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第四章:『闇乃宮参ノ闘戯場/地獣キネコ』
【第20話】
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「さて、御鐵院にカゼノミヤの式神さん……もういいかな?」
武神と魔力の概念説明の最中、意味も無く上半身をはだけたミズノミヤノミコト様の白狩衣を着付け直す茜と式神ライに背を向けたまま間うナルカミノミヤノミコト。
「ええ、大丈夫よナルカミノミヤ(ミズノミヤ様の肌、スベスベで綺麗だったなあ……)」
「大丈夫でございます(武神様とは言えフウ姉さまよリオッパイが大きいなんて……ずるいですわ!!)」
「うむ、済まぬなナルカミ……(この2人、わらわを前に肉食動物の眼をしておらぬか?……カゼノミヤの式神はとにかく御鐵院の血筋の者が何百歳も年上のわらわの裸体に興奮するとは!!)」
色々な意味でタケルとエミの情操教育によろしくない思考を気取られないようにしつつ平静を装う3人。
「……そして以前も話した通り僕ら五武神は生前の記憶と経験を宿す魂を核とした魔力の塊のようなものであり、君達のような生者と同等の物質状態と神としての固有能力を維持するためには膨大な力が必要となる。
霊力布は魔力をその繊維内に蓄える作用があり、僕達のような存在には欠かせないエネルギー源の1つとなるんだ」
「へぇ……そんな効果がこの装備にあったのか」
十数年前、美香と結婚して双子の子宝を授かった際にお祝い金と共にタメシヤノミコト様より授かった霊力布製の『雲』家紋入リロングコートスーツを装備してきた探は思わずしげしげと見てしまう。
「なお、チノミヤ殿は戦の神として研鑽を積むべく数多の人間界の戦に従事していらっしゃる経験豊富な方でそなたらの日本史の教科書でもよく出る有名どころでは古くは蒙古襲来、応仁の乱、桶狭間の戦い、そして関ヶ原に幕末動乱期……さらには比較的最近で言えばベトナム戦争や中東戦争にも行っていたはずだぞ」
ゴブガミも人間に化けて壇条学院の歴史教師をやっているぐらいだから驚くことではないが、インナーが狩衣と真逆なあのデザインなのはその比較的最近の影響かぁ……世界のドキュメンタリー映像で見た映像を思い返しつつ元オカルト研究会メンバー&雲隠家の双子は納得する。
「あの格好はオトコダマシイの影響じゃなかったのね……でも神様のアレってこの前の理科の時間で習った電池の原理みたいね、お兄ちゃん!!」
「ああ、うん……」
眼下の第三闘戯場で敵を力で圧倒するアーミースタイルのチノミヤノミコト様と英里子お姉さんとフウさん。
おそらくあそこまで圧倒出来ていれば今回は誰も犠牲にならずに済むだろうと言う安心感はさておき、何故かどこかに引っかかり続ける不安感。
初めてみるチノミヤノミコト様の本気戦闘スタイルがネイビースタイルな迷彩柄で劇画コミック『男魂』の定番かませ犬キャラ、何とかベレー大佐の類を想起させるのはさておき、妹の発した『電池』と言う表現で言語化された何か別の不安の種を認識しつつ、タケルは眼下の3人の無事を祈る。
「フウちゃん!!」
『鬼剛砕!!』
英里子の高速移動陽動に合わせて撃ち込まれる式神フウの拳。
(よしっ、ええ感じに削れとるで!!)
武器や装備に非戦闘用サポートスキルの効果を一時的に付与する『イクイプラス』でただのメガネをアイテムスキャナー化した英里子は敵の体力減り具合を常時確認しつつ、2人と協力したコンビネーションアタックを喰らわせ続ける。
(あとはウチが数発食らわせれば……終わりや!!)
これが最大出力かはわからないが、これだけの力を自前で出せる五武神最強の武闘家・チノミヤノミコト様はとにかく自分やフウちゃんは彼の力(?)でオーバードーズ状態だからダメージが通る。
その事実を薄々察していた英里子は決着をつけるべくゴーレムアムドで殴りかかる。
「英里子!!」
「やれぇ!!」
『うおっ!!』
英里子の動きに合わせてキネコを左右から抑える仲間達。
「サンキューやでぇぇ!!」
「いっけぇぇぇぇ!!」
観客席からの声援を背にトドメのゴーレムパンチを喰らわせようとした恵理子は突如地面に倒れる。
【第21話につづく】
武神と魔力の概念説明の最中、意味も無く上半身をはだけたミズノミヤノミコト様の白狩衣を着付け直す茜と式神ライに背を向けたまま間うナルカミノミヤノミコト。
「ええ、大丈夫よナルカミノミヤ(ミズノミヤ様の肌、スベスベで綺麗だったなあ……)」
「大丈夫でございます(武神様とは言えフウ姉さまよリオッパイが大きいなんて……ずるいですわ!!)」
「うむ、済まぬなナルカミ……(この2人、わらわを前に肉食動物の眼をしておらぬか?……カゼノミヤの式神はとにかく御鐵院の血筋の者が何百歳も年上のわらわの裸体に興奮するとは!!)」
色々な意味でタケルとエミの情操教育によろしくない思考を気取られないようにしつつ平静を装う3人。
「……そして以前も話した通り僕ら五武神は生前の記憶と経験を宿す魂を核とした魔力の塊のようなものであり、君達のような生者と同等の物質状態と神としての固有能力を維持するためには膨大な力が必要となる。
霊力布は魔力をその繊維内に蓄える作用があり、僕達のような存在には欠かせないエネルギー源の1つとなるんだ」
「へぇ……そんな効果がこの装備にあったのか」
十数年前、美香と結婚して双子の子宝を授かった際にお祝い金と共にタメシヤノミコト様より授かった霊力布製の『雲』家紋入リロングコートスーツを装備してきた探は思わずしげしげと見てしまう。
「なお、チノミヤ殿は戦の神として研鑽を積むべく数多の人間界の戦に従事していらっしゃる経験豊富な方でそなたらの日本史の教科書でもよく出る有名どころでは古くは蒙古襲来、応仁の乱、桶狭間の戦い、そして関ヶ原に幕末動乱期……さらには比較的最近で言えばベトナム戦争や中東戦争にも行っていたはずだぞ」
ゴブガミも人間に化けて壇条学院の歴史教師をやっているぐらいだから驚くことではないが、インナーが狩衣と真逆なあのデザインなのはその比較的最近の影響かぁ……世界のドキュメンタリー映像で見た映像を思い返しつつ元オカルト研究会メンバー&雲隠家の双子は納得する。
「あの格好はオトコダマシイの影響じゃなかったのね……でも神様のアレってこの前の理科の時間で習った電池の原理みたいね、お兄ちゃん!!」
「ああ、うん……」
眼下の第三闘戯場で敵を力で圧倒するアーミースタイルのチノミヤノミコト様と英里子お姉さんとフウさん。
おそらくあそこまで圧倒出来ていれば今回は誰も犠牲にならずに済むだろうと言う安心感はさておき、何故かどこかに引っかかり続ける不安感。
初めてみるチノミヤノミコト様の本気戦闘スタイルがネイビースタイルな迷彩柄で劇画コミック『男魂』の定番かませ犬キャラ、何とかベレー大佐の類を想起させるのはさておき、妹の発した『電池』と言う表現で言語化された何か別の不安の種を認識しつつ、タケルは眼下の3人の無事を祈る。
「フウちゃん!!」
『鬼剛砕!!』
英里子の高速移動陽動に合わせて撃ち込まれる式神フウの拳。
(よしっ、ええ感じに削れとるで!!)
武器や装備に非戦闘用サポートスキルの効果を一時的に付与する『イクイプラス』でただのメガネをアイテムスキャナー化した英里子は敵の体力減り具合を常時確認しつつ、2人と協力したコンビネーションアタックを喰らわせ続ける。
(あとはウチが数発食らわせれば……終わりや!!)
これが最大出力かはわからないが、これだけの力を自前で出せる五武神最強の武闘家・チノミヤノミコト様はとにかく自分やフウちゃんは彼の力(?)でオーバードーズ状態だからダメージが通る。
その事実を薄々察していた英里子は決着をつけるべくゴーレムアムドで殴りかかる。
「英里子!!」
「やれぇ!!」
『うおっ!!』
英里子の動きに合わせてキネコを左右から抑える仲間達。
「サンキューやでぇぇ!!」
「いっけぇぇぇぇ!!」
観客席からの声援を背にトドメのゴーレムパンチを喰らわせようとした恵理子は突如地面に倒れる。
【第21話につづく】
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