もう一つの選択肢

うさ

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----第1章---- 消えたりしない私の後悔

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「なぁ雫、俺に存在する意味ってあるのかな?」
「私にはわかない、ごめんね」
「そうか。じゃあな…」
「?」
「またね」

    またこの夢か…嫌な夢だな。
最近よく見るこの夢は中学校での私と名前も顔も思い出せない男子生徒との会話だ。
このあと彼は屋上から飛び降りて死んだ。
いわゆる自殺だ。
この夢を見ると朝からすごく疲れた。
よし、仕事に行くか!

はぁ……
またため息をついてしまった。

     私はいつも後悔している。
その理由はいろいろある。
その中でも最も後悔しているのはあの夢に出てくる会話
もし彼の質問に別の答えをしていたら…
そんなことを考えてしまう。
考えても仕方ないのに。
そう考えているうちに仕事が遅れてしまい夜残ることにした。

「お先に失礼します」
「あ、うん」
「先輩、あまり頑張りすぎないようにしてくださいね!!」
「わかってるって!じゃあまた明日」
いい後輩だ。
仕事もできて、気遣いもできる。
私も見習わなくてはな。
さて、仕事、仕事っと
しかし今日はなんだかいつもより疲れてるなぁ。
そんなことを思いながら仕事も進んで終わりも見えてきた。
今は……11時か
もう少しやって帰ろう

  帰る途中に中学校の時の同級生にあった
すると、夢に出てくる彼の親友だったという男は私を睨んできた。
「お前はあの時の」
「ど、どちらさまですか?」
私が聞くと、かんに障ってしまったのか
「ああ?」
また睨まれてしまった。
「お前があいつを殺したんだろ!!」
「?!」
あいつ?あいつって夢に出てくる彼のことか?
「ちがっ」
「もういい!」
そういうと男は去っていった

    そして家に帰り着いた私はぐったりとベットに倒れこんだ。
そのまま仰向けになり天井を見上げ瞼を閉じた。
なんであんな言い方したんだろう…
他にもいいようわあっただろう。
今なら他の答えを返せるはずなのに。
『それは本当か』
「?!」
なっ、なんだ今の!
『聞こえんのか?それは本当かと聞いている』
『それが本当だとすれば過去を変えよ!!』
そう声がしたかと思うといきなり意識がとおのいていった。

「う…うぅ…はっ?!」
見覚えのある服に懐かしい響きのチャイムが聞こえる
ここは…………まさか……
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