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準備期間です。
13.仲良しです
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――コンコンッ。
「はーい?」
「リア、入るよー」
「フリード兄様!」
私は本日、自室で読書をしていた。
そこに長男・ヴィルフリードがやって来た。
「お帰りなさい!」
「ただいま、リア。いい子にしてたかい?」
「うん!」
兄はソファーに座っていた私の隣に腰掛けると、「いい子いい子」と私の頭を撫でる。
こうやって撫でられるのって、結構気持ちよかったりするので私は好きだ。
もっとやって~、とばかりに私は兄にすり寄った。
「リアは甘えん坊さんだね」
「うん! 兄様もっと~」
「いいよー」
現在、十二歳になるフリード兄は既に初等部に通っているため、構ってもらえる時間がぐーんと減ってしまっている。
「フレッドとバードももうすぐ来るよ」
「本当!?」
十一歳になる次男・ヴィルフレッドと十歳になる三男・ヴィルバードも、それぞれ家庭教師がついているため、長兄同様、最近は何かと忙しくしている。
今日は剣の鍛錬だったかな?
私は私で、ヒューリーと一緒に薬草を育てたり、薬を作ったり、ミリアが最近ハマっているお菓子作りを一緒にしているので、暇を持て余しているわけではないが、やっぱり兄達に構ってもらえないのは寂しかったりする。
だけど今日は兄達が、三人揃って構ってくれるようだ。
――コンコンッ。
「「リア、入るよー」」
噂をすれば!
フレッド兄とバード兄が私の部屋にやって来た。
「あ、フリード兄さん!」
「フリード兄、狡いぞっ! 先にリアを独り占めしてるなんてー!」
フレッド兄とバード兄は私のもとに小走りで来ると、フレッド兄はフリード兄のいない反対隣へ。
バード兄は私の正面へ。
そして私にぎゅっと抱きついてきた。
「うにゅ……」
イケメンな父に似た兄三人はもちろん美形です。
最近は幼さが抜けて、少し凛々しくなってきている。
そんな三人からのナデナデとぎゅうのコラボ!
これはなんのご褒美でしょうかー!
「はぅ……」
さらにほっぺや額にちゅぅ、と。
どれだけ私を悶えさせる気ですかっーーーー!!?
「そうだ! リア、クッキーを貰ってきたよ。はい、あーん」
「あーん」
フリード兄が布包みを取りだし、そこからクッキーを一つ摘んで私の口の前に。
もちろん、反射で口を開けたさ!
「俺も俺も! リア、あーん」
「あーん」
今度はバード兄が。
さらに続いて、フレッド兄が「あーん」してこようとしていたけど……。
もぐもぐっ。
口の中が一杯だからちょっと待って!
私はフレッド兄が摘んでいたクッキーを強奪して、逆にフレッド兄の口元へ。
「フレッド兄様、あーん」
「あーん」
「リア、私にもして」
「フレッド兄だけズルイ!」
「いいよ。はい、あーん」
「「あーん」」
嬉しそうにするフレッド兄にクッキーを食べさせると、フリード兄とバード兄が自分も、と催促してきた。
なので、私はフリード兄とバード兄にもクッキーを食べさせた。
「ふふっ、リアが食べさせてくれたから凄く美味しい」
「そうだね」
「うんうん」
兄達よ、このクッキーがもともと美味しいのだからね。
私に食べ物を美味しくする旨味成分はないぞ!
このあと、兄三人による甘々タイムがたっぷりと続いた。
「はーい?」
「リア、入るよー」
「フリード兄様!」
私は本日、自室で読書をしていた。
そこに長男・ヴィルフリードがやって来た。
「お帰りなさい!」
「ただいま、リア。いい子にしてたかい?」
「うん!」
兄はソファーに座っていた私の隣に腰掛けると、「いい子いい子」と私の頭を撫でる。
こうやって撫でられるのって、結構気持ちよかったりするので私は好きだ。
もっとやって~、とばかりに私は兄にすり寄った。
「リアは甘えん坊さんだね」
「うん! 兄様もっと~」
「いいよー」
現在、十二歳になるフリード兄は既に初等部に通っているため、構ってもらえる時間がぐーんと減ってしまっている。
「フレッドとバードももうすぐ来るよ」
「本当!?」
十一歳になる次男・ヴィルフレッドと十歳になる三男・ヴィルバードも、それぞれ家庭教師がついているため、長兄同様、最近は何かと忙しくしている。
今日は剣の鍛錬だったかな?
私は私で、ヒューリーと一緒に薬草を育てたり、薬を作ったり、ミリアが最近ハマっているお菓子作りを一緒にしているので、暇を持て余しているわけではないが、やっぱり兄達に構ってもらえないのは寂しかったりする。
だけど今日は兄達が、三人揃って構ってくれるようだ。
――コンコンッ。
「「リア、入るよー」」
噂をすれば!
フレッド兄とバード兄が私の部屋にやって来た。
「あ、フリード兄さん!」
「フリード兄、狡いぞっ! 先にリアを独り占めしてるなんてー!」
フレッド兄とバード兄は私のもとに小走りで来ると、フレッド兄はフリード兄のいない反対隣へ。
バード兄は私の正面へ。
そして私にぎゅっと抱きついてきた。
「うにゅ……」
イケメンな父に似た兄三人はもちろん美形です。
最近は幼さが抜けて、少し凛々しくなってきている。
そんな三人からのナデナデとぎゅうのコラボ!
これはなんのご褒美でしょうかー!
「はぅ……」
さらにほっぺや額にちゅぅ、と。
どれだけ私を悶えさせる気ですかっーーーー!!?
「そうだ! リア、クッキーを貰ってきたよ。はい、あーん」
「あーん」
フリード兄が布包みを取りだし、そこからクッキーを一つ摘んで私の口の前に。
もちろん、反射で口を開けたさ!
「俺も俺も! リア、あーん」
「あーん」
今度はバード兄が。
さらに続いて、フレッド兄が「あーん」してこようとしていたけど……。
もぐもぐっ。
口の中が一杯だからちょっと待って!
私はフレッド兄が摘んでいたクッキーを強奪して、逆にフレッド兄の口元へ。
「フレッド兄様、あーん」
「あーん」
「リア、私にもして」
「フレッド兄だけズルイ!」
「いいよ。はい、あーん」
「「あーん」」
嬉しそうにするフレッド兄にクッキーを食べさせると、フリード兄とバード兄が自分も、と催促してきた。
なので、私はフリード兄とバード兄にもクッキーを食べさせた。
「ふふっ、リアが食べさせてくれたから凄く美味しい」
「そうだね」
「うんうん」
兄達よ、このクッキーがもともと美味しいのだからね。
私に食べ物を美味しくする旨味成分はないぞ!
このあと、兄三人による甘々タイムがたっぷりと続いた。
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