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海鷂魚

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ゾンビ、襲来ッッッ!

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今回のあらすじ。
 科学者が、
「やっべ、不死になれるウイルス見っけ! 自分に使うぜ!」
 とな具合でウイルスを吸収。人体はそのウイルスでアレルギー性ショック(アナフィラキシーなんとか)を起こして死亡。しかしのちになって不死の能力が発動して目覚める。
 ゾンビとなって。
 そこで博士の助手、
「なんか土気色の博士がウロウロしてる。どうしたんすか博士……ぎゃー!」
 とな具合でゾンビはゾンビらしく人を食い感染し、鼠算的勢いでゾンビは拡大の一途を辿る。
 しかしそこで権力を発現したのは軍事力トップのアメリカでもなければ、ゾンビをネットで炎上させて精神的ダメージを負わせようとする日本でもなかった。
 まず始祖ゾンビの博士が軍に所属する人間だったため、アメリカ軍は内部からゾンビに犯され壊滅。ネットを見ないゾンビは日本人の必死な誹謗中傷に負けることなく大陸を渡り海を泳ぎ、日本に到達。そこで自衛隊が活躍すると思いきや、非暴力団体『オーシャンズ』が大規模なデモを開催。主催者発表で三十万人が国会議事堂前に現れ、
「ゾンビはもともと人間! 人権守れ! 阿部ヤメロ!」
 などと大騒ぎ。そこにやって来たゾンビによって、デモに参加していた約千人が死亡。ゾンビ化することに。
 しかしそれでも負けじと日本の大手掲示板『ニートちゃんねる』、略して『にちゃん』は、陰湿なゾンビ煽りをし続ける。なにせ彼らはニートである。家から出ないのでゾンビに襲われず、ただただスレッドを立てればゾンビ煽り。しかし煽り耐性カンスト勢のゾンビたちは次々と増え続ける。このまま日本はどうなってしまうのか。といったところで、『にちゃん』にあるスレッドが立てられた。
「ワイ、通販サイトアマゾネス社員。ゾンビに立ち向かう」
 最初は釣りだの嘘ゾンなどと煽られたスレッド主だったが、アサルトライフルの写真をID付きでアップ。『にちゃん』どころではなく、人気SNS、『リネ』や『ツブヤイッター』などで反響を及ぼし、アマゾネス公式サイトで、発表がされた。
「我が社は表では通販サイト、裏では武器事業を拡大させており、現在、全社員に武装させている」
 これに世界は大盛り上がり。家に閉じこもりながら商品をポチり、配達する社員(この時点で配達業界は壊滅しているのでアマゾネス社員直々に配達がなされている)が、行き道ついでにゾンビをキルしながら配達をし続け、
「【悲報】ワイ、アマゾネス社員。レシオ2に届かず」
 と、ゾンビまでもがネットに浸る時代がやって来た。
 ゾンビが流行し早十年。
 近代国家『アマゾネス』という国が作られ、今もゾンビを掃討している。
 もちろん、商品は一週間以内に届けている。
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