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二章 萩野 浩介
ハルさんに出逢ってから一週間が経った頃、私の姿は二条堂にあった。
ちょこちょこと二条堂に顔を出していた私だが、ハルさんに呼ばれたのは初めて。メールには簡潔な文が記されていた。
『少し聞きたいことがあるんだが、暇があったら来てもらえないか』
文末に困り顔の犬のスタンプがあるのはちょっと意外。
可愛いスタンプ買ったんだなぁ。
そんなことを考えて少し笑いながら私は二条堂のカウンターに向かった。
カウンターに手をつき、もう片方の手で額を押さえて立つハルさんが見える。
「あ、心音…すまん、助けてくれ」
心底困っているらしいハルさんの腰にくっついているソレを見て、私は思わず吹き出した。
「お、おい笑うな」
ハルさんの腰にしがみついていたのは小さな男の子だった。
「ごめんね、ちょっと面白くて。隠し子?」
「な訳ねぇだろ」
真顔で突っ込まれた。隠し子はねぇか。ちょっとハルさんの真似をしつつ、納得。
「コイツ、ちょっと気になること言っててさ。
俺はあまり小さい子得意じゃないから、心音なら話をちゃんと聞いてやれるかと思って」
なるほど。やってみるね。
そう言うと、ハルさんは助かる、と笑って男の子を椅子に座らせた。
私は早速かがみ込み、その男の子に話しかけた。
俺はその少年ににこやかに話しかける心音を見て、ホッと息を吐いた。俺には上手く聞き出せなかったことも、心音なら優しく、ちゃんと聞けるだろう。
少し、申し訳ない。心音にも、少年にも。
「ハルさん、色々聞けたよ」
少し悲しげな心音の声に我に返り、心音の横にかがむ。
「んー、どうした?」
心音は優しい。だからこそ、悲しそうなのか。
「この子は萩野浩介くん、4歳。
この近くの幼稚園に通ってるらしいんだけど、そこでいじめられたみたい」
驚いた。
「幼稚園児間でいじめってあるのか?
なんか、みんな仲良しって印象だけど」
そもそも幼稚園児でいじめかよ。教育上良くなさすぎだろ。
「幼稚園児だから、じゃないかな。
ほら、遊びで虫を殺しちゃったり、喧嘩の時に力加減を間違えちゃったり、幼稚園児は加減とかわからない子が多いから、悪口もどこまでが言っていいことかよくわからないのかも。まあ、学生も…加減知らない人多いけど」
苦い顔の心音も、恐らく経験者なのだろう。
自分を諦めつつも、存在を認めて欲しい。その姿勢はいじめを受けて、存在を否定された人に多い。
「なるほどな。でもなんでここに?俺は相談所じゃないぞ?助けてやれるかどうか…第一、俺には助ける力は無…」
「少なくとも」
「少なくとも」
私は、遮られて驚くハルさんをぐっと力を入れて睨む。
ハルさんのお陰で少し楽になった、私を忘れてる気がして、ムッとした。
「私は、助けられたよ。私の叔父さんに、ハルさんに」
私は浩介くんに向き合い、笑いかけた。
「ねえ、どうして欲しい?
このお兄さんにどうして欲しくて、ここに来たの?」
浩介くんは唇を噛んで泣きそうな顔をしていたけど、そっと震える声で、気持ちを教えてくれた。
「…僕は、いなくならなきゃ、いけないですか…?」
私を押し除けるように、ハルさんが浩介くんの肩を掴んだ。
ハルさんの顔は見たことがないほど苦しそうだった。
「何、言ってやがる。浩介、お前は何言ってんだ。
お前には、お母さんいるだろ。知ってるぞ。お前、よくここに、お母さんと来てるだろ?
仲良さそうに、楽しそうに手を繋いで、お前はお母さんと来てるだろ…!
お母さんも楽しそうにお前と話してるだろ!
なのに……」
…ハルさんと私の母は、異母姉弟。つまり、ハルさんのお母さんと、私のお婆ちゃんは別の人だ。
ハルさんのお母さんは、ハルさんが中学生の時に亡くなったと昔、聞いたことがあった。
施設に入ったハルさんはずっと一人ぼっちだったと。
唯一のお知り合いも、高校生の時に亡くなってしまったと。
「お前の、お母さんが、お前にいなくなれと願うわけ、ないだろうが!」
ハルさんは泣きそうな顔の浩介くんに向き合い、言葉を叩きつける。子供だから、幼いから。そんなことで容赦はしない。ハルさんは、大事な命のために、声を荒げている。
「浩介!お前はお母さんを置いていくのか!」
浩介くんはハッとしたような顔でハルさんをまじまじと見た。そして声をあげて泣き始めた。
「お兄ちゃん…お姉ちゃん…!
僕、お母さんに大好きって言ってもらったの…でも僕、いらないって言われたの…!幼稚園のお友達にいらないって…」
ハルさんはくしゃくしゃと浩介くんの頭を撫でた。
「…怒鳴って悪かったな、浩介。
あのな、幼稚園のお友達がいらないって言うならな、自慢してやりゃいいんだよ」
「何を…?」
ハルさんはカウンターの奥、住居スペースに上がり、帽子を取って戻ってきた。
青色のツバ付きの帽子。『West Park』と書いてある。
ハルさんはそれを、浩介くんに被せた。
「お兄ちゃん…?これなぁに?」
「俺からのプレゼント。浩介は俺の友達ですよって証。
自慢してこいよ。僕には、大人のお兄さんの友達がいるんだぜって。大人とちゃんと話せるくらい頭いいんだぜって」
私も、浩介くんのお友達だよ。
声をかけると、浩介くんはパアッと笑ってくれた。
「うん!僕、お兄ちゃんとお姉ちゃんの友達!」
「ただし、約束。
幼稚園のお友達とも、仲良くなろうという気持ちを持つこと。決して自分だけが偉いと思わないこと。いいな?」
浩介くんは唇を結んで、力強く頷いた。
その時、カラカラと二条堂の硝子戸が開く音がした。
「浩介?」
「あ、お母さん!」
浩介くんは、お母さんに飛びついた。ハルさんはカウンターに手をついて立ち上がり、お母さんに頭を下げた。
「店長さん、ご迷惑をお掛けしてすみません」
「いえ、全然。またいらしてください」
ハルさんは浩介くんに軽く目配せし、萩野母子は店を出ていった。
入れ違いに黒い短髪の若い男性が入ってくる。ハルさんの顔が途端に渋くなった。
「よ、晴樹!」
「京一か…」
誰?
俺は京一を住居スペースの居間に叩き込み、心音を招いた。
「紹介する。
コイツは佐伯京一。近くの中学校で体育教師をしている。俺の大学時代の先輩で友人だ」
心音はなるほど、と頷いて京一に頭を下げた。
「ハルさん…えっと、晴樹さんの姪の桂木心音です。
近くに住んでいて、最近そのことを知って会いに来ました」
京一はパッと納得の笑顔を浮かべた。
「あー!ポーチの子?かっわいいね!フリー?」
俺はノンタイムで京一の腹にグーを突き込んだ。
「うげっ!
ちょ、晴樹…何すんの…結構、効いたぜ…」
「黙れ欲の塊。人の姪を口説くな吊るすぞ」
「ひえぇ…晴樹ちゃんいつからそんなに凶暴に…」
心音は俺たちのやりとりが面白かったのか、ケラケラと笑っている。楽しそうならまあいいか。
京一さんと言い合うハルさんは少し幼くて、すごく楽しそうだった。
「あ、心音ちゃんさ。晴樹のこと、ハルって呼んでんだよね?
俺はケイでいいよー。敬語もなし!俺も心音ちゃんって呼ぶからさ、おあいこってことで」
「あ、うん!わかった」
なんか今、ハルって強調した…?何かあるのかな。
帰りはケイさんが送ってくれることになった。
ハルさんはまたな、と笑って送り出してくれた。
「ねえ、心音ちゃん」
「?」
「晴樹のことさ、知りたいと思わないの?
君の知らない晴樹の過去、君の知らない晴樹の姿を」
ケイさんはその短髪を風に揺らしながら、まっすぐに私を見ていた。
私の、知らないハルさん。
そりゃあ…
「知りたい。でも、ハルさんが許可してくれてから、知りたいと思う」
ケイさんはおかしそうに笑った。
「そっか。
じゃあ、晴樹の許しがないけど、すぐに知りたいって時は俺に連絡して。俺の知ってることなら教える」
ちょっと意外。ケイさんは軽いけど、過去とかはちゃんと守る人な気がしていた。そう言うとケイさんは笑った。
「うん、俺も普段ならそうだよ。
でも、晴樹は君にハルって呼び名を許してるからさ。君なら、晴樹の横にいられると思って」
ハル、という呼び名はハルさんにとって特別なのかな。
「いつか、本人から聞きたい」
「ま、それが一番だよね」
そうこうしてる内に、私の家の前に着く。
「へえ、アパート?いいね」
ケイさんは鼻歌交じりに私に連絡先を教え、去っていった。
私は自室に入って、ベッドにごろりと転がった。
私の知らないハルさん…か。
店に戻ってきた京一を睨む。
「余計なこと言ってねぇよな?」
「言わないよ、信用しろって」
京一は苦笑し、俺に何かを投げてきた。キャッチすると、缶コーヒーだった。
「お前、ブラックだろ?
俺、ブラック飲めないんだよね、苦くて」
「ガキかよ…まあ、いいけどさ。ありがとな」
二人で並んで、缶コーヒーを啜る。
「ねえ、晴樹。まだお前は、ろく…」
「その名は出すな」
俺は京一を遮り、コーヒーを啜った。
その名は、出すな。まだ、整理できてないから。
まだ、前に進めてないから。
萩野 浩介
入店日:5/5
ちょこちょこと二条堂に顔を出していた私だが、ハルさんに呼ばれたのは初めて。メールには簡潔な文が記されていた。
『少し聞きたいことがあるんだが、暇があったら来てもらえないか』
文末に困り顔の犬のスタンプがあるのはちょっと意外。
可愛いスタンプ買ったんだなぁ。
そんなことを考えて少し笑いながら私は二条堂のカウンターに向かった。
カウンターに手をつき、もう片方の手で額を押さえて立つハルさんが見える。
「あ、心音…すまん、助けてくれ」
心底困っているらしいハルさんの腰にくっついているソレを見て、私は思わず吹き出した。
「お、おい笑うな」
ハルさんの腰にしがみついていたのは小さな男の子だった。
「ごめんね、ちょっと面白くて。隠し子?」
「な訳ねぇだろ」
真顔で突っ込まれた。隠し子はねぇか。ちょっとハルさんの真似をしつつ、納得。
「コイツ、ちょっと気になること言っててさ。
俺はあまり小さい子得意じゃないから、心音なら話をちゃんと聞いてやれるかと思って」
なるほど。やってみるね。
そう言うと、ハルさんは助かる、と笑って男の子を椅子に座らせた。
私は早速かがみ込み、その男の子に話しかけた。
俺はその少年ににこやかに話しかける心音を見て、ホッと息を吐いた。俺には上手く聞き出せなかったことも、心音なら優しく、ちゃんと聞けるだろう。
少し、申し訳ない。心音にも、少年にも。
「ハルさん、色々聞けたよ」
少し悲しげな心音の声に我に返り、心音の横にかがむ。
「んー、どうした?」
心音は優しい。だからこそ、悲しそうなのか。
「この子は萩野浩介くん、4歳。
この近くの幼稚園に通ってるらしいんだけど、そこでいじめられたみたい」
驚いた。
「幼稚園児間でいじめってあるのか?
なんか、みんな仲良しって印象だけど」
そもそも幼稚園児でいじめかよ。教育上良くなさすぎだろ。
「幼稚園児だから、じゃないかな。
ほら、遊びで虫を殺しちゃったり、喧嘩の時に力加減を間違えちゃったり、幼稚園児は加減とかわからない子が多いから、悪口もどこまでが言っていいことかよくわからないのかも。まあ、学生も…加減知らない人多いけど」
苦い顔の心音も、恐らく経験者なのだろう。
自分を諦めつつも、存在を認めて欲しい。その姿勢はいじめを受けて、存在を否定された人に多い。
「なるほどな。でもなんでここに?俺は相談所じゃないぞ?助けてやれるかどうか…第一、俺には助ける力は無…」
「少なくとも」
「少なくとも」
私は、遮られて驚くハルさんをぐっと力を入れて睨む。
ハルさんのお陰で少し楽になった、私を忘れてる気がして、ムッとした。
「私は、助けられたよ。私の叔父さんに、ハルさんに」
私は浩介くんに向き合い、笑いかけた。
「ねえ、どうして欲しい?
このお兄さんにどうして欲しくて、ここに来たの?」
浩介くんは唇を噛んで泣きそうな顔をしていたけど、そっと震える声で、気持ちを教えてくれた。
「…僕は、いなくならなきゃ、いけないですか…?」
私を押し除けるように、ハルさんが浩介くんの肩を掴んだ。
ハルさんの顔は見たことがないほど苦しそうだった。
「何、言ってやがる。浩介、お前は何言ってんだ。
お前には、お母さんいるだろ。知ってるぞ。お前、よくここに、お母さんと来てるだろ?
仲良さそうに、楽しそうに手を繋いで、お前はお母さんと来てるだろ…!
お母さんも楽しそうにお前と話してるだろ!
なのに……」
…ハルさんと私の母は、異母姉弟。つまり、ハルさんのお母さんと、私のお婆ちゃんは別の人だ。
ハルさんのお母さんは、ハルさんが中学生の時に亡くなったと昔、聞いたことがあった。
施設に入ったハルさんはずっと一人ぼっちだったと。
唯一のお知り合いも、高校生の時に亡くなってしまったと。
「お前の、お母さんが、お前にいなくなれと願うわけ、ないだろうが!」
ハルさんは泣きそうな顔の浩介くんに向き合い、言葉を叩きつける。子供だから、幼いから。そんなことで容赦はしない。ハルさんは、大事な命のために、声を荒げている。
「浩介!お前はお母さんを置いていくのか!」
浩介くんはハッとしたような顔でハルさんをまじまじと見た。そして声をあげて泣き始めた。
「お兄ちゃん…お姉ちゃん…!
僕、お母さんに大好きって言ってもらったの…でも僕、いらないって言われたの…!幼稚園のお友達にいらないって…」
ハルさんはくしゃくしゃと浩介くんの頭を撫でた。
「…怒鳴って悪かったな、浩介。
あのな、幼稚園のお友達がいらないって言うならな、自慢してやりゃいいんだよ」
「何を…?」
ハルさんはカウンターの奥、住居スペースに上がり、帽子を取って戻ってきた。
青色のツバ付きの帽子。『West Park』と書いてある。
ハルさんはそれを、浩介くんに被せた。
「お兄ちゃん…?これなぁに?」
「俺からのプレゼント。浩介は俺の友達ですよって証。
自慢してこいよ。僕には、大人のお兄さんの友達がいるんだぜって。大人とちゃんと話せるくらい頭いいんだぜって」
私も、浩介くんのお友達だよ。
声をかけると、浩介くんはパアッと笑ってくれた。
「うん!僕、お兄ちゃんとお姉ちゃんの友達!」
「ただし、約束。
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浩介くんは唇を結んで、力強く頷いた。
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ハルさんはまたな、と笑って送り出してくれた。
「ねえ、心音ちゃん」
「?」
「晴樹のことさ、知りたいと思わないの?
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そりゃあ…
「知りたい。でも、ハルさんが許可してくれてから、知りたいと思う」
ケイさんはおかしそうに笑った。
「そっか。
じゃあ、晴樹の許しがないけど、すぐに知りたいって時は俺に連絡して。俺の知ってることなら教える」
ちょっと意外。ケイさんは軽いけど、過去とかはちゃんと守る人な気がしていた。そう言うとケイさんは笑った。
「うん、俺も普段ならそうだよ。
でも、晴樹は君にハルって呼び名を許してるからさ。君なら、晴樹の横にいられると思って」
ハル、という呼び名はハルさんにとって特別なのかな。
「いつか、本人から聞きたい」
「ま、それが一番だよね」
そうこうしてる内に、私の家の前に着く。
「へえ、アパート?いいね」
ケイさんは鼻歌交じりに私に連絡先を教え、去っていった。
私は自室に入って、ベッドにごろりと転がった。
私の知らないハルさん…か。
店に戻ってきた京一を睨む。
「余計なこと言ってねぇよな?」
「言わないよ、信用しろって」
京一は苦笑し、俺に何かを投げてきた。キャッチすると、缶コーヒーだった。
「お前、ブラックだろ?
俺、ブラック飲めないんだよね、苦くて」
「ガキかよ…まあ、いいけどさ。ありがとな」
二人で並んで、缶コーヒーを啜る。
「ねえ、晴樹。まだお前は、ろく…」
「その名は出すな」
俺は京一を遮り、コーヒーを啜った。
その名は、出すな。まだ、整理できてないから。
まだ、前に進めてないから。
萩野 浩介
入店日:5/5
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