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仲間のカタチ
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まだ起きそうにないし、これはこれで愉しんでもいいよね
「ほら――――俺のだよ?」
うっすら開いている唇の隙間から陰茎を挿入し、腰を動かせば口内の包まれる温かさに声が漏れる。
ちゅ、ぐちゅという音が溢れ出す。違和感にさすがの彼も目覚めたのか驚いた様子だった。
「んっ、う…!?んんッ…」
俺だと分かると、素直に舌を絡めてきた。羨ましいくらいに従順で、イラつくな
深く挿入すると彼は目を見開き呻いたがやめてやらない、そのまま腰を振ると苦しそうだった。
でも、それでも。大きく拒まない。ああ、無性にムカついてくる。
ぐり、と喉奥まで突くようにして彼の口を犯した。歪んだ表情で、笑けてくる。
「んっ!?うう…!っぶ、う、っ…… ぐ、ぷ…!」
「ごめん、もうちょっと……だから…!」
そう言って誤魔化しつつ、がぽがぽっと音を響かせる。そんな嘘に気付かないで彼は俺を受け入れている。
そういうところが、ムカつく。ふるっと身体が震えてから遠慮なく欲を注ぎ込んだ。
「っ!?…ッぷ、う、んッ!……ふ…」
口端から見える白濁を、彼は舌で舐め取り飲み込んだ。どれだけ私の事が好きなんだろう
ゾクゾクとした気持ちを抱きながらも後退し、彼の隣へ同じように寝転がる。
(身体は疲れているのに、この感じは何だろうね…ずっと気持ちが高ぶってる)
目をつむって肩で呼吸している魔術師に近付き耳元で囁いた。
「また―――しようね」
彼はやや照れたように小さく頷いた。その様子に軽く微笑んでから私もそのまま眠りについた。
今度は何に巻き込まれてしまったのだろう、うっすらと覚醒した意識の中で思考する。
ジャラリと首元にある嫌な音を聞いた。鎖が伸びていて、この姿でも首輪をされてしまったのだと理解した。
この空間もまるで独房だ。幸い寒くも暑くもないが、景色も殺風景で寂しさすら感じる場所だった。
(…俺、生きて帰れるのかな)
ついには独りになってしまった。何者かに拐われたのかも分からぬままだ
ゆっくりと立ち上がって周囲を確認しながら匂いを探ってみたが、何も辿れそうな匂いも特になく焦燥感を抱いた。
(このままなんて、絶対嫌だ……!)
ワンワンと鳴き喚いた。その声に気付いたのか足音が近付き扉が開く
「お久しぶり。あ、その姿では初めまして…になるのかな」
声の主はドゥマール砂丘で対峙した眼帯の、俺を鎖で拘束し首輪を付けてきたエルフだった。
ということはレイルを足止めしたのは片目のエルフ、の声だった気がしてきた。
後ずさりしつつ威嚇しながら唸るも、余裕を持ってほくそ笑まれる。
(俺が入れ代わった事も知ってる…!)
どこまで知っているんだろう、やはりあの首輪が関係ありそうだ
「あの時は魔術師に邪魔されたけど、今度は遮る奴が居ないから2人きりだよ」
にっこりと微笑まれた直後に荒々しく扉が開き、即座にそちらを見ると片目のエルフが呆れたようにして入って来た。
「なーにが2人きりだ、おまけも忘れんな」
(おまけ…?えっ…!レイル…!?)
ジャラジャラと鎖の重い音が響き、レイルが引き摺られて来た。身体中のあちこちに傷や痣が見えて、血が滲んでいたり擦れていたりと酷い有様だった。
「グルルゥ~ッ!!」
「これじゃどっちがご主人サマなのか犬なのか分からねーな?」
ニヤニヤと笑う片目のエルフにレイルは足を強く蹴り、殺意を持って睨んだ。
「ダンナを…侮辱す、るな…!ダンナはっ、ぐっ、あッ」
「立場を弁えろよ、同族でも容赦しねーからな」
エルフの特徴でもある耳をグリグリと踏み付けたかと思えば、腹部を蹴り込みレイルは血を吐いた。
(何で…どうしてこんな事に……!)
「おい、殺すなよ。まだ使う予定があるんだから」
「あー…そうだったかー?忘れてた」
レイルの頬に向けて容赦ない殴打をした。彼は呻いてそのまま地面に横たわってしまった。
「大人しくご主人サマが従ってくれれば、これ以上はやめといてやるよ」
もう意識がないレイルの頭を踏み付けるようにして片目のエルフはそう言った。
(こんなの、酷い……)
それでも従わざるを得なかった。レイルが無事でいてくれれば、と願いながら身を縮こませた。
独房のような所から移動した先は研究所、といっていいのだろうか
老若男女問わず全裸、かつ目隠しをされた人々が水中で浮遊していた。
(ゲームでもこんな場所無かったはず、新しく出来た場所なのか…それとも)
前を歩く眼帯のエルフについていきながら、この状況をどう打破すべきか考える。
下手に動いてレイルをこれ以上酷い目に合わせたくはない、かといってこのまま素直に従うつもりもない
(今の俺は人間じゃない、ただの狼ではないから何か能力はある、はず。それを引き出せたらいいんだけど)
そうは思うものの、この世界では基本である武術や魔術の扱い方がこれっぽっちも分からない
どう出すかも、そもそも俺が出せるものなのか。どうしてこんなにも俺は役に立てないのだろう
「ほら――――俺のだよ?」
うっすら開いている唇の隙間から陰茎を挿入し、腰を動かせば口内の包まれる温かさに声が漏れる。
ちゅ、ぐちゅという音が溢れ出す。違和感にさすがの彼も目覚めたのか驚いた様子だった。
「んっ、う…!?んんッ…」
俺だと分かると、素直に舌を絡めてきた。羨ましいくらいに従順で、イラつくな
深く挿入すると彼は目を見開き呻いたがやめてやらない、そのまま腰を振ると苦しそうだった。
でも、それでも。大きく拒まない。ああ、無性にムカついてくる。
ぐり、と喉奥まで突くようにして彼の口を犯した。歪んだ表情で、笑けてくる。
「んっ!?うう…!っぶ、う、っ…… ぐ、ぷ…!」
「ごめん、もうちょっと……だから…!」
そう言って誤魔化しつつ、がぽがぽっと音を響かせる。そんな嘘に気付かないで彼は俺を受け入れている。
そういうところが、ムカつく。ふるっと身体が震えてから遠慮なく欲を注ぎ込んだ。
「っ!?…ッぷ、う、んッ!……ふ…」
口端から見える白濁を、彼は舌で舐め取り飲み込んだ。どれだけ私の事が好きなんだろう
ゾクゾクとした気持ちを抱きながらも後退し、彼の隣へ同じように寝転がる。
(身体は疲れているのに、この感じは何だろうね…ずっと気持ちが高ぶってる)
目をつむって肩で呼吸している魔術師に近付き耳元で囁いた。
「また―――しようね」
彼はやや照れたように小さく頷いた。その様子に軽く微笑んでから私もそのまま眠りについた。
今度は何に巻き込まれてしまったのだろう、うっすらと覚醒した意識の中で思考する。
ジャラリと首元にある嫌な音を聞いた。鎖が伸びていて、この姿でも首輪をされてしまったのだと理解した。
この空間もまるで独房だ。幸い寒くも暑くもないが、景色も殺風景で寂しさすら感じる場所だった。
(…俺、生きて帰れるのかな)
ついには独りになってしまった。何者かに拐われたのかも分からぬままだ
ゆっくりと立ち上がって周囲を確認しながら匂いを探ってみたが、何も辿れそうな匂いも特になく焦燥感を抱いた。
(このままなんて、絶対嫌だ……!)
ワンワンと鳴き喚いた。その声に気付いたのか足音が近付き扉が開く
「お久しぶり。あ、その姿では初めまして…になるのかな」
声の主はドゥマール砂丘で対峙した眼帯の、俺を鎖で拘束し首輪を付けてきたエルフだった。
ということはレイルを足止めしたのは片目のエルフ、の声だった気がしてきた。
後ずさりしつつ威嚇しながら唸るも、余裕を持ってほくそ笑まれる。
(俺が入れ代わった事も知ってる…!)
どこまで知っているんだろう、やはりあの首輪が関係ありそうだ
「あの時は魔術師に邪魔されたけど、今度は遮る奴が居ないから2人きりだよ」
にっこりと微笑まれた直後に荒々しく扉が開き、即座にそちらを見ると片目のエルフが呆れたようにして入って来た。
「なーにが2人きりだ、おまけも忘れんな」
(おまけ…?えっ…!レイル…!?)
ジャラジャラと鎖の重い音が響き、レイルが引き摺られて来た。身体中のあちこちに傷や痣が見えて、血が滲んでいたり擦れていたりと酷い有様だった。
「グルルゥ~ッ!!」
「これじゃどっちがご主人サマなのか犬なのか分からねーな?」
ニヤニヤと笑う片目のエルフにレイルは足を強く蹴り、殺意を持って睨んだ。
「ダンナを…侮辱す、るな…!ダンナはっ、ぐっ、あッ」
「立場を弁えろよ、同族でも容赦しねーからな」
エルフの特徴でもある耳をグリグリと踏み付けたかと思えば、腹部を蹴り込みレイルは血を吐いた。
(何で…どうしてこんな事に……!)
「おい、殺すなよ。まだ使う予定があるんだから」
「あー…そうだったかー?忘れてた」
レイルの頬に向けて容赦ない殴打をした。彼は呻いてそのまま地面に横たわってしまった。
「大人しくご主人サマが従ってくれれば、これ以上はやめといてやるよ」
もう意識がないレイルの頭を踏み付けるようにして片目のエルフはそう言った。
(こんなの、酷い……)
それでも従わざるを得なかった。レイルが無事でいてくれれば、と願いながら身を縮こませた。
独房のような所から移動した先は研究所、といっていいのだろうか
老若男女問わず全裸、かつ目隠しをされた人々が水中で浮遊していた。
(ゲームでもこんな場所無かったはず、新しく出来た場所なのか…それとも)
前を歩く眼帯のエルフについていきながら、この状況をどう打破すべきか考える。
下手に動いてレイルをこれ以上酷い目に合わせたくはない、かといってこのまま素直に従うつもりもない
(今の俺は人間じゃない、ただの狼ではないから何か能力はある、はず。それを引き出せたらいいんだけど)
そうは思うものの、この世界では基本である武術や魔術の扱い方がこれっぽっちも分からない
どう出すかも、そもそも俺が出せるものなのか。どうしてこんなにも俺は役に立てないのだろう
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