転生したら遊び人だったが遊ばず修行をしていたら何故か最強の遊び人になっていた

ぐうのすけ

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第29話 勝負の快感

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【賢者のセリア視点】

 ユウタが何度も腕を突き出すたびに雷撃のバリアを展開した。

 バチバチバチバチ!

「ぐああああああああああああああああ!」

 ユウタは戦いの中で強くなっている。
 能力値がどんどん上がっている。
 そのたびに、ユウヤに抱きしめられるイメージが頭に浮かんでくる。

「はあ、はあ、諦めが悪いですね」
「ああ、俺は、自分で思っていたより勝ちたい(おさわりしたい)らしい」
「もう服がボロボロですよ。着替えるまで待ちます」

「いや、いい、今の集中を切らしたくない。それに、俺は今まであまり攻撃を受けてこなかった。体に雷撃を浴びて、腕が痺れてくると感覚が研ぎ澄まされていく」
「魔力が低すぎるようですね。魔法防御が足りないようです」

「すべて足りない。体力も、速力も、器用も、幸運も、スキルもすべてまだまだ足りない!まだまだセリアには追い付けない!でも、追いつこうと俺の体が変わっている!」

 ユウタが走って来た。

 バチバチバチバチ!

「ぐああああああああああああああああ!」

 何という誠実さ。

 私に及ばない事を認め、それでも勝ちたいと本気でそう思い、今この瞬間も強くなっている。

 遊ばぬ遊び人ユウタ、興奮する。
 あ、鼻血が。
 鼻血を拭いた。

「魔力の使いすぎか?息が荒いようだ。それに顔も赤い」
「はあ、はあ、いえ、まだまだ行けます」

 ユウタはアリーチェのステータスを目標にしていた。
 でも、今は私を目標にして欲しい。
 アリーチェとユウタではない。
 私とユウタで話をしながらステータスを見せあいたい。

「その強さは、完全にアリーチェを超えていますね」
「次は、セリアを目標にしてもいいか?」

 ああ、胸が高鳴る。

「いいでしょう、定期的にステータスを見せあいましょう」
「頼む」

 頼むと言った時のあの表情がいい。

 バチバチバチバチ!

「ぐああああああああああああああああ!」

 頭がいいユウタが、追い詰められて必死になっているあの顔がいい。
 さっきは危なかった。
 雷撃の威力を抑えすぎると危険、触られそうになるあの瞬間がゾクゾクする。

 ユウタが後ろに下がった。

「はあ、はあ、もう、体力が残されていない。次の攻撃で最後だ」
「次の攻撃で諦めますか?」
「いや、最後にすべてを賭ける!クラウチングスタートだ。今この瞬間に限界を超える全力を叩きこむ!」
「くらうちんぐすたーと?」

「いい目になってきたのう!それじゃ!ユウタは後先を考えすぎなんじゃ!理性を取り払い今を生きよ!」
「理性を……取り払う」

「そうじゃ、ヤルことは決まっておる。後はそれに向かって全力で突き進むのみじゃ!」
「ヤル事、全力で突き進む」

「ユウタ、今なら分かるはずじゃ、大気に溢れる自然の魔力を感じるんじゃ!感覚を研ぎ澄ませ!おさわりの向こう側、それが分かるはずじゃ」
「……」

 ユウタの何かが変わった。

 ユウタの魔力が自然と合わさり1つになる事で吸収力を高めている?
 それよりも、自然と共存するようなユウヤが自然の一部になったと言った方がしっくりくる。

 ユウタの目を見ると明らかに今までと違う。
 あの目はどこかで……
 この目は……勇敢なレオナルドと同じ目!
 きょろきょろせず、視点は定まっているのに目の端もすべて使ってすべてを見ているようなあの目!
 エースに上り詰めた戦士と同じ目!

 油断してはいけない!
 
 ユウタの何かが覚醒したのだ!

 このぶつかり合いが勝負を決めるだろう。

「私も全力でバリアを張ります!」
「……」

 ユウタが動いた!
 私はスローモーションになったように意識を集中させた。

 速い!

 私は全力で雷撃のバリアを張った。

 ユウタの手と雷撃バリアがぶつかり合う。

 ユウタの手がバリアを歪めている!

 でも、ユウタの手が減速していく。

 ユウタ、ギリギリで私の勝ちです!
 雷撃で押し返して終わりです。

 その時異変が起きた。

 ユウタの手が法則に逆らうように私の胸に近づいてくる。

 追い詰められて今この瞬間に高みに昇っている!

 でも、それも止まる。
 バリアの出力を一気に上げたからだ。
 後2センチの所でユウタが止まった。
 ここからは押し返されて終わりだ。

 だがそこでユウタが人差し指を伸ばした。
 人差し指で突く程度では負けにはならない!
 ユウタの人差し指が私の胸に触れた。
 そのとき、不意打ちのような衝撃を感じた。 

「ふぁ!」

 ユウタの人差し指から甘くて痺れるような魔力が流れ込んでくる。
 ユウタの事を受け入れている私の心が抵抗を弱くした!


 一瞬だけ魔力の制御が弱くなった、その瞬間に指から更に甘くて痺れる魔力が更に大量に注がれた。

「あああああ!」

 反対側の手でスカートをめくられた。
 負けた!?

 更にユウタの手が私のお尻を掴み、胸を掴み、魔力を注ぎ込まれた。
 甘くて痺れる魔力がどんどん強くなっていく。
 抵抗を強める前にユウタの魔力が流れ込んでくる!
 ユウタは最後の力を振り絞って私に抱き着いた。

 私は膝をついた。
 ユウタは私にもたれかかるように倒れ、両腕がだらんと垂れ力が抜ける。
 鼓動が高鳴りながらもユウヤを膝枕した。

「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」」

 観客から歓声が溢れた。

「は、はははは、勝った」
「ええ、ユウタの勝ちです。ステータスを2人だけで見せあいますか?」
「ああ、見せあいたい」

 ユウタ・男・15才
 ジョブ:遊び人
 体力:  53→71
 魔力:  36→49
 速力:  85→109
 器用:  81→109
 幸運:232
 スキル:ステッキレベル9、曲芸レベル8、おさわりレベル5→7、ギャンブルレベル3
 固有スキル:???


 セリア・女・16才
 ジョブ:賢者
 体力: 107
 魔力: 318
 速力: 101
 器用: 102
 幸運: 128 
 スキル:全属性魔法レベル10
 固有スキル:マジックヒール



「遠いな、セリアが遠い」

 ユウタが私の胸に手を伸ばす。
 私はその手を握った。

「ユウタの勝ちですよ」

 2人で見つめ合う。

「きええええええい!今じゃああああああ!今セリアは弱っておるうううううううううう!!!」

 バチバチバチバチ!

「ぎゃああああああああああああああああああ!」

 おさわりじじいが倒れる。

「少なくともおさわりじじいよりユウタは強いです」
「し、痺れるのう」

 おさわりじじいがマイクを出現させむくりと起き上がった。

「じゃが、忘れておらんか?セリアにはスペシャルなワシ監修の装備を身に着けて貰う!」

「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」」

 男性から歓声が上がる。

「く、約束は、守ります」

 おさわりじじいが起き上がった。

「それじゃ!その顔じゃ!その悔しそうに頬を染めるその顔が見たかったんじゃ!ひゃっひゃっひゃっひゃ!今すぐに着替えるんじゃ!なんならここで着替えてもいいんじゃぞ!」
「ふざけないでください!着替えてきます!」

 私はおさわりじじいの装備を身に着けてまた戻って来た。

 短い丈、両サイドには腰の近くまで深くスリットが入っている。
 胸の谷間が見えて背中はガバっと開いている。
 自動的に体のラインに合わせて張り付くように装備がまとわりつく。

「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」」

 男性から歓声が上がる。

 ユウタと目が合った。

「似合っているし、とてもきれいだ」
「あう!」

 ……この装備、思ったより、悪くないのかもしれません。




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