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番外編<SIDE勇>
27:可愛すぎる…うさぎが【SIDE:真翔】<2>】
しおりを挟む駅まで来たら、悠子ちゃんは
電車に乗り慣れてないみたいだったから
俺は切符を買って悠子ちゃんに渡してあげた。
物凄く感謝をされて、
照れてしまう。
電車はそんなに混んでなかったけど、
周囲に男たちが多かったので
俺は悠子ちゃんの体を抱き寄せ、
密着させた。
独占欲だ。
何が悪い。
今日の悠子ちゃんは
とても、可愛い。
いつも悠子ちゃんは可愛いけど、
今日の悠子ちゃんの服は…
俺とお揃いなんだ。
俺と同じブランドの服で、
俺が今着ているシャツと、悠子ちゃんが
着ているシャツはお揃いになっている。
ちゃんと見ないとペアだとはわからないけど
これって、悠子ちゃんが俺の服を見て
この服を選んだってことだよな。
俺とのデートだって、
悠子ちゃんも意識してくれたんだろうか。
そう思うと、嬉しい。
悠子ちゃんは俺に少しだけ
もたれてきてくれて、
本当に恋人同士みたいだ。
動物園でも、悠子ちゃんは最高だった。
特に、うさぎを抱っこしている悠子ちゃんは
物凄く可愛くて、こっそり写真を
何枚も撮ってしまった。
そしたら何故か、僕の手を取って
膝に乗ったうさぎを触らせてくれたのだ。
俺の手の上で、うさぎを撫でる悠子ちゃん。
俺の指をさすり、撫でて、
気持ちいいでしょ? なんて笑いかけて来て。
どんな拷問?って思った。
うさぎなんてどうでもいいから、
悠子ちゃんの手で、すでに俺の
勃ったものを触って欲しい…!
なんて言えないから、
必死で笑顔を作って、俺は悠子ちゃんの
笑顔を堪能した。
悠子ちゃんと出かけるのは楽しいけど、
もう部屋に閉じ込めておきたいレベルだ。
動物園で楽しんだ後、
カフェでお昼ごはんを食べることに
したんだけど、
悠子ちゃんは案内されたのは
4人掛けのテーブルなのに
俺の隣に座った。
ちょっとだけ驚いた。
外なのに、物凄く距離が近い。
朝からずっと一緒にいて、
俺のことを意識してくれたんだろうか。
俺のこと、好きになってくれたんだろうか。
聞いてもいいだろうか。
それとも、もう一度、好きだって言ってみようか。
ちゃんと告白……は、もうしたけど。
俺は…したつもりだったけど。
もう一度、好きだって、
ちゃんと告白してみようかな。
今の悠子ちゃんだったら、
受け入れてくれそうな気がする。
そしたら…今日、もう一日だけ
悠子ちゃんのところに泊らせてもらって、
昨日の夜の続きを…。
俺はグラタンを食べたけど
味なんか全然わからなくて。
そこから悠子ちゃんと一緒に
駅付近のお店を見てまわったけど、
悠子ちゃんの顔以外、何も見てなかった。
そろそろ帰る話になって
電車に乗ったら、
今度は悠子ちゃんは
俺にしがみついてきた。
腰にしがみつき、
顔を俺の胸に押し付けてくる。
しかも俺の胸に顔をすりすりして、
マーキングか?
俺はそんなことをしなくても
悠子ちゃんのものだけど、
マーキングしてくれてるのか?
って動揺して、嬉しくなった。
ずっとこのままでいたいと
思ったけれど、地元の駅までは
たった3駅だ。
あっという間に着いてしまう。
残念だ。
改札を出るときに悠子ちゃんが
するり、と俺から手を放して
改札を出るのを見て、
急に寂しい気分になって
俺は改札を出てすぐに悠子ちゃんを捕まえる。
そしたら悠子ちゃんは
今度は俺の腕に細い手を巻き付けて来た。
胸が…柔らかい悠子ちゃんの胸が、
俺の腕に当たってる。
悠子ちゃんが
こんなに積極的になるなんて…。
ヤバイ。
俺はきっと、嬉しくて
顔が真っ赤になっているに違いない。
血液が顔と……下半身に
集中してきてるのがわかる。
俺が悠子ちゃんから視線を外すと、
悠子ちゃんは俺の腕を引っ張って、
可愛い顔で俺を見上げた。
もう、ダメだ。
このままだと襲ってしまう。
「悠子ちゃん、
もうそろそろ勘弁して。
我慢できなくなる」
って、言ったのに。
悠子ちゃんは首をかしげて、笑った。
俺のことを全く意識してないような、
無邪気な笑顔だ。
……全く意識してないような?
ん?
朝からの恋人認識は…
やっぱり俺の妄想だったのか?
俺がいつものごとくへこむ前に
悠子ちゃんは笑顔のまま
さらに、俺に爆弾を落としてきた。
「真翔さんが、
今日も泊っていってくれたらいいのに。
そしたら、お疲れの真翔さんに
ご飯を作って、マッサージをしてあげてますよ」
って。
可愛すぎる。
可愛すぎるけど…。
これ。
恋人発言……なのか?
それとも、家族だからか?
俺が……兄、だからなのか?
でも、兄だったとしても
悠子ちゃんのマッサージ…嬉しすぎる。
ご褒美すぎる。
もう一日、悠子ちゃんのところに
泊らせてもらおうかな。
そしたら昨日の夜の続きを…。
悠子ちゃんの細くて可愛い指で
俺のこの勃ったものを…。
いや、そうじゃなくて。
でも、悠子ちゃんのマッサージ。
気持ちイイだろうな。
どうやってマッサージしてくれるんだろう?
俺の背中に、べったりと
うつぶせて乗ってくれたらいいなー。
仰向けだったら、恥ずかしいしな。
でも悠子ちゃんの体温を
体中で感じてみたい。
あ、でも俺が悠子ちゃんを
マッサージしてもいいかもしれない。
俺が揉んであげたら、
悠子ちゃんの……あの場所が
濡れてきたりとか……。
「真翔さん?」
悠子ちゃんの声に
俺は我に返った。
やばい。
妄想が過ぎた。
というか、俺はすでに
勃ってしまった。
「えっと…ごめん。
勉強のスケジュールを確認してて」
俺は何もなかったかのように
返事をした。
「大丈夫そうだから…
今日も、悠子ちゃんの家に
泊らせてもらおうかな。
マッサージしてくれるの?」
「はい!」
って悠子ちゃんは満面の笑顔になった。
……可愛いすぎる。
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