弱小テイマー、真の職業を得る。~え?魔物って進化するんですか?~

Nowel

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第46話

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「大丈夫ですか!?救援に来ました!」

「あ、あぁ、助かった、お前は?」

「アインゼルから救援に来ました、アレンです」

「俺はムート、向こうのはベイスだ、危ないところだった、助かる」

「いえ、それで現状は?」

「あぁ、毎日のようにスタンピードが起きててな、昼夜問わずだから交代制で狩っているんだが、落ち着く様子がない。森の深いところで何かが起きているようなんだが、辿り着けやしなくてな」

「そうなんですか、じゃあ僕たちがその森の異変を調べてきます」

「本当か!?いやしかし、危ないぞ?とりあえず王都の方に対策本部があるからそこに行ってみてくれ」

「分かりました、行こうみんな」

僕たちはムートさんに言われた通りにヨルムンド王都まで行きました。



王都の街壁の外側にはいくつかのテントが張っており、そこにスタンピード対策本部と書かれたテントがあったので、そこへ向かいました。

「こんにちわ、アインゼルから救援に来ました、アレンです」

「ん?おぉ!君がアレンくんか、アインゼル国王から君のことは聞いている。心強い救援だ」

「君がアレンか、初めまして、ファルガスだ」

…え?!生ファルガス様だ!

「は、初めまして、アレンです、ファルガス様のことは同じテイマーとしてよく噂に聞いていました」

「はっは!そうか、君もテイマーか、して、君の従魔たちはどこに?」

『ここにいるよー』

「…?いや、すまん、私は従魔を見せてほしいのだが」

『だから、俺たちだって言ってるだろ』

「……ん?」

「あ、すみませんファルガス様、この子たちが僕の従魔です。白い子がナインテールフォックスのルナ、黒い子がブラックフェンリルのクロ、赤い子がフェニックスのピノ、青い子がアズールドラゴンのレオ、黄色い子がアルミラージのリルです」

『よろしくお願いします』『よろしくな』『よろしくー』『よろしくお願い致します』『よろよろー』

「……いや、ちょっと待ってくれ、従魔?人じゃないのか?そもそもその従魔たち、種族名からしてSランク魔物じゃないか?ど、どうなっているんだ?」

周りの騎士さんや兵士さんたちもザワザワとしている。

「あ、そうですよね、驚かせてしまってすみません、僕、普通のテイマーじゃないんです。エボルヴテイマーと言いまして、従魔たちを進化させることが出来るんです。ファルガス様は何か聞いたことありませんか?」

「魔物が…進化…?いや、すまん、聞いたことがないな。そもそも魔物が進化することすら知らなかった」

「そうなんですね…と、とりあえず今はスタンピードについて教えてもらえますか?」

「あ、あぁそうだな、ヘクス将軍、お願いします」

「は、はい、初めましてアレン、対策本部を任されているヘクスだ、よろしく」

「よろしくお願いします」

「それでは現状ですが…」

聞いたところによると、スタンピードが起きたのは4ヶ月ほど前、最初はGランク程度の魔物しかいないスタンピードだったけど、時が経つにつれ強い魔物がどんどんと出てくるようになり、今ではたまにSランク魔物が出るそうだ。

ファルガス様はそういった普通では対処出来ない魔物に対して出陣しているそうだ。

皆、森の奥で異変が起きているのは分かっているが、その調査のためにファルガス様が出向くと、防御が薄くなってしまうので手を出せなかった。

そこでアインゼル国王がSランク魔物を5匹従えている僕をここに送り込んだ、ということらしい。

「それで、僕はどうしたらいいですか?ここの防御ですか?それとも調査ですか?」

「アレンには調査をお願いしたい、何が起きているか分からない以上危険な調査になると思うが…頼めるか?」

「もちろんです、僕はそのために来ましたから」

「そうか、それではよろしく頼む」

こうして僕たちは森の奥への調査を任されました。
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