53 / 115
勇者ブレイブ戦
しおりを挟む
ガーディーがリングの外に運ばれると、勇者ブレイブがリングに上がった。
ブレイブに向けて罵詈雑言が飛び、ブレイブは観客を睨みつけた。
「さあ、注目の一戦ですが、先ほど到着しました魔王ガルゴン様に話を伺います」
「うむ、聖騎士ガーディーをウインが圧倒的な力量差で倒し勝利したようだが、見る限り勇者ブレイブより聖騎士ガーディーの方が基礎能力が高いように見える。次も同じ結果になるだろう」
「貴様!魔王!この国にまで入り込んでいたか!ウインを倒した後はお前を打倒してやる」
「そのような発言は勝ってから言うのだな。所でブレイブ、デイブック民主国でも嫌われているようだな。冒険者ランクがCに落ちたようではないか」
「う、うるさい!俺は皆に足を引っ張られただけだ。本来の実力はそんなものじゃない!今から見せてやる!」
「だから早く力を見せてみろ。早く戦え。それともいつもの口だけか?」
ブレイブはぎゃあぎゃあと怒鳴るが、途中から魔王は無視するようになった。
ブレイブ、魔王にも嫌われているのか。
魔王はいつもならもっと紳士的な態度を取る。
だがブレイブに対する不快感が半端ない。
「なあ、早く始めないか?」
「無能が口を挟むな!」
「クロノ、早く始めたい」
「は、はい。私の名前、憶えてくれたんですね。嬉しいです。それでは、ウイン選手対ブレイブ選手の試合、開始です!」
「ふ、ウイン、口だけでここまでのし上がった様だが、この瞬間からはそうはいかん」
「それさっきも聞いたからもういいぞ」
「貴様!俺の話を遮るな!」
俺はショートソードでブレイブを斬りつけた。
「ぎゃああ、ぐ、ぐう、ひ、ヒール!」
ガーディーよりこいつの方が罪は重い。
10万のゴブリンを押し付けてこの国は多大な被害を出した。
ただでさえ人が足りない中、10万のゴブリンとの戦いで戦える者が減り、人手不足がしばらく続いた。
「卑怯だぞ!正々堂々と戦え!」
俺はショートソードで太ももを突き刺す。
「ぐう!!ヒール!貴様!ひきょ」
俺はブレイブが口を開くたびにショートソードで斬りつけ、突き刺した。
こいつと話をしても駄目だ。
こいつと話をしても無駄だ。
分かっている。
俺が攻撃するたびにこの場が歓声に包まれた。
だから俺は一方的にブレイブを挑発する。
会話ではなく一方的に怒鳴る。
ブレイブと同じやり方だ。
「どうする?この剣で何度も斬られて何度も突かれて、避ける事も出来ない。無能なら無能と認めて土下座したらどうだ?」
俺はワザと『無能』の言葉を使った。
ブレイブは剣で飛びかかって来るが、そのたびにショートソードで斬りつけた。
「ブレイブ!自分の無能を認めろ!こんなショートソードの攻撃も避けられない無能なんだ。お前は無能だ。まずそれを認めろ!なあ、無能のブレイブ。お前は無能だ。俺ごときの攻撃を避けることも出来ない無能のブレイブ」
「き、きさまあああああああ。無能が俺の事を見下すなああああ!!無能のお前が俺を無能扱いするなあああああ!!!」
ブレイブが俺に剣を向かって剣を振り回す。
俺は剣を躱す。
剣をいなす。
剣を受け止める。
そしてショートソードで剣を突き立て、斬りつけていく。
「ブレイブ、あきらめろ」
「ふ、ふふふふははははははははははは!そうか!手加減はいらないようだなああああ!」
お前、どう見ても本気だっただろ?
ブレイブのステータスはガーディーより低い。
ガーディーの方が強いだろう。
「無能なお前の為に切り札を使ってやる!俺の【ブレイブタイム】を使う!ブレイブタイムは勇者である俺だけが使える勇者の証だ!この技は1分間俺の戦闘力を2倍に上げる。お前はもう終わる。無能のお前はもう終わりだあああああ!!」
「……なあ、早く使ったら?」
こいつ、お前程度の能力が2倍になった所で、何も変わらないって分からないのか?
そのリーチの長いロングソードでこのショートソードに打ち負けているだろ?
現状把握が出来ないのか?
「ふ、慌てるな。早く楽になりたいのは分かる。だが、回復魔法を使ってからだ。その後楽にしてやる」
意味が分からない。
俺が回復魔法とブレイブタイムのスキルを使うのを待って攻撃しないで待ってあげているんだが?
俺が追い詰められてるみたいな言い方何なんだ?
こいつの言っている意味が分からない。
ブレイブを斬りつけたくなる衝動に駆られた。
だが我慢だ。
切り札を使わせてそれを余裕で完封する。
そうしないとあいつはずっと勘違いをし続けるだろう。
ブレイブのプライドをへし折る。
「ハイヒール!」
「……」
「はあ、はあ、怖いか?怖いだろう。はあ、はあ、お、俺の全力を、ぜえ、はあ、見せよう」
「疲れて動けないのか。言い訳してスタミナを回復したいのか」
「ち、違う。こ、これだから、ぜえ、はあ、無能は困る」
「……怖くないから俺から攻撃しよう」
俺はブレイブを3回斬りつけた。
「ぐあ、貴様!やめろ!焦るな、ぬおおお!ブレイブタイム!」
ブレイブの体が輝き、動きが早くなる。
ブレイブが俺を攻撃するが、当たる気がしない。
ブレイブの剣の音がぶんぶんと聞こえるがすべて回避する。
何度も剣で斬りつけるが、ブレイブは諦めない。
ブレイブを殴る予定だったが、すっかり忘れていた。
俺はショートソードを鞘に戻した。
「は、ははははは!負けを認めたか!そうだろう!俺には勝てないよなあ!」
「はあ!?」
いかんいかん。
ブレイブと会話をしても駄目だ。
素で受け答えをしてしまった。
ブレイブが斜め上のクズ過ぎてあっけに取られてしまった。
俺はブレイブの顔を殴る。
ブレイブは反応出来ず直撃を受ける。
「ぐ、ふん、今日はみのが」
俺はブレイブを殴る。
何か言おうとするたびに殴る。
ブレイブの切り札、【ブレイブタイム】の効果が切れ動きが悪くなる。
その後数発殴ると、ブレイブは気を失って倒れた。
「ウイン選手の勝利です!」
コロシアムは大歓声に包まれた。
ブレイブ、ここまでやっても変わる気配が無いか。
ブレイブに向けて罵詈雑言が飛び、ブレイブは観客を睨みつけた。
「さあ、注目の一戦ですが、先ほど到着しました魔王ガルゴン様に話を伺います」
「うむ、聖騎士ガーディーをウインが圧倒的な力量差で倒し勝利したようだが、見る限り勇者ブレイブより聖騎士ガーディーの方が基礎能力が高いように見える。次も同じ結果になるだろう」
「貴様!魔王!この国にまで入り込んでいたか!ウインを倒した後はお前を打倒してやる」
「そのような発言は勝ってから言うのだな。所でブレイブ、デイブック民主国でも嫌われているようだな。冒険者ランクがCに落ちたようではないか」
「う、うるさい!俺は皆に足を引っ張られただけだ。本来の実力はそんなものじゃない!今から見せてやる!」
「だから早く力を見せてみろ。早く戦え。それともいつもの口だけか?」
ブレイブはぎゃあぎゃあと怒鳴るが、途中から魔王は無視するようになった。
ブレイブ、魔王にも嫌われているのか。
魔王はいつもならもっと紳士的な態度を取る。
だがブレイブに対する不快感が半端ない。
「なあ、早く始めないか?」
「無能が口を挟むな!」
「クロノ、早く始めたい」
「は、はい。私の名前、憶えてくれたんですね。嬉しいです。それでは、ウイン選手対ブレイブ選手の試合、開始です!」
「ふ、ウイン、口だけでここまでのし上がった様だが、この瞬間からはそうはいかん」
「それさっきも聞いたからもういいぞ」
「貴様!俺の話を遮るな!」
俺はショートソードでブレイブを斬りつけた。
「ぎゃああ、ぐ、ぐう、ひ、ヒール!」
ガーディーよりこいつの方が罪は重い。
10万のゴブリンを押し付けてこの国は多大な被害を出した。
ただでさえ人が足りない中、10万のゴブリンとの戦いで戦える者が減り、人手不足がしばらく続いた。
「卑怯だぞ!正々堂々と戦え!」
俺はショートソードで太ももを突き刺す。
「ぐう!!ヒール!貴様!ひきょ」
俺はブレイブが口を開くたびにショートソードで斬りつけ、突き刺した。
こいつと話をしても駄目だ。
こいつと話をしても無駄だ。
分かっている。
俺が攻撃するたびにこの場が歓声に包まれた。
だから俺は一方的にブレイブを挑発する。
会話ではなく一方的に怒鳴る。
ブレイブと同じやり方だ。
「どうする?この剣で何度も斬られて何度も突かれて、避ける事も出来ない。無能なら無能と認めて土下座したらどうだ?」
俺はワザと『無能』の言葉を使った。
ブレイブは剣で飛びかかって来るが、そのたびにショートソードで斬りつけた。
「ブレイブ!自分の無能を認めろ!こんなショートソードの攻撃も避けられない無能なんだ。お前は無能だ。まずそれを認めろ!なあ、無能のブレイブ。お前は無能だ。俺ごときの攻撃を避けることも出来ない無能のブレイブ」
「き、きさまあああああああ。無能が俺の事を見下すなああああ!!無能のお前が俺を無能扱いするなあああああ!!!」
ブレイブが俺に剣を向かって剣を振り回す。
俺は剣を躱す。
剣をいなす。
剣を受け止める。
そしてショートソードで剣を突き立て、斬りつけていく。
「ブレイブ、あきらめろ」
「ふ、ふふふふははははははははははは!そうか!手加減はいらないようだなああああ!」
お前、どう見ても本気だっただろ?
ブレイブのステータスはガーディーより低い。
ガーディーの方が強いだろう。
「無能なお前の為に切り札を使ってやる!俺の【ブレイブタイム】を使う!ブレイブタイムは勇者である俺だけが使える勇者の証だ!この技は1分間俺の戦闘力を2倍に上げる。お前はもう終わる。無能のお前はもう終わりだあああああ!!」
「……なあ、早く使ったら?」
こいつ、お前程度の能力が2倍になった所で、何も変わらないって分からないのか?
そのリーチの長いロングソードでこのショートソードに打ち負けているだろ?
現状把握が出来ないのか?
「ふ、慌てるな。早く楽になりたいのは分かる。だが、回復魔法を使ってからだ。その後楽にしてやる」
意味が分からない。
俺が回復魔法とブレイブタイムのスキルを使うのを待って攻撃しないで待ってあげているんだが?
俺が追い詰められてるみたいな言い方何なんだ?
こいつの言っている意味が分からない。
ブレイブを斬りつけたくなる衝動に駆られた。
だが我慢だ。
切り札を使わせてそれを余裕で完封する。
そうしないとあいつはずっと勘違いをし続けるだろう。
ブレイブのプライドをへし折る。
「ハイヒール!」
「……」
「はあ、はあ、怖いか?怖いだろう。はあ、はあ、お、俺の全力を、ぜえ、はあ、見せよう」
「疲れて動けないのか。言い訳してスタミナを回復したいのか」
「ち、違う。こ、これだから、ぜえ、はあ、無能は困る」
「……怖くないから俺から攻撃しよう」
俺はブレイブを3回斬りつけた。
「ぐあ、貴様!やめろ!焦るな、ぬおおお!ブレイブタイム!」
ブレイブの体が輝き、動きが早くなる。
ブレイブが俺を攻撃するが、当たる気がしない。
ブレイブの剣の音がぶんぶんと聞こえるがすべて回避する。
何度も剣で斬りつけるが、ブレイブは諦めない。
ブレイブを殴る予定だったが、すっかり忘れていた。
俺はショートソードを鞘に戻した。
「は、ははははは!負けを認めたか!そうだろう!俺には勝てないよなあ!」
「はあ!?」
いかんいかん。
ブレイブと会話をしても駄目だ。
素で受け答えをしてしまった。
ブレイブが斜め上のクズ過ぎてあっけに取られてしまった。
俺はブレイブの顔を殴る。
ブレイブは反応出来ず直撃を受ける。
「ぐ、ふん、今日はみのが」
俺はブレイブを殴る。
何か言おうとするたびに殴る。
ブレイブの切り札、【ブレイブタイム】の効果が切れ動きが悪くなる。
その後数発殴ると、ブレイブは気を失って倒れた。
「ウイン選手の勝利です!」
コロシアムは大歓声に包まれた。
ブレイブ、ここまでやっても変わる気配が無いか。
1
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
里帰りをしていたら離婚届が送られてきたので今から様子を見に行ってきます
結城芙由奈@コミカライズ3巻7/30発売
恋愛
<離婚届?納得いかないので今から内密に帰ります>
政略結婚で2年もの間「白い結婚」を続ける最中、妹の出産祝いで里帰りしていると突然届いた離婚届。あまりに理不尽で到底受け入れられないので内緒で帰ってみた結果・・・?
※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます
まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。
貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。
そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。
☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。
☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる