MMS ~メタル・モンキー・サーガ~

千両文士

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【第二章:エデン第二区画/旧関係者居住エリア】

【第5話】

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『初めましてですな、特殊戦闘用アンドロイド、モデルSYK-000殿にサン殿。
 私はミクラブレイン様により創造された特殊戦闘用アンドロイド、モデルSYK-016コクフウカイと申します、以後よろしく』
 ドーム天丼にプロジェクションマッピングされる紫色のスパンコールトップハット&紫色のスパンコール燕尾服姿で真っ赤な蝶ネクタイのビア樽体型熊頭アンドロイドは悪趣味ファッションとは真逆のジェントルマンな挨拶を眼下の2人にする。
「こちらこそ初めましてだなコクフウカイ……型番的にお前はあの門番アンドロイドの後発モデルのようだが、二番煎じか?それとも改良型か?」
『では博士殿にお聞きしよう、貴女様はどちらをお求めですかな?』
「もちろん後者よ、コクフウカイ」
 急に話題を振られたサン博士はきっばりと答える。
『ほっほっほ、では残念なお知らせです!! 私はこのエデンに6体しかいない上位管理者アンドロイド、それ故に埠頭番止まりの兄とは違う改良型なのですよ』
「へえ、お前程度で上位管理者になれるなんてねえ!! ……ミクラの奴、人工知能が経年劣化で壊れちまったのかあ?」
『……ふふふ、何とでも言いなさい。おサルさん』
 胸ポケットから葉巻を取り出して咥えたコクフウカイはマッチを擦って火をつける。
『さて主様に代わって私が説明いたしますが、仮にあなた方が中央制御塔に行ったとしても……その門には頑強なロックがかけられており入る事は出来ません。
 それを開く鍵は6つ、あなたたちはそれら全てを揃える必要がございます。 その所在は……』
「あなたを含む上位管理者アンドロイドのネットワーク接続型人工知能を物理的に破壊し接続不能状態にすること……そうでしょ?」
『ご名答ですぞ、サン博士。あなた方は私が管轄するこの人間居住区であった場所を探索し、私を見つけ出して破壊しなくてはなりませぬ……出来ますかな?』
「どの道そこのエレベーターも止められちまったし、進しかねぇんだろ。この悪趣味ファッション野郎」
 肩に乗せたモンキーロッドに腕を絡め、片足ぶらぶらさせながら長話を聞いていたモンキーマンは大あくびをしつつ天丼プロジェクションマッピング向こうの敵アンドロイドに返す。
『ほほほ、そこのオサルさんは口数は減りませんねぇ。サン博士もご苦労様です……』
「あら、そうでもなくてよ。私もあなたのファッションが悪趣味だと言わぎるを得ないぐらいの美的感性は持っているし」
『……そこまで言うなら仕方ありませんね。出て来なさい、我が僕達よ!!』
 コクフウカイの指示に合わせてバタバタバタと開く旧人間居住区の道路。
 そこから押し出されるように出て来たのは犬や鳥のアイコンとハザードマークが描かれた大きな箱だ。
「博士、あれは……!!」
「間違いないわ、中にいるのはミュータントアニマルよ!!」
 人間による倫理制御から解放された超人工知能がその生命工学技術をフル活用して作り出した人造生物。
 ミクラブレインによる人類救済計画における軍事侵攻でアンドロイド兵と併用するために
 つくられた犬や猛禽類の遺伝情報をベースとした戦闘生物専用を収納した運搬BOXを際限なく吐き出すアンダーグラウンドエアウェイ。
『おお、ご存知でしたか!! 私はここに設けられたこれらの生産施設管理を主様に任されておりまして、かつて人間様方がお住まい出会った場所は彼らのプレイグラウンド。
 ここの主は去りし人間ではなく日々ここで戯れている可愛いミュータントアニマル達なのですぞ!!』
「ちっ!!」
 弾幕や鉄条網に構うことなく突っ込んできてその鋭い牙を突き立ててくる犬型&頭上から急降下して人体急所の眼球に爪を突き立ててくる猛禽類型。
 武装アンドロイド兵よりも厄介な生物兵器・ミュータントアニマル。
 自身やサン博士も戦場で何度も遭遇して撃退来たとは言え、逃げ場の無い敵のホームグラウンドで博士を守りつつとなると話が違う。
 箱からわらわらと出て来るゾンビ映画生物そのものな人造生物を前にモンキーマンは自身の人工知能をフル回転させて最善策を見出そうとする。
「モンキーマン、かつて私もお世話になったアレが拡張されているとは言え機能しているのであればちょうどいいわ……あの場所に向かうわよ」
「博士、了解した」
 阿吽の呼吸でその意味を理解したモンキーマンは相方としてニヤリと笑う。

【MMS 第6話に続く】
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