。
充実した日々を送っていた彼女の前に、驚くような美形の客、犬塚海里《いぬづか かいり》が現れた。
「何故、こんなところに居る? 南条あまり」
「……嫌な人と結婚させられそうになって、家を出たからです」
「それ、俺だろ」
そーですね……。
カフェ店員となったお嬢様、あまりと常連客となった元見合い相手、海里の日常。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる