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第10話「奮闘のラーニャ3」
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「はぁ……死ぬ」
木刀での素振り……というか、サンドバッグ打ちを二時間ほどして、そんな風に独りごちるラーニャ。
アパートは道に対して斜めに立っており、必然的に三角形的なスペースが生まれるのだが、そこに立派な案山子が立っていた。
それをひたすらボコボコにする。とはいっても傷すらつかないが。
どう見ても木製だが、どんな作りがあるんだ?
「なに手を休めている」
アパートの窓から、顔を出したジャークのお叱りを受けるラーニャ。
「いや、ずいぶん頑丈な案山子だなあと思いまして」
「ああ、儂の固有魔法、『防護』じゃ。まあ、防護くらいの魔法、騎士なら使える奴は仰山おる。覚えておけ。お前も剣ばかり振ってないで魔法でも覚えたらどうじゃ」
「魔術学院とは縁がなくて。滑り止めとして普通学校に通ってるんです。昔は魔法使いに憧れたりもしましたがね……」
「大抵の騎士は魔術学園出じゃぞ? よほど剣の才がなければ魔術なしで騎士になるのは難しいぞー。まあ休憩がてらに聞くが、何年後なんじゃ? 騎士団入試試験を受けるのは」
「年じゃないですよ。月です。あと八ヶ月くらいで私騎士になりますから」
「ぶっ」
ジャークに吹かれたラーニャ。
「酷い。本気ですよ」
「ははは。面白い奴じゃの、お前。あと二時間やれ」
「うえええん」
ラーニャは泣いた。
木刀での素振り……というか、サンドバッグ打ちを二時間ほどして、そんな風に独りごちるラーニャ。
アパートは道に対して斜めに立っており、必然的に三角形的なスペースが生まれるのだが、そこに立派な案山子が立っていた。
それをひたすらボコボコにする。とはいっても傷すらつかないが。
どう見ても木製だが、どんな作りがあるんだ?
「なに手を休めている」
アパートの窓から、顔を出したジャークのお叱りを受けるラーニャ。
「いや、ずいぶん頑丈な案山子だなあと思いまして」
「ああ、儂の固有魔法、『防護』じゃ。まあ、防護くらいの魔法、騎士なら使える奴は仰山おる。覚えておけ。お前も剣ばかり振ってないで魔法でも覚えたらどうじゃ」
「魔術学院とは縁がなくて。滑り止めとして普通学校に通ってるんです。昔は魔法使いに憧れたりもしましたがね……」
「大抵の騎士は魔術学園出じゃぞ? よほど剣の才がなければ魔術なしで騎士になるのは難しいぞー。まあ休憩がてらに聞くが、何年後なんじゃ? 騎士団入試試験を受けるのは」
「年じゃないですよ。月です。あと八ヶ月くらいで私騎士になりますから」
「ぶっ」
ジャークに吹かれたラーニャ。
「酷い。本気ですよ」
「ははは。面白い奴じゃの、お前。あと二時間やれ」
「うえええん」
ラーニャは泣いた。
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