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第2章 社燕秋鴻
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しおりを挟むだからと言って、どんなに外そうとしても正規の手順以外でそうそう簡単には外れない。
普通の番避けは、頑丈な革素材の真っ黒でシンプルなフォルムが多く、そのほとんどが暗証番号か指紋認証のどちらか、または両方で施錠されている。
番避けだから、理性のなくなった馬鹿力のαから身を守るために、頑丈で幅があるのは当たり前で、簡単に外れてもらっては困るわけだから、確かに無骨なのは多い。
だが、これはなんだか革のような、でも何か違うような、よくわからない素材で出来ている。
無骨で真っ黒でシンプルなフォルムなのは変わらないが、だからこそ、何よりも目立つのが真ん中に堂々とついている大きな南京錠だ。
鍵は番避け本体に直接ついているものがほとんどだから、こんな南京錠なんてあからさまな鍵が付いてるものはほとんどない。
しかも何がおかしいって、この南京錠に指紋認証が付いているのだ。
いや、だったら直接つければいいじゃん!?
わざわざ南京錠にする意味ないよね。
ということは、完全に静先輩の、趣味、ということになるわけだが。
って、そうじゃなくて。
かなり論点がズレてしまったが、フォルムどうこうの話の前に、なんでこんなものが自分の首に付いてるんだ。
いや、理由は何となく察しがつくけれど。
そういうことじゃなくて、寝ている間に一切断りもなく、しかもこの指紋認証十中八九静先輩、だよね。
そう思って自分の指で試してみるものの、案の定エラーサインが出るだけで、外れてくれることはなかった。
普通は自分で付け外すものなのに、これはどんなに嫌でも自分で外すことは出来ない。
その事がさらに静先輩の存在を感じさせて息苦しくなるのだった。
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