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ヨウザン
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「きゅうとベリーが1つのもの?ベリーがきゅうをテイムしてたって事か?いや、でもそれじゃあベリーとキュウビがそっくりな理由が説明できない。キュウビの変身スキルだったとかか?」
「う~ん、私も記憶が曖昧なの。眠ると記憶がよみがえる気がしてるんだけど、うまく言えないわ。きゅうは元々私のスキルだった気がするわ。でも私変な事言ってるわね」
「いや、その方がしっくりくる」
きゅうの契約をベリーに移す時、ベリーに契約を吸われる感覚がした。
きゅうは元々ベリーのスキルだと考えれば納得がいく。
「それと、北島に居るオロチも私のスキルだった気がするの」
「港に着いたぞ!!」
船が止まり船員が叫ぶ。
「船がついたか。他にあるか?ヨウザンに話を聞けば何か分かるかもしれないが」
「そうね。はっきりとはまだ分からないわ。ヨウザンに会ってみましょう」
ベリーは眠そうな顔をしていた。
きゅうはすでに寝ている。
「ベリー。今はゆっくり眠ってくれ。俺が背負って運ぶ」
「ありがとう。お願いね」
俺は眠るベリーを背負って船を出る。
ヨウザンの城にはすぐにたどり着いた。
城は港街の高台にあり、船を出て近い距離にあったからだ。
城の門に着くとヨウザンが自ら出迎えた。
中年の男性で深々と頭を下げる。
「遠い所からはるばる、長旅お疲れ様でございます」
「あ、いえ、こちらこそどうも」
ヨウザンは笑いながら返す。
「敬語は不要にございます。ウイン殿はキュウビを倒した英雄にございます」
そう言ってきゅうを見る。
ヨウザンは事情を分かっているようだった。
「そ、そっか。よろしく」
「さあ、中に案内いたします」
ヨウザンに案内された部屋にベリーときゅうを眠らせ、俺はヨウザンと城の縁側で話を始めた。
「話はタケル様より承っております」
「それで、オロチとキュウビはなんなんだ?キュウビの雰囲気は名前持ちと明らかに違っていた」
「遠い昔の伝承になりますが、それでもようございますか?」
「話を聞きたい」
「遥か昔の神話でございます」
ん?神が関係あるのか?
いや、黙って聞こう。
昔の伝承の神って昔の権力者だったりするし。
「神話の時代、神同士の戦いがあったのでございます。その戦いで1柱の神は3つに身を砕かれました。1つはオロチ。1つはキュウビ。そして1つはいずこかへ消えたのでございます。オロチとキュウビは神の戦いの呪いによって荒ぶる神へと姿を変え、1000年の間鎮まる事を知らず、今に至るのでございます。以上が神の時代より続く伝承でございます」
「3つに割れた神の最後の1つがベリーと考えればつじつまが合う。いや?1000年も前からオロチとキュウビは居た。ならベリーが少女だった点が合わない」
「ベリー殿がもし神なら、転生や自らの封印、更には年を変えることも出来ましょう」
「神なら何でもありって事か」
「神かどうかは別として、普通の人間より上位の存在であったなら、人の身に出来ぬことも出来ましょう」
「ベリーはキュウビが自分のスキルだったかもしれないと言っていた。何か分かることはないか?」
「うーむ。申し訳ございません。これ以上詳しい事は何も分からないのでございます。ただ本で読んだ内容をまとめて話しただけでございます」
「そ、そうか。いや、助かったよ」
「出来る事……ヤマトの神話の本を部屋まで持って行きましょう」
「助かる」
ヨウザンか。
信頼できる人間だ。
俺はふらふらと城を周る。
歩きながら頭を整理した。
ベリーは神だった?
もしくは凄い魔道具が昔にあったのか?
それとも、ベリーは元々特殊なスキルを持っていたのか?
……分からない。
俺は結局何も分からないまま部屋に向かった。
いや、考えはまとまった。
俺はベリーの事が分からないって事と、考えても結局分からないって事が分かった。
分からない事を考えても意味はない。
部屋に戻るとヨウザンが部屋の前で正座して待っていた。
ヨウザンの前には神話の本が置かれている。
ずっと待っていたのか。
「待たせてしまった」
「いえ、あれから何かできることは無いかと考えたのでございます。やはり、オロチをテイムしてみるのが1番かと。もっともその事で1番助かるのは我々ですが」
ヨウザンはにっこりとほほ笑む。
ずっと俺が求める答えを考えていたのか。
「この本を読んだらオロチの元に行ってみよう」
俺は3日間本を読んで過ごした。
本を読み終えるまで意外と時間がかかった。
呪いを治す為たっぷり眠ったのも原因の一つだ。
1番の原因は文章が硬くて読みにくい点だ。
ヨウザンは要点のみをまとめて短く説明してくれていたのが分かった。
その事だけでもヨウザンの気遣いを感じた。
理解しながら読んでいくと時間がかかった。
「結局ヨウザンから貰った以上の情報は出てこないか」
突然ベリーが目覚めた。
「来る!」
グオオオオオオオオオオオ!!
8つの頭を持った大蛇。
オロチが城の近くに現れた。
「う~ん、私も記憶が曖昧なの。眠ると記憶がよみがえる気がしてるんだけど、うまく言えないわ。きゅうは元々私のスキルだった気がするわ。でも私変な事言ってるわね」
「いや、その方がしっくりくる」
きゅうの契約をベリーに移す時、ベリーに契約を吸われる感覚がした。
きゅうは元々ベリーのスキルだと考えれば納得がいく。
「それと、北島に居るオロチも私のスキルだった気がするの」
「港に着いたぞ!!」
船が止まり船員が叫ぶ。
「船がついたか。他にあるか?ヨウザンに話を聞けば何か分かるかもしれないが」
「そうね。はっきりとはまだ分からないわ。ヨウザンに会ってみましょう」
ベリーは眠そうな顔をしていた。
きゅうはすでに寝ている。
「ベリー。今はゆっくり眠ってくれ。俺が背負って運ぶ」
「ありがとう。お願いね」
俺は眠るベリーを背負って船を出る。
ヨウザンの城にはすぐにたどり着いた。
城は港街の高台にあり、船を出て近い距離にあったからだ。
城の門に着くとヨウザンが自ら出迎えた。
中年の男性で深々と頭を下げる。
「遠い所からはるばる、長旅お疲れ様でございます」
「あ、いえ、こちらこそどうも」
ヨウザンは笑いながら返す。
「敬語は不要にございます。ウイン殿はキュウビを倒した英雄にございます」
そう言ってきゅうを見る。
ヨウザンは事情を分かっているようだった。
「そ、そっか。よろしく」
「さあ、中に案内いたします」
ヨウザンに案内された部屋にベリーときゅうを眠らせ、俺はヨウザンと城の縁側で話を始めた。
「話はタケル様より承っております」
「それで、オロチとキュウビはなんなんだ?キュウビの雰囲気は名前持ちと明らかに違っていた」
「遠い昔の伝承になりますが、それでもようございますか?」
「話を聞きたい」
「遥か昔の神話でございます」
ん?神が関係あるのか?
いや、黙って聞こう。
昔の伝承の神って昔の権力者だったりするし。
「神話の時代、神同士の戦いがあったのでございます。その戦いで1柱の神は3つに身を砕かれました。1つはオロチ。1つはキュウビ。そして1つはいずこかへ消えたのでございます。オロチとキュウビは神の戦いの呪いによって荒ぶる神へと姿を変え、1000年の間鎮まる事を知らず、今に至るのでございます。以上が神の時代より続く伝承でございます」
「3つに割れた神の最後の1つがベリーと考えればつじつまが合う。いや?1000年も前からオロチとキュウビは居た。ならベリーが少女だった点が合わない」
「ベリー殿がもし神なら、転生や自らの封印、更には年を変えることも出来ましょう」
「神なら何でもありって事か」
「神かどうかは別として、普通の人間より上位の存在であったなら、人の身に出来ぬことも出来ましょう」
「ベリーはキュウビが自分のスキルだったかもしれないと言っていた。何か分かることはないか?」
「うーむ。申し訳ございません。これ以上詳しい事は何も分からないのでございます。ただ本で読んだ内容をまとめて話しただけでございます」
「そ、そうか。いや、助かったよ」
「出来る事……ヤマトの神話の本を部屋まで持って行きましょう」
「助かる」
ヨウザンか。
信頼できる人間だ。
俺はふらふらと城を周る。
歩きながら頭を整理した。
ベリーは神だった?
もしくは凄い魔道具が昔にあったのか?
それとも、ベリーは元々特殊なスキルを持っていたのか?
……分からない。
俺は結局何も分からないまま部屋に向かった。
いや、考えはまとまった。
俺はベリーの事が分からないって事と、考えても結局分からないって事が分かった。
分からない事を考えても意味はない。
部屋に戻るとヨウザンが部屋の前で正座して待っていた。
ヨウザンの前には神話の本が置かれている。
ずっと待っていたのか。
「待たせてしまった」
「いえ、あれから何かできることは無いかと考えたのでございます。やはり、オロチをテイムしてみるのが1番かと。もっともその事で1番助かるのは我々ですが」
ヨウザンはにっこりとほほ笑む。
ずっと俺が求める答えを考えていたのか。
「この本を読んだらオロチの元に行ってみよう」
俺は3日間本を読んで過ごした。
本を読み終えるまで意外と時間がかかった。
呪いを治す為たっぷり眠ったのも原因の一つだ。
1番の原因は文章が硬くて読みにくい点だ。
ヨウザンは要点のみをまとめて短く説明してくれていたのが分かった。
その事だけでもヨウザンの気遣いを感じた。
理解しながら読んでいくと時間がかかった。
「結局ヨウザンから貰った以上の情報は出てこないか」
突然ベリーが目覚めた。
「来る!」
グオオオオオオオオオオオ!!
8つの頭を持った大蛇。
オロチが城の近くに現れた。
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