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第一章:『新たなる試練』
【第2話】
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『闇渦(ヤミウズ)』
五柱もの高位武神を従えしタメシヤノミコト様がその神力で理の狭間に作りし神域・神ノ間。
直属の部下たる五武神とその眷族魔物&式神、そして入場を許されたマヨイガ神紋を与えられしもののふしか入れないはずの空間に突如出現した魔力の渦。
そこからずるりと出てきたのは魔性のモノか神に属する者かもわからない腰に太刀を差した黒い甲冑姿の人間だ。
『私はヤミノミヤノミコト様より遣わされし使者、ヤミネコと申すモノであります。水神紋の女子の件でお話にまいっ……』
『ヒートオーヴァードライブ!!』
『神技:瞬迅雷(しゅんじんらい)』
『ハイドロフォイル!! エレメントプラス・アイス!!』
ヤミネコと名乗る黒い甲冑男が紳士的に用件を言い終える前に業蒼炎を全身に纏い、ファイアージェットで斬りかかる探。
一瞬のうちに抜き身の小刀に電撃を帯びさせ、そのまま目でとらええぬ高速移動で急所に突き立てんとするナルカミノミヤ。
2人に出遅れつつも槍を構え、水塊上を滑って突撃するマーメイドウォーリアーのツミレ。
『闇喰(ヤミハミ)』
『ヒートスラッシュ!!』
腰の太刀に一切触れず、左腕を少し上げた黒甲冑。
探の一閃はその左籠手で受け止められたのみならず激昂のままに神紋刀に纏わせた業蒼炎は一瞬で蒸散してしまう。
「なっ!?」
『雷っ!!』
続いて加速したまま下から滑り込み、鎧の隙間に短刀を突き立てようとしたナルカミノミヤの刃を右手掌で受け止めたヤミネコ。
『闇破(ヤミハ)』
もののふと武神による攻撃を受け止めた敵が未知の詠唱を呟いた次の瞬間、2人の身体はものすごい衝撃で吹き飛ばされる。
『地神紋発動!! アースチェンジ・サンド!!』
『ミズノミヤ神技 軟体生成!!』
慌てて2人の落下地点辺りを柔らかい砂地に変化させる英里子と巨大なプニプニスライムボールを生成してクッション着地させるミズノミヤ様。
「アニキ!! ナルカミ!!」
「待て、チノモノ!! 皆の者もそやつに手を出すな!!」
装着済みの大籠手からヴォルトプラス済みのスーパーデストロイミサイルを発射しようとしていた須田丸と、各々の武器で狼藉者に追撃しようとしていたその他全員を止め、ヤミネコに自身の目の前に来るように促すタメシヤノミコト様。
「ヤミネコ殿、我が郎党が大変失礼いたしましたな。
わらわはヤミノミヤノミコトなる者はしらぬが……ミズノモノの件、そなたが下手人なのか? その目的は?」
ママのみならず目の前でパパまでも殺されて泣き叫ぶ雲隠家の子供達。
神紋弓に風矢をつがえたまま2人を庇うカゼノモノ茜。
運良くも出遅れたが故に即死級の一撃は免れたツミレはとにかく派手に吹っ飛ばされた2人の無事を確かめて緊急治療を始める面々。
阿鼻叫喚の地獄絵図と化した神ノ間でその張本人たる狼藉者と向かい合ったタメシヤノミコト様は感情を抑えた声で問う。
『いかにも、私が水神紋をお持ちのミズノモノ様を我らの宮にお連れいたしました』
タメシヤ五武神の長を前にあっさりと認めるヤミネコ。
「そうか、してそなた……いや、そなたらの目的はなんだ? 金か業物か……はたまたわらわ達、タメシヤ五武神の加護とでも言うのか?」
『私共はどれも必要ありませぬ。ただ主様が求めるのは己の存在意義と命の駆け引き、そして……喜びのみであります』
「ふむ、つまりわらわに何をしろと申すのだ?」
『はい、これより皆さまには主様のマヨイガダンジョン……闇乃宮に挑んでいただきます』
そういいつつ頭上に大きな闇穴を生成するヤミネコ。
そこに映し出されたのは光の粒子で生成された5つの鳥居があるマヨイガポータルの間だ。
「なっ、何がしたいのじゃ……こやつは?」
「翁殿、見てくれ!! 部屋の中央から何かが出てきているぞ!?」
ヒノミヤノミコトとゴブガミの会話に画面中央に目をやる全員。
地揺れと共に足元からせり出してくるのはどす黒い瘴気を纏った黒い何かだ。
「あの形は……鳥居なのか!?」
「そうに違いないよ、チノミヤ君!! しかも……『闇乃宮』だって!?」
地揺れと共にマヨイガポータル中央にせり出して来た『闇乃宮』と書かれた黒い鳥居は黒い瘴気をまとったままずっしりと部屋中央に鎮座する。
「ほぉ、わらわの領域に無許可であのような物を創り出せるとは……ヤミノミヤノミコト殿とは中々の神格をお持ちのようですな。そこまでのモノを見せつけられたとあっては、その戦受けてやろうではないか。
皆の者、異があるならこの場で申すが良い。」
マヨイガポータルに現れた黒い鳥居を前に即答しつつ、神ノ間を見回すタメシヤノミコト様。
この急展開と成り行き的に美香を助けるにはこの狼藉者の挑戦を受けてヤミノミヤなる未知のマヨイガダンジョンに挑むしかない事を理解していた皆は首を縦に振る。
【第3話に続く】
五柱もの高位武神を従えしタメシヤノミコト様がその神力で理の狭間に作りし神域・神ノ間。
直属の部下たる五武神とその眷族魔物&式神、そして入場を許されたマヨイガ神紋を与えられしもののふしか入れないはずの空間に突如出現した魔力の渦。
そこからずるりと出てきたのは魔性のモノか神に属する者かもわからない腰に太刀を差した黒い甲冑姿の人間だ。
『私はヤミノミヤノミコト様より遣わされし使者、ヤミネコと申すモノであります。水神紋の女子の件でお話にまいっ……』
『ヒートオーヴァードライブ!!』
『神技:瞬迅雷(しゅんじんらい)』
『ハイドロフォイル!! エレメントプラス・アイス!!』
ヤミネコと名乗る黒い甲冑男が紳士的に用件を言い終える前に業蒼炎を全身に纏い、ファイアージェットで斬りかかる探。
一瞬のうちに抜き身の小刀に電撃を帯びさせ、そのまま目でとらええぬ高速移動で急所に突き立てんとするナルカミノミヤ。
2人に出遅れつつも槍を構え、水塊上を滑って突撃するマーメイドウォーリアーのツミレ。
『闇喰(ヤミハミ)』
『ヒートスラッシュ!!』
腰の太刀に一切触れず、左腕を少し上げた黒甲冑。
探の一閃はその左籠手で受け止められたのみならず激昂のままに神紋刀に纏わせた業蒼炎は一瞬で蒸散してしまう。
「なっ!?」
『雷っ!!』
続いて加速したまま下から滑り込み、鎧の隙間に短刀を突き立てようとしたナルカミノミヤの刃を右手掌で受け止めたヤミネコ。
『闇破(ヤミハ)』
もののふと武神による攻撃を受け止めた敵が未知の詠唱を呟いた次の瞬間、2人の身体はものすごい衝撃で吹き飛ばされる。
『地神紋発動!! アースチェンジ・サンド!!』
『ミズノミヤ神技 軟体生成!!』
慌てて2人の落下地点辺りを柔らかい砂地に変化させる英里子と巨大なプニプニスライムボールを生成してクッション着地させるミズノミヤ様。
「アニキ!! ナルカミ!!」
「待て、チノモノ!! 皆の者もそやつに手を出すな!!」
装着済みの大籠手からヴォルトプラス済みのスーパーデストロイミサイルを発射しようとしていた須田丸と、各々の武器で狼藉者に追撃しようとしていたその他全員を止め、ヤミネコに自身の目の前に来るように促すタメシヤノミコト様。
「ヤミネコ殿、我が郎党が大変失礼いたしましたな。
わらわはヤミノミヤノミコトなる者はしらぬが……ミズノモノの件、そなたが下手人なのか? その目的は?」
ママのみならず目の前でパパまでも殺されて泣き叫ぶ雲隠家の子供達。
神紋弓に風矢をつがえたまま2人を庇うカゼノモノ茜。
運良くも出遅れたが故に即死級の一撃は免れたツミレはとにかく派手に吹っ飛ばされた2人の無事を確かめて緊急治療を始める面々。
阿鼻叫喚の地獄絵図と化した神ノ間でその張本人たる狼藉者と向かい合ったタメシヤノミコト様は感情を抑えた声で問う。
『いかにも、私が水神紋をお持ちのミズノモノ様を我らの宮にお連れいたしました』
タメシヤ五武神の長を前にあっさりと認めるヤミネコ。
「そうか、してそなた……いや、そなたらの目的はなんだ? 金か業物か……はたまたわらわ達、タメシヤ五武神の加護とでも言うのか?」
『私共はどれも必要ありませぬ。ただ主様が求めるのは己の存在意義と命の駆け引き、そして……喜びのみであります』
「ふむ、つまりわらわに何をしろと申すのだ?」
『はい、これより皆さまには主様のマヨイガダンジョン……闇乃宮に挑んでいただきます』
そういいつつ頭上に大きな闇穴を生成するヤミネコ。
そこに映し出されたのは光の粒子で生成された5つの鳥居があるマヨイガポータルの間だ。
「なっ、何がしたいのじゃ……こやつは?」
「翁殿、見てくれ!! 部屋の中央から何かが出てきているぞ!?」
ヒノミヤノミコトとゴブガミの会話に画面中央に目をやる全員。
地揺れと共に足元からせり出してくるのはどす黒い瘴気を纏った黒い何かだ。
「あの形は……鳥居なのか!?」
「そうに違いないよ、チノミヤ君!! しかも……『闇乃宮』だって!?」
地揺れと共にマヨイガポータル中央にせり出して来た『闇乃宮』と書かれた黒い鳥居は黒い瘴気をまとったままずっしりと部屋中央に鎮座する。
「ほぉ、わらわの領域に無許可であのような物を創り出せるとは……ヤミノミヤノミコト殿とは中々の神格をお持ちのようですな。そこまでのモノを見せつけられたとあっては、その戦受けてやろうではないか。
皆の者、異があるならこの場で申すが良い。」
マヨイガポータルに現れた黒い鳥居を前に即答しつつ、神ノ間を見回すタメシヤノミコト様。
この急展開と成り行き的に美香を助けるにはこの狼藉者の挑戦を受けてヤミノミヤなる未知のマヨイガダンジョンに挑むしかない事を理解していた皆は首を縦に振る。
【第3話に続く】
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