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第98話
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外は暗くなり、温泉のお湯が流れる音だけが心地よく鳴り響いていた。
「最近仕事ばかりしていたから何かやるべきことが無いか考えてしまう」
「建築能力が上がり、文官の数は揃え終わり教育期間も終わり、文官にある程度の裁量も持たせていますわよね?」
「そうだな」
「アキは働き過ぎなのよ」
「そうだよお。最近あまり話をしてないでしょお?」
「そう言えばそうか」
「アキ君はこの時の為に働いていたんですよ!」
「え?どういうこと?」
「私、見えたんです。アキ君が温泉に向かって……みんなで温泉に行けば分かりますよ」
「何で最後まで言わない!」
「言葉では説明しにくいんです。これは体感のイメージですから」
「まずは行ってみますわよ」
俺はチョコとワッフルに押されて温泉に向かった。
脱衣所に入るとチョコが最初に服を脱いだ。
その後ミルクが服を脱いで、決意したようにプリンとワッフルも遅れて服を脱いだ。
俺が温泉に入ろうと服を脱ぐと、チョコが俺に抱きついた。
後ろからはミルクが抱き着く。
「……」
「……」
「……」
俺は、しばらく温泉に入らず脱衣室にいた。
ワッフルとプリンは俺を少し遠くから見つめる。
チョコとミルクは、しばらく俺と密着して……
◇
「はあ、はあ、もうもうもう、息が、はあ、はあ凄すぎるよお」
「アキ君、激し、すぎ、ます」
「つ、次はわたくしが行きますわ!」
「わ、私も!」
ワッフルとプリンが俺に近づく。
◇
ワッフルとプリンが更衣室の床に寝ころんだまま放心状態でうつろな目をしていた。
チョコとミルクがまた俺に近づいてくる。
そこから4人は何度も休憩しつつ起き上がって俺と1つになる。
◇
チュンチュンチュンチュン!
「朝、だと!」
俺は脱衣所で朝を迎えた。
温泉にまだ入っていない。
「温泉に、入ろうか」
「そう、ですわね」
俺達は温泉に入った。
◇
「もう、無理だよお」
ミルクが寝転んで空を見上げた。
「こん、なに、凄いなんて」
プリンが横向きに寝そべる。
「はあ、はあ、予言、通りです」
チョコは四つん這いのまま地面に倒れた。
「わたくしの弱い所だけ、全部、知られてしまいましたわ」
ワッフルが温泉に浮かんだまま顔だけを出す。
塀を見るとモグリンとアーチェリーが覗いていた。
俺の住む屋敷はアーチェリーの住む家の隣で、特に温泉はアーチェリーの温泉と隣なのだ。
「モグリンとアーチェリー?」
モグリンの上にアーチェリーが乗って俺達を見ていた。
「きゅう!」
「ず、ずっと凄い声がしていたから気になったのだわ」
「きゅうきゅう!」
「モグリンも遊びに行きたいそうよ」
「モグリンも一緒に入るか」
「きゅう!」
モグリンがジャンプして塀を飛び越えて温泉に入った。
「待って待って!服を着たいわ!」
「モグリン、さみしかったんだな」
「モグリン!いつも私が嫌がる事は絶対にしないのに!」
「きゅう?」
「なになに?喜んでくれることをしたですって?裸を見られるのは恥ずかしいのよ」
「きゅきゅう!」
「ちょ、待って」
「モグリンは何て言ったんだ?」
「な、何でもないのよ」
「きゅう!」
モグリンがアーチェリーに魔法をかけた。
「あふ、やめ、やめなさい」
アーチェリーの肌がピンク色に染まっていく。
相手を興奮させる魔法?
「きゅう!」
「はあ、はあ、駄目!それ以上は!」
モグリンがアーチェリーに魔法を重ね掛けする。
発情魔法のように見える。
アーチェリーが胸と下半身を隠しながら吐息を荒くしていく。
「きゅう!きゅう!きゅう!きゅう!きゅう!きゅう!きゅう!きゅう!きゅう!きゅう!きゅう!きゅう!きゅう!きゅう!きゅう!きゅう!きゅう!きゅう!きゅう!きゅう!きゅう!きゅう!きゅう!きゅう!きゅう!きゅう!」
モグリンはこれでもかと魔法を重ね掛けした。
「やめ!喜んでいないわ!」
「きゅう?きゅう!」
モグリンがアーチェリーを俺に擦り付けるように寄せてきた。
「きゅう!」
「なんとなく言いたいことが分かった。それにもう、我慢できそうにない」
「はあ、はあ、待って、私、初めてなのよ」
「きゅう!きゅう!きゅう!きゅう!きゅう!きゅう!」
モグリンがアーチェリーに何度も魔法を使った。
モグリンは『良いことしたよ!』そんなやりきったような顔をしていた。
俺はアーチェリーと1つになる。
「はあ、はあ、モグリンは、勘違いをおおおおおん!」
アーチェリーの声が響く。
◇
アーチェリーが俺の上に乗って俺と両手を重ねる。
アーチェリーは何度も意識が一瞬飛んだように頭ががくんと倒れかけて意識を取り戻す。
その日から、アーチェリーも一緒に温泉に入るようになった。
モグリンのあの魔法は、固有スキルなのか?
俺以外の全員に効果があって、温泉に入る時は全員に魔法を使うようになった。
俺には効かないのに俺にも毎回かけてくる。
モグリンは何がしたいんだ?
たまに謎だ。
◇
「きゅう!」
温泉でモグリンは俺に魔法をかけた。
『固有スキルを取得しました』
生命循環?
老化しなくなったのか?
俺は生命循環を覚えてすべてを悟った。
「モグリン、その魔法は皆を覚醒させる効果があったんだな」
「え?発情させるまほうじゃないのかしら?」
「きゅう、きゅきゅう!」
「なになに?発情は無いの?え?でも、体が熱くなったわ」
「モグリンの言っている事は本当だ。モグリンの魔法はただ、皆の覚醒を促すだけのもので発情効果はない」
「でも、体がむずむずしたわ」
「血流が良くなる効果はある。それだけだ」
「きゅきゅう」
「なになに?みんなの勘違いなの?モグリン、嘘は良くないわ」
「アーチェリー、本当だ」
「でもあんなに体が熱くなっておかしくなったわ。勘違いは駄目よ!」
「きゅきゅう!きゅ!きゅうきゅきゅう!」
「恥ずかしがって人のせいにするの、良くないって、でもでも」
「きゅきゅうきゅきゅう!」
「今のアキは発情の魔法を使えるはずだから使って貰えばわかるって?そうなの?」
「いや、そんな」
『固有スキルを取得しました』
「……使えるようになった」
「アキ君、全員に使ってみましょう」
「そうよ!モグリンの間違いよ!あんなにおかしくされて気のせいは無いわ!」
「そうですわ!モグリンが気づいていないだけで発情効果はあったのですわ!」
「そうだと思うのだわ。モグリンが気づいていないだけなのよ」
「きゅう」
「なになに?使って貰えばわかるって?アキ、使いましょう」
「……発情魔法じゃなくても駄目なのに、発情魔法を使われたら絶対におかしなことになるだろ?」
「「いいから使って!!」」
「分かった。エロスティア!!!」
5人に魔法をかけた。
5人が無言で近づいてくる。
全員の目が催眠にかかったように普通じゃない。
「ちょっと待ってくれ!怖い怖い!効果が高すぎた!何か話そうか!無言は怖いだろ!」
「……」
「……」
「……」
「……」
「……」
「今解除の魔法を」
5人が俺に密着して俺は飲み込まれるように埋もれていく。
俺は今、幸せだ
END
終わりに
最後までお読みいただきありがとうございます。
そこまで伸びる作品ではありませんでしたが、最終話は規約を守りつつ出来るだけの事をしました。
その為直接的な表現を控え、分かりにくい文章もあったかと思います。
次はもっと伸びる作品を書けるようになりたいですが次は何を書くか、候補や作風で色々悩みつつ作り上げていきたいと思います。
ではまた!
「最近仕事ばかりしていたから何かやるべきことが無いか考えてしまう」
「建築能力が上がり、文官の数は揃え終わり教育期間も終わり、文官にある程度の裁量も持たせていますわよね?」
「そうだな」
「アキは働き過ぎなのよ」
「そうだよお。最近あまり話をしてないでしょお?」
「そう言えばそうか」
「アキ君はこの時の為に働いていたんですよ!」
「え?どういうこと?」
「私、見えたんです。アキ君が温泉に向かって……みんなで温泉に行けば分かりますよ」
「何で最後まで言わない!」
「言葉では説明しにくいんです。これは体感のイメージですから」
「まずは行ってみますわよ」
俺はチョコとワッフルに押されて温泉に向かった。
脱衣所に入るとチョコが最初に服を脱いだ。
その後ミルクが服を脱いで、決意したようにプリンとワッフルも遅れて服を脱いだ。
俺が温泉に入ろうと服を脱ぐと、チョコが俺に抱きついた。
後ろからはミルクが抱き着く。
「……」
「……」
「……」
俺は、しばらく温泉に入らず脱衣室にいた。
ワッフルとプリンは俺を少し遠くから見つめる。
チョコとミルクは、しばらく俺と密着して……
◇
「はあ、はあ、もうもうもう、息が、はあ、はあ凄すぎるよお」
「アキ君、激し、すぎ、ます」
「つ、次はわたくしが行きますわ!」
「わ、私も!」
ワッフルとプリンが俺に近づく。
◇
ワッフルとプリンが更衣室の床に寝ころんだまま放心状態でうつろな目をしていた。
チョコとミルクがまた俺に近づいてくる。
そこから4人は何度も休憩しつつ起き上がって俺と1つになる。
◇
チュンチュンチュンチュン!
「朝、だと!」
俺は脱衣所で朝を迎えた。
温泉にまだ入っていない。
「温泉に、入ろうか」
「そう、ですわね」
俺達は温泉に入った。
◇
「もう、無理だよお」
ミルクが寝転んで空を見上げた。
「こん、なに、凄いなんて」
プリンが横向きに寝そべる。
「はあ、はあ、予言、通りです」
チョコは四つん這いのまま地面に倒れた。
「わたくしの弱い所だけ、全部、知られてしまいましたわ」
ワッフルが温泉に浮かんだまま顔だけを出す。
塀を見るとモグリンとアーチェリーが覗いていた。
俺の住む屋敷はアーチェリーの住む家の隣で、特に温泉はアーチェリーの温泉と隣なのだ。
「モグリンとアーチェリー?」
モグリンの上にアーチェリーが乗って俺達を見ていた。
「きゅう!」
「ず、ずっと凄い声がしていたから気になったのだわ」
「きゅうきゅう!」
「モグリンも遊びに行きたいそうよ」
「モグリンも一緒に入るか」
「きゅう!」
モグリンがジャンプして塀を飛び越えて温泉に入った。
「待って待って!服を着たいわ!」
「モグリン、さみしかったんだな」
「モグリン!いつも私が嫌がる事は絶対にしないのに!」
「きゅう?」
「なになに?喜んでくれることをしたですって?裸を見られるのは恥ずかしいのよ」
「きゅきゅう!」
「ちょ、待って」
「モグリンは何て言ったんだ?」
「な、何でもないのよ」
「きゅう!」
モグリンがアーチェリーに魔法をかけた。
「あふ、やめ、やめなさい」
アーチェリーの肌がピンク色に染まっていく。
相手を興奮させる魔法?
「きゅう!」
「はあ、はあ、駄目!それ以上は!」
モグリンがアーチェリーに魔法を重ね掛けする。
発情魔法のように見える。
アーチェリーが胸と下半身を隠しながら吐息を荒くしていく。
「きゅう!きゅう!きゅう!きゅう!きゅう!きゅう!きゅう!きゅう!きゅう!きゅう!きゅう!きゅう!きゅう!きゅう!きゅう!きゅう!きゅう!きゅう!きゅう!きゅう!きゅう!きゅう!きゅう!きゅう!きゅう!きゅう!」
モグリンはこれでもかと魔法を重ね掛けした。
「やめ!喜んでいないわ!」
「きゅう?きゅう!」
モグリンがアーチェリーを俺に擦り付けるように寄せてきた。
「きゅう!」
「なんとなく言いたいことが分かった。それにもう、我慢できそうにない」
「はあ、はあ、待って、私、初めてなのよ」
「きゅう!きゅう!きゅう!きゅう!きゅう!きゅう!」
モグリンがアーチェリーに何度も魔法を使った。
モグリンは『良いことしたよ!』そんなやりきったような顔をしていた。
俺はアーチェリーと1つになる。
「はあ、はあ、モグリンは、勘違いをおおおおおん!」
アーチェリーの声が響く。
◇
アーチェリーが俺の上に乗って俺と両手を重ねる。
アーチェリーは何度も意識が一瞬飛んだように頭ががくんと倒れかけて意識を取り戻す。
その日から、アーチェリーも一緒に温泉に入るようになった。
モグリンのあの魔法は、固有スキルなのか?
俺以外の全員に効果があって、温泉に入る時は全員に魔法を使うようになった。
俺には効かないのに俺にも毎回かけてくる。
モグリンは何がしたいんだ?
たまに謎だ。
◇
「きゅう!」
温泉でモグリンは俺に魔法をかけた。
『固有スキルを取得しました』
生命循環?
老化しなくなったのか?
俺は生命循環を覚えてすべてを悟った。
「モグリン、その魔法は皆を覚醒させる効果があったんだな」
「え?発情させるまほうじゃないのかしら?」
「きゅう、きゅきゅう!」
「なになに?発情は無いの?え?でも、体が熱くなったわ」
「モグリンの言っている事は本当だ。モグリンの魔法はただ、皆の覚醒を促すだけのもので発情効果はない」
「でも、体がむずむずしたわ」
「血流が良くなる効果はある。それだけだ」
「きゅきゅう」
「なになに?みんなの勘違いなの?モグリン、嘘は良くないわ」
「アーチェリー、本当だ」
「でもあんなに体が熱くなっておかしくなったわ。勘違いは駄目よ!」
「きゅきゅう!きゅ!きゅうきゅきゅう!」
「恥ずかしがって人のせいにするの、良くないって、でもでも」
「きゅきゅうきゅきゅう!」
「今のアキは発情の魔法を使えるはずだから使って貰えばわかるって?そうなの?」
「いや、そんな」
『固有スキルを取得しました』
「……使えるようになった」
「アキ君、全員に使ってみましょう」
「そうよ!モグリンの間違いよ!あんなにおかしくされて気のせいは無いわ!」
「そうですわ!モグリンが気づいていないだけで発情効果はあったのですわ!」
「そうだと思うのだわ。モグリンが気づいていないだけなのよ」
「きゅう」
「なになに?使って貰えばわかるって?アキ、使いましょう」
「……発情魔法じゃなくても駄目なのに、発情魔法を使われたら絶対におかしなことになるだろ?」
「「いいから使って!!」」
「分かった。エロスティア!!!」
5人に魔法をかけた。
5人が無言で近づいてくる。
全員の目が催眠にかかったように普通じゃない。
「ちょっと待ってくれ!怖い怖い!効果が高すぎた!何か話そうか!無言は怖いだろ!」
「……」
「……」
「……」
「……」
「……」
「今解除の魔法を」
5人が俺に密着して俺は飲み込まれるように埋もれていく。
俺は今、幸せだ
END
終わりに
最後までお読みいただきありがとうございます。
そこまで伸びる作品ではありませんでしたが、最終話は規約を守りつつ出来るだけの事をしました。
その為直接的な表現を控え、分かりにくい文章もあったかと思います。
次はもっと伸びる作品を書けるようになりたいですが次は何を書くか、候補や作風で色々悩みつつ作り上げていきたいと思います。
ではまた!
応援ありがとうございます!
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実はマッサージでした!
……本当にこづくりじゃねーか!
何にせよ完結おめでとうござる。
たぶんきっと、長く懸念していたサキュ技も覚えるに違いない。
(*非ダメージ系無力化技)
カクヨムと同じくアルファポリスでも完結お疲れ様でした
最初はえっ弱いの?!ってなりましたけど序盤の半分ぐらいからあっこれ無双するわって認識を改めさせられて最後まで読んで振り返るとこれメイドの手のひらの上で育てられていつの間にか外堀りまで埋めてなんやかんやで主人公側はハーレム不老不死ENDっぽい終わり方で良かったです
この話を見て思ったのは
腹黒メイドはベッドで泣く そんな印象が残りました笑
三種の神器は気になりますが隣国とか攻めてきても主人公側が負ける気がしなくてこれここから先の展開予想不可能で伏線は眠りましたって効果音付きでイメージできました
息詰まるたたかい!
新たなちから!
……あれ?
一応、敵のボスは倒れてもう安心のはず……。
新たな敵か、残党のフラグか……?