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プロローグ3

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「えっと、力を0/0にしてと後はオンリースキルと出生時のランダムスキルをポイっとつけて送信。」

私は彼を担当していた新人女神で名前はまだ無い。彼には便宜上ラインと名乗ったがあれは部署で名を名乗るときの社員名みたいなもので実名は未だもらっていないのだ。女神の制度は古来日本の武家のように社員名から実名に成れるよう努力するのが習わしなのだが今回の私のミスはそれが一気に遠のいてしまうほどの大ミスであった。彼は気にしないとは言っていたが実は肉体があればあちらの世界に戻ることだってできたはずなのだ。

「あれ、あなた。この魔力おかしいわよ。」

先輩女神のアルティマ様だ。彼女は豊穣神としての特性と相まって輪廻転生の輪を管理するプロフェッショナルだ。だからとても頼りのなる先輩なのである。そんな先輩が注意しているのだ。つまり私はまた何かをやらかしてしまったらしい。

「え、けどこの人魔力を0にしてくれっていう希望を出されていたんですよ。」

「それだったら魔力は小数点以下にして出すように言われていたはずですよ。きちんとマニュアル読みましたか?」

そんなマニュアル私は見た覚えはない。というかマニュアル事態洗濯機によって流されてしまったのだ。そうあの日は同窓会で酔いに酔いまくって誤ってキルトを洗濯機にかけてしまったのだ。本来キルトは部署専用クリーニングに出されるがあの日は本当に私服と間違って一緒に洗ってしまった。そのキルトの裏地にあるポケットのなかにマニュアルは合った。それを秘密にしたまま私はすごしてしまったのだ。

「え?」

「その様子だと読んでないわね。まあいいわ。この人はもう転生させちゃったみたいだけど私の管轄世界だからミスとしては扱わないで上げるけど。まあこの人のプロファイルを見るに天災とかは起こさないでしょう。いい計算上では0/0っていう数字は1ではなくて答えはわからない。だから私たちは微量な数値の切り捨てにして実質的な魔力0にしている。ここまではいい?」

0が最大数のパーセンテージは存在してはいけない。電卓などで0÷0を入力すると必ずエラーになるそれと同じようにパーセンテージを0にしてしまえば本来合計1の答えは全ての数字が合計数字となってしまう。そのことをアルティマは言っているのだがこの無名女神はいかせん義務教育の対象外のためか知らなかったのだ女神大学でも文系先行で数理は捨て去ってしまったため数字にも弱い。

「へ?」

「わからない数字っていうのはなんにでもなれるの。つまりこの人は無限の個体の魔力を持っちゃったってことよ。」

ちーん

要望を通すどころか要望に全く反した魔力を与えてしまった駄女神なのであった。
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